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39. シャンパンに酔って※
しおりを挟む細かな泡はキラキラと爽やかに美しくグラスの中で煌めいていた。
僕はシャンパンはまともに飲んだことがなかったけれど、宗次郎の見様見真似で軽くグラスを持ち上げて乾杯した。
「そうじろぉ、これすごく美味しいねぇ」
「そう? もっと飲んでもいいよ。今日は酔い潰れても俺んち泊めるつもりだから」
「えー? 僕泊まるの?」
「俺も飲んじゃったし、仕事も行かないならタクシーとかで無理に帰らなくてもいいでしょ」
飲み慣れないシャンパンは、すごく美味しくてつい飲み過ぎてしまった。
頭がぼぉっとして、ふわふわする。
何となく呂律が回りにくいし、何だか甘ったれた喋り方になってしまう。
対する宗次郎は全然平気そうだから不思議だ。
「何か伊織って、酔うとすごく可愛い喋り方になるんだな。ほっぺも赤いし、その綺麗な色の目は潤んでるし。何か俺のこと完全に誘ってるみたいだ」
「……誘ってるって言ったらどうする?」
僕は、宗次郎ともっと近くで触れ合いたいと思ってしまった。
この部屋に来たのも、そういうことを期待してたと思う。
抱きしめて、キスして欲しいと思った。
最近あった嫌なこと、全部忘れるくらいに。
「もし誘われてなくても、俺が下心あって伊織をここに呼んだから。我慢できなくて襲っちゃう。でも、酒飲んでいつもより素直な伊織は本当可愛い」
「じゃあキスしてよ」
僕が絶対普段なら言わないことを、飲み過ぎたシャンパンのせいにして強請ってみる。
宗次郎は僕とは違う一人掛けソファーに座ってたけど、僕の前に立って上半身を屈めたと思ったらそのまま両頬に手を添えて口づけをした。
あんまり軽く触れるだけのキスを何度もするから、僕の方が焦れてニュルッと舌を伸ばして宗次郎の唇をぺろりと舐めた。
そしたら宗次郎は口づけをしながらフフッと笑って、厚い舌を僕の舌に絡ませてきた。
それだけで僕は下半身がきゅうっとする感じがして何だか情けなくなったけど、それでもその甘美な味に酔いしれてどんどんと口づけは深まっていった。
「伊織……、甘い……」
宗次郎の熱い呼吸に合わせて、僕は舌先で宗次郎の口腔粘膜を優しく撫でた。
湿った水音が二人の間から聞こえるくらいに、唾液の交換をするようなゆっくりとした口づけをするのが心地良くて。
「ん……ッ、はぁ……」
夢中でお互いが貪るようになった頃には、息苦しさを感じた僕は思わず宗次郎の唇を甘噛みしてしまった。
そしてそのタイミングで一気に呼吸を整えた。
「はあ……ッ! ごめん、痛かった? 息苦しくて……」
「大丈夫、何か伊織にそんな事されたら余計に興奮するんだけど。……もう抱きたい。だいぶ酔ってるみたいだけど、お風呂入れそう?」
「……入る」
僕がお風呂に入らないとしたくないって前に言ったから、宗次郎は気遣ってくれてる。
「宗次郎、お風呂一緒に入ってよ」
「えっ⁉︎ まじで⁉︎ 何のボーナスなんだ、今日は」
この際シャンパンの力を借りて、僕は積極的になる事にした。
……というより、フラフラしてお風呂の中で寝てしまいそうな気がしたからでもある。
もう酔っ払ってるからシャワーだけで良いという僕を、宗次郎はソファーから立たせて風呂場へと手を引いて連れて行く。
広い廊下の真っ白な壁紙も、酔った僕には何だかチカチカして見えた。
「あ、待って! ト、トイレ貸して」
「うん、じゃあここ」
僕は急に大事なことを思い出した。
きっとこれからそういうことをするだろうから、ちゃんとお腹のナカを洗っておかないと。
流石に人の家のシャワーで洗う勇気はない。
何とか先日の検索通りに処置した僕は、風呂場に向かう。
だだっ広くて綺麗な浴室は僕のボロアパートとは大違いだ。
「伊織ー! 大丈夫? ほら、ここ来て。髪、洗ってあげるから」
僕は言われるがまま、何故かちょっと身体を隠しつつ浴室の椅子に座る。
宗次郎はプロだから髪を洗うのもさすがに気持ち良かった。
シャンパンのせいでまだクラクラする僕は、ぼーっとしているうちにいつの間にか宗次郎に身体をまで洗われていた。
「ちょっと、自分で洗うよ?」
「ダメ。せっかく伊織と入ってるのに何で自分で洗うんだよ」
「だって、何かへ……んッ……うんん……ッ」
宗次郎は、良い匂いのする泡で僕の身体を包んで優しく手のひらで撫でまわす。
「んん……ッ、なんか……へんだよ……」
「気持ち良い?」
そして、僕の薄い胸板にある突起に指を這わせてヌルヌルと擦った。
泡の感触と目の前で勃ち上がって主張する宗次郎の凛々しい雄の部分が、僕を視覚と触覚とで敏感にさせる。
ああ、目の前のモノを舐めたい。
咥えて気持ち良くしてあげたい。
「はあ……。今の伊織の顔、すっごくエロい」
僕は目の前にある硬い腹筋の方へとグイッと鎌首をもたげた宗次郎の陰茎に手を添えて、その先をペロリと舐めた。
「えっ⁉︎ 伊織?」
「お願い……舐めたい」
何でこんなに凶暴なモノを、僕は愛しいと思うんだろう。
舐めて、咥えて、吸い上げたい。
「ん……ッ、いおり……」
僕が宗次郎の熱い昂りを口に含んで一生懸命に愛撫すると、宗次郎は僕の好きな低くて甘い声で切なげに呻いた。
それが嬉しくて、僕は舌と粘膜を使って『大好きだよ』って伝えるように丁寧に口淫した。
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