46 / 140
第一部
46 同窓会
しおりを挟む
同窓会の日がやってきた。
「もういく?母さんはそろそろ颯介のとこへ行っちゃうけど」
「まだいるよ。鍵かけておくから持って出て」
「わかったわ。じゃいってらっしゃい」
「いってきます」
時間を見ると六時だったが歩いて十分足らずなので気にせず出かけた。
会場の『シフト』に到着する。
この店は直樹が子供のころからあって当時は同級生、三上の父親が経営するジャズバーだったようだが、今ではタコスの美味しい多国籍レストランになっていた。
フロアは広くたまに結婚式の二次会や新年会などのパーティにも使われるようだ。
中学の同級生は四十五名なのでちょうど良い会場かもしれない。
自動ドアが開くとすぐに会場だ。
「お、大友」
「やあ」
「お前おせーよ」
「お久ー」
「まだ揃ってないだろ?」
数名と口々に挨拶をかわす。まだ全員揃ってないようだ。
「おーい。みんな席についてー」
どうやら揃ったところで乾杯するらしい。
六人掛けのテーブルが十席ほどあるが直樹は適当なところへ腰を掛けた。
乾杯の音頭があがり幹事が挨拶をしたが、もう誰も聞いておらず料理と酒と交流に費やされていた。
「よお大友。お前今何やってんだ?」
「キコリ」
「結婚は?」
「まだ」
だいたいこんなやり取りだ。――どこに居てもこんな感じだよな。
男女問わずほとんど既婚者と離婚者で純粋に独身なのは直樹くらいだった。
双方、「結婚はいいよ」「早まるな」と、相反する話を直樹にしてくるのだった。
三上が直樹の席にやってきた。
「大友、楽しんでるのか?」
「まあまあ。この店って今三上が継いでるのか?」
「おう。親父は経営下手でさ。俺がなんとか持たせたんだ。たまにそこで仲間となんか下手な演奏してるよ」
なるほどステージがあって小さな電子ピアノが置かれている。
「三上って結婚してたっけ」
「してるしてる。大友はまだなのか」
「まだだな」
「そうか。今時、結婚しなくてもいいと思うけどな。でもしたい相手がいたらした方がいいと思うぞ」
「したい相手ねえ」
緋紗のことが頭をかすめなくもないが打ち消した。
三上と飲んでいると佐野達女子三人組がやってきた。
「大友くーん。この前はどーもー」
「いえいえ。こちらこそ」
女子三人組はもう出来上がっているらしく陽気に話しかけてくる。
「なんか、この前ピアノ弾いてた時めっちゃかっこよくてさ。誰かわかんなかったんだよねー」
佐野が他の二人に高いテンションで話し始め、適当に相槌をうっていると三上が、「バイトしないと生活厳しいのか?」と聞いてきた。
「いや。そういうバイトじゃないんだ。頼まれて仕方なくな」
佐野が、「一緒にいた女の子ってさー。彼女?」と、今頃、突っ込んできた。――うーん。女ってよく覚えてるよな。
「そんなもんかな」
「なんだいるのかよ。誰か紹介しようと思ってけどな。結婚式の二次会ででも使ってくれよここ」
「そこまでの関係じゃないよ。まだ知り合って間もないし」
「時間じゃないって。タイミングだよ」
「ノリだよノリ」
佐野と三上が、口々に言う。
二人とも結婚生活が順調なのだろう。
どうやら推進派のようだ。
「ぶっちゃけ年収が低すぎて結婚は無理だよ」
そういうと大抵この話は終わるのを直樹は経験で知っていた。
「そんなに低いのか」
「うん。前のとこに比べたら半分くらいだな」
「そうなんだー。ちょっときついか?」
「自分的にはそんなに不満ないけどね。相手が不満に思うだろ」
「あの女の子いくつ?相手が結婚したがるんじゃないの」
「二十七だっけかな。自由人って感じだよ」
「でも三十寸前になったら変わるよぉー?」
佐野は女性視点で話してくる。
「まあそん時はそん時で考えりゃいいさ」
三上はお気楽に酒をつぐ。
そこへ直樹の携帯電話が鳴った。――緋紗だ。
「ちょっと電話してくる。また」
「あとでな」
「まだガラケーなんだ」
三上たちは笑って直樹を見送った。
緋紗は時計を見て九時過ぎたので電話をかけてみた。
『はい』
後ろでガヤガヤ騒がしい声が聞こえる。
『あ、こんばんは。緋紗です。今忙しかったですか?』
『ううん。同窓会だったんだ』
『え、あ。ごめんなさい。また今度かけます』
『いいよ、いいよ。日程?』
『そうです。たぶん最終日が十一日の、えと来月の、土曜日になると思います。先生と奥さんが一緒に焚いてもいいですよって』
『へー。素人が窯に手を出してもいいの?』
『一応私とペアです』
『行くよ。土曜ならちょうどいいや。お昼過ぎには着けるけど遅い?』
『いえ。本格的に焚き上げるのは夕方くらいなので大丈夫です』
『うん。わかった』
『それと服は綿百がいいです。高温の火に近づくとポリとかの合成繊維は燃えてしまわずに溶けて肌に張り付いちゃうんですよ。すごく危ないですから』
『そうなんだ。こわいね』
『そんなものです。長々とすみません。失礼します』
『うん。早く帰るから』
『あ、はい。おやすみなさい』
『またね』
電話をきって直樹の声を頭で再生させた。
『早く帰るから』心配させないように気遣ってくれたのだろうか。
とても嬉しかった。――泊まるとこ話しそびれちゃった。
緋紗としては自分のアパートに泊まってもらってもいいかなと考えている。
狭い町なのであとでまた噂が流れるだろうが気にならなかった。
今は一緒に過ごせる時間が何よりも大事だと思っていたからだ。
携帯電話をポケットに突っこんでいると、「早く帰るのかよ」と三上の声が聴こえた。
「聞くなよ」
笑いながら直樹が言うと、
「こんなとこで話してるからさ」
と、ニヤッと笑って三上は煙草をふかした。
――ああ。ここ喫煙場か。
「そうだ。お前になんか聞きたいことがあるって斎藤が言ってたぞ」
「斎藤?哲也?」
「うん。斎藤哲也」
「なんだろな。あんまり話したことなかったけど」
「なんか、真面目そうだった」
直樹が席に着くと斎藤哲也が同じく席についてきた。
「久しぶり。変わらないな。大友君は」
「久しぶり。男は皆あんまり変わってないよな」
直樹は笑って言ったが斎藤はなんだか深刻な素振りだ。
「聞きたいことがあるんだって?」
斎藤は頷いた。
当時の印象は大らかでのんびりとしたサッカー少年だった。
今の斎藤はやけに神経質そうで落ち着きがない。
「林業ってさ。どう?俺のとこ七月いっぱいで閉めるんだ。他の奴らも似たような製紙工場だからそこへ転職してもなんだか不安でな。ちょっと色々聞いて回ってるんだ」
「うちはたぶん一生勤められると思う。倒産はないんじゃないかな。でも給料も低いぞ。最初の三年くらい手取り二十ないだろうな。今六年目でやっと二十超えたよ。結婚してたっけ?」
「うん。結婚はもう七年目で子供も小一と三歳なんだ。二十切るかあ……」
「子供ってかかるんだろ?」
「まあなあ。嫁は子供を来年幼稚園に入れて、小学校に上がるまで働かないつもりだったんだが、今回の件でもう来年から働くつもりなんだ」
「共働きでもきついのか」
「うん。嫁はなかなか教育熱心でさ。習い事と塾にかかるんだよ。しかも娘二人だからかかるのってなんのって……」
ため息をつく斎藤に直樹は、「そんなにかかるんじゃうちは勧められないよ。人手はないから、いつでも歓迎だけど基本きついし危ないからな」と、正直に話した。
「そうかあ。俺的にはきついのも危ないのも平気な方だし人間関係でストレスたまるよりは肉体労働のほうが好きなんだよな」
「まあ。俺もそうだよ」
渋い表情の斎藤に、気に入っている森に入った感じや季節の移り変わりの美しさ、心地よい疲労感や充実感などの話はしなかった。
この仕事の魅力はきっと伝わるだろうが斎藤の目的は家族を養うことなのだから。
「ありがとう。また考えるよ」
「うん。まあ折角だし飲んで楽しめよ」
「だな」
いつの間にか同窓会も終わりに近づいてきた。
半分は二次会へ向かうらしい。
直樹も誘われたが断った。
久しぶりの賑やかさで疲れはしたが悪くはなかった。
しかし考えさせられることも多々あった。
結婚、仕事、家庭、人生。
直樹にとって今は仕事と人生が充実していて結婚と家庭はない。
ぽつぽつ歩きながら自分自身の結婚を想像してみたが何も描けなかった。
ポケットに手を突っ込んで緋紗のことを考えてみる。
彼女はきっと陶芸が優先順位のトップに来るだろう。
そうなると同じ陶芸家であるか、自由でいられるような経済力の持ち主が結婚相手になるはずだ。
自分では彼女の結婚相手には相応しくないだろうと結論付けていると、いつの間にか自宅が見えてきたので考えるのをやめた。
「もういく?母さんはそろそろ颯介のとこへ行っちゃうけど」
「まだいるよ。鍵かけておくから持って出て」
「わかったわ。じゃいってらっしゃい」
「いってきます」
時間を見ると六時だったが歩いて十分足らずなので気にせず出かけた。
会場の『シフト』に到着する。
この店は直樹が子供のころからあって当時は同級生、三上の父親が経営するジャズバーだったようだが、今ではタコスの美味しい多国籍レストランになっていた。
フロアは広くたまに結婚式の二次会や新年会などのパーティにも使われるようだ。
中学の同級生は四十五名なのでちょうど良い会場かもしれない。
自動ドアが開くとすぐに会場だ。
「お、大友」
「やあ」
「お前おせーよ」
「お久ー」
「まだ揃ってないだろ?」
数名と口々に挨拶をかわす。まだ全員揃ってないようだ。
「おーい。みんな席についてー」
どうやら揃ったところで乾杯するらしい。
六人掛けのテーブルが十席ほどあるが直樹は適当なところへ腰を掛けた。
乾杯の音頭があがり幹事が挨拶をしたが、もう誰も聞いておらず料理と酒と交流に費やされていた。
「よお大友。お前今何やってんだ?」
「キコリ」
「結婚は?」
「まだ」
だいたいこんなやり取りだ。――どこに居てもこんな感じだよな。
男女問わずほとんど既婚者と離婚者で純粋に独身なのは直樹くらいだった。
双方、「結婚はいいよ」「早まるな」と、相反する話を直樹にしてくるのだった。
三上が直樹の席にやってきた。
「大友、楽しんでるのか?」
「まあまあ。この店って今三上が継いでるのか?」
「おう。親父は経営下手でさ。俺がなんとか持たせたんだ。たまにそこで仲間となんか下手な演奏してるよ」
なるほどステージがあって小さな電子ピアノが置かれている。
「三上って結婚してたっけ」
「してるしてる。大友はまだなのか」
「まだだな」
「そうか。今時、結婚しなくてもいいと思うけどな。でもしたい相手がいたらした方がいいと思うぞ」
「したい相手ねえ」
緋紗のことが頭をかすめなくもないが打ち消した。
三上と飲んでいると佐野達女子三人組がやってきた。
「大友くーん。この前はどーもー」
「いえいえ。こちらこそ」
女子三人組はもう出来上がっているらしく陽気に話しかけてくる。
「なんか、この前ピアノ弾いてた時めっちゃかっこよくてさ。誰かわかんなかったんだよねー」
佐野が他の二人に高いテンションで話し始め、適当に相槌をうっていると三上が、「バイトしないと生活厳しいのか?」と聞いてきた。
「いや。そういうバイトじゃないんだ。頼まれて仕方なくな」
佐野が、「一緒にいた女の子ってさー。彼女?」と、今頃、突っ込んできた。――うーん。女ってよく覚えてるよな。
「そんなもんかな」
「なんだいるのかよ。誰か紹介しようと思ってけどな。結婚式の二次会ででも使ってくれよここ」
「そこまでの関係じゃないよ。まだ知り合って間もないし」
「時間じゃないって。タイミングだよ」
「ノリだよノリ」
佐野と三上が、口々に言う。
二人とも結婚生活が順調なのだろう。
どうやら推進派のようだ。
「ぶっちゃけ年収が低すぎて結婚は無理だよ」
そういうと大抵この話は終わるのを直樹は経験で知っていた。
「そんなに低いのか」
「うん。前のとこに比べたら半分くらいだな」
「そうなんだー。ちょっときついか?」
「自分的にはそんなに不満ないけどね。相手が不満に思うだろ」
「あの女の子いくつ?相手が結婚したがるんじゃないの」
「二十七だっけかな。自由人って感じだよ」
「でも三十寸前になったら変わるよぉー?」
佐野は女性視点で話してくる。
「まあそん時はそん時で考えりゃいいさ」
三上はお気楽に酒をつぐ。
そこへ直樹の携帯電話が鳴った。――緋紗だ。
「ちょっと電話してくる。また」
「あとでな」
「まだガラケーなんだ」
三上たちは笑って直樹を見送った。
緋紗は時計を見て九時過ぎたので電話をかけてみた。
『はい』
後ろでガヤガヤ騒がしい声が聞こえる。
『あ、こんばんは。緋紗です。今忙しかったですか?』
『ううん。同窓会だったんだ』
『え、あ。ごめんなさい。また今度かけます』
『いいよ、いいよ。日程?』
『そうです。たぶん最終日が十一日の、えと来月の、土曜日になると思います。先生と奥さんが一緒に焚いてもいいですよって』
『へー。素人が窯に手を出してもいいの?』
『一応私とペアです』
『行くよ。土曜ならちょうどいいや。お昼過ぎには着けるけど遅い?』
『いえ。本格的に焚き上げるのは夕方くらいなので大丈夫です』
『うん。わかった』
『それと服は綿百がいいです。高温の火に近づくとポリとかの合成繊維は燃えてしまわずに溶けて肌に張り付いちゃうんですよ。すごく危ないですから』
『そうなんだ。こわいね』
『そんなものです。長々とすみません。失礼します』
『うん。早く帰るから』
『あ、はい。おやすみなさい』
『またね』
電話をきって直樹の声を頭で再生させた。
『早く帰るから』心配させないように気遣ってくれたのだろうか。
とても嬉しかった。――泊まるとこ話しそびれちゃった。
緋紗としては自分のアパートに泊まってもらってもいいかなと考えている。
狭い町なのであとでまた噂が流れるだろうが気にならなかった。
今は一緒に過ごせる時間が何よりも大事だと思っていたからだ。
携帯電話をポケットに突っこんでいると、「早く帰るのかよ」と三上の声が聴こえた。
「聞くなよ」
笑いながら直樹が言うと、
「こんなとこで話してるからさ」
と、ニヤッと笑って三上は煙草をふかした。
――ああ。ここ喫煙場か。
「そうだ。お前になんか聞きたいことがあるって斎藤が言ってたぞ」
「斎藤?哲也?」
「うん。斎藤哲也」
「なんだろな。あんまり話したことなかったけど」
「なんか、真面目そうだった」
直樹が席に着くと斎藤哲也が同じく席についてきた。
「久しぶり。変わらないな。大友君は」
「久しぶり。男は皆あんまり変わってないよな」
直樹は笑って言ったが斎藤はなんだか深刻な素振りだ。
「聞きたいことがあるんだって?」
斎藤は頷いた。
当時の印象は大らかでのんびりとしたサッカー少年だった。
今の斎藤はやけに神経質そうで落ち着きがない。
「林業ってさ。どう?俺のとこ七月いっぱいで閉めるんだ。他の奴らも似たような製紙工場だからそこへ転職してもなんだか不安でな。ちょっと色々聞いて回ってるんだ」
「うちはたぶん一生勤められると思う。倒産はないんじゃないかな。でも給料も低いぞ。最初の三年くらい手取り二十ないだろうな。今六年目でやっと二十超えたよ。結婚してたっけ?」
「うん。結婚はもう七年目で子供も小一と三歳なんだ。二十切るかあ……」
「子供ってかかるんだろ?」
「まあなあ。嫁は子供を来年幼稚園に入れて、小学校に上がるまで働かないつもりだったんだが、今回の件でもう来年から働くつもりなんだ」
「共働きでもきついのか」
「うん。嫁はなかなか教育熱心でさ。習い事と塾にかかるんだよ。しかも娘二人だからかかるのってなんのって……」
ため息をつく斎藤に直樹は、「そんなにかかるんじゃうちは勧められないよ。人手はないから、いつでも歓迎だけど基本きついし危ないからな」と、正直に話した。
「そうかあ。俺的にはきついのも危ないのも平気な方だし人間関係でストレスたまるよりは肉体労働のほうが好きなんだよな」
「まあ。俺もそうだよ」
渋い表情の斎藤に、気に入っている森に入った感じや季節の移り変わりの美しさ、心地よい疲労感や充実感などの話はしなかった。
この仕事の魅力はきっと伝わるだろうが斎藤の目的は家族を養うことなのだから。
「ありがとう。また考えるよ」
「うん。まあ折角だし飲んで楽しめよ」
「だな」
いつの間にか同窓会も終わりに近づいてきた。
半分は二次会へ向かうらしい。
直樹も誘われたが断った。
久しぶりの賑やかさで疲れはしたが悪くはなかった。
しかし考えさせられることも多々あった。
結婚、仕事、家庭、人生。
直樹にとって今は仕事と人生が充実していて結婚と家庭はない。
ぽつぽつ歩きながら自分自身の結婚を想像してみたが何も描けなかった。
ポケットに手を突っ込んで緋紗のことを考えてみる。
彼女はきっと陶芸が優先順位のトップに来るだろう。
そうなると同じ陶芸家であるか、自由でいられるような経済力の持ち主が結婚相手になるはずだ。
自分では彼女の結婚相手には相応しくないだろうと結論付けていると、いつの間にか自宅が見えてきたので考えるのをやめた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる