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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百四十三話 夢再び

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~その日の夜~

焚き火の火が消えない様にエイト達は1人が起きて順番に見張りをする形で休息をとっていた。

ここは雪山の中、いくら洞窟の中が外よりはマシとはいえ、気温は変わらない。

焚き火の火が消えれば間違いなく凍死するだろう、だからこそ火が消えない様に見張りをする必要があるのだ。

そんな状況の中、エイトは自分の出番になるまで仮眠をとって身体を休めていた。

いつもより休む事が出来ないが、明日の為にもほんの少しでも体力を回復させておきたい。

睡眠障害を起こしているエイトが寝れるのか不安だったが、どうやら度重なる疲労のおかげで、寝る事が出来た様だ。

「スゥ…スゥ…」

と寝息をたてながらエイトはまた夢を見た…

——————————————————————
~夢の中~

「…ん?ここはどこだ?」

暗い闇の中、一箇所だけ明るい所があった、エイトは取り敢えずそこに向かって歩き始める。

「…あれ…誰かいる?」

最初は暗くて何も見えなかったが、その明るい所に1人の男が立っていた。

しかし姿形が認識出来ない、けれど、何となくだがわかる、その男は

「君が、オラクルの世界の新しい勇者かい?」

「は?」

男はエイトを見るや否やそんな事を聞いてくる、勇者?自分が?確かにルクスの前で「真紅の勇者として」とかカッコつけて言ったが、自分はあくまでも「英雄」、「勇者」ではない。

「え?違うのかい?」

「ああ、俺は英雄だ、勇者は別にいる」

男に向かってエイトはそう言う、狩虎かりとら曰く、自分は昔戦った勇者に似ているらしいが、あくまでもそれはらしい、地球からの転生者が「勇者」な訳がない。

「おかしいなぁ、君とは波長が合うからてっきり勇者かと思ったよ」

「波長?」

「ああ、歴代の勇者は女神の力によって選ばれる、だから女神の加護とも言うべきものがその身に宿るんだ」

だからエイトと目の前にいる男は波長が合い、こうして夢の中に現れたのだろう。

「はぁ…確か狩虎かりとらが俺の事を勇者とか言ってたけど…勇者に選ばれたのは別の人物だ、波長が合うのは俺が英雄だからだろ、多分」

「英雄…けど力は勇者以上…うん、やっぱりそうだ、本当の勇者は君だよ…えーと?」

「ああ自己紹介が遅れたね、俺の名前はオルゼクス、この世界の1番最初の勇者だ」

——————————————————————
続く


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