剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

文字の大きさ
上 下
141 / 193
第2.5章 崩壊するゲーム

第136話 任せたいし関わりたくない

しおりを挟む
~昼休み~

「お前の推しだろ、なんとかしろ」

「んな事言われましても、僕は平民で貴族寮には入れないんですよ」

昼休みの昼食中、彼女ヒロイン達に自分達の昼食を任せると言ってどの料理が良いのか食堂の厨房付近で言い争っている隙を狙ってそんな話をする。

もちろん魔法とかで話し声が聞こえないように工夫はしている。

「お前イベントで侵入出来ただろ」

「バレたら終わりなんで嫌です、今だってゲームの物語ストーリーと違って来ているのに、もし貴族寮女子部屋侵入イベントがなくなっていたら僕は人生終わるんですよ」

クロウとか貴族はメイド達がいるので同棲の様な感じになっているが、クロウとメイディ、それとエムルが夜な夜なやっているプロレス(意味深)や他貴族女子達が男性の部屋に行くのは本当はかなりヤバい。

階級問題もあるし、貴族同士の繋がりや、婚約者問題、政略的にも問題は繋がる。

つまりクロウ達がやっている事は大人達からすれば『我が家を潰す気か!?この大馬鹿物達がぁ!!!!!』

と、言われてもおかしくないのだ。

ゲーム(に酷似した)世界とは言え、貴族社会や階級問題も普通にある為、ゲームだからと侮ってはいけないのだ。

「まぁ普通はそうなんだけどな、ほらエ○本とかの修学旅行とかさ、そう言うのあるじゃん」

「ありますけど、ここ確かにゲームの世界ですけど、遊びと本気は違いますよ」

よくある、『自分だったらこうする』と言うのを描く漫画や小説があるが、それはただの痛い厨二病なだけで、実際にその現場が来れば出来る人は殆どいないだろう。

「まぁ、クロウ様の所に行くのはちょっと癪ですけどね?」

「…本当にそう思うか?」

「…冗談ですよ、ただ言動を聞く限り、僕達と同じ転生者の可能性は高いですね」

「リュークの事は好きだから一応従順(リューク限定)だけど、物語ストーリー通りに行かなくてムカついている状態だしな」

あくまでも『転生者』だったら、と言う話だ、ほぼほぼ確定だけど、もし違った場合は本当に申し訳ない。

「紆余曲折はあるけど、一応物語ストーリーは進んでいる、あとはリュークに任せるしかないけど、そこは問題ないよな?」

「ええ、メジーナ様があのままでもクロウ様は大変ですが、僕は大丈夫です」

確かに惚れ薬の件も、今回の件メジーナの絡みもリュークには影響はない、影響があるのはクロウだけだ。

「分かった、じゃあまた今度話の続きをしよう」

「分かりました」

メイディ達が食器を2人の分クロウとリュークも持って来てくれた、今日食べたいものとは違うがそんな事を言える立場じゃないので素直にお礼を言う。

「ありがとう、フィオナ達も早く座って食べようぜ」

「ええ、言われなくてもそうするわ」

相変わらずのフィオナだが、状況が状況な為かなり緊張する、少しのミスでリュークの人生は大きく変わるので出来る限り変えたくない。

「なんの話をしていたんですの?」

「ミオ達の話だよ、貴族の中でも公爵家である俺達が3人、王族が1人、留学生で隣国の貴族が1人」

「それなのに僕は平民で、場違いじゃないかって相談したんですよ」

ミオの質問にクロウとリュークはいい感じに答える、嘘と言えば嘘になるけど、周りからすれば平民が1人貴族達の中にいるなんて可笑しいにも程がある光景だ。

「そうか、ボクはそんなに気にしてなかったけど、確かにそうだね」

「まぁ今更ですけどね」

「そうね、そこにいる男クロウが散々リュークに対して言って来ていたもんね」

と、フィオナは『ジトー』とコチラを睨みつけてくる、つい先日まで『平民の癖に~』と悪役貴族を全うしようとして難癖をつけていた自分が、相談相手なんて可笑しな話だろう。

「それはそうだろ、だからこそお前らはその当たり前をぶっ壊す為に活動を始めたんだろ…俺達も無理矢理入れたくせに」

「ウグッ」

メジーナは終始クロウの事を睨みつけていたが、それ以外はいつも同じような感じだった、平和だが、ゲームとは違う物語ストーリーに胸騒ぎを覚えながら今日も1日過ごしていく。

——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。

後質問等もお願いします。

いいねも出来ればお願いします🙇
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

処理中です...