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第一部 第三章 それぞれの闇と求める希望の光
15 私は決して諦めない!! ヴィヴィアンSide
しおりを挟むこうして私は再び……六回目の転生をし、何時もの如く22歳の誕生日に全てを思い出したのです。
それと共に私は此度こそ絶対に運命へ抗い見事勝利を収めて見せましょう――――ってこれは抑々一体何の勝負なのでしょうね。
ふふふ。
ただ今までの鬱々とした過去世とは違い、今の私はなるべく自身の人生を明るくしようと努める事にしましたの。
確かに行き着く先は思い出したくもない悍ましいバッドエンドが決まっているだろう人生です。
なのにどうしてそこまで明るくもポジティブになれるのかと申しますと、やはり私の根幹にはあの結人様のお言葉があるからなのです。
『絶対に諦めない!!』
ええ確かに今までの私は何処か諦めていた気持ちがあったのでしょうね。
だから自然と不幸を呼び込んでしまったのではないのかと思い至りましたの。
それに何時終わるやもしれない繰り返しの人生でもです!!
きっと私と出会う全ての人々にしてみればそれは初めての事であると同時に、またその時の私の人生も然りなのです。
最初こそは全く気付かなかったのですが、こうして思い出せばどの人生も全て同じに見えて実は全く同じものではなかった事に六回目の人生で漸くその事に気がついたのです。
日本での結人様との出逢いも。
お父様の謎の行動も。
いいえ私が気付いていないだけでまだまだ小さな変化はあったのだと思います。
ですので此度の人生もきっと過去のものと違う何かがあると考えたのです。
そう考えれば同じバッドエンドな人生でもほんの少しだけですが心がウキウキと何やら楽しくなってしまいますし、また私自身が先ずこの人生を楽しまなければいけないのだと思い至りましたの。
勿論……ただ大人しく最悪なバッドエンドを受け入れたりはしませんわよ。
そこはこれから色々と回避出来る様に立ち回らねばいけないのでしょう。
ええ、先ず第一目標として掲げる事はプライステッド大公殿下並びに公爵への関りをなるべく…・・・とは申しましても、これまでの前世でも婚姻へ至るまでに何か特別な繋がりがあったのかと問われればそうでもないのです。
そこは普通に一般的な貴族のお付き合い程度……でしたもの。
ですのでこれからは更に注意しておきましょう。
そうですわ、此度こそ何が何でも34歳までにどなたかと婚姻若しくは神へこの身を捧げる事に致しましょうか。
ああこれは名案です。
最悪婚約結婚は出来なくともです。
皇帝陛下の勅命を頂く前に俗世とはすっぱり別れを告げ、その生涯を清く正しく神へお仕えすればよいのです。
修道院は最悪なバッドエンドとは真逆な世界なのですもの。
ええいっその事今からでも俗世とお別れをし、修道院で神へ仕えるのも悪くはありません。
そう今ならば誰にも邪魔をされずに最悪を回避出来るのです!!
ああそうと決まればタウンハウスに留まらず、シーズン?
社交シーズンなんてこの際どうでも良いですわ。
その様なものは俗世の方々にお任せすればよい事なのです。
兎に角事は一刻を争います。
最初と申しますがこれで最後となるのでしょうね。
家族には大変申し訳なくまた不出来な娘でごめんなさい。
でも、でも私の行動一つで救われる可愛い少女の存在もあるのです。
シンディー、此度こそあなたを私の悍ましい破滅へ巻き込んだりはしませんからね!!
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