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第2.5章 崩壊するゲーム

第139話 VS.メジーナ

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10分後

「ハァ…ハァ…ハァ…」

「どうした?この程度か?」

「クッ…ソ」

もはや戦いとは呼べなかった、圧倒的な実力差に踊らされるだけだった。

「なんで…なんでこんなに強いのよ!」

「お前が弱いだけだろ?」

「っ!!!!」

この世界にはステータスが存在する、そのステータスも鵜呑みにしてはいけないが、圧倒的な数値差には敵わない。

とは言えポケ○ンのヌ○ニンのように頑○、貝○の鈴、がむし○らの様な即死コンボがあれば状況は変わるが、残念ながらメジーナにそんな能力はない。

「真っ向勝負を挑むのは凄いと思うよ(俺のステータスを知らないだけだけど)、けど、力量を見極める事が出来なかったのがお前敗因だ」

「なんですって!?」

「本当に強い奴ならその仕草、立ち振る舞いで気づくはずだ、それがないって事はお前はその程度なんだろ?」

と、カッコよく言っているが、実際にはここまで修行してやっと理解したのだ、力量を理解するには先ず、自分自身が己を鍛え、己の力量を知る事から始まる。

そこから自分と比較して相手の力量を測るのだ、だからこそ上に行けば行くほど圧倒的だと分かるのだ。

分からないのは上ではなく頂点にいる人達だけだ。

「貴方ごときがそんな知った風な事を言うな!」

「事実なんだからしょうがないだろ?」

息を切らしながら駆け出し剣を振るう、最初の方は良かったが疲れている身体で剣を振るっているため軌道が読みやすく躱しやすい。

「な!?」

「せめて自分なりに修行なり、トレーニングなりして強くなってから挑んでくれよな」

ゲーム内のクロウはクズ野郎だけど弱い、才能があるのに腐った性格のせいで才能を腐らせてしまった、それを(天城剣介と言う記憶を踏まえて)真面目に修行?トレーニング?をする事によって(剣をぺろぺろしていたが)強くなったのだ。

その成長結果ステータス差が今に至るのだ。

「黙れ!」

「適当に振っても当たらないぞ?」

大きな横降りを躱し、地面を蹴る、砂がメジーナの目に入り、目を閉じてしまう。

「っ!?」

「後はリュークに慰めてもらえ」

剣の平らな部分で頭を殴りたんこぶが出来る、手でそこを押さえながらメジーナは泣き出す。

クロウはそれを見ながら悠々と立ち去る。

「お疲れ様です、相変わらずの外道ですね」

「ご主人様に対して言う台詞か、それ?」

メイディがタオルを渡しながらそんな毒舌を言う、確かにやっていることは鬼畜外道だが、挑んできたのはあっちメジーナだ、クロウは悪くない。

「言いますよ、クロウ様が変な道に行かない様に止めるのがメイドの務めですから」

「フィオナ達に散々暴言を吐いてきた俺が変な道に行ってないとでも?」

「中身が変わっていませんから、一種の思春期と考えてました」

それってつまり厨二病が発病している時に『ああ、そういう時期ね』って結構心に来る言い方やん。

「…やめてくれない?マジで心にくる」

「そう言う原因を作ったのは貴方ですよ?それも含めてわたしは支えると言ったんですよ?」

まぁこんな自分をずっと見てきてそれでも好きって言ってくれる人なんてメイディかエムルみなちゃんくらいだろう。

「いや…そうなんだけどさ」

「と言うか私もいるのに自分のメイドだけとイチャイチャしないでくれます?」

「そうですわよ?あたくし達を無視しないでください」

「ボクもそう思います」

「いや…イチャイチャはしてないだろ」

とか言っても通用しないだろう、こう言う時女性達に何を言っても悪手になるだけだ。

「と言うかあれで良いか?」

そう言ってメジーナの方を見る、元々戦ったのはメイディ達の代わりだ、自分自身はやるつもりはなかった。

わたしは構いませんよ?一方的にイキって負ける姿は最高でした」

「昔の私を見ている様で吐き気がした」

「あたくしはやっぱりクロウ君は強いなぁって思った」

「ボクと戦え」

「うん、お前達に聞いた俺が馬鹿だった」

取り敢えずまだまだ鬱憤が溜まっているわけではなさそうなので、後の事はメジーナの事はリュークに任せよう。

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