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高校

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ある遠征で他校と練習試合をし、ぼろ負けだったことがある。

しかし、それは手を抜いたわけでもなく、やる気がなかった訳でもない。朝から夕方まで何戦も練習試合をし続けたことで、途中で休憩があったとはいえ、選手は疲労が溜まり思ったように体が動かせなかった。

顧問はその結果が気に入らなかったようで、「やる気あんのか!?」と怒鳴ったあと、たくさんの高校が練習試合をしている中で、会場外で自主練をするように言い、どこかに消えていった。

顧問が戻ってきてから直ぐに1戦だけして宿泊所に戻った。

次の日は午前中練習試合で午後から帰る予定だった。

次の日になっても顧問の機嫌は治っていなかった。

予定通り午前中の練習試合をこなし、午後宿泊所を掃除して帰る準備をしていた。

午前中の練習で怪我をした選手の手当をマネージャーがしていたが、思いのほか時間がかかり、集合時間に間に合いそうになかった。

数人が片付けの手伝いに残りそれ以外のメンバーで顧問の元へ向かい、状況を説明した。

「手当に時間がかかり片付けが遅れていますが、手伝いに2人残しているので、あと数分で来ると思います。」

それを聞いた顧問は「何故間に合わないんだ!集合時間も守れないのか!俺はもう知らん!好きにしろ!」

そう言い残し全員が乗って帰る予定だったバスを運転し去っていった。

呆然としているところに遅れていたメンバーや同じ県から来ている他校の先生や生徒がやってきた。

他校の先生から「どうした?」と聞かれ説明したが、苦笑いで頑張れとだけ言われた。

地方すら違う遠い県での出来事に、どうする?と迷っていたが、遊んでいたわけでもなく、本来顧問が宿泊所でやると言っていた怪我の手当を急にマネージャーに任せ、慣れない手当に手間取っていただけだし、手伝いも残して可能な限り集合時間に間に合うようにした。

集合時間前にほかのメンバーを集め、先生にも事前に報告した。

数分遅れるとどのくらい遅れるのかもきちんと伝えた。

なのになぜ怒られるのか納得がいかず、段々と顧問に腹が立ってきた。

しばらく待っていても顧問は帰ってこない。

運転中だから電話をする訳にもいかない。

同じ県から来ている他校のバスに全員乗るのは不可能。

結果、全員が出した結論は自力で帰るだった。

遠征先で病院に行くことになった時等のためにみんな多めに現金を持ってきており、駅まで行けば高速バスか電車を乗り継げば帰れた。

駅までは遠いが携帯で地図を見ながらなら歩けない距離ではなかった。

そして私の叔父の家が比較的近く、休日だから高確率で家にいることも分かっていたので、怪我人と体力のないマネージャーだけ駅に送って貰えるよう手配を考えた。

じっと宿泊所にいても、宿泊者が全員昼でいなくなる予定だったため、宿泊所を閉めたくても我々がいて閉められなくなりそうだったので、全員歩いて駅に向かい始めた。

3年生で私の叔父に連絡するかどうか相談しながら怪我人のペースに合わせゆっくり歩いた。

叔父に連絡することを決め、電話をかけ始めた時、遠くにバスが戻ってきているのが見えた。

叔父には事情説明をしたところだったが、顧問がやっと戻ってきたのでもう大丈夫だと伝え切った。

顧問は宿泊所から我々が離れていたことに焦って怒ったが、宿泊所が閉められなさそうだったので出た旨を伝えると早く乗れと怒られた。

みんな納得できないモヤモヤとした感情のまま帰宅した。
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