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番外編
辺境で 9 (マーク視点)
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※ 今回はマーク視点となります。
「あ、そうだ! 僕、いいこと思いついた!」
と、楽しそうな声をあげた王太子様。
王太子様の楽しそうな声に嫌な予感しかしなくて、勝手に体が震える。
アリスが心配で、衝動的にルイスに伝えにきたけれど、まさか、王太子様が関わってくるとは……。
もしかして、俺は判断を間違ったのか……?
王太子様が絡んできたら、ものすごくややこしいことになるんじゃないのか……?
やけに目が光っている王太子様の笑顔に寒気がとまらない。
ウルスさんが、あからさまに嫌そうな顔をした。
「フィリップ……。一応聞くが、いいこととは誰にとっていいことなんだ……?」
「そりゃあ、ルイスだよ! ルイスにとっていいことなら、みんなにとってもいいことでしょ?」
と、当然のように言い放った王太子様。
「いやいや、それは違うだろう? 辺境へ一人で行くアリス嬢を心配して、マークはルイスに伝えにきたんだぞ。アリス嬢にとっていい案を考えるべきだ。な、マーク?」
ウルスさんが俺の顔を見た。
ええっ、ウルスさん!?
なんで、俺に急にふるんだ!?
王太子様の意見をぶったぎり、その同意を俺に求めないでくれ!
王太子様が顔は笑ったまま、全く笑っていない目を俺に向けた。
「僕の気持ち、ルイスの親友のマークはわかってくれるよね? ルイスにとっていいことが、結果的に、アリス嬢にとってもいいことだって。ねえ、マーク」
有無を言わせない眼光が俺をとらえる。
その途端、心臓がドクドクと嫌な音をたてはじめた。
俺は心の中で、愛すべき妹のアリスと恐るべき王太子様を天秤にかける。
が、考えるまでもなく、黒々した笑顔の王太子様がのった天秤が、すごい重さで、ずどんと落ちた。
悪い、アリス……。不甲斐ない兄ですまない……。
だが、俺は王太子様だけには絶対に勝てない……。
それに、今、王太子様に逆らって、俺がここで死んでしまったら、今後、アリスを守れない。
心の中でアリスに言い訳し、
「その通りです……。王太子様……」
と、なんとか返事をしぼりだした俺。
「その通りって……、いくらなんでも変だろ。マーク、フィリップにあやつられてるのか?」
ウルスさんがいぶかし気に俺を見た。
いや、悪いが俺からしたら、変なのはウルスさんのほうだ。
こんな恐ろしい王太子様に平然と言い返せるなんて変だろ……。
いや、もっといえば、こんな恐ろしい王太子様のそばで普通に働けるのも変だよな……。
ウルスさん、生き物としての危機を感じる感覚がまるでないんだろうな……。
なんてことを考えていたら、ルイスがいらだったよう声をだした。
「兄上。俺のことはどうでもいい。アリスにとっていい案があるのなら、すぐに言ってくれ。そうでなければ聞く必要はない。アリスにかわり、俺が辺境へ行くだけだ」
すごい目力で王太子様を見据えたルイス。
王太子様の黒い笑顔から、一瞬にして毒気がぬけた。
「あ、ごめんごめん、ルイスー! そんなこと言わないで! ちゃーんと、アリス嬢にもいいことだから、兄様の話、聞いてよー」
子どものようにルイスに訴える王太子様。
こんな恐ろしい王太子様を骨なし……いや、毒なしにできるルイス。
つまり、ルイスのそばにいれば、どこより安全ということか……。
俺は椅子をルイスのほうにぐぐっと寄せた。
にらみつけるルイスに向かって、何故か、にこにこと微笑み返しながら、王太子様が話し出す。
「僕の思いついた、とーっておきのアイデアはね、まず、アリス嬢には予定どおり、辺境に行ってもらう。つまり、ルイスがアリス嬢の代わりに行くんじゃなくて……」
「……なんだと?」
王太子様が話しているのを、地の底から響くような低い声が遮った。
もちろん、そんな恐ろしいことをする奴はルイスしかいない。
普段は冷静なルイスだが、アリスのこととなると恐ろしく沸点が低くなるからな。
「もう、ルイスー! おこらないで。……あ、でも、怒ってても、きらきらしてるよね、ルイスは! やっぱり、魂の輝きは隠せないもんね。うん、いつなんどきでも、ルイスは天使だ!」
嬉しそうな王太子様の声とは逆に、ルイスから一気に殺気がたちのぼった。
「……兄上。ふざけたことを言うのなら、俺は部屋に戻る。時間が惜しいからな」
そう言ってルイスが席をたち、ドアのほうへ歩き始めた。
「うわあ、ごめん、ごめん、ルイス! でも、全然ふざけてないから! ルイスが天使なのは真実だもん!」
わめく王太子様。
「だもん、って……王太子が使う言葉じゃないだろ。しかも、ルイスに怒られても、そのルイス天使説は譲らないんだな……」
ウルスさんが、あきれたように王太子様を見る。
が、次の瞬間、王太子様の鋭い視線がいきなり俺に向けられた。
ルイスを見る目とはまるで違う、猛禽類の目!
そして、その視線の意味を瞬時に察してしまった俺。
(ルイスを引き戻せ!)
王太子様の声が頭に響いた気がした。
俺はすぐさまルイスをつかまえて、椅子まで引き戻し、無理やり座らせた。
「おい、マーク! どうした……?」
不思議そうに聞くルイス。だが、答えている暇はない。
それよりも、王太子様の命令、これであっているのか……!?
息をのんで、王太子様を見る。
すると、黒い笑みを俺に向けて、満足そうにうなずいた王太子様。
よし! あってた……。
とりあえず、助かった……。
「なんかわからんが、やっぱり、完全にフィリップにあやつられてるよな、マークは……」
気の毒そうにつぶやくウルスさん。
が、どうでもいい。
生き延びられたことだけで、今の俺は大満足だ……。
※ またもや更新が遅くなりました。不定期な更新のなか、読んでくださったかた、本当にありがとうございます!
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「あ、そうだ! 僕、いいこと思いついた!」
と、楽しそうな声をあげた王太子様。
王太子様の楽しそうな声に嫌な予感しかしなくて、勝手に体が震える。
アリスが心配で、衝動的にルイスに伝えにきたけれど、まさか、王太子様が関わってくるとは……。
もしかして、俺は判断を間違ったのか……?
王太子様が絡んできたら、ものすごくややこしいことになるんじゃないのか……?
やけに目が光っている王太子様の笑顔に寒気がとまらない。
ウルスさんが、あからさまに嫌そうな顔をした。
「フィリップ……。一応聞くが、いいこととは誰にとっていいことなんだ……?」
「そりゃあ、ルイスだよ! ルイスにとっていいことなら、みんなにとってもいいことでしょ?」
と、当然のように言い放った王太子様。
「いやいや、それは違うだろう? 辺境へ一人で行くアリス嬢を心配して、マークはルイスに伝えにきたんだぞ。アリス嬢にとっていい案を考えるべきだ。な、マーク?」
ウルスさんが俺の顔を見た。
ええっ、ウルスさん!?
なんで、俺に急にふるんだ!?
王太子様の意見をぶったぎり、その同意を俺に求めないでくれ!
王太子様が顔は笑ったまま、全く笑っていない目を俺に向けた。
「僕の気持ち、ルイスの親友のマークはわかってくれるよね? ルイスにとっていいことが、結果的に、アリス嬢にとってもいいことだって。ねえ、マーク」
有無を言わせない眼光が俺をとらえる。
その途端、心臓がドクドクと嫌な音をたてはじめた。
俺は心の中で、愛すべき妹のアリスと恐るべき王太子様を天秤にかける。
が、考えるまでもなく、黒々した笑顔の王太子様がのった天秤が、すごい重さで、ずどんと落ちた。
悪い、アリス……。不甲斐ない兄ですまない……。
だが、俺は王太子様だけには絶対に勝てない……。
それに、今、王太子様に逆らって、俺がここで死んでしまったら、今後、アリスを守れない。
心の中でアリスに言い訳し、
「その通りです……。王太子様……」
と、なんとか返事をしぼりだした俺。
「その通りって……、いくらなんでも変だろ。マーク、フィリップにあやつられてるのか?」
ウルスさんがいぶかし気に俺を見た。
いや、悪いが俺からしたら、変なのはウルスさんのほうだ。
こんな恐ろしい王太子様に平然と言い返せるなんて変だろ……。
いや、もっといえば、こんな恐ろしい王太子様のそばで普通に働けるのも変だよな……。
ウルスさん、生き物としての危機を感じる感覚がまるでないんだろうな……。
なんてことを考えていたら、ルイスがいらだったよう声をだした。
「兄上。俺のことはどうでもいい。アリスにとっていい案があるのなら、すぐに言ってくれ。そうでなければ聞く必要はない。アリスにかわり、俺が辺境へ行くだけだ」
すごい目力で王太子様を見据えたルイス。
王太子様の黒い笑顔から、一瞬にして毒気がぬけた。
「あ、ごめんごめん、ルイスー! そんなこと言わないで! ちゃーんと、アリス嬢にもいいことだから、兄様の話、聞いてよー」
子どものようにルイスに訴える王太子様。
こんな恐ろしい王太子様を骨なし……いや、毒なしにできるルイス。
つまり、ルイスのそばにいれば、どこより安全ということか……。
俺は椅子をルイスのほうにぐぐっと寄せた。
にらみつけるルイスに向かって、何故か、にこにこと微笑み返しながら、王太子様が話し出す。
「僕の思いついた、とーっておきのアイデアはね、まず、アリス嬢には予定どおり、辺境に行ってもらう。つまり、ルイスがアリス嬢の代わりに行くんじゃなくて……」
「……なんだと?」
王太子様が話しているのを、地の底から響くような低い声が遮った。
もちろん、そんな恐ろしいことをする奴はルイスしかいない。
普段は冷静なルイスだが、アリスのこととなると恐ろしく沸点が低くなるからな。
「もう、ルイスー! おこらないで。……あ、でも、怒ってても、きらきらしてるよね、ルイスは! やっぱり、魂の輝きは隠せないもんね。うん、いつなんどきでも、ルイスは天使だ!」
嬉しそうな王太子様の声とは逆に、ルイスから一気に殺気がたちのぼった。
「……兄上。ふざけたことを言うのなら、俺は部屋に戻る。時間が惜しいからな」
そう言ってルイスが席をたち、ドアのほうへ歩き始めた。
「うわあ、ごめん、ごめん、ルイス! でも、全然ふざけてないから! ルイスが天使なのは真実だもん!」
わめく王太子様。
「だもん、って……王太子が使う言葉じゃないだろ。しかも、ルイスに怒られても、そのルイス天使説は譲らないんだな……」
ウルスさんが、あきれたように王太子様を見る。
が、次の瞬間、王太子様の鋭い視線がいきなり俺に向けられた。
ルイスを見る目とはまるで違う、猛禽類の目!
そして、その視線の意味を瞬時に察してしまった俺。
(ルイスを引き戻せ!)
王太子様の声が頭に響いた気がした。
俺はすぐさまルイスをつかまえて、椅子まで引き戻し、無理やり座らせた。
「おい、マーク! どうした……?」
不思議そうに聞くルイス。だが、答えている暇はない。
それよりも、王太子様の命令、これであっているのか……!?
息をのんで、王太子様を見る。
すると、黒い笑みを俺に向けて、満足そうにうなずいた王太子様。
よし! あってた……。
とりあえず、助かった……。
「なんかわからんが、やっぱり、完全にフィリップにあやつられてるよな、マークは……」
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