【完結】私より優先している相手が仮病だと、いい加減に気がついたらどうですか?〜病弱を訴えている婚約者の義妹は超が付くほど健康ですよ〜

よどら文鳥

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11 シャロン視点

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 一体どうしてこうなっちゃったの!?

 ジュリエルの義兄様が家に来てしまった。
 しかも暫く住むらしい。

 理由はあの女が病気になってしまって完治するまでは看病する必要があるとのこと。

 なんという病弱な女なの?

 問題なのは、あの男が優秀な回復師として国中から注目されていること……。
 この状態でいつもの仮病を訴えたら、おそらくバレてしまう。

 そんなことになれば私はここに住めなくなるだけでなく、下手をすれば貴族の資格を失い国からも追放されてしまうかもしれない。

 何日かは大人しくしていたけれど、これでは愛するハーベスト義兄様から相手にされないではないか。

 いつもいつも私のことを心配してくれるのが嬉しかった。
 病気で寝込んだフリをしている時はいつもそばで看病してくれた。

 だから頑張ってきたというのに……、暫く義兄様不足のせいで、私のストレスは限界だ。

 早く帰ってくれないかな……。
 せめて二人とも出かけて家から消えてくれないかな……。

 ♢

 よし、今日から明日まではジュリエルとライトが実家に帰ると言って出て行った。

 これならば仮病を作れる。

 私は急いで激しい運動を始め、いつもどおりに高熱を訴えた。

 義兄様がすぐに駆けつけてくれ、私の天国時間が始まろうとしていたのだが……。

「シャロン! 今回は喜ぶがいい。お前にとっても私たちにとっても朗報だ」
「え……?」

 どうなっているの? なんで私が高熱で苦しいフリをしているのに、義兄様は喜んでいるの……。

「どうやらライト様が気を利かせてくれて、公爵様や国王陛下にまでお願いをしてくれたらしい。これでお前の病気は確実に治るだろう」

 国の最高位の人にお願いするって……あの男そこまですごい人だったというの!? それに、病気が治るって……。

「ど……どういうことです!?」
「国の最高機関の健康診断を受けれる許可が下された。しかも今回は推薦でなく国からの命令になる。今発症している高熱の原因もわかるから直ぐにでも向かおう」

 とんでもないことになってしまった。
 そんなところで徹底的に調べられたら、私の今までの仮病すらバレてしまうかもしれない……。

 あぁ……もう! どうしたらいいのよ!
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