21 / 62
新しいルール
しおりを挟む
次の日、いつも通りリースさんの腕の中で目が覚めた。1週間もこの状態が続けば、人って怖いよね。慣れちゃうんだもん。
でも、今朝は違う。昨日リースさんにキスされて僕は気を失うように寝ちゃったんだ。
なんで、僕キスされちゃったんだろう。しかもファーストキスだったのに。
この世界ではお礼にキスをするのが普通なのかな。
でも、男同士だよ?
その時のことを思いだし、顔が熱くなる。
なんとか熱を逃がそうとモジモジしていると
「マオ?起きたのか。おはよう……チュッ」
「ふぇ?」
額にキスされた!!
「これからは、起きた時と寝るときは口付けを交わすからな。ほら、マオも俺にしてくれ」
リースさんが僕に向けて頬を差し出してきた。
「え?キスするのはこの国では挨拶なんですか?」
「俺とマオだけの挨拶のルールだ。間違っても他のヤツにしちゃいけねぇぞ?そんなことしたら、俺は相手のヤツを殺さなきゃならねぇからな」
ひぇっ、こっ殺すの??
僕のせいで誰かが死なないように気を付けなくちゃ。
そもそも、リースさん以外の人にしようとは思わないけど。
…ん??なんで僕リースさんならいいと思ったんだろう。女の子ならまだしも、男なのに。
とっとにかく、ルールって言われちゃうとお世話になってる僕は断っちゃダメだよね。
よし!っと、気合いをいれて
ちゅっ
うぅぅ、恥ずかしいよぉ。こんなんでよかったかな?
ちらっとリースさんを見ると、微笑んでいる。
よかったぁ。でも寝る前にもしなきゃいけないんだよね?これから毎日ドキドキしそう。僕の心臓もつかな。
それにしても…
「リースさんは、男の僕にキスされるの嫌じゃないんですか?普通は女の人にするものなんじゃ…」
「オンナノヒト?なんだそれは」
「え?女の人は女の人ですよ。この世には男と女がいるでしょ?」
「オンナというのは、聞いたことねぇな。」
「え??子供を産む器官をもつ人を女って言うでしょ?」
「子供なら、魔力玉で誰でも産めるぞ」
「…うそ。女の人がいない?」
僕は衝撃の事実に頭が追い付かず固まってしまった。そういえば、街歩いてるときも女の人は見かけなかった。
何か宗教的なもので、あまり家から出てこないだけなのかと思ってた。
それに魔力玉ってなに?誰でも産めるって?
じゃあ、僕も子供産めるの?男の僕が???
「どうしたマオ。心配しなくても、マオもちゃんと子供を産めるぞ」
ニヤニヤしながらそんなこと、言われても。
そもそも、そんな心配してないよー!!
僕は、なんとか平常心を取り戻し、いつものように朝の支度を終えてギルドに向かった。
ギルドに近づいたころ、街がなんだか騒々しい。
人々の悲鳴や怒鳴り声、土煙もあちこちで上がっている。一目で尋常じゃないことがわかる。
「マオ、何かあったらしい。ギルドに急ぐぞ」
リースさんは僕を抱き上げ、猛スピードでギルドに向かった。
「ダン!ダンはいるか!?何が起こってる!!」
「ギルマス!!よかった。呼びに行こうかと思ってたんです。街に魔獣が出ました。冒険者を緊急召集し対応してますが、数が多くて一般人にも被害が出ています」
「魔獣だと!?今まで街の中心部に出ることはなかったじゃねぇか!とにかく俺も出る。ダンは被害状況の確認と一般人の避難誘導を頼む。」
「かしこまりました。」
「マオ!外は危険だから絶対に出るなよ。俺が戻ってくるまで執務室から出るな。わかったな?」
「わっ、わかりました。あの、リースさん無事に戻ってきてくださいね。」
「心配してくれるのか?大丈夫だ。俺はこの街で一番強い。魔獣なんかに殺られねぇよ」
それからリースさんは討伐の準備を一瞬で済ませ、街に出ていった。
僕は言われた通りに執務室で待ってたんだけど、外から聞こえる喧騒に不安が募る。
リースさん大丈夫かな。
リースさんにもしもの、ことがあったら僕…。
膝を抱えて丸くなりながら、ただひたすら時がたつのを待つ。
自分が何も出来ないことを悔しく思いながら。
でも、今朝は違う。昨日リースさんにキスされて僕は気を失うように寝ちゃったんだ。
なんで、僕キスされちゃったんだろう。しかもファーストキスだったのに。
この世界ではお礼にキスをするのが普通なのかな。
でも、男同士だよ?
その時のことを思いだし、顔が熱くなる。
なんとか熱を逃がそうとモジモジしていると
「マオ?起きたのか。おはよう……チュッ」
「ふぇ?」
額にキスされた!!
「これからは、起きた時と寝るときは口付けを交わすからな。ほら、マオも俺にしてくれ」
リースさんが僕に向けて頬を差し出してきた。
「え?キスするのはこの国では挨拶なんですか?」
「俺とマオだけの挨拶のルールだ。間違っても他のヤツにしちゃいけねぇぞ?そんなことしたら、俺は相手のヤツを殺さなきゃならねぇからな」
ひぇっ、こっ殺すの??
僕のせいで誰かが死なないように気を付けなくちゃ。
そもそも、リースさん以外の人にしようとは思わないけど。
…ん??なんで僕リースさんならいいと思ったんだろう。女の子ならまだしも、男なのに。
とっとにかく、ルールって言われちゃうとお世話になってる僕は断っちゃダメだよね。
よし!っと、気合いをいれて
ちゅっ
うぅぅ、恥ずかしいよぉ。こんなんでよかったかな?
ちらっとリースさんを見ると、微笑んでいる。
よかったぁ。でも寝る前にもしなきゃいけないんだよね?これから毎日ドキドキしそう。僕の心臓もつかな。
それにしても…
「リースさんは、男の僕にキスされるの嫌じゃないんですか?普通は女の人にするものなんじゃ…」
「オンナノヒト?なんだそれは」
「え?女の人は女の人ですよ。この世には男と女がいるでしょ?」
「オンナというのは、聞いたことねぇな。」
「え??子供を産む器官をもつ人を女って言うでしょ?」
「子供なら、魔力玉で誰でも産めるぞ」
「…うそ。女の人がいない?」
僕は衝撃の事実に頭が追い付かず固まってしまった。そういえば、街歩いてるときも女の人は見かけなかった。
何か宗教的なもので、あまり家から出てこないだけなのかと思ってた。
それに魔力玉ってなに?誰でも産めるって?
じゃあ、僕も子供産めるの?男の僕が???
「どうしたマオ。心配しなくても、マオもちゃんと子供を産めるぞ」
ニヤニヤしながらそんなこと、言われても。
そもそも、そんな心配してないよー!!
僕は、なんとか平常心を取り戻し、いつものように朝の支度を終えてギルドに向かった。
ギルドに近づいたころ、街がなんだか騒々しい。
人々の悲鳴や怒鳴り声、土煙もあちこちで上がっている。一目で尋常じゃないことがわかる。
「マオ、何かあったらしい。ギルドに急ぐぞ」
リースさんは僕を抱き上げ、猛スピードでギルドに向かった。
「ダン!ダンはいるか!?何が起こってる!!」
「ギルマス!!よかった。呼びに行こうかと思ってたんです。街に魔獣が出ました。冒険者を緊急召集し対応してますが、数が多くて一般人にも被害が出ています」
「魔獣だと!?今まで街の中心部に出ることはなかったじゃねぇか!とにかく俺も出る。ダンは被害状況の確認と一般人の避難誘導を頼む。」
「かしこまりました。」
「マオ!外は危険だから絶対に出るなよ。俺が戻ってくるまで執務室から出るな。わかったな?」
「わっ、わかりました。あの、リースさん無事に戻ってきてくださいね。」
「心配してくれるのか?大丈夫だ。俺はこの街で一番強い。魔獣なんかに殺られねぇよ」
それからリースさんは討伐の準備を一瞬で済ませ、街に出ていった。
僕は言われた通りに執務室で待ってたんだけど、外から聞こえる喧騒に不安が募る。
リースさん大丈夫かな。
リースさんにもしもの、ことがあったら僕…。
膝を抱えて丸くなりながら、ただひたすら時がたつのを待つ。
自分が何も出来ないことを悔しく思いながら。
78
お気に入りに追加
2,483
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
兄たちが溺愛するのは当たり前だと思ってました
不知火
BL
温かい家族に包まれた1人の男の子のお話
爵位などを使った設定がありますが、わたしの知識不足で実際とは異なった表現を使用している場合がございます。ご了承ください。追々、しっかり事実に沿った設定に変更していきたいと思います。
兄弟がイケメンな件について。
どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。
「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。
イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる