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公爵様がディラウ家に訪問される日なので、義兄様と一緒に『用事があるので実家に一度帰る』と言って家をでた。
実家へ帰ると、既に公爵様がいらしていたので直ぐに跪く。
「顔を上げたまえ。早速だがライト君。例の設置と準備は万全かね?」
「はい。公爵様の言われたとおりの場所に設置しております」
「よし。これで完璧だ。あとは餌が罠に引っかかれば完璧だな」
二人とも嫌らしい笑い方をしていて不気味だ。
私には具体的に何をしているのかまでは告げられていない。
ただ、今までどおりにしていてくれればいいとだけ言われていた。
「ジュリエル嬢に対する嫌がらせはなくなったかい?」
「はい。義兄様のおかげさまで」
「そうか、良かったな。だがな……酷な頼みをして申し訳ないのだが、数時間だけでいいのだ。囮として我慢できないかね? 普段のドルチャ家の様子が知りたいのだ」
つまり、地獄のような仕打ちをもう一度味わえというのか。
流石にそれは私も避けたい気持ちでいっぱいだったが、避けては通れない。
「数時間でしたら……なんとか」
「公爵様、酷すぎます。ジュリエルがようやく安全になったばかりなのですから」
「無論、確実に守れるように厳重に監視をする。それにほら、いざとなったらライト君が守れるであろう? 確か国の格闘術大会で四位だっただろう?」
「まぁ……正当防衛が認められるのであれば……そうじゃなくても必ずジュリエルのことは守りますけどね」
義兄様がかっこいい事を言って、つい照れてしまった。さらに私の心臓の鼓動が速くなってしまった気がする。
なんなのだろうこの気持ちは。義理のお兄様にドキドキしてしまうなんて……。
恐怖心は残っているけれど、心配だった気持ちは嘘のように消えていった。
「私、やります。これも国のためになるのですから」
「そこまで私は言った覚えはなかったが……何故わかるのだ?」
「今までがそうでしたから。公爵様の行った行動が何かしらで国に大きな影響を与え、お父様もそんな公爵様についていった……。だからこそ、お父様も偉大な存在になれたのですから」
「ふ……照れるな。理不尽な頼みですまぬが協力してくれるか? 命の危険になるようなことは絶対にならないように全力で援護は行う」
「俺もいつでも助けられるようにする。必ずジュリエルを守るから」
公爵様と義兄様の優しい言葉で、もうひと踏ん張り、身体を張って頑張ってみようと誓った。
「おっと……言い忘れていた。今頃シャロン嬢は喜んでおるだろうな」
「公爵様……既に何かされていたのですか?」
また公爵様が嫌らしい顔をしていた。
「勿論だ。君たちが帰ってくる日に照準を当てて使いの者に『国の最高機関で健康診断を受けろ』と命じる書類を送った。それだけではない。まだまだ色々とあの家にとって都合が良くなりそうな事を総力を上げて支援しているのだよ」
「公爵様は優しいですからな。これほど援助を受けていただける男爵家は幸せ者ですな!」
「そうだろう。私の気遣いだからな。ふっふっふ……」
義兄様達は間違いなく良からぬ事を企んでいるのは直ぐに察した。
この二人は絶対に敵に回してはいけないと思う……。
どんな嫌がらせ……じゃなくて、支援をしたのだろうか。
実家へ帰ると、既に公爵様がいらしていたので直ぐに跪く。
「顔を上げたまえ。早速だがライト君。例の設置と準備は万全かね?」
「はい。公爵様の言われたとおりの場所に設置しております」
「よし。これで完璧だ。あとは餌が罠に引っかかれば完璧だな」
二人とも嫌らしい笑い方をしていて不気味だ。
私には具体的に何をしているのかまでは告げられていない。
ただ、今までどおりにしていてくれればいいとだけ言われていた。
「ジュリエル嬢に対する嫌がらせはなくなったかい?」
「はい。義兄様のおかげさまで」
「そうか、良かったな。だがな……酷な頼みをして申し訳ないのだが、数時間だけでいいのだ。囮として我慢できないかね? 普段のドルチャ家の様子が知りたいのだ」
つまり、地獄のような仕打ちをもう一度味わえというのか。
流石にそれは私も避けたい気持ちでいっぱいだったが、避けては通れない。
「数時間でしたら……なんとか」
「公爵様、酷すぎます。ジュリエルがようやく安全になったばかりなのですから」
「無論、確実に守れるように厳重に監視をする。それにほら、いざとなったらライト君が守れるであろう? 確か国の格闘術大会で四位だっただろう?」
「まぁ……正当防衛が認められるのであれば……そうじゃなくても必ずジュリエルのことは守りますけどね」
義兄様がかっこいい事を言って、つい照れてしまった。さらに私の心臓の鼓動が速くなってしまった気がする。
なんなのだろうこの気持ちは。義理のお兄様にドキドキしてしまうなんて……。
恐怖心は残っているけれど、心配だった気持ちは嘘のように消えていった。
「私、やります。これも国のためになるのですから」
「そこまで私は言った覚えはなかったが……何故わかるのだ?」
「今までがそうでしたから。公爵様の行った行動が何かしらで国に大きな影響を与え、お父様もそんな公爵様についていった……。だからこそ、お父様も偉大な存在になれたのですから」
「ふ……照れるな。理不尽な頼みですまぬが協力してくれるか? 命の危険になるようなことは絶対にならないように全力で援護は行う」
「俺もいつでも助けられるようにする。必ずジュリエルを守るから」
公爵様と義兄様の優しい言葉で、もうひと踏ん張り、身体を張って頑張ってみようと誓った。
「おっと……言い忘れていた。今頃シャロン嬢は喜んでおるだろうな」
「公爵様……既に何かされていたのですか?」
また公爵様が嫌らしい顔をしていた。
「勿論だ。君たちが帰ってくる日に照準を当てて使いの者に『国の最高機関で健康診断を受けろ』と命じる書類を送った。それだけではない。まだまだ色々とあの家にとって都合が良くなりそうな事を総力を上げて支援しているのだよ」
「公爵様は優しいですからな。これほど援助を受けていただける男爵家は幸せ者ですな!」
「そうだろう。私の気遣いだからな。ふっふっふ……」
義兄様達は間違いなく良からぬ事を企んでいるのは直ぐに察した。
この二人は絶対に敵に回してはいけないと思う……。
どんな嫌がらせ……じゃなくて、支援をしたのだろうか。
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