104 / 211
12歳《中等部》
1
しおりを挟む
やっと…やっと僕らの学園生活が始まる。
ゲームが始まるきっかけになる年になった。
この4年間めちゃくちゃ頑張った。母様が亡くなった歳なんて僕らが学校に通えるか怪しいくらいのお金しかなかったのに。最悪失敗したらテオ様だけを学校に通わすはずだった。
これもゲームの通りに流れるのかな。僕にはクラウスほどの才能はない。なのにやることなすこと全部成功した。
あ、でも義母様に任せた事業は失敗した。秘書が有用だったから大した赤字は出なくて僕も手伝ったら黒字に持ち直した。
テオ様と義母様に渡した事業は前世でも流行って定着したから失敗することなんてないと思ってたんだけど…。まさか赤字を出すなんてね。この4年で1番驚いたかもしれない。
それでだ。これから3年間は今までよりも気を引き締めないといけない。ゲームが始まるきっかけになることとやゲームでのイベントの出来事が盛りだくさんになる。
まずは新しい弟を父様が連れてくるはずだ。
ちょうどその頃に僕と父様の当主交代。
僕が当主になった頃に僕の力量を試すように西の魔獣の活発化。それに伴って西が大きな被害を受ける。その被害で農作物の収穫量が減り北に支援する農作物が減る。それだけじゃない、復興のために北に渡す薪も減った。
お陰でその年の北の領地は多数の餓死と凍死者を出す。それだけでも頭が痛いのに、最後の試練が新しい僕の弟が誰かに殺される。
殺された次の年にら主人公が入学してきてゲームが始まる。
ゲームではそういうシナリオ。
これが3年のうちに起こるんだよ。大変どころの話じゃない。
金儲けに走ったあとは頭と体力を使うものばかり。色々準備はしてきたから北の寒さ対策はどうにかなると思う。あとはどれだけ西の領地の被害を防げるかにかかってる。北の領地の食料はどう頑張っても大半を他の領地からの支援からでしか賄えない。あんな吹雪の中で育てられるものなんて限られてるし。
そんな試練が待ってる僕のひと時の休息。そんなのテオ様に決まってる。僕の天使。僕の癒し。テオ様に貢ぐためにずっと頑張ってきたんだ。
今までのテオ様ももちろん愛らしくて可愛くてちょっとだけ傲慢な天使だった。けど、これからはかっこよくていっつも人を見下してるテオ様を眺められる。それはそれで色んな供給があるよね。どうせ僕にはゆるふわテオ様だから平民を見下すテオ様は外から眺めるんだ。
見下されたい欲が無いわけじゃないけどテオ様のあれは本気だからやられたら泣くか自殺するね。
パリッとノリが聞いたジャケットに腕を通してテオ様が待ってくれてるであろう玄関に向かう。制服は同じだけど僕とテオ様じゃ印象が違う。
なによりテオ様の方がかっこいいに決まってるからね。先に行って急に現れたりしたら僕が倒れるかもしれない。だからあとから行くんだよ。そうすれば心の準備くらいはできるから。
階段の上から見てもテオ様の後ろ姿はかっこいい。
ゲームとは違う色合いだけどそれはそれであり。まだ幼いのテオ様似にあってる。
にやけ面を隠す微笑みを張りつけてテオ様に声をかけた。
「テオ、またせたね。」
「おはようございます。兄上。制服、お似合いです。」
グッとにやける顔を押し殺して黙る。やばい。
テオ様を褒めらんない。似合ってるよ。可愛いよ。かっこいいよ。そう言いたいけど今表情を弛めたらにやける自信がある。
ゲームが始めるのは嫌だけどテオ様の成長を見られるのはこれ以上ない喜びだよ。ほんと好き。僕の推しがかっこいい。
一体僕をどうしたいんだろう。
「テオは天使の生まれ代わりだったのかな。」
あ、口が滑った。
ゲームが始まるきっかけになる年になった。
この4年間めちゃくちゃ頑張った。母様が亡くなった歳なんて僕らが学校に通えるか怪しいくらいのお金しかなかったのに。最悪失敗したらテオ様だけを学校に通わすはずだった。
これもゲームの通りに流れるのかな。僕にはクラウスほどの才能はない。なのにやることなすこと全部成功した。
あ、でも義母様に任せた事業は失敗した。秘書が有用だったから大した赤字は出なくて僕も手伝ったら黒字に持ち直した。
テオ様と義母様に渡した事業は前世でも流行って定着したから失敗することなんてないと思ってたんだけど…。まさか赤字を出すなんてね。この4年で1番驚いたかもしれない。
それでだ。これから3年間は今までよりも気を引き締めないといけない。ゲームが始まるきっかけになることとやゲームでのイベントの出来事が盛りだくさんになる。
まずは新しい弟を父様が連れてくるはずだ。
ちょうどその頃に僕と父様の当主交代。
僕が当主になった頃に僕の力量を試すように西の魔獣の活発化。それに伴って西が大きな被害を受ける。その被害で農作物の収穫量が減り北に支援する農作物が減る。それだけじゃない、復興のために北に渡す薪も減った。
お陰でその年の北の領地は多数の餓死と凍死者を出す。それだけでも頭が痛いのに、最後の試練が新しい僕の弟が誰かに殺される。
殺された次の年にら主人公が入学してきてゲームが始まる。
ゲームではそういうシナリオ。
これが3年のうちに起こるんだよ。大変どころの話じゃない。
金儲けに走ったあとは頭と体力を使うものばかり。色々準備はしてきたから北の寒さ対策はどうにかなると思う。あとはどれだけ西の領地の被害を防げるかにかかってる。北の領地の食料はどう頑張っても大半を他の領地からの支援からでしか賄えない。あんな吹雪の中で育てられるものなんて限られてるし。
そんな試練が待ってる僕のひと時の休息。そんなのテオ様に決まってる。僕の天使。僕の癒し。テオ様に貢ぐためにずっと頑張ってきたんだ。
今までのテオ様ももちろん愛らしくて可愛くてちょっとだけ傲慢な天使だった。けど、これからはかっこよくていっつも人を見下してるテオ様を眺められる。それはそれで色んな供給があるよね。どうせ僕にはゆるふわテオ様だから平民を見下すテオ様は外から眺めるんだ。
見下されたい欲が無いわけじゃないけどテオ様のあれは本気だからやられたら泣くか自殺するね。
パリッとノリが聞いたジャケットに腕を通してテオ様が待ってくれてるであろう玄関に向かう。制服は同じだけど僕とテオ様じゃ印象が違う。
なによりテオ様の方がかっこいいに決まってるからね。先に行って急に現れたりしたら僕が倒れるかもしれない。だからあとから行くんだよ。そうすれば心の準備くらいはできるから。
階段の上から見てもテオ様の後ろ姿はかっこいい。
ゲームとは違う色合いだけどそれはそれであり。まだ幼いのテオ様似にあってる。
にやけ面を隠す微笑みを張りつけてテオ様に声をかけた。
「テオ、またせたね。」
「おはようございます。兄上。制服、お似合いです。」
グッとにやける顔を押し殺して黙る。やばい。
テオ様を褒めらんない。似合ってるよ。可愛いよ。かっこいいよ。そう言いたいけど今表情を弛めたらにやける自信がある。
ゲームが始めるのは嫌だけどテオ様の成長を見られるのはこれ以上ない喜びだよ。ほんと好き。僕の推しがかっこいい。
一体僕をどうしたいんだろう。
「テオは天使の生まれ代わりだったのかな。」
あ、口が滑った。
100
お気に入りに追加
1,714
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました。
おまけのお話を更新したりします。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
気付いたら囲われていたという話
空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる!
※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
僕はただの妖精だから執着しないで
ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜
役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。
お願いそっとしてて下さい。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
多分短編予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる