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 そうだ。叶わないことなんて最初からわかりきっていたのだ。
 放課後の廊下を歩きながら、撫子はそう思い直した。薄暗さを出し始めた世界に、照明が白く点灯した。
 ついさっきまで咲恵と美南とともに、昼休みに相談を持ち込んできた詩(し)織(おり)の話を聞いていた。机の上に大袋のお菓子を広げた、雑談まじりの軽い話し合いだ。
 驚くことに詩織は、四条が小学生時代に助けたという女子生徒その人だったのだ。
「あのとき助けてもらってからずっと好きで……でも、周りの男の子が怖くてお礼もなにも言えなかったの」
 詩織の言葉を思い返し、撫子はぐるりと胸の内に渦を巻いた怒りを冷ますように、深く長く息を吐いた。
 聞いた時、まず驚愕が先立ち、すぐに喉を駆けるような怒りを覚えた。あの場にいて、あまつさえ助けられておきながら、どうして彼を助けてくれなかったのかと。
 脳裏に浮かんだ幼い四条を――膝をついてパズルを拾う子どもを守ろうとするように口を開きかけて、慌てて口を結んで耐えた。といっても、その怒りも長続きはしなかった。
(だってあんなふうに言われたら、無関係の俺が言えることなんてなにもないもんね)
 罪を自白するように恐る恐るとばかりに切り出した詩織は、
「叶わなくても良いんです。せめてあの時のお礼が言いたい……ずっとそれだけが心残りだったので」
 と、淋しそうに、けれど受け入れた顔で笑っていた。きゅっと丸くなった肩に、彼女が無理をしているのは傍目にも分かった。思わず庇護欲をかき立てられるような切ない雰囲気が漂う。
 そう感じたのは一緒に聞いていた二人も同じようで、詩織の肩を叩いて励ましていた。詩織もちょっぴり嬉しそうに笑って返した。
 そんな三人の姿を見ているうちに、しゅるしゅると怒りが小さくなって残ったのは居たたまれなさだけだった。
 詩織は見るからに大人しく、物静かな生徒だ。きっと小学生の時に男子にからかわれていたときも、ろくな反撃も制止も出来なかっただろうことが容易に想像出来る。そんな子が、誰かを庇うために人前に立てるだろうか。それも自分をいじめてきた男子を相手にして……。
 撫子だって、その場で庇いに行ける自信はない。それなのに、なぜ自分が彼女に怒りを向けられるだろう。
 それに詩織は今からでも四条と向き合おうとしているのだ。それはすごいことだと純粋に思った。
 昔のことだと、子どもの頃のことだと忘れてしまったって誰も責めないだろうに――。
「すごいなあ……」
 本当にすごい。心残りなのだと、昔のことをずっと胸に抱え続けられる強さも、何年も経ってその人に向き合おうという勇気も。全部撫子にはないものだ。
 母に捨てられて、あっけなく母への想いもなにもかもを手放した撫子としては、直視出来ないぐらい彼女は眩しかった。
 それに、四条の傷となった、あの件の当事者である彼女の声ならば、彼の傷も癒えるのではないかと、そうも思ったのだ。
 と、撫子の胸がズキンと痛んだ。上書きしようなんて、他のことで気を逸らす提案しか出来なかった自分が悔しい。
 初めて感じる胸の痛みが嫉妬なのだと、三人と別れてから遅れて気づいたのだ。
 ――でも四条にはほかに好きな人がいるから、詩織の片思いは実らないんだ。
 と気づいて、痛みがすうっと引いていくから、自分の矮小な心に思わず嗤ってしまった。
 詩織を前にすると、どんどん自分が醜くなっていくようで絶望した。
 これが恋心のせいだというのなら、こんな感情はなくさなくてはならない。いつか折り合いがつけられると思っていたが、いつかではダメなのだ。この醜さが誰かに向かう前に、一刻も早くなくさなくてはならない。
「忘れよう……この気持ちは忘れなきゃいけない」
 胸元で、両手を抱きしめるように肩を丸めた。撫子の決意を表すように、強く拳を握りこんだ。どうかこの恋心が消えますようにと願いを込めて。
 幼いころ、母のことが好きだった。母だけが全てだった。でも、捨てられて――それで撫子は、母を好きでいることをやめた。
(一回出来たんだもん。今回もきっと上手く出来る)
 そう鼓舞しているうちに、気持ちが前を向いてきた。気を取り直し、上履きを履き替えて外に出ると、ちょうどグラウンドのほうから男子生徒が数人歩いてきた。
 自分よりも体格のいい運動部の連れ合いに、一瞬ビクリと歩みを躊躇い、校舎の陰でその生徒たちを見送る。
 ――あ、四条くん。
 ふと集団のなかに四条を見つけ、つい追いかけそうになった足を慌てて踏みとどめた。宇崎の姿も見えるので、きっと彼らはサッカー部の集まりなのだろう。そういえば、今日はグラウンドや部活棟の整備が入るから、練習は早上がりになると担任から連絡があった気がする。
 彼らは校門脇の駐輪場の一角で立ち止まって楽しそうに話し込んでいる。撫子は気づかれないように離れた位置をコソコソと早足で通り抜けようとしたが、ふいに耳に届いた声に足を止めてしまった。
「お、まじ? 四条もあの駅前のモール行くんだ。俺らもよく土曜の練習終わりはそこで昼飯食ってから帰るんだよ」
 な? と宇崎が周りの生徒を見渡すと、彼らも頷いた。きっと、宇崎といつも一緒にいるという一軍の部員たちだ。
(その輪には入れてるってことは……すごいじゃん、四条くん!)
 しかもちょうど撫子と行ったばかりのショッピングモールの話題だ。話題作りになればと軽い気持ちで提案したが、まさかさっそく役に立っているとは思わなかった。
 着実に進展している宇崎と四条との関係に嬉しい反面、胸の詰まる思いがした。
 駐輪場を囲うように植えられた常緑樹の陰で、撫子はひっそりと唇を引き結んで会話を聞いていた。
 切なくて、苦しい。けれど、同じぐらい嬉しいと思える。好きな人の幸せを喜べている。その事実が、この胸の苦しさを少しだが軽くしてくれた。
 四条も楽しく話が出来ているだろうかと、こっそりと幹から顔を出して窺ったが、あまり普段と変わらなかった。期待していた分残念だが、元々四条はそこまでコロコロと表情が変わる質でもないからと気を取り直した。
「あのスポーツショップ目当てか? やっぱあそこ品揃えいいもんなあ! 俺も良く行くし、気づいたらめっちゃ時間経ってて焦るよ」
 同じサッカー部だから目的は同じだと思ったのだろう。宇崎は店を知らなくたって思わず頷いてしまいそうな、そんな屈託のない顔で笑いかけた。
 もちろん撫子たちはそのスポーツショップも訪れた。四条はサッカー部には宇崎を追いかけて入ったというほど、元来はスポーツに興味のある者でもないのでそう長居はしなかったが、話を合わせることは出来るだろう。
 よかったと胸を撫で下ろし、そろそろ自分も帰ろうと体を反転させたところ、
「俺はジグソーパズルの店が好きだな」
 と、まさかの答えが聞こえて、とっさに足を戻してしまった。
 てっきり話を合わせて盛り上げるかと思ったが、よく考えれば自分の意見を曲げて人に合わせることを嫌う四条である。この答えもよく考えれば彼らしいものといえる。
 それに他の部員も意外だと言うだけで、むしろ興味深そうに話を聞いていたので、撫子はどっと安堵した。
(この様子なら大丈夫そうだな)
 ちょっぴり淋しい気持ちで離れようとしたが、後から駐輪場に来た一人の生徒が四条たちの話に割って入ったのでまた見守ってしまう。宇崎たちが慌てて頭を下げて挨拶するので、同じ部の先輩なのだろう。
「なに? お前ジグソーパズルなんて地味なもん好きなの? おいおいサッカー部なんだからボールと遊べ。ボールと」
 なあ? と上級生はほかの生徒にも声をかけた。先輩が顔を向けると、彼らは愛想笑いと分かるような笑みを浮かべつつも、みんな頷いて同意していく。先輩は、手前にいた宇崎の髪を乱雑に撫でると、「宇崎なんていっつもボール抱えてんだぞ? お前も宇崎を見習え~」とヘラヘラと軽い笑みを浮かべた。宇崎も笑って「あざーす」なんて受け入れている。
 男の言い草と周囲に態度に、撫子は腹の奥がカッと熱くなるような怒りを感じ、そのまま飛び出そうとした。いざ大股で一歩踏み出したとき、ふいに顔を上げた四条と眼が合った。
 彼はずっと撫子に気づいていたようだった。驚きもしなければ、まるで撫子をその場にとどめようとじっと力強い眼差しで突き刺してくる。
 ――来るな。
 言外にそう言われている気がして、撫子の怒りがしおれていく。所在なく肩を落とした撫子の姿を見ると、四条はふっとおかしそうに小さく笑った。
 てっきり傷ついているものだとばかり思ったから、撫子はひどく驚いた。好きな人にあんな態度をされて、大丈夫なのだろうか。
 心配になって、いますぐでも傍に行きたい。でも、張本人である四条に止められている。どうしようどうしよう、と二の足を踏んでおろおろしてしまう。
 その間に四条はなんの関心もなさそうに男たちを見渡し、最後に先輩を見て言った。
「べつに俺がなにを好きでも自由だし、あんたらにそんなこと言われる筋合いもないっすよね?」
 キッパリとした力強い口調に、上級生は一瞬なにを言われたのかと呆けていた。
 四条の鋭い瞳には明らかな侮蔑の光があり、それを受けてやっと頭の追いついた男は、顔を赤くして羞恥と怒りを露わにした。すぐに言い返そうと声を上げたが、四条はもう興味はないとばかりに輪を抜けて駐輪場から離れる。
 同級生たちはその背中に一度顔を上げたものの、先輩の手前追いかけることも声をかけることもしない。
 そのままずんずんと撫子の元にやって来た四条は、足を止めることなく撫子の手を引いて校舎のほうへと戻った。
 昇降口から中に入るのかと思いきや、そのまま校舎脇の茂みのほうに立ち入り、陰に入って周囲の目が届かなくなる。二人っきりになって振り返った彼は、楽しげな笑みさえ浮かべていた。ずっとそうするのを耐えていたように、撫子と顔を合わせると子どもみたいに腹を抱えるほど笑い出した。
「ははは! お前ずっと心配そうに見てるなあと思ってたら……急に怒って出てくるからどうしようかと思ったよ」
 まさかずっと気づかれているとは思わなかった。盗み聞きしていた気まずさとそれを見られていた恥ずかしさで、頬が赤くなった。同時に、あの先輩たちの言動を思い返し、ムッとして笑い事じゃないと言い返す。
「怒るに決まってるじゃん。あんな言い方されて、おかしいよ。どうして好きなことをあんなふうに言われなきゃいけないの」
 こんなとき、四条ならもっと怒るはずだ。自分に対してじゃなくても、四条があんな場面を目撃したら絶対おかしいことだと声を上げるはず。それなのに、彼は今、どうしてかさほど怒りや理不尽さを感じているようには見えない。それが撫子には不思議で、もどかしいと思った。
「どうして四条くんは怒らないの?」
「怒ってるよ。だからちゃんと面と向かって言っただろ」
 そう言われては口ごもってしまう。たしかに言うべきことは言っていた。でも、どうしてだろう。撫子のもやもやした気持ちが収まらない。
 さっきの情景を思い返し、その理由に気がつく。
「……それに、あそこには宇崎くんだっていたのに」
 そうだ、宇崎がいたからだ。撫子の怒りは、ひどい言葉を吐いた上級生と、四条の眼の前であんな態度をとった宇崎に対して向けられていたのだ。
 彼があんなふうに頷いて、四条の目の前であの上級生の言葉に同意したからこそ、余計に腹が立って仕方がない。
 四条からの話を聞いていて、心のどこかで否定してくれるのではと勝手に期待していた。だからこそ、ショックで怒りがこみ上げてくるのだ。
 悔しげに口を引き結んだ撫子を見るなり、四条は笑いを引っ込めて困ったように薄く笑った。ふと湧いた感情を、持て余しているようにも見えた。
 ――傷ついてないの?
 正面からは訊くにはきまずかった。それでも、あまりにあっけらかんとしている四条に問いかけたい気持ちも大きい。迷う末に、ちらりと視線で訴えると、彼に泣きそうな顔で抱きしめられた。
「お前が怒ってたから、どうでもよくなった」
 微かに震えた体に、やっぱり辛かったんだと撫子の胸も痛みが走った。
 でもどうしてだろう。抱きしめられる寸前の彼の表情は、辛くて泣いているようには見えなかった。なにかをこらえるように目許に力が入っていた。だがそれは、痛みや苦しみというよりは、嬉しさや喜びといった、なにか身のうちから湧き出る興奮を抑えているようだった。
 そろりと背中に腕を回すと、四条の抱きしめる力が強くなる。撫子の背が仰け反り、お互いの胸板がぎゅうぎゅうに触れ合うほどで苦しさを感じたが、その窮屈さと力強さに頼られていると嬉しくなる。同時に、それだけ彼が傷ついているのかと思うと胸が切なくなった。
「……四条くん。大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。……本当は、少し前から考えてたんだ。宇崎への気持ちは、もしかしたら恋じゃなかったのかもしれないって。今日、自分の気持ちがハッキリした。むしろ今は清々しい気分だ」
 強がっているのかとも思ったが、彼の声には新たな道を見つけた力強い前向きな明るさがあって、本心なのだと納得できた。そこでやっと撫子の肩からも力が抜けた。
(四条くんが傷ついてなくて、本当によかった……)
 どちらからともなくゆっくりと離れ、すぐ近くで彼と眼が合うと抱きしめられた温かさを思い出して心臓がひっきりなしにバクバク鳴り響く。
「そうだ! 見て、これ。四条くんと一緒に買ったパズルのキーホルダー。早速作ってみたんだ」
 熱くなった体を誤魔化すように、撫子は自分の鞄を見せるように体を捻った。その動きで、小さな球状の夜空が、振り子のように揺れた。
「たしかにピースが小さくて難しいとこもあったけど、一個ずつ組み合わせていくの楽しかったよ。最後に完成した時なんて一人で両手挙げて喜んじゃって」
 ――四条くんの言ったとおりだった。完成できたときの達成感がすごかったんだ。
 さっきの先輩の言葉なんて忘れて欲しくて、熱の入った口調であれこれと感想をまくしたてた。
 あんな言葉を気にしないで欲しい。出来れば今すぐ四条の記憶から忘れ去られて欲しい。どうかこの言葉のほうが彼の中に残ってくれればいい。
 もうこれ以上、彼の思い出に傷ついた記憶が増えて欲しくない。
 そんな気持ちで一気に早口で言い募ってしまって、しばらくしてから正気に戻ってやり過ぎたかと恥ずかしくなった。
 初めて遊びを覚えた子どものように興奮して話をしてしまった。
「ご、ごめん……こんなにはしゃいじゃって」
 よく考えると、撫子には友達となにか語り合うという経験がほとんどない。自分の心情を語るのはもっと稀だ。
 今度は別の意味で顔が熱くなった。鞄の持ち手を両手で握りしめ、恥ずかしさに俯いていると四条の手が頬に触れてそのまま顎を持ち上げられた。
 四条は微笑んでいた。つい口許が緩んだというような、自然な笑みだ。だが一方で、見下ろしてくる瞳には、どこか懊悩を抱えたような躊躇いがちらちらと垣間見えた。それがなんなのか撫子には分からない。
 ただ無理をして笑っているようには見えず、安心した。
 しかし、笑むように細くなった四条の眼差しは、真っ直ぐすぎて撫子の肌をチリチリと焼くようだ。忘れようと遠くやった恋情が、じわじわと熱を持ってぶり返してくる。
 ああ、ダメだ。四条の傍にいるとせっかく押し込めた感情もすぐ表に引き出されてしまう。
 自分の瞳に熱が入ってはいないかと心配になる。それでも、彼の視線から逸らすことが出来なかった。
 撫子が一人苦悩しているうちに、四条の喉がこくりと動いた。感情を飲み下したような、意を決したような――さっきよりもハッキリと強い光が眼に宿り、掠れた声で撫子を呼んだ。
「……香月」
 つっと顎の下を指で撫でられ、肩が震えた。その間に四条がゆっくりと近づいてきて瞠目した。頬に彼の吐息を感じてしまうほどの距離に、思わず眼をつぶった。
 心臓の音が今までないほど大きくなって、全身の血が沸騰したように体が熱くなった。
 一体なにを……? と、バクバクした鼓動の中で疑問がよぎった瞬間、両肩に腕が回って、ガッチリと抱きしめられた。
「お前、ほんとに勘弁しろよ……なんでいつも俺のして欲しいことが分かるんだ?」
 長いため息とともに、大きな体がのしかかるようにさらに撫子を覆い隠す。撫子だって同世代の平均ほどの身長はあるのに、四条とは背丈も厚みも違いすぎるせいで、彼の胸に綺麗におさまってしまう。
 ぼそぼそと息を含んだ声は、あまりにも微かなもので後半はよく聞き取ることが出来なかった。ただ、四条がなにか困ったように嘆いたのは分かった。
「ごめん。俺、なにか変なこと言った?」
 不安になってそろりと訊いた。表情を窺いたくて、そっと胸板を押して距離を取ろうとした。だが、腰を浚うように引き寄せられて逆に前のめりになる。抱きつくように顔を押し当ててしまった。硬い胸板に当たった鼻を押さえ、ごめんと言いかけた瞬間――。
「もう少しこのままでいてくれ」
 するりと頬にすり寄られ懇願された。好きな人の頼みを無下に出来るわけもなく、撫子はこくりと頷いて答えた。
 部活終わりだからか、四条からは制汗剤の爽やかな香りがする。鼻腔を通る香りが、さらに撫子の体温を上げた。
 これだけ密着していて、自分の心音が彼に届いて気持ちに気づかれないかと、それだけが心配だった。
(恋じゃなかったって言ったよね……)
 さっき四条は、宇崎への気持ちは恋じゃなかったとキッパリ言った。なら、今の四条の心は自由で、誰にだって想いを向ける可能性があるということだ。
 もし――と、撫子の頭に一つの疑問が浮かんだ。
(もし、いま詩織ちゃんが告白したら……あのときのお礼を言ったら……)
 そうしたら、四条はなんて答えるのだろう。
 急に心臓が嫌な音を立てて撫子の体をあの醜い感情が支配する。
 こんな醜い姿を見せたくなくて、撫子は四条の肩口にそっと額を押し当てた。


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