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もと居た場所へ帰ろう
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船に乗り込み、島を見た。
約3か月、モゲマルと過ごした
小さな島。
島の海岸には
たくさんのモゲマルが
集まっていた。
「きっとまた
会いに来るよ」
おれは小さくつぶやいた。
船はゆっくりと進み始める。
小さな島が
さらにもっと小さく
なっていき
あっという間に
見えなくなった。
*
おれが生まれ育った
土地までは
船で10分ぐらいだった。
「案外すぐ近く
だったんだ…」
「そりゃ、海に飛び込んで
偶然流れ着くぐらいの
距離だもの、こんなもんよ」
サエさんは笑った。
「それじゃあ、
ありがとうございました」
おれは二人に
挨拶した。
「…これ」
サエさんは名刺を
おれに差し出した。
「何か自分の価値を
見つけられたらここに
連絡して。
…待ってるから」
おれはその名刺を
大切に握りしめた。
モゲマルにまた会うために
おれはおれがやれることを
やってみよう。
ミカちゃんは
サエさんの後ろから
おれを見ながら
「またね」
とだけ言った。
さよなら、じゃなく
「またね」は
また会うための挨拶。
きっとまた
会える気がして
おれも挨拶を返した。
「…またね」
約3か月、モゲマルと過ごした
小さな島。
島の海岸には
たくさんのモゲマルが
集まっていた。
「きっとまた
会いに来るよ」
おれは小さくつぶやいた。
船はゆっくりと進み始める。
小さな島が
さらにもっと小さく
なっていき
あっという間に
見えなくなった。
*
おれが生まれ育った
土地までは
船で10分ぐらいだった。
「案外すぐ近く
だったんだ…」
「そりゃ、海に飛び込んで
偶然流れ着くぐらいの
距離だもの、こんなもんよ」
サエさんは笑った。
「それじゃあ、
ありがとうございました」
おれは二人に
挨拶した。
「…これ」
サエさんは名刺を
おれに差し出した。
「何か自分の価値を
見つけられたらここに
連絡して。
…待ってるから」
おれはその名刺を
大切に握りしめた。
モゲマルにまた会うために
おれはおれがやれることを
やってみよう。
ミカちゃんは
サエさんの後ろから
おれを見ながら
「またね」
とだけ言った。
さよなら、じゃなく
「またね」は
また会うための挨拶。
きっとまた
会える気がして
おれも挨拶を返した。
「…またね」
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