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1部 おっかなびっくり放浪編
11 海釣り
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朝起きて船の鑑定。結界共に異常なし。
寝てる間に随分進んだようだ。水路の両脇にあった森がまばらになって、岩が増えてきた。
「あー……海はまだかね」
寝起きであまりお腹は空いていない。昨夜は寝付きがわるくて、あまり眠れなかった。体調は全然普通だけど、久々に全体的なステータスでも見るか。
「あ、カンストしてる…………ん?」
アマリリス・ヒューテック
15歳 公爵令嬢 放浪娘
HP 999999/999999
MP 999999/999999
【スキル】
無詠唱/光神の加護/生活魔法/火魔法/水魔法/雷魔法/毒魔法/氷魔法/身体強化/隠密/飛行/魔法強化/聖属性魔法/闇属性魔法/異空間魔法/転移魔法/聖霊術(土/植物/風/幻覚)/錬金術/物理障壁/魔法障壁/睡眠無効/追跡不可/地図/鑑定/査定/直感/料理/洗浄/山歩き/水流使い/採取/探知/探索/気温適応/海釣り/マップ開拓/威圧/拒絶/夜目/ダメージ減/作業高速化/マリオネットの心/毒殺/失血/窒息/溺死/凍死/暗殺/影遊び/小人/早起きは三文の得/森歩きのマナー/旅人の話術/会話の雰囲気作り/被害を最小にする社交術/雨乞い/非情の雷雨
【取得可スキル】残957001054P
……▽クリック
いつの間にかMPがカンストしてた。
「……これって、あのスキルを手に入れられるかも」
取得可スキルを開き、スクロールしていく。
あった……スキル『魔力銀行』
MPがカンストすると、このスキルが取得できる。
まずは魔力値100000貯金して、口座を取得。あとは私のMPが全回復するごとに100000ずつ貯金するよう設定しておく。
「魔力自動回復のアンクレットを常時つけておこう」
2秒間で1回復するアクセサリーだ。
1時間で1800回復。1日なら43200回復。
「……お金も経験値もたんまりあるけど、今まで魔力だけは溜めれなかったのよね。これ、地味に嬉しいかもっ」
そしていつの間にか『放浪娘』が派生している……?
このまま好き勝手やってたらそのうち公爵令嬢という身分は無くなるんじゃないかな。
「ま、いっか」
魔導囲炉裏からちょうどいい塩梅になっていた鬼栗を1つ摘まむ。皮はつるっと剥けた。あぁ。身はホクホクトロトロだし甘味もあって舌に張り付くこのねっとり感、美味すぎる。
「んぅ……」
栗のあんこみたい。
これは緑茶だね。
「……あー。落ち着くぅ」
これを餡にして鯛焼き作ったら絶対美味しい。鬼栗……そのうち採取しよう。
「おや?」
大きな橋と門が立ちはだかった。
アーチ型の橋の下は扉があり、閉門していた。
ここにくるまでいくつか通航料を徴収する関所みたいな橋があったけど、どれも崩れて進行の妨げになっていた(どれも物理的に通過)。
ここは崩れていない。
そして一際頑丈に造られている。
間違いない、この先は海だ。
舵をとり魔力を流し込む。
いけるかな……うん、飛行石がいい仕事してる。これなら船に内在する魔力だけでいけそうだ。結界で包んだ船ごと持ち上がる。
うっひょー!
船と自分の魔力を繋げているので重量感ある一体感になにこれテンションあがる! もうわけわかんない!
「オラオラオラ、通してくんな! リリー船長率いる海賊魔導船のお通りだー!」
橋を飛び越え海面に着地した!
着地した瞬間、海中に色んな生き物を探知した。
そんなことも気にならないほど、目の前に広がる光景に圧倒された。
魔導船が加速する。
遮蔽物が一切ない、大海原を突き抜ける爽快感。
「……あ」
柄にもなく目頭が熱くなった。
涙が頬を伝う前に風が心地好い、そう思うと引っ込んだ。
私はいま人生という旅に出たのだ。
長く広く、どこまでも遠いこの海。
この先に何があるのか。果てはあるのか。人間には寿命がある。けれど海には終わりがない、果てが見えない、限りある時間の中でこのとてつもなく広い海を攻略するのは不可能だろう。
「ああっ……海よ! だからこそお前に焦がれてならない!」
……うん。数日海釣りしたら、また陸に戻るんだけどね。
船は一直線に進んでいく。
途中で目玉ルアーを時間差で放り、全部で5つのポイントに投げた。沈んだ瞬間、目玉ルアーの結界に触れる魚もいた。
おー、寄ってきてるじゃん。夜には回収しよう。何がとれるか楽しみー。
「あーほんと風が心地好い」
潮の香りに食欲が出てきた。
熱々の餃子とザーサイ炒めで白飯をかきこむ。
それをわかめスープで流し込みながら二杯ずつおかわりした。
「海で食べるご飯はお美味しいなぁ」
あちー。お腹いっぱいで汗だくだ。
扇風機代わりの潮風が爽快。
ミュージックラビットからピアノBGMをかけてご機嫌だ。
「……お、目玉ルアーの1つがもう定員になったぞ」
結界は伸縮するようにしたからある程度の獲物を取り入れることが出来る。
その結界がもう限界だと感知した。
ということは結界の中は既にすし詰め状態。こうなると回収しなければならない。
一瞬で結界ごと回収した目玉ルアーには──。
「わぁー、沢山いるね」
羽鯛×11
地鯛×39
稚鯛×52
ほう。
最後は全て同じ羽鯛になる地鯛に稚鯛か。この目玉ルアーは鯛の群れに当たったんだ。
羽鯛と地鯛はスキル【凍死】でしめたあと収納に入れた。確かこの鯛の内臓は攻略対象者が好む美味しいチャンジャが作れるんだよねー。血もそのまま調味料になるから大事にとっておこう。
稚鯛は地下の生け簀に入れておく。
この生け簀ちゃんと機能するかなー?
イカ釣りもしたいし活き餌は必要なのよ。酸素を出す石も入れておく。
さ、お次は竿で釣るぞー。結界は解除。
手作り缶ルアーで大漁祈願!
「…………」
と思って釣糸を垂らし既に一時間。
いっこうに釣れない。
ゲームでは海釣りスキルで30秒くらいで掛かってたじゃん。今も発動してるのにどーなってんの?
細かい肉片を船の周りにばら蒔いても小魚すらこない。
あ、撒き餌が遠ざかっていく──そこで気付いた。
「……あ、そっか。船が動いてるから?」
頑丈な魔導船のお陰で揺れも殆どなく、四方は大海原で景色がかわらないから気付かなかった。
舵をとり船を停止させ、餌をまくとすぐに小魚が食べにきた。クラゲも寄ってきた。
そこで缶ルアーの釣り針にヒット!
「うっひょー!」
釣り方……糸をゆるめたり引いたり、そんな駆け引きなんて知らない。腕力で一気に釣り上げれば4匹掛かっていた。
藻屑クラゲ
スライムクラゲ
ヒゲクラゲ
プチプチクラゲ
「…………」
初釣りはこんなもんかね。
そのまま釣りして昼過ぎになり太陽が登ってきた。
オレンジジュース飲み飲み。
相変わらずクラゲもヒットするけどだいぶコツが掴めてきたぞ。
「……きた!」
ヒット! まだ動かさない。複数の針が引っかかるまで──海釣りスキルが待てと発動する……全ての針が引っかかった、一気に引き上げる、鬼達磨タコだ!
「あ、これの持つ毒が欲しかったんだー」
ぶっとい足だけでも3mはあるタコが、渾身の力で逃げようともがいてる。
缶ルアーの針は魔導具【引っかけ針】だ。獲物が暴れたところで外れない。
タコが船に乗り上げこちらに襲いかかってきた。牙のある吸盤を避けて屋根にジャンプする。
「ブシャアアアアア!」
口から煙のような墨を打ち上げてきた。暗雲立ち込める上空から黒い雨──細胞を溶かす猛毒墨だ。結界を傘代わりに展開して毒を収納する。
「鬼達磨タコの毒ゲット!」
これでまた【偽りの天使】で使える武器が増えたぜー。
「ブシャアアアっ…………アア」
「弾切れ……殺るか」
収納から【偽りの塔】という槍を出した。
実はこれ、刺さったら獲物の体内で三ツ又の鋭いフォークに変貌して脳と心臓と弱点の三点を確実に狙う、ぶっ壊れ性能なんだよねー。かえしも付いていて、これで刺されたら簡単には外れない。てか絶対死ぬ。
「うおおおおっ!」
上からタコを狙いうち。
頭に刺さり、内側から爆発するようにタコの頭が吹き飛んで三ツ又の鋭いフォークが現れた。あれぇ。
足のお肉は無事だけど……。
タコは頭も美味しいのに、勿体ないことをした。
その後はクラゲのヒットが続いた。
クラゲは腕力で引き上げるのみの、つまんない獲物だ。透き通った体内に魔石作りの材料になる核があるのでそれだけ頂いてあとは海にぼちゃん。放っておけば魚の餌。
「お、もう夕方か」
今日はここまでとする。
船に結界を張って座布団に横になる。ふぅ。動いたあとに飲むオレンジジュースも美味い。
ご飯の前に残り4つの目玉ルアーを回収しよう。
「どれどれ、……」
花シュリンプ×21
剣山ヒトデ×1
豆イワシ×203
ツインテールマンタ×1
ゾゾ貝×9
コンブ巻き貝×1
宝魚×1
吸血ウツボ×1
おー、豆イワシの群れに当たったー!
あとはほぼ海底にいる生物だね。
次は岩とか隠れる場所が沢山あるポイントに沈めよう。
よし、凍死させて収納したぞ。
あ、鬼達磨タコ。
鑑定したら吸盤がとくに美味いらしい。晩御飯に頂こう。
明日は罠を多めに仕掛けて、ゆっくり魚介の解体でもしようかな。
舵をとり停止させていた船を進行させる。寝てる間に沈没船に着いたら明日はお宝探しもできる。あー忙しい忙しい♪
その日の夜。
処理した鬼達磨タコの吸盤を梅肉ソースで楽しんだ。浅くワイン漬けしたラッキョウなんかも頂いてご機嫌だ。
晩御飯を食べ終わり、食器を洗浄していたら海中になにかを探知した。
気配が探りにくい。
個体が、動いている。
船の真下についた。
結界に触れ、また離れた。
……偵察ぽいな。近くに複数、探知した。
「キュイ、キュウイ、キュー」
海中の声を鑑定。
砂穴イルカ──海底に巣を掘って群れで暮らす夜行性のイルカ。頭から2000ボルトの電流を放つ。鯛が大好物。
あー……狙いは地下室の稚鯛か。
細かい穴があるから目視で餌を感知したか、それとも超音波か……。
悪いけど稚鯛はあげないよ。
大事な活き餌だからね。
2000ボルトなら結界が破られることは有り得ない。
「ふぁ~あぁ……目がしゅぱってる」
潮風と日射しで肌がカピカピだ。
うんこして栄養ドリンク飲んで寝た。
寝てる間に随分進んだようだ。水路の両脇にあった森がまばらになって、岩が増えてきた。
「あー……海はまだかね」
寝起きであまりお腹は空いていない。昨夜は寝付きがわるくて、あまり眠れなかった。体調は全然普通だけど、久々に全体的なステータスでも見るか。
「あ、カンストしてる…………ん?」
アマリリス・ヒューテック
15歳 公爵令嬢 放浪娘
HP 999999/999999
MP 999999/999999
【スキル】
無詠唱/光神の加護/生活魔法/火魔法/水魔法/雷魔法/毒魔法/氷魔法/身体強化/隠密/飛行/魔法強化/聖属性魔法/闇属性魔法/異空間魔法/転移魔法/聖霊術(土/植物/風/幻覚)/錬金術/物理障壁/魔法障壁/睡眠無効/追跡不可/地図/鑑定/査定/直感/料理/洗浄/山歩き/水流使い/採取/探知/探索/気温適応/海釣り/マップ開拓/威圧/拒絶/夜目/ダメージ減/作業高速化/マリオネットの心/毒殺/失血/窒息/溺死/凍死/暗殺/影遊び/小人/早起きは三文の得/森歩きのマナー/旅人の話術/会話の雰囲気作り/被害を最小にする社交術/雨乞い/非情の雷雨
【取得可スキル】残957001054P
……▽クリック
いつの間にかMPがカンストしてた。
「……これって、あのスキルを手に入れられるかも」
取得可スキルを開き、スクロールしていく。
あった……スキル『魔力銀行』
MPがカンストすると、このスキルが取得できる。
まずは魔力値100000貯金して、口座を取得。あとは私のMPが全回復するごとに100000ずつ貯金するよう設定しておく。
「魔力自動回復のアンクレットを常時つけておこう」
2秒間で1回復するアクセサリーだ。
1時間で1800回復。1日なら43200回復。
「……お金も経験値もたんまりあるけど、今まで魔力だけは溜めれなかったのよね。これ、地味に嬉しいかもっ」
そしていつの間にか『放浪娘』が派生している……?
このまま好き勝手やってたらそのうち公爵令嬢という身分は無くなるんじゃないかな。
「ま、いっか」
魔導囲炉裏からちょうどいい塩梅になっていた鬼栗を1つ摘まむ。皮はつるっと剥けた。あぁ。身はホクホクトロトロだし甘味もあって舌に張り付くこのねっとり感、美味すぎる。
「んぅ……」
栗のあんこみたい。
これは緑茶だね。
「……あー。落ち着くぅ」
これを餡にして鯛焼き作ったら絶対美味しい。鬼栗……そのうち採取しよう。
「おや?」
大きな橋と門が立ちはだかった。
アーチ型の橋の下は扉があり、閉門していた。
ここにくるまでいくつか通航料を徴収する関所みたいな橋があったけど、どれも崩れて進行の妨げになっていた(どれも物理的に通過)。
ここは崩れていない。
そして一際頑丈に造られている。
間違いない、この先は海だ。
舵をとり魔力を流し込む。
いけるかな……うん、飛行石がいい仕事してる。これなら船に内在する魔力だけでいけそうだ。結界で包んだ船ごと持ち上がる。
うっひょー!
船と自分の魔力を繋げているので重量感ある一体感になにこれテンションあがる! もうわけわかんない!
「オラオラオラ、通してくんな! リリー船長率いる海賊魔導船のお通りだー!」
橋を飛び越え海面に着地した!
着地した瞬間、海中に色んな生き物を探知した。
そんなことも気にならないほど、目の前に広がる光景に圧倒された。
魔導船が加速する。
遮蔽物が一切ない、大海原を突き抜ける爽快感。
「……あ」
柄にもなく目頭が熱くなった。
涙が頬を伝う前に風が心地好い、そう思うと引っ込んだ。
私はいま人生という旅に出たのだ。
長く広く、どこまでも遠いこの海。
この先に何があるのか。果てはあるのか。人間には寿命がある。けれど海には終わりがない、果てが見えない、限りある時間の中でこのとてつもなく広い海を攻略するのは不可能だろう。
「ああっ……海よ! だからこそお前に焦がれてならない!」
……うん。数日海釣りしたら、また陸に戻るんだけどね。
船は一直線に進んでいく。
途中で目玉ルアーを時間差で放り、全部で5つのポイントに投げた。沈んだ瞬間、目玉ルアーの結界に触れる魚もいた。
おー、寄ってきてるじゃん。夜には回収しよう。何がとれるか楽しみー。
「あーほんと風が心地好い」
潮の香りに食欲が出てきた。
熱々の餃子とザーサイ炒めで白飯をかきこむ。
それをわかめスープで流し込みながら二杯ずつおかわりした。
「海で食べるご飯はお美味しいなぁ」
あちー。お腹いっぱいで汗だくだ。
扇風機代わりの潮風が爽快。
ミュージックラビットからピアノBGMをかけてご機嫌だ。
「……お、目玉ルアーの1つがもう定員になったぞ」
結界は伸縮するようにしたからある程度の獲物を取り入れることが出来る。
その結界がもう限界だと感知した。
ということは結界の中は既にすし詰め状態。こうなると回収しなければならない。
一瞬で結界ごと回収した目玉ルアーには──。
「わぁー、沢山いるね」
羽鯛×11
地鯛×39
稚鯛×52
ほう。
最後は全て同じ羽鯛になる地鯛に稚鯛か。この目玉ルアーは鯛の群れに当たったんだ。
羽鯛と地鯛はスキル【凍死】でしめたあと収納に入れた。確かこの鯛の内臓は攻略対象者が好む美味しいチャンジャが作れるんだよねー。血もそのまま調味料になるから大事にとっておこう。
稚鯛は地下の生け簀に入れておく。
この生け簀ちゃんと機能するかなー?
イカ釣りもしたいし活き餌は必要なのよ。酸素を出す石も入れておく。
さ、お次は竿で釣るぞー。結界は解除。
手作り缶ルアーで大漁祈願!
「…………」
と思って釣糸を垂らし既に一時間。
いっこうに釣れない。
ゲームでは海釣りスキルで30秒くらいで掛かってたじゃん。今も発動してるのにどーなってんの?
細かい肉片を船の周りにばら蒔いても小魚すらこない。
あ、撒き餌が遠ざかっていく──そこで気付いた。
「……あ、そっか。船が動いてるから?」
頑丈な魔導船のお陰で揺れも殆どなく、四方は大海原で景色がかわらないから気付かなかった。
舵をとり船を停止させ、餌をまくとすぐに小魚が食べにきた。クラゲも寄ってきた。
そこで缶ルアーの釣り針にヒット!
「うっひょー!」
釣り方……糸をゆるめたり引いたり、そんな駆け引きなんて知らない。腕力で一気に釣り上げれば4匹掛かっていた。
藻屑クラゲ
スライムクラゲ
ヒゲクラゲ
プチプチクラゲ
「…………」
初釣りはこんなもんかね。
そのまま釣りして昼過ぎになり太陽が登ってきた。
オレンジジュース飲み飲み。
相変わらずクラゲもヒットするけどだいぶコツが掴めてきたぞ。
「……きた!」
ヒット! まだ動かさない。複数の針が引っかかるまで──海釣りスキルが待てと発動する……全ての針が引っかかった、一気に引き上げる、鬼達磨タコだ!
「あ、これの持つ毒が欲しかったんだー」
ぶっとい足だけでも3mはあるタコが、渾身の力で逃げようともがいてる。
缶ルアーの針は魔導具【引っかけ針】だ。獲物が暴れたところで外れない。
タコが船に乗り上げこちらに襲いかかってきた。牙のある吸盤を避けて屋根にジャンプする。
「ブシャアアアアア!」
口から煙のような墨を打ち上げてきた。暗雲立ち込める上空から黒い雨──細胞を溶かす猛毒墨だ。結界を傘代わりに展開して毒を収納する。
「鬼達磨タコの毒ゲット!」
これでまた【偽りの天使】で使える武器が増えたぜー。
「ブシャアアアっ…………アア」
「弾切れ……殺るか」
収納から【偽りの塔】という槍を出した。
実はこれ、刺さったら獲物の体内で三ツ又の鋭いフォークに変貌して脳と心臓と弱点の三点を確実に狙う、ぶっ壊れ性能なんだよねー。かえしも付いていて、これで刺されたら簡単には外れない。てか絶対死ぬ。
「うおおおおっ!」
上からタコを狙いうち。
頭に刺さり、内側から爆発するようにタコの頭が吹き飛んで三ツ又の鋭いフォークが現れた。あれぇ。
足のお肉は無事だけど……。
タコは頭も美味しいのに、勿体ないことをした。
その後はクラゲのヒットが続いた。
クラゲは腕力で引き上げるのみの、つまんない獲物だ。透き通った体内に魔石作りの材料になる核があるのでそれだけ頂いてあとは海にぼちゃん。放っておけば魚の餌。
「お、もう夕方か」
今日はここまでとする。
船に結界を張って座布団に横になる。ふぅ。動いたあとに飲むオレンジジュースも美味い。
ご飯の前に残り4つの目玉ルアーを回収しよう。
「どれどれ、……」
花シュリンプ×21
剣山ヒトデ×1
豆イワシ×203
ツインテールマンタ×1
ゾゾ貝×9
コンブ巻き貝×1
宝魚×1
吸血ウツボ×1
おー、豆イワシの群れに当たったー!
あとはほぼ海底にいる生物だね。
次は岩とか隠れる場所が沢山あるポイントに沈めよう。
よし、凍死させて収納したぞ。
あ、鬼達磨タコ。
鑑定したら吸盤がとくに美味いらしい。晩御飯に頂こう。
明日は罠を多めに仕掛けて、ゆっくり魚介の解体でもしようかな。
舵をとり停止させていた船を進行させる。寝てる間に沈没船に着いたら明日はお宝探しもできる。あー忙しい忙しい♪
その日の夜。
処理した鬼達磨タコの吸盤を梅肉ソースで楽しんだ。浅くワイン漬けしたラッキョウなんかも頂いてご機嫌だ。
晩御飯を食べ終わり、食器を洗浄していたら海中になにかを探知した。
気配が探りにくい。
個体が、動いている。
船の真下についた。
結界に触れ、また離れた。
……偵察ぽいな。近くに複数、探知した。
「キュイ、キュウイ、キュー」
海中の声を鑑定。
砂穴イルカ──海底に巣を掘って群れで暮らす夜行性のイルカ。頭から2000ボルトの電流を放つ。鯛が大好物。
あー……狙いは地下室の稚鯛か。
細かい穴があるから目視で餌を感知したか、それとも超音波か……。
悪いけど稚鯛はあげないよ。
大事な活き餌だからね。
2000ボルトなら結界が破られることは有り得ない。
「ふぁ~あぁ……目がしゅぱってる」
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