1 / 202
はじまり
1.
しおりを挟む
病院の一室。静かに息を引き取った女性。幼い頃に両親と死に別れ、その後親代わりに育ててくれた祖母も10年前に他界。38歳にして本人も病気には敵わず、この世を後にした。
はずだった。
「あれ、ここどこ?」
入院して病院で治療を受けていたが、だんだん衰えていく事に抵抗できずついさっき力尽きた記憶がある。
でも、どう見ても周りは草原?森?
ふと手に紙があたったので視線を落とす。
『特に代わり映えのない人生だったかも知れない前世の知識。今回の役に立つかも。ここは地球とは別の世界。魔法と剣の世界へ異世界転生と言えばわかるかしら。生活に困らない程度の知識や能力とちょっとした特典をつけておいたわ。気楽に楽しめる様に身内はいない。一応跡取りの居ない貴族の遠い親戚にしてあるから定住したいならその人を探してね。念の為、家紋の入った指輪を無限収納にいれてあるから。あとは5歳にしておいたから今世楽しんでね。神より』
なんだコレ。異世界転生?
病室で暇潰しに読んでた小説が確かにこの手の作品だったゲド。
「まっ、いっか」
頭の中には、この世界の知識がある様でちょっと集中すりとまるで感覚にインストールされるかの様に流れ込んできた。
とりあえずステータスを見ればよいか。
「ステータス」
名前?
年齢5
レベル1
HP150
MP450
体力15
魔力75
知力80
俊敏50
運 70
属性 全属性
スキル 無限収納 テイム 料理 マップ 調合 鑑定
所持金 10000000G
お金一杯だ。名前が?って好きにして良いのかな。後で考えよう。この世界の平均が分からないけど、最高が150らしいから体力以外は高めかな。
マップがある。頭に思い描くと何もない空間に地図が出てきた。
現在地となんとなく街の様な印がある。通ったらどんどん追加されるのか。
で、無限収納には食料と服、武器と防具ポーションにテント、日用品が入っていた。
「とりあえず深く考えても仕方がないし、街に向かって歩いて行くか」
身体は5歳でも頭は38歳。
魔物がいるかも?街まで歩ける?
まっ、なんとかなるっしょ。
地図を脳内に展開してテクテク歩きはじめた。
2時間後、そろそろ街道に出る頃はじめての魔物に遭遇する。
「なにこれ、かわいい。スライムだ」
つぶらな瞳でプルプル動く青い物体を発見。それも一匹。
「なんかテイムとかあったな。どうやったらできるの?あっ、成る程。えっと一緒にいこ?こっちにおいでよ」
力でも説得でもとりあえず仲間になりたいと意識して相手が納得したらテイムできる様だ。
しばらく左右にプルプル揺れてる。手を差し出すとぴょっこり手のひらに乗ってきた。
「後は名前をつけたらテイム完了ね」
なんてつけようかな。うーむ、青いし、プルプルだしスライムだし
「君の名前はプルでどお」
プルプルと震えて一瞬光に包まれた。光が額?の処にあつまり収まる。契約紋が薄っすらと浮かぶ。
「やったー。今日からよろしくね」
#ヨロシク、アルジ、ナマエオシエテ#
頭に言葉が入ってくる。意思疎通ができるんだ。
「そっか名前ね。私はククル。よろしく」
#ククル、ヨロシク#
咄嗟にでたククルで私の名前も決まった。
プルを肩に乗せて街道に出た。
街に向かって歩いていると時々馬車が横を通る。
何台目かの馬車が横を通りすぎた時、1人の男性が馬車から飛び降りて来て此方に歩いてくる。
当たり前だが知り合いは居ない。私には関係ないと気にせず歩いていると目の前に立ち止まった。
「おい、ちびっ子。お前1人か、保護者はどこだ」
あら、私に用事だったか。
良く考えたら小さい子供が1人、歩いているのも不自然か。お節介か怪しい人かわからん。
反応に困って無言で相手の顔を見ていると向こうが話し出した
「しゃべれないのか。こんなところで1人で居たらとっつかまって売られるぞ。保護者は居ないみたいだな。街に行くのか」
コクリ。首を縦にした。
「1人か」
コクリ
「オレが連れて行ってやる」
ブルブル
「大丈夫だ。一応冒険者だし、お前を売りはしない」
ブルブル
「信用できんか」
コクリ
「中々面白いな。ほら、大丈夫だから」
無理矢理抱き上げられた。
ポカポカ男の肩を叩くが全く気にせず歩き出す。多分お節介なのだろう。悪い人では無さそうだが強引ではある。
「オレはカイトだ。フリーの冒険者で丁度この先の街が故郷でな。久しぶりに帰って来た。そんなに警戒するな。いくあてはあるのか」
ない。特に考えてもいないし、どうしようかな。とりあえずついて行って大丈夫かな。
「私はククル。あてはないよ。1人だし。身寄りもない」
急にしゃべったからびっくりしたみたい
「なんだ、ちゃんとしゃべれるんだ。よし、あてがないならとりあえずついてこい。」
強引ではあったけどカイトに抱っこされたまま一緒に街まで行く事にした。
はずだった。
「あれ、ここどこ?」
入院して病院で治療を受けていたが、だんだん衰えていく事に抵抗できずついさっき力尽きた記憶がある。
でも、どう見ても周りは草原?森?
ふと手に紙があたったので視線を落とす。
『特に代わり映えのない人生だったかも知れない前世の知識。今回の役に立つかも。ここは地球とは別の世界。魔法と剣の世界へ異世界転生と言えばわかるかしら。生活に困らない程度の知識や能力とちょっとした特典をつけておいたわ。気楽に楽しめる様に身内はいない。一応跡取りの居ない貴族の遠い親戚にしてあるから定住したいならその人を探してね。念の為、家紋の入った指輪を無限収納にいれてあるから。あとは5歳にしておいたから今世楽しんでね。神より』
なんだコレ。異世界転生?
病室で暇潰しに読んでた小説が確かにこの手の作品だったゲド。
「まっ、いっか」
頭の中には、この世界の知識がある様でちょっと集中すりとまるで感覚にインストールされるかの様に流れ込んできた。
とりあえずステータスを見ればよいか。
「ステータス」
名前?
年齢5
レベル1
HP150
MP450
体力15
魔力75
知力80
俊敏50
運 70
属性 全属性
スキル 無限収納 テイム 料理 マップ 調合 鑑定
所持金 10000000G
お金一杯だ。名前が?って好きにして良いのかな。後で考えよう。この世界の平均が分からないけど、最高が150らしいから体力以外は高めかな。
マップがある。頭に思い描くと何もない空間に地図が出てきた。
現在地となんとなく街の様な印がある。通ったらどんどん追加されるのか。
で、無限収納には食料と服、武器と防具ポーションにテント、日用品が入っていた。
「とりあえず深く考えても仕方がないし、街に向かって歩いて行くか」
身体は5歳でも頭は38歳。
魔物がいるかも?街まで歩ける?
まっ、なんとかなるっしょ。
地図を脳内に展開してテクテク歩きはじめた。
2時間後、そろそろ街道に出る頃はじめての魔物に遭遇する。
「なにこれ、かわいい。スライムだ」
つぶらな瞳でプルプル動く青い物体を発見。それも一匹。
「なんかテイムとかあったな。どうやったらできるの?あっ、成る程。えっと一緒にいこ?こっちにおいでよ」
力でも説得でもとりあえず仲間になりたいと意識して相手が納得したらテイムできる様だ。
しばらく左右にプルプル揺れてる。手を差し出すとぴょっこり手のひらに乗ってきた。
「後は名前をつけたらテイム完了ね」
なんてつけようかな。うーむ、青いし、プルプルだしスライムだし
「君の名前はプルでどお」
プルプルと震えて一瞬光に包まれた。光が額?の処にあつまり収まる。契約紋が薄っすらと浮かぶ。
「やったー。今日からよろしくね」
#ヨロシク、アルジ、ナマエオシエテ#
頭に言葉が入ってくる。意思疎通ができるんだ。
「そっか名前ね。私はククル。よろしく」
#ククル、ヨロシク#
咄嗟にでたククルで私の名前も決まった。
プルを肩に乗せて街道に出た。
街に向かって歩いていると時々馬車が横を通る。
何台目かの馬車が横を通りすぎた時、1人の男性が馬車から飛び降りて来て此方に歩いてくる。
当たり前だが知り合いは居ない。私には関係ないと気にせず歩いていると目の前に立ち止まった。
「おい、ちびっ子。お前1人か、保護者はどこだ」
あら、私に用事だったか。
良く考えたら小さい子供が1人、歩いているのも不自然か。お節介か怪しい人かわからん。
反応に困って無言で相手の顔を見ていると向こうが話し出した
「しゃべれないのか。こんなところで1人で居たらとっつかまって売られるぞ。保護者は居ないみたいだな。街に行くのか」
コクリ。首を縦にした。
「1人か」
コクリ
「オレが連れて行ってやる」
ブルブル
「大丈夫だ。一応冒険者だし、お前を売りはしない」
ブルブル
「信用できんか」
コクリ
「中々面白いな。ほら、大丈夫だから」
無理矢理抱き上げられた。
ポカポカ男の肩を叩くが全く気にせず歩き出す。多分お節介なのだろう。悪い人では無さそうだが強引ではある。
「オレはカイトだ。フリーの冒険者で丁度この先の街が故郷でな。久しぶりに帰って来た。そんなに警戒するな。いくあてはあるのか」
ない。特に考えてもいないし、どうしようかな。とりあえずついて行って大丈夫かな。
「私はククル。あてはないよ。1人だし。身寄りもない」
急にしゃべったからびっくりしたみたい
「なんだ、ちゃんとしゃべれるんだ。よし、あてがないならとりあえずついてこい。」
強引ではあったけどカイトに抱っこされたまま一緒に街まで行く事にした。
248
お気に入りに追加
2,353
あなたにおすすめの小説
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
七瀬美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
異世界召喚巻き込まれ追放テイマー~最弱職と言われたスキルで魔物軍団を作ったら世界最強の町ができました~
九龍クロン
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれた女の話。
最弱職として有名なモンスターテイマーだったので国外に追放されたが、隠されたユニークスキルが最強すぎてイージーモードな異世界物語。
ご都合主義多め。気負わず読める軽さでお届けしております。
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる