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第10章 〜動き始めた歯車〜

第四百四十二話 不安な事と決意

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「と言う事だ、エイト、改めて聞くがお前はこの作戦に参加するか?」

「え?」

ルクスは一通り話し終えると、エイトにそう尋ねる、エイトもいきなりルクスが変な事を尋ねてくるので困惑する。

「この作戦は先程お前が言った通り、メリットがない、厄災を倒すと言う事でもなく、ただ組織の壊滅を目的とした戦いだ」

「ああ、それはわかっている」

だけど、断る理由なんてない。
厄災を倒してもDDダークデビルがいれば、世界は平和にはならない。

「お前達の目的は、この戦いを俺達に任せて、お前達は直接厄災の方に行っても構わないのだぞ?」

「…なぁ、ルクス俺がそんなにも最低な男に見えるのか?」

確かにルクスの言葉には一理ある、エイト達の目的は「厄災を倒し、貴族と平民の結婚を認めさせる事」、

DDダークデビルを倒したとしても、その約束とは内容が違う為、認めさせる事は出来ない、

しかし、だからと言ってエイトがそんな事出来るのか?と聞かれたら、エイトは「NO」と答えるだろう。

「俺達は世界の平和の為に戦っているわけじゃない、愛する人といつまでも一緒にいたいから戦っているんだ、DDダークデビルは世界を脅かす存在だ、そんな奴らをほっとける訳ないだろ?」

「そうか…すまない、疑っていた訳ではないんだが…数ヶ月前のエイトなら不安だったからな」

と、ルクスは言う
その言葉には一理ある、エイト達の「目的」もそうだが、数ヶ月、エイトとルクスは戦いルクスは敗れている。

その時のエイトはDDダークデビルの幹部「ゼルグ」に敗れ、精神的にも肉体的にもまだ未熟者だった、

そんな人間が全面戦争と言う、人同士の殺し合いに参加した場合、足を引っ張る存在になる、

だからこそルクスは「もしも」を考えて言ったのだ、

ルクスは成長したエイトを見た、けれど不安は消えてなかった為、この様な事を話したのだ。

「まぁ、確かにあの時の俺だったら参加しない方が良かっただろうな…」

エイトもそこは認める、自分自身、あの時の自分はどうかしていたと思っていたくらいなのだ。

「でも、今は違う俺は英雄として、そしてこの世界の"真紅の勇者"として、覚悟は出来ている」

「そうか…なら、俺がこの件に関して言う事はもう何もないな」

そう言うとルクスは右手をエイトの方に差し出す。

「?」

「握手だよ、これからも共に戦ってくれる仲間に対してのな?」

ルクスはそう言うと照れくさそうに頬をかく、エイトはその姿を見て苦笑しながら、同じ様に右手を前に出し、握手する。

「あとは散り散りになった仲間達だな」

「ああ、無事らしいけど、心配だもんな」

そんな事を言いつつ、2人は洞窟の外を見つめる、その仲間の中には自分の妻と婚約者がいる、不安になっても仕方ないだろう。

「心配しててもしょうがないでしょ?ほら話はそれくらいにしてそろそろ身体を休めましょ?」

「そうよ、特に貴方達は体力残ってないんだから」

焚き火で身体を温めながらアマギとアミはそう言う、この雪山の中ではそうでもしないと身体は休まらない。

「そうだな…エイト収納魔法でなんか食材ないのか?」

「あるぞ…そうだなカレーライスでも作るか」

「「「カレーライス???」」」

米と言う文化がない為、その様な料理がある事も知らないのだろう、
「引き継ぎ」の力を悪用して出来た、故郷の味だ。

「ああ、本当はミュウと一緒に食べようと思ったけど、ここでそんな事を言ってられる余裕ないからな」

そう言うと焚き火の方に向かって歩き、カレーライスを作る為の食材を用意する
そしてエイトは「料理用の服」を「引き継ぎ」カレーライスを作り始めた。

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ちなみにカレーライスは好評でした♪

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