剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2.5章 崩壊するゲーム

第110話 3人目の日本人

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~クロウの部屋~

これ以上の話しは流石に聞かせられないので一先ずクロウの部屋まで移動した。

そもそもリュークの話した内容自体他の人が聞いたら大変な事なのだが、一応2人で周囲を確認すると人がいなかったので、ここでも主人公補正の力が働いたのだろう、ありがたい事だ。

「ここならさっきの場所よりは安全だろ」

「公爵家の部屋を盗聴する人は中々いないと思いますしね」

現代日本なら逆に盗聴器や隠しカメラなどあるが、この世界なら恐らく魔法たぐいでの盗聴だろう。

「ああ、一応探知魔法も使っているが"怪しい人物"はいないよ」

「そうですか、なら安心ですね」

100%安全と言うわけではないが、兎に角物語に悪影響を及ぼす心配はない、と言う事だ。

「それで?お前は俺と同じ日本人っで良いんだよな?」

「はい」

「この世界が『ラグナロク•オリジン』の世界だと理解しているか?」

「はい、だからこそ惚れ薬の場所とかわかってたんですよ」

まぁその通りだ、ゲームの世界だと理解しているからクロウが本来手に入れるはずのアイテムを先に取得しているのだろう。

「それで、惚れ薬は本当に好きな人は誰かを見極める為にフィオナ達に盛ったと?」

「僕の推しはミオ様達じゃないんですよ」

「推し以外に好かれるのは嫌なのか?」

「嫌じゃないけど、推しに全部に注ぎ込みたいんです」

推しのアイドルに貢ぐ様なものか、自分クロウはソシャゲに課金しているからその気持ちは理解出来る。

「その推しのヒロインとお前の2人だけで魔王を倒す、そう言う事だな?」

「はい、勇者に覚醒し、剣と魔法の腕を極限まで上げれば2人だけでも魔王に勝てる事は知っています」

知っています、と言う事はゲームで実際に試したのだろう、つまりそのくらいそのヒロインの事が好きなのだろう。

「だけど、それはゲームの中の話だろ?現実の世界で上手くいくとは思えないぞ?」

「そこは僕の努力と推しに対する愛の想いで何とかします」

「まぁ、何とかするしかないからなぁ」

何とかしてくれないとコチラが困る、魔王を倒してくれないと物語が終わらなくなり、バッドエンドを迎える事になる。

「と言うわけで、僕はハーレムに興味がないし、ヒロインの攻略は僕自身の力でヒロインと結ばれたいんだ、だからクロウ様の役割も必要ないんです」

「でも、俺がやらなくても他の奴がやるぞ?それは良いのか?」

実際にクロウが悪役貴族らしい事をしなかったせいで他の貴族がリューク達に危害を加えていた、この世界が本来の歴史通りに修正しようとしているからだと思う。

「そこは別に良いですよ、元々クロウ様は悪役貴族らしい事をして来なかったじゃあないですか」

「……それもそうか」

しようとはしたが、結局出来なかったからこそ、その実例が出来てしまったのだ、こればっかりは自分のせいなのでとやかく言えない。

「もしクロウ様の言った通りの事になった、もしくはそれが継続する事になったら、その時は僕が推しの為に頑張りますよ」

「頑張ってくれ」

応援しか出来ない、リュークは『何もしなくてもいい』と言っていた、つまりこれから先起こる困難な事でも推しと共に乗り越える為のイベントとして頑張っていくと言っているのだ、邪魔をするのは野暮だろう。

「他に何か質問はありますか?」

「ああ、ある」

「何ですか?」

「お前って前世日本にいた頃の名前とかは覚えているのか?」

日本にいた事は先程聞いた、しかし肝心の名前を聞いていなかった。

「覚えですよ?」

「じゃあ教えてくれないか?」

これは個人的な質問だ、答える義理はないが、リュークは快く答えてくれた。

「良いですよ、僕の名前は須藤練磨すどうれんま、クロウ様は?」

「俺か?俺は天城剣介、改めてこれからよろしくな」

「はい、よろしくお願いします」

そう言って2人は握手を交わす、これからは協力関係に…なりはしないが、もしもの時があるので、その時のために一応な感じだった。

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