1 / 207
はじまり
1.
しおりを挟む
病院の一室。静かに息を引き取った女性。幼い頃に両親と死に別れ、その後親代わりに育ててくれた祖母も10年前に他界。38歳にして本人も病気には敵わず、この世を後にした。
はずだった。
「あれ、ここどこ?」
入院して病院で治療を受けていたが、だんだん衰えていく事に抵抗できずついさっき力尽きた記憶がある。
でも、どう見ても周りは草原?森?
ふと手に紙があたったので視線を落とす。
『特に代わり映えのない人生だったかも知れない前世の知識。今回の役に立つかも。ここは地球とは別の世界。魔法と剣の世界へ異世界転生と言えばわかるかしら。生活に困らない程度の知識や能力とちょっとした特典をつけておいたわ。気楽に楽しめる様に身内はいない。一応跡取りの居ない貴族の遠い親戚にしてあるから定住したいならその人を探してね。念の為、家紋の入った指輪を無限収納にいれてあるから。あとは5歳にしておいたから今世楽しんでね。神より』
なんだコレ。異世界転生?
病室で暇潰しに読んでた小説が確かにこの手の作品だったゲド。
「まっ、いっか」
頭の中には、この世界の知識がある様でちょっと集中すりとまるで感覚にインストールされるかの様に流れ込んできた。
とりあえずステータスを見ればよいか。
「ステータス」
名前?
年齢5
レベル1
HP150
MP450
体力15
魔力75
知力80
俊敏50
運 70
属性 全属性
スキル 無限収納 テイム 料理 マップ 調合 鑑定
所持金 10000000G
お金一杯だ。名前が?って好きにして良いのかな。後で考えよう。この世界の平均が分からないけど、最高が150らしいから体力以外は高めかな。
マップがある。頭に思い描くと何もない空間に地図が出てきた。
現在地となんとなく街の様な印がある。通ったらどんどん追加されるのか。
で、無限収納には食料と服、武器と防具ポーションにテント、日用品が入っていた。
「とりあえず深く考えても仕方がないし、街に向かって歩いて行くか」
身体は5歳でも頭は38歳。
魔物がいるかも?街まで歩ける?
まっ、なんとかなるっしょ。
地図を脳内に展開してテクテク歩きはじめた。
2時間後、そろそろ街道に出る頃はじめての魔物に遭遇する。
「なにこれ、かわいい。スライムだ」
つぶらな瞳でプルプル動く青い物体を発見。それも一匹。
「なんかテイムとかあったな。どうやったらできるの?あっ、成る程。えっと一緒にいこ?こっちにおいでよ」
力でも説得でもとりあえず仲間になりたいと意識して相手が納得したらテイムできる様だ。
しばらく左右にプルプル揺れてる。手を差し出すとぴょっこり手のひらに乗ってきた。
「後は名前をつけたらテイム完了ね」
なんてつけようかな。うーむ、青いし、プルプルだしスライムだし
「君の名前はプルでどお」
プルプルと震えて一瞬光に包まれた。光が額?の処にあつまり収まる。契約紋が薄っすらと浮かぶ。
「やったー。今日からよろしくね」
#ヨロシク、アルジ、ナマエオシエテ#
頭に言葉が入ってくる。意思疎通ができるんだ。
「そっか名前ね。私はククル。よろしく」
#ククル、ヨロシク#
咄嗟にでたククルで私の名前も決まった。
プルを肩に乗せて街道に出た。
街に向かって歩いていると時々馬車が横を通る。
何台目かの馬車が横を通りすぎた時、1人の男性が馬車から飛び降りて来て此方に歩いてくる。
当たり前だが知り合いは居ない。私には関係ないと気にせず歩いていると目の前に立ち止まった。
「おい、ちびっ子。お前1人か、保護者はどこだ」
あら、私に用事だったか。
良く考えたら小さい子供が1人、歩いているのも不自然か。お節介か怪しい人かわからん。
反応に困って無言で相手の顔を見ていると向こうが話し出した
「しゃべれないのか。こんなところで1人で居たらとっつかまって売られるぞ。保護者は居ないみたいだな。街に行くのか」
コクリ。首を縦にした。
「1人か」
コクリ
「オレが連れて行ってやる」
ブルブル
「大丈夫だ。一応冒険者だし、お前を売りはしない」
ブルブル
「信用できんか」
コクリ
「中々面白いな。ほら、大丈夫だから」
無理矢理抱き上げられた。
ポカポカ男の肩を叩くが全く気にせず歩き出す。多分お節介なのだろう。悪い人では無さそうだが強引ではある。
「オレはカイトだ。フリーの冒険者で丁度この先の街が故郷でな。久しぶりに帰って来た。そんなに警戒するな。いくあてはあるのか」
ない。特に考えてもいないし、どうしようかな。とりあえずついて行って大丈夫かな。
「私はククル。あてはないよ。1人だし。身寄りもない」
急にしゃべったからびっくりしたみたい
「なんだ、ちゃんとしゃべれるんだ。よし、あてがないならとりあえずついてこい。」
強引ではあったけどカイトに抱っこされたまま一緒に街まで行く事にした。
はずだった。
「あれ、ここどこ?」
入院して病院で治療を受けていたが、だんだん衰えていく事に抵抗できずついさっき力尽きた記憶がある。
でも、どう見ても周りは草原?森?
ふと手に紙があたったので視線を落とす。
『特に代わり映えのない人生だったかも知れない前世の知識。今回の役に立つかも。ここは地球とは別の世界。魔法と剣の世界へ異世界転生と言えばわかるかしら。生活に困らない程度の知識や能力とちょっとした特典をつけておいたわ。気楽に楽しめる様に身内はいない。一応跡取りの居ない貴族の遠い親戚にしてあるから定住したいならその人を探してね。念の為、家紋の入った指輪を無限収納にいれてあるから。あとは5歳にしておいたから今世楽しんでね。神より』
なんだコレ。異世界転生?
病室で暇潰しに読んでた小説が確かにこの手の作品だったゲド。
「まっ、いっか」
頭の中には、この世界の知識がある様でちょっと集中すりとまるで感覚にインストールされるかの様に流れ込んできた。
とりあえずステータスを見ればよいか。
「ステータス」
名前?
年齢5
レベル1
HP150
MP450
体力15
魔力75
知力80
俊敏50
運 70
属性 全属性
スキル 無限収納 テイム 料理 マップ 調合 鑑定
所持金 10000000G
お金一杯だ。名前が?って好きにして良いのかな。後で考えよう。この世界の平均が分からないけど、最高が150らしいから体力以外は高めかな。
マップがある。頭に思い描くと何もない空間に地図が出てきた。
現在地となんとなく街の様な印がある。通ったらどんどん追加されるのか。
で、無限収納には食料と服、武器と防具ポーションにテント、日用品が入っていた。
「とりあえず深く考えても仕方がないし、街に向かって歩いて行くか」
身体は5歳でも頭は38歳。
魔物がいるかも?街まで歩ける?
まっ、なんとかなるっしょ。
地図を脳内に展開してテクテク歩きはじめた。
2時間後、そろそろ街道に出る頃はじめての魔物に遭遇する。
「なにこれ、かわいい。スライムだ」
つぶらな瞳でプルプル動く青い物体を発見。それも一匹。
「なんかテイムとかあったな。どうやったらできるの?あっ、成る程。えっと一緒にいこ?こっちにおいでよ」
力でも説得でもとりあえず仲間になりたいと意識して相手が納得したらテイムできる様だ。
しばらく左右にプルプル揺れてる。手を差し出すとぴょっこり手のひらに乗ってきた。
「後は名前をつけたらテイム完了ね」
なんてつけようかな。うーむ、青いし、プルプルだしスライムだし
「君の名前はプルでどお」
プルプルと震えて一瞬光に包まれた。光が額?の処にあつまり収まる。契約紋が薄っすらと浮かぶ。
「やったー。今日からよろしくね」
#ヨロシク、アルジ、ナマエオシエテ#
頭に言葉が入ってくる。意思疎通ができるんだ。
「そっか名前ね。私はククル。よろしく」
#ククル、ヨロシク#
咄嗟にでたククルで私の名前も決まった。
プルを肩に乗せて街道に出た。
街に向かって歩いていると時々馬車が横を通る。
何台目かの馬車が横を通りすぎた時、1人の男性が馬車から飛び降りて来て此方に歩いてくる。
当たり前だが知り合いは居ない。私には関係ないと気にせず歩いていると目の前に立ち止まった。
「おい、ちびっ子。お前1人か、保護者はどこだ」
あら、私に用事だったか。
良く考えたら小さい子供が1人、歩いているのも不自然か。お節介か怪しい人かわからん。
反応に困って無言で相手の顔を見ていると向こうが話し出した
「しゃべれないのか。こんなところで1人で居たらとっつかまって売られるぞ。保護者は居ないみたいだな。街に行くのか」
コクリ。首を縦にした。
「1人か」
コクリ
「オレが連れて行ってやる」
ブルブル
「大丈夫だ。一応冒険者だし、お前を売りはしない」
ブルブル
「信用できんか」
コクリ
「中々面白いな。ほら、大丈夫だから」
無理矢理抱き上げられた。
ポカポカ男の肩を叩くが全く気にせず歩き出す。多分お節介なのだろう。悪い人では無さそうだが強引ではある。
「オレはカイトだ。フリーの冒険者で丁度この先の街が故郷でな。久しぶりに帰って来た。そんなに警戒するな。いくあてはあるのか」
ない。特に考えてもいないし、どうしようかな。とりあえずついて行って大丈夫かな。
「私はククル。あてはないよ。1人だし。身寄りもない」
急にしゃべったからびっくりしたみたい
「なんだ、ちゃんとしゃべれるんだ。よし、あてがないならとりあえずついてこい。」
強引ではあったけどカイトに抱っこされたまま一緒に街まで行く事にした。
897
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる