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12歳《中等部》
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しくったな。僕のイメージがぶち壊れた。
今から部屋に閉じこもっていいかな。もう泣きそう。
「兄上は神様のようです。きっと神がいるなら兄上のような方だと思います。」
これは…冗談に乗ってくれたと思っていいのかな?
「ありがとうね。でも今日の主役はルディだからいっぱい応援してあげようね。」
「兄上と同じ主席で入学なんですよね。兄上の代表挨拶も見たかったです。」
「こういう時は身分が上の人が選ばれるからね。」
それに今回だけは僕とルディで話を合わせたし。これでもルディを皇帝にしようと画策してるんだ。大事な場面では引くよ。
なにより僕が頑張ってる理由なんてテオ様に最高の兄だと思って欲しいだけだもん。テオ様以外の他人に褒められたところでどうでもいい。
「テオが知ってくれてたらそれでいいよ。僕もテオがこの3年間僕たちにに追いつけるくらい頑張ったの知ってるよ。よく頑張ったね。」
目を伏せて口をもにょもにょさせてて可愛い。よし。やる気出てきた。さっきのやらかしは帳消しってことにして欲しい。
でもテオ様、本当に頑張ったんだよ?才能あるからいつかは追い抜かれると思ってた。けどたった3年で剣術も魔法も僕らも本気を出さないと負けるくらいには強くなった。
ルディと僕の間ではどっちがテオ様に先に負けるかで競走になってる。絶対に先は嫌だ。
それなのに手合わせする度に強くなってるテオ様。すごいと褒めてあげたいのと同時に恐怖を感じるよ。
そんな可愛いテオ様の手を引いてもう手助けが要らなくなった馬車に乗る。
僕らも成長したなぁ。
▽
▽
学校に着いて馬車から自分でおりた瞬間刺さる視線。
まぁ僕、人気者だからね。権力もお金も顔もいいのがクラウス・フォン・シルヴェスターだから。どうしても仲良くはなりたい存在だよね。自覚してるよ。
でもマナーを守るなら皇族以外から友人でもないのに公子に話しかけるなんてないからね。見てるだけなら安心安全。
今日はルディの護衛権付き添いの約束してるから2人で待ってる。でも僕とテオ様に倒されるような奴とかルディにも負けると思うけど。
入学式にも騎士たちが出席するらしいから騒々しくなるよね。やっぱり皇子ともなれば警備が厳重だな。
「兄上、すごく見られている気がするんですが。」
シルヴェスターだからね。父様のおかげで変な噂もついてまわるから仕方ない。中でもテオ様が連れ子だってことはみんなが知ってる。噂話が大好きな社交界ではいることも要らないことも広まるのが早いからね。
シルヴェスターがパーティーに出席しないことをいいことにいっぱい広まってるんだろうけど。
パーティでもこんなに見られないもんね。無視しろって言っても気にしちゃうかな。
うーん。シルヴェスターだから仕方ないって言えばドヤって、持ち直してくれるかな。
嘘ついてもバレそうだし。本当のこと言っとこうか。
「シルヴェスターの噂は社交界では有名だからね。母様が亡くなってからは社交界の華は皇后陛下1人になっちゃったし。僕は第1皇子の後ろ盾になると喧嘩売ったから悪い話も持ち切りでしょ。」
結局義母さまは社交界から爪弾きだし。
それでもラブレターが届くんだから義母様の美貌は底知れない。さすがテオ様の母親だ。
それはそれとして、シルヴェスター舐め腐られてる証拠だから面白くは無いけど。よく公爵の妻にラブレター送れるものだ。
それを僕に見せびらかしにくる義母様も義母様だけど。あのラブレターたち僕に見せた後、よまないで燃やしてるんだって。
みんな揃って暇なのかな。
「シルヴェスターを困らせてるのは母上と俺ですか?」
「違うよ。父様も入るし、僕も皇后陛下に嫌われたからね。色々言われるよ。」
社交界は女性の戦場でもあり流行の場でもある。だから1人くらいは女性が各家にいて欲しいし、それは各家の妻がになってるんだけど…。義母様じゃ入り込めなかったらしい。
せめて父様と義母様の間で妹でも作ってくれたら良かったのに。父様帰ってこないんだもんな。
ゲームでもいなかったから諦めてはいたけどさ。
「ま、気にすることでもないよ。僕もテオも色んな大会で名前を上げたから変な噂も下火だろうし。」
テオ様は4年前に約束したことを意地でもこなそうとしてくるから僕が必死に足止めしてる。
「もしテオが優勝したら西の魔獣討伐に着いてくることを許可する。」ってやつ。僕が絶対に嫌だから邪魔しまくってる。テオ様はほんと強くなってきたから油断できないし。
ゲームでは最年少の剣技使いになってたからいつそうなるのかヒヤヒヤしてる。なって欲しいけどなられたら僕が負ける。
クラウスがテオに負けるとか違うじゃん。
一生テオ様にスゴい、カッコイイって褒めてもらう人生がいいの。だから頑張ってるけど僕には魔法も剣術も才能ないからなぁ…。せめて負けても尊敬される兄上像を作りたいけどそれも叶ってなさそうなのが問題。
「大丈夫だよ。力を見せつけて黙らせてやればいいだけなんだから。」
「相変わらずですね、兄上は。」
目を細めたテオ様はかっこかわいい。どんどんゲームのテオ様に似てきてる。これも軌道修正ってやつなのかな。
まぁ最悪新しい弟を僕とテオ様、ルディが殺さなきゃ問題ないからそこは楽に構えるつもり。
「あ、ルディ来たみたいだよ。あの仰々しい馬車いつ見ても目立つよね。」
「本気で不敬罪で処されても知りませんよ。」
はは。テオ様気にしすぎ。
ちゃんと防音魔法使ってるから問題ないよ。バレなきゃなんでも許されるし。だって証拠ないもんね。
あっても公子の地位の僕を処すなんてしないよ。貴族ってそういう特権階級だもん。
ただ、恋とかいう脳内お花畑状態なら色々とやらかすのが人間なんだけど。
ゲームのクラウスもそんなお花畑状態だったのかな。
なーんか想像できない
今から部屋に閉じこもっていいかな。もう泣きそう。
「兄上は神様のようです。きっと神がいるなら兄上のような方だと思います。」
これは…冗談に乗ってくれたと思っていいのかな?
「ありがとうね。でも今日の主役はルディだからいっぱい応援してあげようね。」
「兄上と同じ主席で入学なんですよね。兄上の代表挨拶も見たかったです。」
「こういう時は身分が上の人が選ばれるからね。」
それに今回だけは僕とルディで話を合わせたし。これでもルディを皇帝にしようと画策してるんだ。大事な場面では引くよ。
なにより僕が頑張ってる理由なんてテオ様に最高の兄だと思って欲しいだけだもん。テオ様以外の他人に褒められたところでどうでもいい。
「テオが知ってくれてたらそれでいいよ。僕もテオがこの3年間僕たちにに追いつけるくらい頑張ったの知ってるよ。よく頑張ったね。」
目を伏せて口をもにょもにょさせてて可愛い。よし。やる気出てきた。さっきのやらかしは帳消しってことにして欲しい。
でもテオ様、本当に頑張ったんだよ?才能あるからいつかは追い抜かれると思ってた。けどたった3年で剣術も魔法も僕らも本気を出さないと負けるくらいには強くなった。
ルディと僕の間ではどっちがテオ様に先に負けるかで競走になってる。絶対に先は嫌だ。
それなのに手合わせする度に強くなってるテオ様。すごいと褒めてあげたいのと同時に恐怖を感じるよ。
そんな可愛いテオ様の手を引いてもう手助けが要らなくなった馬車に乗る。
僕らも成長したなぁ。
▽
▽
学校に着いて馬車から自分でおりた瞬間刺さる視線。
まぁ僕、人気者だからね。権力もお金も顔もいいのがクラウス・フォン・シルヴェスターだから。どうしても仲良くはなりたい存在だよね。自覚してるよ。
でもマナーを守るなら皇族以外から友人でもないのに公子に話しかけるなんてないからね。見てるだけなら安心安全。
今日はルディの護衛権付き添いの約束してるから2人で待ってる。でも僕とテオ様に倒されるような奴とかルディにも負けると思うけど。
入学式にも騎士たちが出席するらしいから騒々しくなるよね。やっぱり皇子ともなれば警備が厳重だな。
「兄上、すごく見られている気がするんですが。」
シルヴェスターだからね。父様のおかげで変な噂もついてまわるから仕方ない。中でもテオ様が連れ子だってことはみんなが知ってる。噂話が大好きな社交界ではいることも要らないことも広まるのが早いからね。
シルヴェスターがパーティーに出席しないことをいいことにいっぱい広まってるんだろうけど。
パーティでもこんなに見られないもんね。無視しろって言っても気にしちゃうかな。
うーん。シルヴェスターだから仕方ないって言えばドヤって、持ち直してくれるかな。
嘘ついてもバレそうだし。本当のこと言っとこうか。
「シルヴェスターの噂は社交界では有名だからね。母様が亡くなってからは社交界の華は皇后陛下1人になっちゃったし。僕は第1皇子の後ろ盾になると喧嘩売ったから悪い話も持ち切りでしょ。」
結局義母さまは社交界から爪弾きだし。
それでもラブレターが届くんだから義母様の美貌は底知れない。さすがテオ様の母親だ。
それはそれとして、シルヴェスター舐め腐られてる証拠だから面白くは無いけど。よく公爵の妻にラブレター送れるものだ。
それを僕に見せびらかしにくる義母様も義母様だけど。あのラブレターたち僕に見せた後、よまないで燃やしてるんだって。
みんな揃って暇なのかな。
「シルヴェスターを困らせてるのは母上と俺ですか?」
「違うよ。父様も入るし、僕も皇后陛下に嫌われたからね。色々言われるよ。」
社交界は女性の戦場でもあり流行の場でもある。だから1人くらいは女性が各家にいて欲しいし、それは各家の妻がになってるんだけど…。義母様じゃ入り込めなかったらしい。
せめて父様と義母様の間で妹でも作ってくれたら良かったのに。父様帰ってこないんだもんな。
ゲームでもいなかったから諦めてはいたけどさ。
「ま、気にすることでもないよ。僕もテオも色んな大会で名前を上げたから変な噂も下火だろうし。」
テオ様は4年前に約束したことを意地でもこなそうとしてくるから僕が必死に足止めしてる。
「もしテオが優勝したら西の魔獣討伐に着いてくることを許可する。」ってやつ。僕が絶対に嫌だから邪魔しまくってる。テオ様はほんと強くなってきたから油断できないし。
ゲームでは最年少の剣技使いになってたからいつそうなるのかヒヤヒヤしてる。なって欲しいけどなられたら僕が負ける。
クラウスがテオに負けるとか違うじゃん。
一生テオ様にスゴい、カッコイイって褒めてもらう人生がいいの。だから頑張ってるけど僕には魔法も剣術も才能ないからなぁ…。せめて負けても尊敬される兄上像を作りたいけどそれも叶ってなさそうなのが問題。
「大丈夫だよ。力を見せつけて黙らせてやればいいだけなんだから。」
「相変わらずですね、兄上は。」
目を細めたテオ様はかっこかわいい。どんどんゲームのテオ様に似てきてる。これも軌道修正ってやつなのかな。
まぁ最悪新しい弟を僕とテオ様、ルディが殺さなきゃ問題ないからそこは楽に構えるつもり。
「あ、ルディ来たみたいだよ。あの仰々しい馬車いつ見ても目立つよね。」
「本気で不敬罪で処されても知りませんよ。」
はは。テオ様気にしすぎ。
ちゃんと防音魔法使ってるから問題ないよ。バレなきゃなんでも許されるし。だって証拠ないもんね。
あっても公子の地位の僕を処すなんてしないよ。貴族ってそういう特権階級だもん。
ただ、恋とかいう脳内お花畑状態なら色々とやらかすのが人間なんだけど。
ゲームのクラウスもそんなお花畑状態だったのかな。
なーんか想像できない
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