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32 ソーサリー・偶然

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32 ソーサリー・偶然

 女が鞭を乱れ撃ちして来た!

「ほらほらほらほらほらほらほら」
「あっあっあっいっーたー」
ダメだ、早過ぎて避けれない!
俺は顔をかばいながら後退し壁に追い込まれた、鞭は剣より強(つよし)
「ほらほらほらほらほら」
俺はヤケになって再生できないくらいに、この女を、いや! 化け物を粉粉にしてやる、と考え、ガンブレードを連射機能に切り替え、女の顔面から腹部に渡って銃撃をしようとし、隙を見て射撃体勢を、
《ばっちーん!⭐︎》
取った瞬間、顔面に鞭撃ちを喰らった!
「あっぎゃー うおー」
《バッバンー!💥💥》(二発誤発射=残三)
俺は顔面を撃たれた衝撃で混乱し狙った方向と違い銃弾を女の足元に撃ち放ったってしまった。
首を撃っても効かなかった者の足に撃っても意味は無い!
効かない!
と思ったら、それの思いと反して女が悲鳴をあげた!
「あああーきゃああああ」 
『なんでだ?』
女は倒れ込んだ!
俺は、すかさず上段の構えで女に向かって飛び込み、首を落とそうと剣を振り下げた! 
四つん這いの、女の後ろ首、毛の生え際辺りに上手く刃が入った!
〈シュンー〉
《ガッキーン》ー☆ 
剣先が床に当たり、火花が散り手が痺れた、が! 首は飛ばせた!
念の為そのまま手の痺れを我慢しつつ歯を食い縛り、前に踏み込み、女の心臓を狙うべく左胸に追い突きを打ち込んだ! 剣先は女の左胸に刺さった! 俺は柄を両手で掴み「うおーー」と、お雄叫あげながら更に踏み込み、剣先を押し込み、女の背に剣先抜き通す事に成功した。そして、女の胸から股下に向かって体重をかける様に剣を押し下げた! がヘソの辺りで股関節か何かに当たっているのか? それより下には刃が中々下ろす事ができなかった……その時、「キャハハハハ」と女の笑い声が部屋中に木霊した、見上げたら女の首から上はいつの間にか再生しており、「ハーイ」と女は俺を揶揄う様に声をかけて来た、女は笑っていた……それに女の首や身体の断面から血は一滴も吹いてなかった……
女は俺と至近距離な事を利用し、俺の首筋に噛み付いてきたが、俺は女の腹部に膝蹴りをし、女との至近的な距離から少し距離感を稼ぎ、そのまま間髪入れず掌底で女の顎を下から打ち上げ、女を後方に押し飛ばした!
噛まれるギリギリだった、女の牙が一瞬、肌に触れたのを感じた。
女は舌なめずりをし、
「欲しいわー もう少しで貴方とお友達なれたのにー」
女の身体はその時はもう再生しており、俺に傷つけられる前の身体に切り裂かれたドレス意外は戻っていた……

だが、今の接近戦でこの女の体術の技術は俺より劣ると感じた、ワンテンポ、動きが俺より遅い、卓越しているのは鞭裁きだけに思える……弱点さえ見つければ勝てる気がして来た……女のバターナイフも俺の足元に転がっていた神も味方しているかも……

 女は破れた白いドレスから素早く肩と足を抜き、俺にその脱いだドレスを投げ付けて来た、一瞬俺の視界をそのドレスで奪った隙に女は部屋の出口の方に飛び、そのまま滑る様に部屋から出て行った。俺は床に落ちた女のドレスを構わず踏み付け、まだ寝ている爺さんを横目に後を追った、今の攻撃が効かなかった事を残念に思うより、これで女の弱点は足以外無いと確信し、手応えを感じた![33へ続く]
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