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8歳
44(料理長side)
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あーーーー。緊張する。
この屋敷の主。8歳ながらに屋敷の全員から坊ちゃんではなくクラウス様と呼ばれてるだけあって圧がある人。
前奥様が作りあげた完璧な小公爵様だ。公爵様が帰ってこないから多分公爵の仕事もになってる8歳児。
尊敬通り越して恐怖しかない。多分中身は魔法士が作りあげた作り物なんじゃないかとさえ思う。そんできっと中身は前奥様なんだ。
現実逃避をしながらクラウス様の部屋まで歩いていたらいつの間にか部屋の前。
なんで嫌なことに限って時間が早くすぎるんだろう。もっと時間が欲しい。でもこれ以上遅れればクラウス様に首クビにされるかもしれない。
なにより、主の呼び出しを断ることなんてできない。
意を決してクラウス様の部屋のドアを叩く。
中から執事のアルフレートがドアを開けてくれた。
今日のおやつについてだろうか。あれが精一杯だった。怒られたなら大人しく受け入れよう。
「失礼致します。クラウス様。」
「うん。お疲れ様。座っていいよ。」
中には寝巻きに身を包んだクラウス様がソファでお茶を飲んでいた。その机の上に紙が沢山ある。資料でも見ていたのかもしれない。本当にこういうところが8歳児とは思えないんだ。
クラウス様が言うように大人しくクラウス様の前のソファに腰かける。
静かに紅茶を準備してくれるアルフレート。机の上の資料を片付け始めるクラウス様。息ぴったりだな。おい。
俺が固まってたらクラウス様がお茶を勧めてくれる。飲んだら吐きそうなくらい緊張してるんだが。
「どうぞ?」
仕方なくカップに口つける。味なんて分からない。
「忙しい中ありがとね。夜更けだし早速話に入るけど、今日作ってくれたチョコレート。売り物になると思う?」
「数量限定であれば売れると思います。」
思ったことをそのまま告げる。これはアルフレートにも伝えたから怒られはしない…と思う。もっと働けと言われるのだろうか。
「それはいいかな。限定品ってことで高値付けられるしね。」
これはそんなに悪くない反応。じゃあなんのために呼んだんだ?
「料理長の弟子にさ、店舗任せられる子いない?1番大事なのは料理の腕よりも真面目さね。」
真面目。パッと思いついたのは見習いのひとり。
腕はまだまだだが人一倍努力家だ。毎日何かを俺から盗み取ろうと言う気概もある。
「まだ見習いですが1人だけ。」
クラウス様は微笑んで「いいね。」と呟いた。見つかったのが良かったのか俺が即答したのが良かったのか。全然分からんが機嫌がいいにこしたことはない。
「これからスイーツ専門でこれから作らせて。全部僕と使用人で食べるよう。合格点になるならテオや義母様に出してもらおうか。」
「クラウス様自らですか!?」
「ダメ?」
「いや…。いえ、問題ありません。」
文句言えるもんか。この人は気分次第で俺のクビを切れるわけだし。俺だって自分の代わりが沢山いることは知っている。
この屋敷を仕切っていなくなったらどうなるかと思った前奥様だってクラウス様が成り変わった。
誰かがいなくても世界は回るしどうにかなるもんだ。俺の代わりなら尚更。
「テオの誕生日までにチョコレートの作り方とスイーツの作り方は仕込んどいてね。」
「承知致しました。」
クラウス様の考えることは分からない。テオ様には殊更優しく接しているけどこの人の事だ。どうせ裏がある。
闇魔法を使えるから今のうちに飼い慣らしとこうとか。使えるようになったら自分の代わりに戦場に送ろうとか。
それにしては金かけてる気がするけど。クラウス様が好きな投資とやらかもしれない。
この屋敷の主。8歳ながらに屋敷の全員から坊ちゃんではなくクラウス様と呼ばれてるだけあって圧がある人。
前奥様が作りあげた完璧な小公爵様だ。公爵様が帰ってこないから多分公爵の仕事もになってる8歳児。
尊敬通り越して恐怖しかない。多分中身は魔法士が作りあげた作り物なんじゃないかとさえ思う。そんできっと中身は前奥様なんだ。
現実逃避をしながらクラウス様の部屋まで歩いていたらいつの間にか部屋の前。
なんで嫌なことに限って時間が早くすぎるんだろう。もっと時間が欲しい。でもこれ以上遅れればクラウス様に首クビにされるかもしれない。
なにより、主の呼び出しを断ることなんてできない。
意を決してクラウス様の部屋のドアを叩く。
中から執事のアルフレートがドアを開けてくれた。
今日のおやつについてだろうか。あれが精一杯だった。怒られたなら大人しく受け入れよう。
「失礼致します。クラウス様。」
「うん。お疲れ様。座っていいよ。」
中には寝巻きに身を包んだクラウス様がソファでお茶を飲んでいた。その机の上に紙が沢山ある。資料でも見ていたのかもしれない。本当にこういうところが8歳児とは思えないんだ。
クラウス様が言うように大人しくクラウス様の前のソファに腰かける。
静かに紅茶を準備してくれるアルフレート。机の上の資料を片付け始めるクラウス様。息ぴったりだな。おい。
俺が固まってたらクラウス様がお茶を勧めてくれる。飲んだら吐きそうなくらい緊張してるんだが。
「どうぞ?」
仕方なくカップに口つける。味なんて分からない。
「忙しい中ありがとね。夜更けだし早速話に入るけど、今日作ってくれたチョコレート。売り物になると思う?」
「数量限定であれば売れると思います。」
思ったことをそのまま告げる。これはアルフレートにも伝えたから怒られはしない…と思う。もっと働けと言われるのだろうか。
「それはいいかな。限定品ってことで高値付けられるしね。」
これはそんなに悪くない反応。じゃあなんのために呼んだんだ?
「料理長の弟子にさ、店舗任せられる子いない?1番大事なのは料理の腕よりも真面目さね。」
真面目。パッと思いついたのは見習いのひとり。
腕はまだまだだが人一倍努力家だ。毎日何かを俺から盗み取ろうと言う気概もある。
「まだ見習いですが1人だけ。」
クラウス様は微笑んで「いいね。」と呟いた。見つかったのが良かったのか俺が即答したのが良かったのか。全然分からんが機嫌がいいにこしたことはない。
「これからスイーツ専門でこれから作らせて。全部僕と使用人で食べるよう。合格点になるならテオや義母様に出してもらおうか。」
「クラウス様自らですか!?」
「ダメ?」
「いや…。いえ、問題ありません。」
文句言えるもんか。この人は気分次第で俺のクビを切れるわけだし。俺だって自分の代わりが沢山いることは知っている。
この屋敷を仕切っていなくなったらどうなるかと思った前奥様だってクラウス様が成り変わった。
誰かがいなくても世界は回るしどうにかなるもんだ。俺の代わりなら尚更。
「テオの誕生日までにチョコレートの作り方とスイーツの作り方は仕込んどいてね。」
「承知致しました。」
クラウス様の考えることは分からない。テオ様には殊更優しく接しているけどこの人の事だ。どうせ裏がある。
闇魔法を使えるから今のうちに飼い慣らしとこうとか。使えるようになったら自分の代わりに戦場に送ろうとか。
それにしては金かけてる気がするけど。クラウス様が好きな投資とやらかもしれない。
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