【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜

よどら文鳥

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 ドルチャ男爵の命令で、ハーベストだけが王宮へ向かうために家を出て行った。
 現状、ドルチャ家には私のことを敵対視している者しかいない。

 後ろ盾になってくれている義兄様たちがいるとは分かっていても、この空気はどうしても恐くなってしまう。

 ドルチャ男爵の隣では、わざとらしく咳をゴホゴホと連発しているシャロンさんがいる。
 その横では使用人とトスカーレ婦人が、必死に看病しているフリをしていた。

「ジュリエル、シャロンの病気が深刻だというのことは知っているだろう?」
「いきなりどうしたのでしょうかドルチャ男爵?」

 あえて名前で呼んだ。もう婚約する気など一切ないという気持ちの表れだ。

「随分他人行儀で生意気だな……。よく聞け! シャロンの病気が深刻故に、国からもあらゆる免除を受けていた。だが、それもなくなり今までの分を働くように言われてしまったのだ。この責任は家族になるお前にも責任があるということだ」
「つまりどういうことでしょうか?」
「簡単なことだ。ジュリエルには仕事が上乗せされる分、全てを背負って働いてもらう」

 ハーベストがいなくなったと思ったらこの有様だ。
 私はもう無理に従う必要はなかった。

「お断りします。当然の報いかと思いますので。シャロンさん、あなた実は超がつくほど元気ですよね?」
「「「「な!?」」」」

「ばかな! これだけ咳込んでいてどこをどう見たら元気に見えるのだ!? お前はバカなのか?」
「愛するシャロンちゃんにこれほどの無礼な発言など許せませんわ!!」
「ゴホッゴホッ……ジュリエルさんったら……酷いですゴホッゴホッ……あぁ、目眩が」

 私は、ドルチャ一家の素晴らしい演技を見せてもらっているとしか思っていない。
 同時に、殺気と危険な空気が漂い始めた気がするので警戒はしている。

「申し訳ございませんが、ハーベスト様との結婚もできません。ご家族の方が国に対して詐欺を働かせていることを知りながら嫁げませんので」
「何を証拠に……そこまでシャロンを悪く言うのはドルチャ家としても許せん行為だ! 貴様には力ずくでも働いてもらう。それが嫌ならば貴様の両親に泣き寝入りでもしてドルチャ家への免除を継続させるように言うのだ」

 話がどうも噛み合わない。
 不正をしているから協力できない、結婚もできないと言っているのに、どう考えたらお父様達の権力で助けろと言えるのだろうか。
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