200 / 352
少女よ大志を抱け…綿草(わたくさ)ものがたり・7
しおりを挟む
で。
先日の羊島の件を片付けてわしの仕事ははい終わりという訳でもない缶詰女王たるマルハレータですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ええ。
羊の件が片付いたとしても、もう一つ、生産を奨励されとる物があります。
わたです、ワタ。
と言ってもダムに沈む予定の村で惨劇とともに川に流されたり、アタマおかしいおばちゃんが敵の腹を裂いて見たがるワタではありません。
ワタはワタでも、あれはハラワタというもの。
球根詐欺国の医者が比丘尼国に贈った解剖の書物であちらの医学に進展があったそうですが、あれにばっちり掲載されている方ではなく綿花の方のワタです。
そして、件の綿についてですが、連邦世界では大衆民衆の服の素材として大量に栽培されておるものの、こちら痴女皇国世界では栽培も利用もまだまだハッテン途上。
ええ、その理由ですがね…。
まず、綿なる植物の栽培には大量の水を要します。
従って、絶対に水源の確保を要するのだそうです…。
で、ハッテン途上の理由として大きいのが、収穫や布にするまでの工程に人手を要することらしいです。
連邦世界だと機械で収穫して機械で綿の繊維だけ取り出して糸から織物にする工程も機械化しているそうですが、こちらは手作業でまかなっているのです。
(三河監獄国では豊田工場で織機を稼働させていますよ…)
(確かに完全自動化や完全機械化が達成できてる連邦世界とは事情が異なるよな…アメリカの奴隷なんてまさに綿花栽培が主な従事用途だった訳だし…)
で、労働奴隷を使うわけにもいかないと…。
(確かに奴隷を使いたくなるでしょうが、痴女皇国では罪人あるいは罪人扱いを志願した者でないと男性または女性の労働奴隷にはしていません。そして女性なら罪人女官にする方が生産性が高い仕事を与えられますから…)
ですよねぇ…。
しかし、悩めるマルハに救いの手が。
(女工というものを使役する事で参考になる事例がある。それもまさに繊維関係だ)
で、マリアリーゼ陛下から送られて来たのは、ヤパンの富岡製糸場と、泉州地区の織物業についての資料。
そして天竺…連邦世界ではインドと言われる地域での綿花栽培の歴史、などなど。
(人類は綿を手にすることで大きく衣服事情をカイゼンできたんだけどさ、その裏には奴隷労働と…そして労働婦人を使役する歴史があったんだわ…)
あー、織物屋じゃ女が織機を使ってることも多かったですね。
多少は場所を取るので街中じゃあまり見かけませんでしたけど、内職めいた事してる所も結構ありましたから。
しかし、富岡製糸場とやら…その生産物自体は絹ですが、範を取ったのはフランス産の技術だそうですね…しかし、教えに来たフランス人女性が片端から任期未了で帰国したりなど、結構大変だったようで。
一方、日本には戦争時代の前に伝わった綿の栽培と紡織技術によって、産地付近での紡績事業が興されたと…ふむふむ、それでイズミオオツやイズミサノに外国人が居住した事例もあったのですか。
で、当時のヤパンの労働事情は、基本的に地方の多産な農家の、長男長女以外の子供達を他業種に迎え入れることで成立していた一面もあり、機械化によって女工でも布を大量に生産することが可能であったと…。
となれば、織機の動力化・大型機械化の目処さえつけば…女工なんぞ、痴女皇国ならば何とでもなるのではないでしょうか…。
そして肝心の綿花栽培と収穫です。
これについては既に、別の生産品で多大な実績を上げている場所があるでしょう。
そう…他ならぬ灸場はハバナ市街西側を中心とした「愛の砂糖きび畑」ですがな。
更には南洋でも実はそうなのですけど、一人卒痴女種化した女官を投入する方が効率良かったりするのですよ、珈琲淫や阿片や快感王に天然ゴムとか椰子とかもろもろの農産物収穫作業…。
ただ、女官を農婦や女工として投入するにはそれなりに教育と仕掛けも必要でしょう。
そして労働意欲を高めるための仕掛けはもちろん、矛盾するようですが、なるべく短時間で効率を上げ、余暇時間を与えたいものです。
私のこの考えは、富岡製糸場を民営化した後に女工の労働時間が伸びる傾向を示していたことや、若年女工が終業後の学業…勤労学生女工の身分も少なくなかったようで…に熱意を示さなかったと伝えられることが大きく影響しています。
そして私自身が、一応は痴女宮本宮の女官研修を終えた身です。
いわばあそこは大量の女性を雇用して労働させる仕掛けそのものが動いている場所です。
そして、女官を単に労働させるだけではなく余暇時間や休憩時間の確保に厳格です。
百人卒未満の女官たちが淋の森に立てるのも、この労働時間管理…というよりは酷使させない制度あってのものだね。
言っては何ですが、女官労働の制度を含めてこの痴女皇国世界の地球では世界の最先端を行っていると思いますよ…ただ、未来社会の何がしかをこっそり導入しているが故に成立している点もありますから、痴女宮の制度を完全に真似るのは危険だとも釘を刺されておりますし。
例えば千人卒以上は食事を毎食摂る必要はありませんし、女の日も来ません。
百人卒未満ですら年に1回、思い出したように血が来るだけです。
つまり、生理痛とかいうものに悩まされないか、ごく限られた期間だけ。
更には基礎体温の変動や、定期不定期の肥満や食欲不振などなど、おなご特有の身体変調がないに等しいのです。
有り体に言うと、百人卒未満の生理や思考は…Pikのない男、と申し上げるべきか。
(これはうちが断言しよう。更年期障害云々に悩むことはない。なぁアグネスさん)
(生理用品などというものはもはや緊急のために持ち歩くのみ。普段からあれを気にせず爽快に生活できるのはどれほどありがたいことか)
と、メフラウ・オリューレの実年齢とあまり変わらない方々のNBからの意見ですが…。
(マルハレータ。女性の年齢を暴露するのは危険な行為です。ですから初代様が十万一千二十何とか歳だとか、一部の特殊な悪魔のような年齢表記も非常に危ういのです)
(オリューレ…マリアヴェッラがカルノを密かに狙う昨今、貴女が寝たきりでカルノだけ起きたらどうするのですか…)
(初代様。ベラ子陛下は行き過ぎたショタ食いの罰を受けて南洋島の少年を味わうことを禁止された立場かと…さすがに私が寝ている状態でカルノは南洋島を簡単に離れられないでしょうし…)
(誘拐するかも知れませんわっ)
(それこそ犯罪であり、初代様がベラ子陛下を取り締まるか査問対象になさるべきでは?)
ええとですね。
諸事情、省きます。
ただ、この時点でのベラ子陛下は二代目様によって「南洋島にお付きなしでの上陸禁止」の出禁を申し渡されています。
(マリアねーさんかエマ助かジーナかーさま、いずれかの同伴でないとあかんと…うううっ)
(なんぼなんでも痴女皇国皇帝が自分の領地に公務で来られへんの、さすがにまずいと私も言うたんですわ…)
つまり、スケアクロウを飛ばしてアジスチプトに来たりジョクジャの前庭やボロブドゥールに来るとかはオゥケィ…あれでお越しになる時はまず確実に公務になりますし、同伴者のどなたかは絶対に機内におられますから。
しかし、転送機能を利用して…わけてもボロブドゥールの聖院学院仏教部やジョクジャ宮殿の東側をうろつくのはあかんとなったのです。
まぁ、これはしゃあないでしょう。
機会があれば「何でこうなったか」バラしますから。
それはともかく、昨今の私マルハレータ。
実はパメカサンの郊外にある離宮を拠点にしてる事も多いのです。
というのも、例の競牛の件。
あれでマドゥラ島内をうろつくことも多くなりまして。
しかし、南洋島…わけてもジョクジャ宮殿をお留守がちにすんのもどないしたもんか。
で、ユフラウ・メルトリューネとディードにジョクジャの管理をお願いしまして、ワイのマドゥラでのヤサ、パデレガンというパメカサンの南にある岬の付け根のマングローブ林とビーチのある場所にちっこい別荘こしらえて頂いたのです。
ここにした理由は、パメカサンの近郊で競牛の練習場があるのがこの近所だからです。
更に言うと、この近辺にマドゥラでは貴重な上にも貴重な川というものがあるのです。
ええ、この別荘の建設指示を出すに当たり、わしは内心胸を撫で下ろしたのです。
と申しますのも、茸島とか南洋島のジョクジャみたいな感じで「ちょっと高原っぽくて川が流れてて涼しそうなとこ、どっか知らんか」と思ったわし、あわやそれをカーティカや族長に尋ねかけたのですよ…。
はい…そんな別荘地にできるほどの水の便のええ場所はまず、田んぼ作られとります。
そうです、マドゥラ人が出稼ぎしたり牛飼うたり塩田作るくらいに、この島の水事情は大変なのです。
とにかく高低差がないから湖めいたもんがなかなか出来ないし石灰岩とやらが主な土地の保水力もあんまよろしくないので、川とみるやまず、田畑とおのれらの住まいを作るにかかるのです。
ですから、脳天気なツラを下げて「マドゥラにわしの離宮作ろか思うねんけど」という構想を話す事自体はまだしも、「こうこうこれこれの条件で別荘作るんにええとこないかなー」なんて言おうものなら、まず確実に彼女たちの反感を買っていたでしょう。
そこでわしは「海岸沿いで風光明媚で、牛の練習とかしてる場所の近所でええとこない?」と聞き方を変えました。
マルハの建前「我が離宮というほど大層なものを作るわけではなく、まぁ言うなれば隠れ家をこのマドゥラに作り、執務や避暑に利用したいのが本音。しかし、そのような条件の整った場所はこのマドゥラでは真っ先に人の住処や耕作地とされることでしょう。そこで、私が思い立ったらマドゥラの国技とでもいうべき行事の修練などしておる場所を望める所に住まい、更にはお忍びで選手の激励などできればなおさら良きやも知れません」
まるはのほんね(今この時期にマドゥラの統治もわしが直接やらんと揉める可能性あるから常駐したいんやけどな、こっちに住み込むヤサ作るにあたって、わしがわがまま言うたら絶対に既に住んでる奴どかす話になるやんか…どかすにしても口実は絶対に必要やさかい、競牛の練習しとる場所の近所に住みたい言う話にしてくれや。んで、わしも生理現象があるさかいに、こっそり競牛の女選手を激励したったら選手も喜びよるんちゃうかな)
で「塩田の需要に応じて塩田にしたり、あるいは水を抜いて乾かしたりしとる場所を使って牛、走らせとるとこがあるんですけどその近所で雰囲気のよろしい海岸があって、更には川もありますから水の便もよろしおす。海沿いやから風通しをよくしとけば涼しい場所ですし、マングローブ林とかに面してるとこならあの辺の住民と少し離れて住めますやろ」とおすすめを受けたのが…。
https://twitter.com/725578cc/status/1688825952309297152?s=20
なるほど、この岬の林の手前くらいなら、まぁ何となくおすすめされた理由もわかるというものです。
水なんぞは引いてくれば良い話。
そして重要事案。
ジョクジャ宮殿の連邦世界での状況とかジョクジャカルタの街並みを見ればわかりますが、普通、王居の近辺にこんだけ住宅ガンガン作るもんかというくらいに、宮殿のすぐそばに何か建ってます。
そして、こう言う風に遠慮なく王居王宮の部類の近所を家屋敷で埋め尽くしても不敬にあたらんのがこの地のStandaardらしいのです…。
こんなもんされたら王宮の中でアヘられへんやないかと言う事で、絶対に王宮と住宅街を切り離す必要性を痛切に感じたメフラウが真剣に悩んで設計に関与したのが痴女皇国世界のジョクジャ宮殿だと思ってください…あの未成年同棲街も、少年少女淫行の町を作る以前に「一般住民が王宮のすぐ側まで遠慮介錯なしに家を建ててくる」この界隈の常識から王宮のあれこれを隠すという切実な目的があったのは内緒ですよ、内緒。
で、わしの別荘もこの考えをマドゥラの族長とかカーティカに伝えてたんですが…。
「陛下。便利のいいところに宮殿を作るとまず、絶対にこれをされます」
「例え地揺れや大火事が起きたとしても、その結果生じた空き地に他の者が家を建てに来よるのは間違いございません…」
などと言われ、果たしてどないしたもんかいなと思っていたのですよ。
ちなみにパメカサンの慈母寺分院と総督宮殿、周囲を絶林檎林で囲ってます。
陸型絶林檎とでもいうべき変種ですが、海岸沿いで繁殖させている原種と同じです。
その林に入ったが最後、樹液に侵食されて正気を保てません。
そして性欲のみなぎりを警備騎士に察知されて御用と相成ります。
ええ、骨と皮だけになって…というわけでもありませんが、基本は吸い取られて寺院の門前に転がされます。
「Inilah yang terjadi jika Anda memasuki istana tanpa izin.(無断で宮殿敷地に入ろうとしたらこれやで)」という看板を立てられたその下に…です。
(あれ、マドゥラ族って全員、女性になったのでは…)
(島外におった純血の男、呼び戻したり戻ってきたのを保護してますねや…それなりの地位を与えて生活を保障するかわりに、嫁を取らずに希望者にオメコして種付けしてくれやと…まぁ、こいつらは男性保護寮という専用宿舎に住ませて、男やねんけど慈母寺の職員にしてますねん…)
(しかし、その純血男性ならばおめこ三昧なのは想像に難くありません。何も絶林檎林でもがき苦しむ必要はこれっぽっちもないのでは?)
(ベラ子陛下…変態はその純血男連中やおまへんねんわ…。そいつらと別に、男手もいるからと島外で就職を募って呼び寄せたジャワ族他の非・マドゥラ族の一般住民の男連中で、総督府や分院の中のアヘ声が気になる奴らが湧いて出ますんや…言うたら淋の森の変態の類似品ですねん…)
(マルハちゃん…痴女皇国の国是は…)
(ええ存じてますし実践してます。無害か害性の低い変態は飯の種。連邦世界とは別の意味で逃さんのが習わしでっしゃろ)
(精気と、場所によってはおひねりをがっつりがっぽり頂くのです…あろうことならそうとは悟らせずに女官にハマらせるのです…)
(それ聖院規範に引っかかるぎりぎりですやん…まぁ変態はハマると通いますしね…)
ってなわけで、普通なら塩田のご近所の海沿いなんて、どんな建材を使おうが塩害で建物がやられます。
連邦世界のマドゥラ島ではこの近辺に家建ててる事例もあるようですが。
(コンクリートでしっかり基礎を作ってますね…しかし、塩害が予想されますからどのみち長期居住には向かないかも知れません…)
(塩でやられんかったら悪くない場所や思いますけどなぁ…)
しかし、そこはエマニエル建設部長に相談しまして。
(どうせ長期で住むわけでもなし、本来やったら総督府の後ろに王居作るつもりで土地も確保してましたんやろ?)
(あそこやとあんまし内緒であれこれ出来まへんからな…おすすめされた場所やったらパメカサンの町まで10キロくらいやし、アシさえあれば通えますやろ)
まぁ、痴女種脚力で走ればそれこそ数分で到着してしまいますが例によって周囲に被害甚大、となりますので、マドゥラに置いとけるアシ込みで手配を依頼。
そして、わしの単身赴任用の社宅いやもとい別荘が完成したのです。
ここに女や男を引っ張り込もうと思えば引っ張り込めますが、基本はジョクジャ宮殿からの転送ゲートを隠すためのヤサです。
それにカルノが完全死亡しとらんのに、カルノの名目正室のわしが特定の男や女を公然とこしらえる訳にもいきません。
カーティカの時は臨月状態で一旦、チャンバーから出てきてもらってですな。
ボテ腹状態でわしのチンポを咥えさせている映像を公開して「どこの誰がこの女を孕ませたか暗黙の了解を皆に知らしめた」のですけど…。
ええ、カーティカはあくまでも「どっかの馬の骨に犯され孕まされた。いやしくも慈母宗の上から数えて二番目とか三番目の大幹部たる常勤中僧正を腹ボテに出来る怖いもの知らずがどこのどいつか想像つきそうだが、とりあえずは父親不詳な」と言うことにしております。
(実はこれ、南洋王国の力関係がすこーし変わったって喧伝するためでもあんねんな)
(マルハ、あんたも無茶するわね…)
(ふんっ。慈母寺に対して実力行使もできますねんでっちゅうアピールも兼ねとるんじゃ…)
そう。マドゥラの女…それも慈母寺の偉いさんをお手つきしてしまうと、元来は誰かが怒るでしょう。
しかし、今、どこの誰がわしを公然と怒れるのか。
それに、カルノの今後の去就が不明瞭な中で公然と「わしの子供や」とは言えない裏事情もあります。
ですから、もはや周知の事実かつ公然の秘密ではありますが、カーティカの父親役は、不詳。
カルノがどうなるか決まるまではこれで無理からに押し通すつもりなのです。
で、わしが慈母宗分院と総督府の後ろに王居を作ってしまうと「家族で住んだ=認知した」っちゅうことになって、これはこれで反発する奴も出ます。
ですので、母娘を見守る地理的位置にいるのと、マドゥラ公営賭博の一面もある競牛の関係者として牛がらみの開発の進捗を業務で見るためにマドゥラ中心で動いてまっせアピールのためなのです、このわしの単身者宅。
ですからベラ子陛下と聖父様のあの、あの、あの別荘のようなエロ仕様にはなってまへんで、現状。
(3回も念押ししなくとも…)
(陛下。あの別荘の内部の映像、毎晩あれだって読者の皆様にもがもげもごごごご)
「ふむ…本当に単身社宅のごとき殺風景かつシンプルな構造…」
「だから言うて見に来なくてもええですやん…」
「では聞きますがマルハちゃん、性欲処理はどうしとるのですか。いくら慈母観音像があるからとはいえ精気授受関連のためにもお尻を振りちんぽの活用は、南洋行政局長としてある程度はやって頂かないと」
「その答えを今から見てもらいますから、ベラ子陛下、あのベスパのスクーターで構いませんから、わしの後ろをついてきてもらえまへんやろか…」
(カーティカ…ちゅうこっちゃ…あんた今出れるか)
(けいさつ車両とやらに乗せて頂ければよいのですか)
(何ならディード来させてもええ…ベラ子陛下の相手を頼みたいねん…)
と、以心伝心の依頼を済ませます。
んで。
庭先に駐車したわしのマドゥラでのアシ。
おい。
わしは車を頼んだはずなんや…なんでこれやねん…。
(女王様に見られないようにという要望に加えて、今は中古市場でいいタマがないそうですねん…)
(にしても、この色は一体全体何やねん…)
目の前にあるのは、ピンク色…痴女皇国色の二輪車。
そして、あのウサギ号とは似ても似つかぬおっさん臭さも漂う外観です。
https://twitter.com/725578cc/status/1688803989343854592?s=20
さながら、スカッと参上して何かの問題を解決して帰りそうな気もしますが。
思わず、ベラ子陛下に向かって「2月2日に誰それを殺したのはお前かっ」と問い詰めたくなる願望が首をもたげますが、我慢します。
そして、カウガールルックになった私は、ベラ子陛下にも同じ衣装を強要します。
「このマドゥラの地では公式訪問以外では痴女皇国や南洋王国にちなんだ服を着てよいのはカーティカ他、南洋慈母寺の職員だけだす…マドゥラ族の自治権を尊重しとるのです…」
まぁ、ベラ子陛下の長身かつ見た目なら、大概の服は似合うと言ってよいでしょう。
本人はお飾り皇帝看板皇帝とかいう評価を気にしておられますが、この方は基本、よほど変なものを着用しない限りはまず、「黙って立ってる分には集団の中で一番えらい」という風に見られるだけの外観なのです。
ええ、看板としては最上等な部類でしょう。
で、ワイは陛下のベスパを先導して走り出します。
あ、カウガール用の帽子の顎紐はちゃんと締めておいてくださいね、風で飛びますから。
んで、すぱぱぱぱぱぱぱぱと塩田の畦道…いなかのべんつ号なるくるまを通す程度の広さと頑丈さはあります…を走っていくと、確かに乾かした塩田を均して平らにした練習場らしきが見えて来ます。
しかし、今回の目的地はここであってここではないのです。
で、練習場の片隅で、常設されている牛用の塩舐め場兼水飲み場で、牛に水を飲ませている、わしら同様に帽子と牛飼い服姿の女が一人。
その牛飼い服…カウガール服は、オラニエ…オレンジ色です。
この色の牛飼い服、実は競牛の島内代表戦出場資格者となるそうです。
即ち、この一帯の勝ち抜き戦を勝って、今度のパメカサン競牛場での決勝に臨む人物の一人。
で、この女がどこのどいつかをわしは知っておりますが、ある事情で名前を呼べないのです。
向こうは向こうで、わしがどこの馬の骨かを知っていますが、どこの誰かを言うことはできません。
この競牛に関する決まりはもちろん、南洋王国本国とマドゥラとの間のびっみょーな位置関係で決められた掟に違反するからです。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/218/
特に、わしの正体なぞ、何を着ようが黒薔薇の変装機能を使わない限りは素人目でも見え見えバレバレなのですが、こいつがわしの正体を口走ると出場停止となる不名誉を食らいます。
で、この女、実のところはこの近所の牧畜農家のでかいとこの長男。
そして、正直を言えばどこからともなく「女王様の慰み者にはこいつがええんちゃいますか。そこの農家、長男は戦牛乗りの兵士で出征経験ありまっせ」とか聞こえて来たのですよ。
そして、この競牛でうまいこと勝ち進めばゆくゆくは千人卒級の宮殿騎士にええかなーとか考えてたんです。
年齢もまだ若いし。
で、その長男なる女、普通に牛に乗って帰路につきます。
ですが、なんか腰の辺りの動きがおかしいのです。
そして、背後をついてくるわしに見えるようにケツを高く掲げて、股間の様子を確認させよるのですわ。
いえ、こいつはまだ一人卒相当ですからPik、生えてませんよ。
ただ…その牛飼い服の股間に食い込んでるケツ出しフンドシ風下着の淫蟲下着機能、動いてますね。
(ああっ!そのような辱め!娘様!おやめくださいまし!)
(ふっふーん、いくらわしが公然と声かけられん言うたかて無視しやがって…)
(八百長に見られては競牛の人気に影響が出まする!)
(せやからその辺をうまくするんやないか…このわしに任しとかんかい、お前はもう、今年1年はわしの側仕えの一人として候補にされとるんじゃ…)
(ひいいいい!)
で、ほうほうの態で自宅の牛舎に牛を入れたその長男娘ですが、諦めてわしの乗る二輪車の前の座席に座りよります。
そして、その後ろから手を伸ばしてハンドルを握ったわしの手を掴む格好で。
なんでこうしてるのか。
はっきり言いますと、わしが後ろから犯しながら走るからです。
(えええええっ)
(何を驚いておるのですか、牛の背中でやるよりはましでしょうが…)
(てててててて天下の公道でっ)
ええ、慌ててわしの動かす二輪車を追いかけてくるベラ子陛下。
しかし、その後ろから灰色にオレンジ色の帯を巻いたくるまが現れ、サイレンを鳴らします。
このパトカー、あまりの不人気にパトカー以外の用途で走っているのを見たことがないとか、その希少性や縁起の良さで親指を隠す風習があるほどに珍しい車種らしいです。
で、そうした事情ゆえに安値で入手できたそうなのですが…私も一応はまだ親が存命ですから、親指を隠したいのですが二輪車を運転中ですからねぇ…。
「そこの白い二輪車止まりなさい、あ、ピンクのはそのまま行ってよし」
んでそのパトカー、ベラ子陛下のベスパだけを止めてしまいます。
(何であの犯罪的な方を捕まえずに…え?)
ええ、怒りながらベスパを路肩に寄せたベラ子陛下の前に現れたのはディードのはず。
「競牛選手に南洋関係者が無許可で接触するのは禁止行為です…どこのどなたか知ってても知りませんが、とりあえずパメカサン・マドゥラ警備本部まで同行願います」
「不敬ですよディード!…え」
(陛下。陛下だというのはこちらも把握しておりますが、そのマドゥラ牛飼い衣装を許可なく着ている人間は警務の誰何の対象なのです…南洋王国カーティカ総督のもとで今から取り調べを行いますから、一緒に来てください…そして、取り調べの担当者もこの鈴菌なパトカーに乗っているのです…)
ええ、痴女種視覚で見ますと、パトカーの助手席から現れたカーティカが、後部座席の扉を開けております。
そして降りてくる、淫蟲下着姿の浅黒い少年。
(この少年は数少ない男性復帰志願者で代官の息子なのです…そして現在は純血マドゥラ人女性への種付け役を兼ねて、警備本部の警務罪人扱い職員として勤務してもらっているのです…)
(ま、まさかあたしを取り調べるのは…)
「どこの青目金髪白肌様かは金輪際存じておりませんが、貴人様といえど全島挙げての競牛期間中にうかつなことを選手に致してはならぬのが我らが掟でございます。知らなかったとは思われますが、我らの顔もございますので、なにとぞご同行を…」
と、すんまへんなという顔で、呆然としているベラ子陛下に手錠をかける少年。
見ていると、パトカーは警備騎士の姿のカーティカの娘さんが運転し、ディードは陛下のベスパに乗って警備本部を目指すようです。
ふふふふふ。
(ええ陛下、いえ青目金髪様、ぜひごゆるりと取り調べられて下さいまし…ほほほほほほ!)
ええ、ベラ子陛下からすれば手錠なんぞ無意味。
普通ならあのパトカーごと関係者をひっくり返して立ち去るくらいの暴君行為はやりかねません。
しかし、しかしですね。
その少年一人が現れただけで、陛下は暴君べらこちゃんとして振る舞えなくなるのです。
なぜならば、陛下より圧倒的に弱いのがわかってる人間の少年。
しかも、マドゥラの有力者の息子です。
とどめに純血種マドゥラ族で、保護対象。
腫れ物に触るように取り扱う必要があるのです。
(ディードー、カーティカー、その不審人物がどこの誰かは防音取り調べ室の中でゆっくり聞いてなー、ついでに被疑者に不利な発言行動がないようにきっちり記録するんやでー)
(ほほほほほ、不審者様にはほんっとーに申し訳ないのですが、しゃあないですねこれはっ)
(カーティカに同じ。つーか陛…いや不審者様、本当に競牛の期間は予選からうるさくせざるを得ないんですよ…?)
(マルハちゃんはなんなのですか!あんな破廉恥行為を公道で!しかも相手は競牛せんしゅもごご)
(不審者様…あれは桃色の服を着て桃色のスクーターに乗った、南洋王国じゃ二番かもしれないけどマドゥラでは一番の女変質者です…たびたび目撃情報が出ているので我々は警戒していたのです…)
(ついでながら陛下いえ怪しい少年好きの助平女様、あの競牛騎手、実は騎士候補で地元の警務奉仕人…聖隷少女団めいた慈母宗の奉仕組織の手の者ですわよ…つまり変質者を捕縛し誰何しとるのです…)
(カーティカさん…後ろからちんぽ突っ込まれてるじゃないですか…あれはなんなのですか!あんなのが取り調べとは仮に淋の森でも…)
(やってました。言うこと聞かん変態には千人卒以上を呼んできて通称やおい穴への誰何を行います。陛下いえ不審者様、私が痴女島でどこの警備本部優先配置でどっかの皇帝とかその母親様とか豚箱にぶち込んだ経験者ですが、これをその不名誉記録に加えるべきか)
(加えたら陛下いえ変態様が、茸島以外に無理やり来たことになって大事に…)
(ううううう)
(だからわざわざ取り調べ要員に少年を起用したんですってば!これ強制接待ですからね?受けて帰ってもらいますからね?)
(ディードさん、逃げるわけにはいかんのですか)
(その時は不審者変態現るということで捜査記録を警務局に提出せねばなりません。しかも今、私が回送運転してる操縦しにくいにもほどがあるこのベスパがどこの誰の所有か、明らかになってしまいます…)
(そうですよ変態少年好き女様、ぜひここは取り調べという名の接待を満喫してお帰りになって頂きたく)
(カーティカさんって皮肉、きつくないですか)
(ほほほほほ、私はマルハレータ陛下いえいえ前の桃色脳天気な怪傑変態様の女だというだけの話ですわっ)
(へーかいえどすけべ絶倫女様、これが嫌ならさっさとオリューレとカルノの復帰稟議に判を。でないとマドゥラ来た時点で毎回これですよ…更に、私も一応は茸島警備本部長兼任ですよ…実際にはアンヌマリーやジャンヌに投げてますけどね…)
(ううううううう)
くくくくく、南洋王国の中でも指折りにややこしくて頭痛案件のマドゥラにうかつに来るからこうなるのです…そして、それが嫌なら大人しく灸場周辺のリゾート開発をティアラに指示るのです…。
(南太平洋の開発を止めますよ…)
(何を今更。厚労局長が保養所建設稟議、全力で通してしもうたという噂話…そう、あくまでもわしは今、警務奉仕者で競牛騎手のよう締まるケツを堪能中の脳天気な怪傑変態なのです…ふほほほほほっ)
ええそうです。
マドゥラでのわしの足、ほんまはもっと菌率が高いものだったのです。
しかし、この変な小型二輪車、実物に乗るとジェントルマンどころか電マかお前と言うくらい、ハンドルに振動が伝わるのです。
https://twitter.com/725578cc/status/1688807154466295808?s=20
で、1人しか乗れんこともあり。たまりかねてもう少しまともな奴を…と頼んだら、チェンジしたらヤクザが来たじゃなくてこれが来たのです。
いくら痴女皇国の国の色が桃色と言っても、これはないだろうと抗議しましたが、そもそもマルハちゃんは4輪の自動車を要求していたではないか。マドゥラの実情に合わせた車が手に入るまですまんがその脳天気なスクーターで我慢してくれとか言われましてね…。
ええ。
この二輪車を選んだ人、許したくありません。
あの蟹衣装を着て、ギターを背負ってこれ乗って痴女宮に殴り込んでいいですか。
どうもこれ、二輪用のヘルメット、変な被り方で装着したら変態飛行装置も出てくるみたいなので。
ええ、この者、変態装備を押し付けた犯人というカードを残して去るだけです。
○しませんから!警務局に引き渡すだけですから!
---------------------------
べらこ「あたしを疑ってますね…」
まるは「そりゃあもう。それに、怪傑も快傑も武器はムチなのです」
べらこ「マルハちゃん…このあたしに、久々にベラ子のムチは痛いよと言わせたいのですね?」
まるは「蟹光線を撃ちますよ」
べらこ「あんな危険なもの使用禁止です!」
まるは「マリアリーゼ陛下。どこぞ予備校実施のベラ子陛下あそこ大学受験模試結果、特に歴史と地理と現代国語を」
マリア「うん。ベラ子の学業成績を向上させるために塾に缶詰にするんだな。よくわかる(蟹服使用許可ぽちっとな)」
べらこ「あんまりやぁあああああ」
マリア「うるせぇっよく読めば聞けば、こんなもん誰が何をどう見てもマドゥラの美少年をベラ子に食わせる接待じゃねぇか!」
まさみ「ベラちゃんだけ…」
あるて「ベラ子陛下だけ…」
くれーにゃ「ベラ子陛下だけ…」
まるは「ふへへへへ、それにですね美少年愛好家の皆様方…あのですね、カリブ沿岸でも少年、おるんですよ?ティアラに商売っ気がないだけですよ?」
まさみ「確かに、ティアラちゃんはそっち方面の開発の才能に欠けてるわね…」
あるて「アンヌマリーと入れ替えてもいいんでは?」
てぃあら「やめてくださいしんでしまいます」
まさみ「それとベラちゃん。上の方でも言ってるけど、マルハちゃんはあくまでも善意かつ、オリューレさんとカルノ君の復帰に向けて努力しないと南洋界隈でもっとやりたい放題するよって脅してるんだからね…」
まるは「今のままでも予約さえ頂ければマドゥラだろうがジャワだろうが須磨虎だろうが混血だろうが、少年を振る舞えますからねぇ」
あるて「マルハレータの怖いところ。ここまでやってて聖院規範不適合に起因する上皇陛下または内務局長指導が入ってない。つまりこの子は違反せずにやっているのよ」
まさみ「叱るようなことしてたらあたしでも叱るけど、叱られることしてないのに叱る道理はないわよねぇ」
まるは「そんなわけで。実はティアラにカリブなんとかしろしろってうるさく言ってるのも、ちゃんと理由があるんですよ。フランス病作戦の後のフランスって、当然ながら痴女皇国の支配下に入りますよね。その際の支部長って誰がやるんです?」
まさみ「イザベルさんはスペインで手一杯。マリーがフランス自体を仕切れるかは微妙かも」
まるは「つまり、うかうかしてると、球根詐欺国のカリブ界隈にある海外領土の近所、フランスも海外領土扱いの島持ってるんですよ。今後のフランス支部の人事によっては、海賊共和国と仲良しな支部長が着任するかどうか不透明」
あるて(これだけ読めるのも怖いところなのよね…)
まるは(側に通路な国があると国防情報には敏感にならざるを得ないのです…)
まさみ「つまり、カリブ海を海賊共和国すなわち中米行政支局が開発してくれないならうちが砂糖工場とか作るでと言い出す他の支部が本当に来る可能性が…」
まるは「せやから言うたやろがティアラ…うちがやらんでも、あそこは誰かが狙うんじゃ…そうなったらいくらアレーゼ様でも、開発遅延を理由に他支部の参加を認めなしゃあないようになるやないか…」
てぃあら「うううううっ」
まるは「せやからさっさとパナマ掘れパナマ。あそこさえ通れたらうちから支援艦隊回すくらいはしたるから…」
まさみ「ちなみにこの話でさえ、実はマルハちゃんはティアラちゃんの足を引っ張る姑息な考え方をしてません、表立ってはね」
あるて「素で聞いてても、支援のための最低限の自己努力を他の支部に求めてるだけなのよね」
まさみ「しかし、それが出来ない子には地獄の死刑宣告なのよ…合法的な…」
まるは(パナマ運河掘削計画内案立案計画、国土局に進言してますよって…)
まさみ(この辺の根回しも怖いところよねぇ…)
あるて「つくづく南洋で留めるのが惜しい人材ね、欧州来ない?」
まるは「あほの妹の面倒見てくれるなら…うちのアキレス腱はほんまあれですわ…」
まさみ「と言うわけで次回はマルハちゃんの妹さんの話かも知れないわねっ」
他全員「とりあえず次回もよろしくなのです…」
先日の羊島の件を片付けてわしの仕事ははい終わりという訳でもない缶詰女王たるマルハレータですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ええ。
羊の件が片付いたとしても、もう一つ、生産を奨励されとる物があります。
わたです、ワタ。
と言ってもダムに沈む予定の村で惨劇とともに川に流されたり、アタマおかしいおばちゃんが敵の腹を裂いて見たがるワタではありません。
ワタはワタでも、あれはハラワタというもの。
球根詐欺国の医者が比丘尼国に贈った解剖の書物であちらの医学に進展があったそうですが、あれにばっちり掲載されている方ではなく綿花の方のワタです。
そして、件の綿についてですが、連邦世界では大衆民衆の服の素材として大量に栽培されておるものの、こちら痴女皇国世界では栽培も利用もまだまだハッテン途上。
ええ、その理由ですがね…。
まず、綿なる植物の栽培には大量の水を要します。
従って、絶対に水源の確保を要するのだそうです…。
で、ハッテン途上の理由として大きいのが、収穫や布にするまでの工程に人手を要することらしいです。
連邦世界だと機械で収穫して機械で綿の繊維だけ取り出して糸から織物にする工程も機械化しているそうですが、こちらは手作業でまかなっているのです。
(三河監獄国では豊田工場で織機を稼働させていますよ…)
(確かに完全自動化や完全機械化が達成できてる連邦世界とは事情が異なるよな…アメリカの奴隷なんてまさに綿花栽培が主な従事用途だった訳だし…)
で、労働奴隷を使うわけにもいかないと…。
(確かに奴隷を使いたくなるでしょうが、痴女皇国では罪人あるいは罪人扱いを志願した者でないと男性または女性の労働奴隷にはしていません。そして女性なら罪人女官にする方が生産性が高い仕事を与えられますから…)
ですよねぇ…。
しかし、悩めるマルハに救いの手が。
(女工というものを使役する事で参考になる事例がある。それもまさに繊維関係だ)
で、マリアリーゼ陛下から送られて来たのは、ヤパンの富岡製糸場と、泉州地区の織物業についての資料。
そして天竺…連邦世界ではインドと言われる地域での綿花栽培の歴史、などなど。
(人類は綿を手にすることで大きく衣服事情をカイゼンできたんだけどさ、その裏には奴隷労働と…そして労働婦人を使役する歴史があったんだわ…)
あー、織物屋じゃ女が織機を使ってることも多かったですね。
多少は場所を取るので街中じゃあまり見かけませんでしたけど、内職めいた事してる所も結構ありましたから。
しかし、富岡製糸場とやら…その生産物自体は絹ですが、範を取ったのはフランス産の技術だそうですね…しかし、教えに来たフランス人女性が片端から任期未了で帰国したりなど、結構大変だったようで。
一方、日本には戦争時代の前に伝わった綿の栽培と紡織技術によって、産地付近での紡績事業が興されたと…ふむふむ、それでイズミオオツやイズミサノに外国人が居住した事例もあったのですか。
で、当時のヤパンの労働事情は、基本的に地方の多産な農家の、長男長女以外の子供達を他業種に迎え入れることで成立していた一面もあり、機械化によって女工でも布を大量に生産することが可能であったと…。
となれば、織機の動力化・大型機械化の目処さえつけば…女工なんぞ、痴女皇国ならば何とでもなるのではないでしょうか…。
そして肝心の綿花栽培と収穫です。
これについては既に、別の生産品で多大な実績を上げている場所があるでしょう。
そう…他ならぬ灸場はハバナ市街西側を中心とした「愛の砂糖きび畑」ですがな。
更には南洋でも実はそうなのですけど、一人卒痴女種化した女官を投入する方が効率良かったりするのですよ、珈琲淫や阿片や快感王に天然ゴムとか椰子とかもろもろの農産物収穫作業…。
ただ、女官を農婦や女工として投入するにはそれなりに教育と仕掛けも必要でしょう。
そして労働意欲を高めるための仕掛けはもちろん、矛盾するようですが、なるべく短時間で効率を上げ、余暇時間を与えたいものです。
私のこの考えは、富岡製糸場を民営化した後に女工の労働時間が伸びる傾向を示していたことや、若年女工が終業後の学業…勤労学生女工の身分も少なくなかったようで…に熱意を示さなかったと伝えられることが大きく影響しています。
そして私自身が、一応は痴女宮本宮の女官研修を終えた身です。
いわばあそこは大量の女性を雇用して労働させる仕掛けそのものが動いている場所です。
そして、女官を単に労働させるだけではなく余暇時間や休憩時間の確保に厳格です。
百人卒未満の女官たちが淋の森に立てるのも、この労働時間管理…というよりは酷使させない制度あってのものだね。
言っては何ですが、女官労働の制度を含めてこの痴女皇国世界の地球では世界の最先端を行っていると思いますよ…ただ、未来社会の何がしかをこっそり導入しているが故に成立している点もありますから、痴女宮の制度を完全に真似るのは危険だとも釘を刺されておりますし。
例えば千人卒以上は食事を毎食摂る必要はありませんし、女の日も来ません。
百人卒未満ですら年に1回、思い出したように血が来るだけです。
つまり、生理痛とかいうものに悩まされないか、ごく限られた期間だけ。
更には基礎体温の変動や、定期不定期の肥満や食欲不振などなど、おなご特有の身体変調がないに等しいのです。
有り体に言うと、百人卒未満の生理や思考は…Pikのない男、と申し上げるべきか。
(これはうちが断言しよう。更年期障害云々に悩むことはない。なぁアグネスさん)
(生理用品などというものはもはや緊急のために持ち歩くのみ。普段からあれを気にせず爽快に生活できるのはどれほどありがたいことか)
と、メフラウ・オリューレの実年齢とあまり変わらない方々のNBからの意見ですが…。
(マルハレータ。女性の年齢を暴露するのは危険な行為です。ですから初代様が十万一千二十何とか歳だとか、一部の特殊な悪魔のような年齢表記も非常に危ういのです)
(オリューレ…マリアヴェッラがカルノを密かに狙う昨今、貴女が寝たきりでカルノだけ起きたらどうするのですか…)
(初代様。ベラ子陛下は行き過ぎたショタ食いの罰を受けて南洋島の少年を味わうことを禁止された立場かと…さすがに私が寝ている状態でカルノは南洋島を簡単に離れられないでしょうし…)
(誘拐するかも知れませんわっ)
(それこそ犯罪であり、初代様がベラ子陛下を取り締まるか査問対象になさるべきでは?)
ええとですね。
諸事情、省きます。
ただ、この時点でのベラ子陛下は二代目様によって「南洋島にお付きなしでの上陸禁止」の出禁を申し渡されています。
(マリアねーさんかエマ助かジーナかーさま、いずれかの同伴でないとあかんと…うううっ)
(なんぼなんでも痴女皇国皇帝が自分の領地に公務で来られへんの、さすがにまずいと私も言うたんですわ…)
つまり、スケアクロウを飛ばしてアジスチプトに来たりジョクジャの前庭やボロブドゥールに来るとかはオゥケィ…あれでお越しになる時はまず確実に公務になりますし、同伴者のどなたかは絶対に機内におられますから。
しかし、転送機能を利用して…わけてもボロブドゥールの聖院学院仏教部やジョクジャ宮殿の東側をうろつくのはあかんとなったのです。
まぁ、これはしゃあないでしょう。
機会があれば「何でこうなったか」バラしますから。
それはともかく、昨今の私マルハレータ。
実はパメカサンの郊外にある離宮を拠点にしてる事も多いのです。
というのも、例の競牛の件。
あれでマドゥラ島内をうろつくことも多くなりまして。
しかし、南洋島…わけてもジョクジャ宮殿をお留守がちにすんのもどないしたもんか。
で、ユフラウ・メルトリューネとディードにジョクジャの管理をお願いしまして、ワイのマドゥラでのヤサ、パデレガンというパメカサンの南にある岬の付け根のマングローブ林とビーチのある場所にちっこい別荘こしらえて頂いたのです。
ここにした理由は、パメカサンの近郊で競牛の練習場があるのがこの近所だからです。
更に言うと、この近辺にマドゥラでは貴重な上にも貴重な川というものがあるのです。
ええ、この別荘の建設指示を出すに当たり、わしは内心胸を撫で下ろしたのです。
と申しますのも、茸島とか南洋島のジョクジャみたいな感じで「ちょっと高原っぽくて川が流れてて涼しそうなとこ、どっか知らんか」と思ったわし、あわやそれをカーティカや族長に尋ねかけたのですよ…。
はい…そんな別荘地にできるほどの水の便のええ場所はまず、田んぼ作られとります。
そうです、マドゥラ人が出稼ぎしたり牛飼うたり塩田作るくらいに、この島の水事情は大変なのです。
とにかく高低差がないから湖めいたもんがなかなか出来ないし石灰岩とやらが主な土地の保水力もあんまよろしくないので、川とみるやまず、田畑とおのれらの住まいを作るにかかるのです。
ですから、脳天気なツラを下げて「マドゥラにわしの離宮作ろか思うねんけど」という構想を話す事自体はまだしも、「こうこうこれこれの条件で別荘作るんにええとこないかなー」なんて言おうものなら、まず確実に彼女たちの反感を買っていたでしょう。
そこでわしは「海岸沿いで風光明媚で、牛の練習とかしてる場所の近所でええとこない?」と聞き方を変えました。
マルハの建前「我が離宮というほど大層なものを作るわけではなく、まぁ言うなれば隠れ家をこのマドゥラに作り、執務や避暑に利用したいのが本音。しかし、そのような条件の整った場所はこのマドゥラでは真っ先に人の住処や耕作地とされることでしょう。そこで、私が思い立ったらマドゥラの国技とでもいうべき行事の修練などしておる場所を望める所に住まい、更にはお忍びで選手の激励などできればなおさら良きやも知れません」
まるはのほんね(今この時期にマドゥラの統治もわしが直接やらんと揉める可能性あるから常駐したいんやけどな、こっちに住み込むヤサ作るにあたって、わしがわがまま言うたら絶対に既に住んでる奴どかす話になるやんか…どかすにしても口実は絶対に必要やさかい、競牛の練習しとる場所の近所に住みたい言う話にしてくれや。んで、わしも生理現象があるさかいに、こっそり競牛の女選手を激励したったら選手も喜びよるんちゃうかな)
で「塩田の需要に応じて塩田にしたり、あるいは水を抜いて乾かしたりしとる場所を使って牛、走らせとるとこがあるんですけどその近所で雰囲気のよろしい海岸があって、更には川もありますから水の便もよろしおす。海沿いやから風通しをよくしとけば涼しい場所ですし、マングローブ林とかに面してるとこならあの辺の住民と少し離れて住めますやろ」とおすすめを受けたのが…。
https://twitter.com/725578cc/status/1688825952309297152?s=20
なるほど、この岬の林の手前くらいなら、まぁ何となくおすすめされた理由もわかるというものです。
水なんぞは引いてくれば良い話。
そして重要事案。
ジョクジャ宮殿の連邦世界での状況とかジョクジャカルタの街並みを見ればわかりますが、普通、王居の近辺にこんだけ住宅ガンガン作るもんかというくらいに、宮殿のすぐそばに何か建ってます。
そして、こう言う風に遠慮なく王居王宮の部類の近所を家屋敷で埋め尽くしても不敬にあたらんのがこの地のStandaardらしいのです…。
こんなもんされたら王宮の中でアヘられへんやないかと言う事で、絶対に王宮と住宅街を切り離す必要性を痛切に感じたメフラウが真剣に悩んで設計に関与したのが痴女皇国世界のジョクジャ宮殿だと思ってください…あの未成年同棲街も、少年少女淫行の町を作る以前に「一般住民が王宮のすぐ側まで遠慮介錯なしに家を建ててくる」この界隈の常識から王宮のあれこれを隠すという切実な目的があったのは内緒ですよ、内緒。
で、わしの別荘もこの考えをマドゥラの族長とかカーティカに伝えてたんですが…。
「陛下。便利のいいところに宮殿を作るとまず、絶対にこれをされます」
「例え地揺れや大火事が起きたとしても、その結果生じた空き地に他の者が家を建てに来よるのは間違いございません…」
などと言われ、果たしてどないしたもんかいなと思っていたのですよ。
ちなみにパメカサンの慈母寺分院と総督宮殿、周囲を絶林檎林で囲ってます。
陸型絶林檎とでもいうべき変種ですが、海岸沿いで繁殖させている原種と同じです。
その林に入ったが最後、樹液に侵食されて正気を保てません。
そして性欲のみなぎりを警備騎士に察知されて御用と相成ります。
ええ、骨と皮だけになって…というわけでもありませんが、基本は吸い取られて寺院の門前に転がされます。
「Inilah yang terjadi jika Anda memasuki istana tanpa izin.(無断で宮殿敷地に入ろうとしたらこれやで)」という看板を立てられたその下に…です。
(あれ、マドゥラ族って全員、女性になったのでは…)
(島外におった純血の男、呼び戻したり戻ってきたのを保護してますねや…それなりの地位を与えて生活を保障するかわりに、嫁を取らずに希望者にオメコして種付けしてくれやと…まぁ、こいつらは男性保護寮という専用宿舎に住ませて、男やねんけど慈母寺の職員にしてますねん…)
(しかし、その純血男性ならばおめこ三昧なのは想像に難くありません。何も絶林檎林でもがき苦しむ必要はこれっぽっちもないのでは?)
(ベラ子陛下…変態はその純血男連中やおまへんねんわ…。そいつらと別に、男手もいるからと島外で就職を募って呼び寄せたジャワ族他の非・マドゥラ族の一般住民の男連中で、総督府や分院の中のアヘ声が気になる奴らが湧いて出ますんや…言うたら淋の森の変態の類似品ですねん…)
(マルハちゃん…痴女皇国の国是は…)
(ええ存じてますし実践してます。無害か害性の低い変態は飯の種。連邦世界とは別の意味で逃さんのが習わしでっしゃろ)
(精気と、場所によってはおひねりをがっつりがっぽり頂くのです…あろうことならそうとは悟らせずに女官にハマらせるのです…)
(それ聖院規範に引っかかるぎりぎりですやん…まぁ変態はハマると通いますしね…)
ってなわけで、普通なら塩田のご近所の海沿いなんて、どんな建材を使おうが塩害で建物がやられます。
連邦世界のマドゥラ島ではこの近辺に家建ててる事例もあるようですが。
(コンクリートでしっかり基礎を作ってますね…しかし、塩害が予想されますからどのみち長期居住には向かないかも知れません…)
(塩でやられんかったら悪くない場所や思いますけどなぁ…)
しかし、そこはエマニエル建設部長に相談しまして。
(どうせ長期で住むわけでもなし、本来やったら総督府の後ろに王居作るつもりで土地も確保してましたんやろ?)
(あそこやとあんまし内緒であれこれ出来まへんからな…おすすめされた場所やったらパメカサンの町まで10キロくらいやし、アシさえあれば通えますやろ)
まぁ、痴女種脚力で走ればそれこそ数分で到着してしまいますが例によって周囲に被害甚大、となりますので、マドゥラに置いとけるアシ込みで手配を依頼。
そして、わしの単身赴任用の社宅いやもとい別荘が完成したのです。
ここに女や男を引っ張り込もうと思えば引っ張り込めますが、基本はジョクジャ宮殿からの転送ゲートを隠すためのヤサです。
それにカルノが完全死亡しとらんのに、カルノの名目正室のわしが特定の男や女を公然とこしらえる訳にもいきません。
カーティカの時は臨月状態で一旦、チャンバーから出てきてもらってですな。
ボテ腹状態でわしのチンポを咥えさせている映像を公開して「どこの誰がこの女を孕ませたか暗黙の了解を皆に知らしめた」のですけど…。
ええ、カーティカはあくまでも「どっかの馬の骨に犯され孕まされた。いやしくも慈母宗の上から数えて二番目とか三番目の大幹部たる常勤中僧正を腹ボテに出来る怖いもの知らずがどこのどいつか想像つきそうだが、とりあえずは父親不詳な」と言うことにしております。
(実はこれ、南洋王国の力関係がすこーし変わったって喧伝するためでもあんねんな)
(マルハ、あんたも無茶するわね…)
(ふんっ。慈母寺に対して実力行使もできますねんでっちゅうアピールも兼ねとるんじゃ…)
そう。マドゥラの女…それも慈母寺の偉いさんをお手つきしてしまうと、元来は誰かが怒るでしょう。
しかし、今、どこの誰がわしを公然と怒れるのか。
それに、カルノの今後の去就が不明瞭な中で公然と「わしの子供や」とは言えない裏事情もあります。
ですから、もはや周知の事実かつ公然の秘密ではありますが、カーティカの父親役は、不詳。
カルノがどうなるか決まるまではこれで無理からに押し通すつもりなのです。
で、わしが慈母宗分院と総督府の後ろに王居を作ってしまうと「家族で住んだ=認知した」っちゅうことになって、これはこれで反発する奴も出ます。
ですので、母娘を見守る地理的位置にいるのと、マドゥラ公営賭博の一面もある競牛の関係者として牛がらみの開発の進捗を業務で見るためにマドゥラ中心で動いてまっせアピールのためなのです、このわしの単身者宅。
ですからベラ子陛下と聖父様のあの、あの、あの別荘のようなエロ仕様にはなってまへんで、現状。
(3回も念押ししなくとも…)
(陛下。あの別荘の内部の映像、毎晩あれだって読者の皆様にもがもげもごごごご)
「ふむ…本当に単身社宅のごとき殺風景かつシンプルな構造…」
「だから言うて見に来なくてもええですやん…」
「では聞きますがマルハちゃん、性欲処理はどうしとるのですか。いくら慈母観音像があるからとはいえ精気授受関連のためにもお尻を振りちんぽの活用は、南洋行政局長としてある程度はやって頂かないと」
「その答えを今から見てもらいますから、ベラ子陛下、あのベスパのスクーターで構いませんから、わしの後ろをついてきてもらえまへんやろか…」
(カーティカ…ちゅうこっちゃ…あんた今出れるか)
(けいさつ車両とやらに乗せて頂ければよいのですか)
(何ならディード来させてもええ…ベラ子陛下の相手を頼みたいねん…)
と、以心伝心の依頼を済ませます。
んで。
庭先に駐車したわしのマドゥラでのアシ。
おい。
わしは車を頼んだはずなんや…なんでこれやねん…。
(女王様に見られないようにという要望に加えて、今は中古市場でいいタマがないそうですねん…)
(にしても、この色は一体全体何やねん…)
目の前にあるのは、ピンク色…痴女皇国色の二輪車。
そして、あのウサギ号とは似ても似つかぬおっさん臭さも漂う外観です。
https://twitter.com/725578cc/status/1688803989343854592?s=20
さながら、スカッと参上して何かの問題を解決して帰りそうな気もしますが。
思わず、ベラ子陛下に向かって「2月2日に誰それを殺したのはお前かっ」と問い詰めたくなる願望が首をもたげますが、我慢します。
そして、カウガールルックになった私は、ベラ子陛下にも同じ衣装を強要します。
「このマドゥラの地では公式訪問以外では痴女皇国や南洋王国にちなんだ服を着てよいのはカーティカ他、南洋慈母寺の職員だけだす…マドゥラ族の自治権を尊重しとるのです…」
まぁ、ベラ子陛下の長身かつ見た目なら、大概の服は似合うと言ってよいでしょう。
本人はお飾り皇帝看板皇帝とかいう評価を気にしておられますが、この方は基本、よほど変なものを着用しない限りはまず、「黙って立ってる分には集団の中で一番えらい」という風に見られるだけの外観なのです。
ええ、看板としては最上等な部類でしょう。
で、ワイは陛下のベスパを先導して走り出します。
あ、カウガール用の帽子の顎紐はちゃんと締めておいてくださいね、風で飛びますから。
んで、すぱぱぱぱぱぱぱぱと塩田の畦道…いなかのべんつ号なるくるまを通す程度の広さと頑丈さはあります…を走っていくと、確かに乾かした塩田を均して平らにした練習場らしきが見えて来ます。
しかし、今回の目的地はここであってここではないのです。
で、練習場の片隅で、常設されている牛用の塩舐め場兼水飲み場で、牛に水を飲ませている、わしら同様に帽子と牛飼い服姿の女が一人。
その牛飼い服…カウガール服は、オラニエ…オレンジ色です。
この色の牛飼い服、実は競牛の島内代表戦出場資格者となるそうです。
即ち、この一帯の勝ち抜き戦を勝って、今度のパメカサン競牛場での決勝に臨む人物の一人。
で、この女がどこのどいつかをわしは知っておりますが、ある事情で名前を呼べないのです。
向こうは向こうで、わしがどこの馬の骨かを知っていますが、どこの誰かを言うことはできません。
この競牛に関する決まりはもちろん、南洋王国本国とマドゥラとの間のびっみょーな位置関係で決められた掟に違反するからです。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/218/
特に、わしの正体なぞ、何を着ようが黒薔薇の変装機能を使わない限りは素人目でも見え見えバレバレなのですが、こいつがわしの正体を口走ると出場停止となる不名誉を食らいます。
で、この女、実のところはこの近所の牧畜農家のでかいとこの長男。
そして、正直を言えばどこからともなく「女王様の慰み者にはこいつがええんちゃいますか。そこの農家、長男は戦牛乗りの兵士で出征経験ありまっせ」とか聞こえて来たのですよ。
そして、この競牛でうまいこと勝ち進めばゆくゆくは千人卒級の宮殿騎士にええかなーとか考えてたんです。
年齢もまだ若いし。
で、その長男なる女、普通に牛に乗って帰路につきます。
ですが、なんか腰の辺りの動きがおかしいのです。
そして、背後をついてくるわしに見えるようにケツを高く掲げて、股間の様子を確認させよるのですわ。
いえ、こいつはまだ一人卒相当ですからPik、生えてませんよ。
ただ…その牛飼い服の股間に食い込んでるケツ出しフンドシ風下着の淫蟲下着機能、動いてますね。
(ああっ!そのような辱め!娘様!おやめくださいまし!)
(ふっふーん、いくらわしが公然と声かけられん言うたかて無視しやがって…)
(八百長に見られては競牛の人気に影響が出まする!)
(せやからその辺をうまくするんやないか…このわしに任しとかんかい、お前はもう、今年1年はわしの側仕えの一人として候補にされとるんじゃ…)
(ひいいいい!)
で、ほうほうの態で自宅の牛舎に牛を入れたその長男娘ですが、諦めてわしの乗る二輪車の前の座席に座りよります。
そして、その後ろから手を伸ばしてハンドルを握ったわしの手を掴む格好で。
なんでこうしてるのか。
はっきり言いますと、わしが後ろから犯しながら走るからです。
(えええええっ)
(何を驚いておるのですか、牛の背中でやるよりはましでしょうが…)
(てててててて天下の公道でっ)
ええ、慌ててわしの動かす二輪車を追いかけてくるベラ子陛下。
しかし、その後ろから灰色にオレンジ色の帯を巻いたくるまが現れ、サイレンを鳴らします。
このパトカー、あまりの不人気にパトカー以外の用途で走っているのを見たことがないとか、その希少性や縁起の良さで親指を隠す風習があるほどに珍しい車種らしいです。
で、そうした事情ゆえに安値で入手できたそうなのですが…私も一応はまだ親が存命ですから、親指を隠したいのですが二輪車を運転中ですからねぇ…。
「そこの白い二輪車止まりなさい、あ、ピンクのはそのまま行ってよし」
んでそのパトカー、ベラ子陛下のベスパだけを止めてしまいます。
(何であの犯罪的な方を捕まえずに…え?)
ええ、怒りながらベスパを路肩に寄せたベラ子陛下の前に現れたのはディードのはず。
「競牛選手に南洋関係者が無許可で接触するのは禁止行為です…どこのどなたか知ってても知りませんが、とりあえずパメカサン・マドゥラ警備本部まで同行願います」
「不敬ですよディード!…え」
(陛下。陛下だというのはこちらも把握しておりますが、そのマドゥラ牛飼い衣装を許可なく着ている人間は警務の誰何の対象なのです…南洋王国カーティカ総督のもとで今から取り調べを行いますから、一緒に来てください…そして、取り調べの担当者もこの鈴菌なパトカーに乗っているのです…)
ええ、痴女種視覚で見ますと、パトカーの助手席から現れたカーティカが、後部座席の扉を開けております。
そして降りてくる、淫蟲下着姿の浅黒い少年。
(この少年は数少ない男性復帰志願者で代官の息子なのです…そして現在は純血マドゥラ人女性への種付け役を兼ねて、警備本部の警務罪人扱い職員として勤務してもらっているのです…)
(ま、まさかあたしを取り調べるのは…)
「どこの青目金髪白肌様かは金輪際存じておりませんが、貴人様といえど全島挙げての競牛期間中にうかつなことを選手に致してはならぬのが我らが掟でございます。知らなかったとは思われますが、我らの顔もございますので、なにとぞご同行を…」
と、すんまへんなという顔で、呆然としているベラ子陛下に手錠をかける少年。
見ていると、パトカーは警備騎士の姿のカーティカの娘さんが運転し、ディードは陛下のベスパに乗って警備本部を目指すようです。
ふふふふふ。
(ええ陛下、いえ青目金髪様、ぜひごゆるりと取り調べられて下さいまし…ほほほほほほ!)
ええ、ベラ子陛下からすれば手錠なんぞ無意味。
普通ならあのパトカーごと関係者をひっくり返して立ち去るくらいの暴君行為はやりかねません。
しかし、しかしですね。
その少年一人が現れただけで、陛下は暴君べらこちゃんとして振る舞えなくなるのです。
なぜならば、陛下より圧倒的に弱いのがわかってる人間の少年。
しかも、マドゥラの有力者の息子です。
とどめに純血種マドゥラ族で、保護対象。
腫れ物に触るように取り扱う必要があるのです。
(ディードー、カーティカー、その不審人物がどこの誰かは防音取り調べ室の中でゆっくり聞いてなー、ついでに被疑者に不利な発言行動がないようにきっちり記録するんやでー)
(ほほほほほ、不審者様にはほんっとーに申し訳ないのですが、しゃあないですねこれはっ)
(カーティカに同じ。つーか陛…いや不審者様、本当に競牛の期間は予選からうるさくせざるを得ないんですよ…?)
(マルハちゃんはなんなのですか!あんな破廉恥行為を公道で!しかも相手は競牛せんしゅもごご)
(不審者様…あれは桃色の服を着て桃色のスクーターに乗った、南洋王国じゃ二番かもしれないけどマドゥラでは一番の女変質者です…たびたび目撃情報が出ているので我々は警戒していたのです…)
(ついでながら陛下いえ怪しい少年好きの助平女様、あの競牛騎手、実は騎士候補で地元の警務奉仕人…聖隷少女団めいた慈母宗の奉仕組織の手の者ですわよ…つまり変質者を捕縛し誰何しとるのです…)
(カーティカさん…後ろからちんぽ突っ込まれてるじゃないですか…あれはなんなのですか!あんなのが取り調べとは仮に淋の森でも…)
(やってました。言うこと聞かん変態には千人卒以上を呼んできて通称やおい穴への誰何を行います。陛下いえ不審者様、私が痴女島でどこの警備本部優先配置でどっかの皇帝とかその母親様とか豚箱にぶち込んだ経験者ですが、これをその不名誉記録に加えるべきか)
(加えたら陛下いえ変態様が、茸島以外に無理やり来たことになって大事に…)
(ううううう)
(だからわざわざ取り調べ要員に少年を起用したんですってば!これ強制接待ですからね?受けて帰ってもらいますからね?)
(ディードさん、逃げるわけにはいかんのですか)
(その時は不審者変態現るということで捜査記録を警務局に提出せねばなりません。しかも今、私が回送運転してる操縦しにくいにもほどがあるこのベスパがどこの誰の所有か、明らかになってしまいます…)
(そうですよ変態少年好き女様、ぜひここは取り調べという名の接待を満喫してお帰りになって頂きたく)
(カーティカさんって皮肉、きつくないですか)
(ほほほほほ、私はマルハレータ陛下いえいえ前の桃色脳天気な怪傑変態様の女だというだけの話ですわっ)
(へーかいえどすけべ絶倫女様、これが嫌ならさっさとオリューレとカルノの復帰稟議に判を。でないとマドゥラ来た時点で毎回これですよ…更に、私も一応は茸島警備本部長兼任ですよ…実際にはアンヌマリーやジャンヌに投げてますけどね…)
(ううううううう)
くくくくく、南洋王国の中でも指折りにややこしくて頭痛案件のマドゥラにうかつに来るからこうなるのです…そして、それが嫌なら大人しく灸場周辺のリゾート開発をティアラに指示るのです…。
(南太平洋の開発を止めますよ…)
(何を今更。厚労局長が保養所建設稟議、全力で通してしもうたという噂話…そう、あくまでもわしは今、警務奉仕者で競牛騎手のよう締まるケツを堪能中の脳天気な怪傑変態なのです…ふほほほほほっ)
ええそうです。
マドゥラでのわしの足、ほんまはもっと菌率が高いものだったのです。
しかし、この変な小型二輪車、実物に乗るとジェントルマンどころか電マかお前と言うくらい、ハンドルに振動が伝わるのです。
https://twitter.com/725578cc/status/1688807154466295808?s=20
で、1人しか乗れんこともあり。たまりかねてもう少しまともな奴を…と頼んだら、チェンジしたらヤクザが来たじゃなくてこれが来たのです。
いくら痴女皇国の国の色が桃色と言っても、これはないだろうと抗議しましたが、そもそもマルハちゃんは4輪の自動車を要求していたではないか。マドゥラの実情に合わせた車が手に入るまですまんがその脳天気なスクーターで我慢してくれとか言われましてね…。
ええ。
この二輪車を選んだ人、許したくありません。
あの蟹衣装を着て、ギターを背負ってこれ乗って痴女宮に殴り込んでいいですか。
どうもこれ、二輪用のヘルメット、変な被り方で装着したら変態飛行装置も出てくるみたいなので。
ええ、この者、変態装備を押し付けた犯人というカードを残して去るだけです。
○しませんから!警務局に引き渡すだけですから!
---------------------------
べらこ「あたしを疑ってますね…」
まるは「そりゃあもう。それに、怪傑も快傑も武器はムチなのです」
べらこ「マルハちゃん…このあたしに、久々にベラ子のムチは痛いよと言わせたいのですね?」
まるは「蟹光線を撃ちますよ」
べらこ「あんな危険なもの使用禁止です!」
まるは「マリアリーゼ陛下。どこぞ予備校実施のベラ子陛下あそこ大学受験模試結果、特に歴史と地理と現代国語を」
マリア「うん。ベラ子の学業成績を向上させるために塾に缶詰にするんだな。よくわかる(蟹服使用許可ぽちっとな)」
べらこ「あんまりやぁあああああ」
マリア「うるせぇっよく読めば聞けば、こんなもん誰が何をどう見てもマドゥラの美少年をベラ子に食わせる接待じゃねぇか!」
まさみ「ベラちゃんだけ…」
あるて「ベラ子陛下だけ…」
くれーにゃ「ベラ子陛下だけ…」
まるは「ふへへへへ、それにですね美少年愛好家の皆様方…あのですね、カリブ沿岸でも少年、おるんですよ?ティアラに商売っ気がないだけですよ?」
まさみ「確かに、ティアラちゃんはそっち方面の開発の才能に欠けてるわね…」
あるて「アンヌマリーと入れ替えてもいいんでは?」
てぃあら「やめてくださいしんでしまいます」
まさみ「それとベラちゃん。上の方でも言ってるけど、マルハちゃんはあくまでも善意かつ、オリューレさんとカルノ君の復帰に向けて努力しないと南洋界隈でもっとやりたい放題するよって脅してるんだからね…」
まるは「今のままでも予約さえ頂ければマドゥラだろうがジャワだろうが須磨虎だろうが混血だろうが、少年を振る舞えますからねぇ」
あるて「マルハレータの怖いところ。ここまでやってて聖院規範不適合に起因する上皇陛下または内務局長指導が入ってない。つまりこの子は違反せずにやっているのよ」
まさみ「叱るようなことしてたらあたしでも叱るけど、叱られることしてないのに叱る道理はないわよねぇ」
まるは「そんなわけで。実はティアラにカリブなんとかしろしろってうるさく言ってるのも、ちゃんと理由があるんですよ。フランス病作戦の後のフランスって、当然ながら痴女皇国の支配下に入りますよね。その際の支部長って誰がやるんです?」
まさみ「イザベルさんはスペインで手一杯。マリーがフランス自体を仕切れるかは微妙かも」
まるは「つまり、うかうかしてると、球根詐欺国のカリブ界隈にある海外領土の近所、フランスも海外領土扱いの島持ってるんですよ。今後のフランス支部の人事によっては、海賊共和国と仲良しな支部長が着任するかどうか不透明」
あるて(これだけ読めるのも怖いところなのよね…)
まるは(側に通路な国があると国防情報には敏感にならざるを得ないのです…)
まさみ「つまり、カリブ海を海賊共和国すなわち中米行政支局が開発してくれないならうちが砂糖工場とか作るでと言い出す他の支部が本当に来る可能性が…」
まるは「せやから言うたやろがティアラ…うちがやらんでも、あそこは誰かが狙うんじゃ…そうなったらいくらアレーゼ様でも、開発遅延を理由に他支部の参加を認めなしゃあないようになるやないか…」
てぃあら「うううううっ」
まるは「せやからさっさとパナマ掘れパナマ。あそこさえ通れたらうちから支援艦隊回すくらいはしたるから…」
まさみ「ちなみにこの話でさえ、実はマルハちゃんはティアラちゃんの足を引っ張る姑息な考え方をしてません、表立ってはね」
あるて「素で聞いてても、支援のための最低限の自己努力を他の支部に求めてるだけなのよね」
まさみ「しかし、それが出来ない子には地獄の死刑宣告なのよ…合法的な…」
まるは(パナマ運河掘削計画内案立案計画、国土局に進言してますよって…)
まさみ(この辺の根回しも怖いところよねぇ…)
あるて「つくづく南洋で留めるのが惜しい人材ね、欧州来ない?」
まるは「あほの妹の面倒見てくれるなら…うちのアキレス腱はほんまあれですわ…」
まさみ「と言うわけで次回はマルハちゃんの妹さんの話かも知れないわねっ」
他全員「とりあえず次回もよろしくなのです…」
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる