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しおりを挟む事務所に置いていたスマホを手に取ったのは、午前二時を回った頃だった。呼び出された件がようやく片付き、一息入れようとコーヒーを片手に位知花は戻ってきたのだ。
「…あら」
位知花は小さく呟いた。
画面に着信の通知がある。開いて、それが逸巳からだと分かった。
どうかしたのだろうか。
業者が来て無事に作業を終えたことは既に何時間か前に連絡が来ていた。着信時間を確かめれば、それより少し後になっている。
掛け直そうとして、手を止めた。もうきっと寝ているだろう。着信は一度きり、急用ならば何度か掛けてきているはずだ。
逸巳ならきっとそうだろう。
「オーナー」
ドアが開いて従業員が入って来た。
「なに?」
「まーた変なの来てました。甲斐の客じゃないですかね?」
差し出された封筒を受け取った。小さい割にはずっしりと重い。位知花は顔を顰めながら封を切り、中身をちらりと見ると机の横に置いていたゴミ箱に投げ入れた。
「え、ちょ、オーナー! 何捨ててるんですか」
「大したもの入ってないわよ、ただの手紙の束よ」
「ええ?」
「こら、ゴミ箱を漁らないの」
困ったような顔をしてゴミ箱に手を入れる従業員を、位知花はたしなめた。知らなくていいことは知らないままにしておけばいいのだ。ぴしゃりと手の甲を叩いて引っ込めさせる。
「いった!」
「早く仕事に戻って」
「えー…」
不服そうな従業員をじろりと睨みつけると、彼はそそくさと部屋を出て行った。小さく息を吐いて、位知花はゴミ箱に目を落とす。
面倒なことをする客がいたものだ。ここは本当の恋愛をする場ではない。けれどそういうことに慣れていない者ほど、従業員に入れ込んでしまう。金銭の上に成り立っている関係ということを忘れてしまうのだろう。
封筒の中身は婚姻届けと手紙、そして得体の知れない箱だった。何が入っているか想像に難くない。以前にもあの客は同じことをしてきた。きっと今回もそうだ、ありえないと思っても、同じことは続く。たとえそれがどんなに不毛なことだとしても。
「思い込みって怖いわ…」
当人がそれが真実だと思っていることを覆すのは大変な労力がいる。
さて、どうしたものか。
「嫌なことばっかり続くわね」
自宅にも変な手紙が届いていた。宛先のない封筒、直接投函されたことは一目で分かる。読んでみたが何が言いたいのかよく分からず、ゴミ箱に捨てて来た。どうせ近所の連中がまた嫌がらせで入れたものだ。
そうに違いない。
「…はあ」
目障りなら見なければいいのに。
嫌なものほど目に入るのは、人の性分だろうか。
この行為が続くようなら、きっと甲斐は辞めるだろう。そうなったとき、次の従業員を育てるのにまたどれだけの労力を有するのだろうか。
逸巳の父親の元に行くからと引退するつもりでいたのだが…
位知花はため息を吐いて店の電話の受話器を取った。持って来たコーヒーを一口飲んで顔を顰める。熱いコーヒーが欲しい。とびきり美味しいコーヒーが。
「どうも、私です」
出た相手にそう告げる。
そのときなぜか位知花の頭の中に、先日来た後藤怜の顔がふいに浮かんで、消えていった。
おい、と中井は声を掛けた。
「ユーズ、なあ、怜は? いいのかよ? 話あるんじゃなかったっけ?」
「んー」
前を歩く柚木はスマホに目をやったままだ。聞いているんだか聞いていないのだか分からない。あれほど強引に中井に怜のバイト先に連れて行けとごねたくせに、怜が出てくる前に帰っては意味がない様に思う。俯いて歩く後ろ姿を見ながら、中井はため息をついた。女の子ってどうしてこう、よく分からない生き物なのだろう。男の中井には理解が出来ない。中井の彼女もいつも突然何かを思い立ち、急に物事を始め出す。行動の基準が感情に左右されるから、毎回振り回されていた。
「…よくわかんねえ」
深々と息を吐いて呟いた。
大体今はそんな気分じゃないし、そんなことは思い出したくもないのだが。
「何が?」
「いーや」
くるりと向き直った柚木に、なんでもない、と手を振った。肩に掛けていた鞄を抱え直し、腹のあたりを擦る。
腹が減っていた。シー・クーで夕飯を食べようと思ったが今月の小遣いはもう残り少なくて、ひたすら水で我慢したのだ。カフェの食事は割高だ。高校生には少しきつい。怜の友人でなかったら、早々に店長に追い出されていたことだろう。
何か、安いものでも食べて帰るか。どうせ帰ったところで両親はまだ帰っていない。歳の離れた姉が家を出てから、家族の食事の支度は中井の担当になっていた。帰りが遅いと連絡を入れれば、各々勝手に食べて帰ってくるだろう。
「ユズ、なあ、オレラーメン食って帰るけど、おまえどうすんの?」
「え?」
「帰んならバス停まで送るぞ?」
「優しいじゃん」
「オレはいつだって優しいでしょー」
振り返って笑う柚木に、中井は肩を竦めてみせた。そう、いつだって優しくしている。女の子はみんな可愛いから。
「あんま誰にでも優しくしてると彼女に怒られるぞー? 中井の彼女ってさ、あの森川高の子でしょ? お嬢様じゃん。そういうの嫌がりそうな感じ」
「──あっははは」
思わず乾いた笑い声を上げると、柚木の動きが止まった。
「え、別れた?」
あはは、と笑って誤魔化すと、柚木の目がさらに丸くなった。
「…嘘でしょ」
「オレもそう思う」
「なんで?」
「なんでって…」
「なんでよ?」
今日で別れて三日が経つが、いまだにその原因に思い当たらない。何かしたわけでも何があったわけでも、喧嘩さえもなく、仲が良くてお互い好き合ってると思っていたのに。
『全部優しいのが嫌』
どうして、と訊いて返って来た答えはそれだけだった。
何が?
優しくして何が悪かった?
「あー…」
「あーって何」
彼女からの答えを教えると、柚木はどこか納得したように遠い目で頷いた。
「わかんないんだ、中井」
「わかりません、オレは」
同じ女だからその感覚が分かるとでも言うのか、ふうん、と柚木は呟いた。
「みんなさあ、自分だけのものでいて欲しいんだよ」
「オレは彼女のものだったよ?」
「そうは見えなかったんじゃん?」
柚木のスマホの画面が光った。中井から目を逸らして柚木は画面を見る。指先で素早くフリックする動きを、中井は見つめた。駅前の繁華街、暗がりに浮かび上がる横顔。
「誰にでも優しい人なんか要らないんだよ」
「オレが駄目だったってこと?」
柚木が顔を上げた。
「そう」
「ひどくない?」
くすりと柚木が笑った。
「中井も後藤みたいになれば?」
「はあ? おまえあいつのことゴミカスみたいに言ってたくせに」
「うん、あいつゴミだね」
ははは、と柚木は笑った。でも、と笑いながら続ける。
「あいつ、本気で好きになった人には優しいよ。めちゃくちゃその人しか見てない」
「……」
なあ、と中井は言った。
「あいつの好きな人ってやっぱ三沢先輩…」
「それしかないじゃん」
「だよねえ」
逸巳を見る怜の視線。焦がれたものを待ちわびていたかように、一目散に走っていく姿。
傍にいたらすぐにわかる。
誰だとはっきり教えて貰ったわけではないが、好きな人がいると怜から聞いたとき、中井の頭に真っ先に浮かんだのは、逸巳の姿だった。
「あいつさ、三沢先輩に言ってないの自分のこと」
「え?」
「神田先生のこと。今日先輩に会って…、訊かれたんだよね、教えてくれって。先輩全然知らないみたいだった」
「…まあ、そういうのに興味なさそうだもんな」
「本人に訊いた方がいいって言った」
はあ、とため息を吐くと、柚木は再びスマホに目を落とし、画面をスクロールしていく。
ああ、そうかと中井は思った。
だから。
「だから怜のバイト先に連れてけって──」
「そう。じゃなきゃあいつ逃げるじゃん」
まともに行っても躱される。だから絶対に逃げられない場所で言った。
弁明を一切しない怜が柚木は嫌いだ。
人の目を厭うくせに、わざと嫌われるようなことをしている。
怜は複雑だ。だから嫌いだ。そういう矛盾がいつまでも納得出来ない。
もっと単純になればいいのに。
「あいつどうしようもないけど、先輩には答えてあげて欲しいなあって」
スマホの明かりを受ける柚木の横顔は、いつもと変わらずだ。
「そういうことはさあ、先に言っとこうよ」
オレ何にも聞かされてないんですけど。
「まあ後でもいいかなって」
「後でって…」
「実際終わりまで待つつもりなかったし」
言いたいことははじめに言ってしまった。最初からそれで帰るつもりだったのだ。思いもかけず長居をしてしまったのは、あの店の居心地が良いからで、食事もおもうよりずっと美味しかったからだ。特にあのパンケーキは絶品だった。
「それに…」
「ん?」
自分たち以外にも、怜を待ってる人がいた。
窓際の席から見えていた。
店から少し離れた場所に立っていた男子高校生。同じ高校の制服だった。帰る時にもまだそこにいて、すれ違いざまに横目で見た校章の色は上級生のものだ。
暗がりで俯いていたからよく顔は見えなかった。けれど、柚木には見覚えがあった。
逸巳の隣にいた人だ。
背が高くがっしりとした立ち姿。横にいた逸巳が細い分、尚更その印象が強く残っていた。
怜に何の用なのだろう。
「……」
まあ、考えても仕方のないことだ。
「それにって何?」
中井の疑問を無視して柚木は画面をスクロールした。
ああ、これだ。
画面の赤い場所をタップする。
「なあって」
「中井」
ほら、と柚木はスマホの画面を中井の顔に突き付けた。
「この辺で一番美味いラーメン屋」
画面いっぱいのラーメンの画像。開店三十周年記念で今なら一杯三百円で食べられる。お得な情報は欠かさない。
小遣いがないのはお互い様だ。
「おおおおうまそおおお!」
「行こ!」
今にもよだれを垂らしそうな中井の腕を柚木は引っ張った。
***
位知花は電話に出なかった。やはり電話をかけるべきではなかったのだ。逸巳は通話を切りテーブルの上の手紙に目を向けた。
江島の筆跡と酷似した文字。
酷似ではない。これは江島が書いたものだ。
逸巳はもう一度口の中で手紙の文を反芻した。
『あいつを見ていることを知られていいのか』
あいつ。
これは怜のことだ。
逸巳が怜と親しいことを江島は知っていた。
嫌な目をして怜のことを悪しざまに罵った。
怜と神田に起こったこと、そして今日、佐竹が言っていた…
『まああれはあの人のほうが悪いがな。江島君も可哀そうに──』
可哀そうに?
江島にも関係があった?
神田とはどう繋がる?
知らないことがもどかしい。柚木は本人から聞いた方がいいと逸巳に言った。
その通りだと思う。
怜はもうバイトを終えただろうか。家に帰っている頃かもしれない。訊きたい。今すぐにでも会って、顔を突き合わせて、目を見て話がしたい。でも。
だが、その前にやることがある。
逸巳は二枚目の便箋を見つめた。
「……明日だ」
そう、明日だ。
手紙をまとめ鞄に仕舞った。
これを突き付け直接訊いたなら、江島は何と答えるのだろう?
***
誰にも分かるわけがない。
今までもこれからも、私は誰にも知られない。
何者でもない私が、彼を守っているのだ。
朝のホームルームが終わると、逸巳は席を立った。廊下に出た江島を追いかける。
「先生」
鼻歌を歌っていた江島が振り返った。
「何だ?」
「今日、話したいことがあって…あとで時間貰えますか?」
「ああ」
わかった、と江島は頷いた。
「昼休みでいいか?」
「出来たら、放課後がいいんですけど」
江島は一瞬黙り込んだ。その横を誰かが通り過ぎる。何気なく目を向けると、寺山だった。遅れて来たのだ。
「おい寺山、遅刻だぞ」
「…すみません」
「すみませんっておまえなあ…」
すっと寺山の視線がこちらに向いた。
逸巳は目を丸くした。
「どうし──」
寺山の口の端が赤く切れている。しかもうっすらと腫れていた。
「寝坊しました」
「たるんでるなあ、ったく、…じゃあ三沢、放課後だな?」
「あ、はい──」
言い捨てて去っていく江島に気を取られた隙に、寺山は逸巳の横を通り過ぎた。見ればもう教室に入るところだ。逸巳はその後ろ姿を眺め、教室に戻った。
江島が振り返ったことに、逸巳はまるで気がつかなかった。
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