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調理器具を広めよう
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「フフ、フフフフフフフフフ」
不気味な笑い声が聞こえる。
いつもよりかなり早く目が覚めて寝室から出ようと扉に近付くと、その笑い声は聞こえてきた。
少しだけ扉を開いて恐る恐る声の正体を確認して、私はそっと扉を閉めた。
ベルタでした。
何をしているのか?
それは一目瞭然でした。もう毎日の日課と言ってもいいかもしれません。
ベルタは瓶を恍惚の表情で眺めていました。
瓶とは勿論先日作った梅シロップの瓶です。
今、フラクスブルベ家は空前の梅シロップブームです。砂糖を大量に使うのでおいそれと誰にでも作れるものではありませんが、私から許可を得た料理長が大量に生産しました。庭の梅シロップに使用した実は全て取り尽くされてもうありません。
なんとビアンカ様まで作って瓶を揺すっているらしいです。
梅シロップの何がそれ程皆を惹きつけるのか?
不思議ですが、まあ、皆出来上がるのが楽しみなのでしょう。甘い物ですからね。
さて、どうしましょう?
もう一度寝るのもなんですが、扉の外には見てはいけない知ってはいけないもの(ベルタ)があります。
よし、では最近凝っているアレをしましょうかね。
アレ、とは淑女の嗜みである"刺繍"です。
刺繍は布に針を刺して細かな模様を作る繊細な作業です。
アマーリエも一応貴族のお嬢様なので、刺繍は得意で好きだったようです。意外ですね!
私が刺繍を始めたのには理由があります。
それは、魔力制御のためです。
いつも大量に魔力を放出してしまう私に、互助組合長は魔力の強弱を制御できるように鍛錬するよう言われました。
その方法として、魔法での細かな作業を勧められたのです。
それでは刺繍を始めましょう!
棚に置かれた小さなベストを手に取り刺繍を施していきます。
いつものように細い糸のような魔力をイメージし、同じく魔力の針を使いベストに模様を刺していきます。模様といっても普通の人の目には見えません。
魔力も余程気を付けなければ気付かないように細心の注意を払いました。これも魔力制御の鍛錬の一環です!
初めは普通に刺繍しようと思ったのですが、ふと「魔力って刺繍出来るのかな?」と思い、やってみたらなんと出来ちゃいました。
じゃあ、どうせならヴィアベルの服にやろう!と、この小さなベストに刺繍しています。
この魔力の刺繍がヴィアベルの護りとなるように心を込めて刺しましょう。
コンコン
ベストの刺繍がひと段落ついた頃、寝室の扉が軽く叩かれた。
一拍置いて扉が開かれ、ベルタが入って来る。
「奥様!失礼いたしました、起きていらしたのですね」
「ええ、目が覚めたので刺繍をしていたの」
「左様でございますか、では、お支度のお手伝いを致しますね」
ベルタや他の侍女に支度してもらい食堂に移動すると、ヴィアベルが先に着いていました。
「お母様!おはようございます!」
「おはよう、ヴィアベルは今日も元気ね」
挨拶と共に軽く頰にキスして席に着く。
朝から可愛い我が子に癒されます。
寝起きに怖いものを見てしまいましたからね!
チラリとベルタの方を見るとまともに目が合ってしまいました。不自然にならないようにゆっくり目をそらす。ふう、魔王様は察知能力が敏感過ぎますね!
「お母様!僕の瓶もうたくさん果汁が出て来てるんですよ!もう直ぐ飲めますか!?」
「そうね、お砂糖が全て溶けたら出来上がりよ」
「フフ、楽しみです!アル兄様も出来たら絶対飲ませてくれって言ってました。でも、出来上がったら、僕、お母様に一番に飲んで頂きたいです!」
「まあ、ありがとう、凄く楽しみだわ!」
いい子!本当にいい子!朝から泣かせないで!ウウ、、、
ヴィアベルを健やかに育ててくれた全てに感謝します。本当にありがとうございます。
「お母様、どうかされましたか?」
「なんでもないわ。ヴィアベル、大好きよ」
「僕もお母様大好きです!!」
「じゃあ、両思いね!」
「はい!」
二人でバカップルの如き会話をして、朝食は終了しました。仲良し最高!
ヴィアベルが本館に行ってしまったので、今日の予定をベルタに確認してみる。
「本日はベッカー商会の主人とのお約束がございます」
そうでした!今日は何の用かな?
たくさん有り過ぎて分かりませんね~
自室に戻りベストの刺繍の続きをしていると、ベッカー商会の主人の来訪が告げられた。
客間に入ると、慇懃なお辞儀で迎えられる。
「奥様、いつも貴重なお時間を頂き誠に有難うございます」
「堅苦しい挨拶はいいわ、今日の用件は何かしら?」
「はい、先日、お話にございましたレシピ本の下書きが出来ましたので、奥様に見て頂き何かご助言等頂ければと持参いたしました」
そう言って、ベッカーが机に何枚かの紙を置く。
ふむ、やはりと言うべきでしょうね、、、凄く、見にくい。
魔法書などを見て思っていた事ですが、この世界の書式は行間なども空けず文字を書き連ねているだけだ。
紙が貴重な事もあり出来るだけ文字を詰め込んだ結果だと思うが、本当に読みにくい。
「奥様、如何でございましょう?」
「そうね、内容的には間違ってはいないわ。けれど、、、」
「けれど?」
「見にくいわ」
「見にくい、、、ですか?」
「ええ、ですから、こんな風にしてはどうかしら?」
別の紙にレイアウトを書き出していく。
「まず挿絵ね、絵を入れる事でどんな料理か一目で分かるようになるわ。次に材料と分量ね。何人分の分量であるかを記載して、計量カップやスプーンを基準にした分量を書きます。それから手順。行間を空けて1、2、3、と順番に分かりやすく記載し、注意点なども別に書いておけば、作る人間はとても助かると思うの、どうかしら?」
説明通りにレイアウトされたレシピをベッカーの前に差し出す。
「ほう、、、」
ベッカーは食い入るように私の書いた紙を見つめている。
「これは、、、確かに分かりやすい。これならば料理人でなくとも簡単に理解できます。私でも作れそうな気がしてきます」
「あら、旦那様が奥様の為に料理を作るって言うのもいいかもしれないわね。あと、そうね、本を買えない人達のために貸本を考えてみてはどうかしら?料理の実演を見てもらっても後から分からない事も出てくるでしょう。お金を担保にして本を貸し、返却されたらお金を返す。ある程度の信用はお互いに必要になるけれど、レシピ本も役立って計量器具も売れるわよ」
無料で本を貸す、という私の考えに難しい顔をしていたベッカーだが、案の定、私の「売れる」発言にピクリと反応する。
「成る程、無料で本を貸すのは大量の計量器具を売りさばく為、という訳ですな!奥様の深謀遠慮にはこのベッカーでさえ足元にも及びません!素晴らしいの一言です。売りましょう!一家に一台計量器具を!フハハハハ!」
ベッカー、、、顔が悪い人になってますよ。先程までの落ち着いた紳士は何処へ行った?
煽った私が言うのもなんですが、ちょっと引きます。
しかも、ベッカーの中では私が親玉っぽいし、、、嫌だな~この越後屋と悪代官みたいな感じ。
違うんですよ!本当に唯皆が便利になったらいいと思ってるだけですから!
なぜか言えば言うほど言い訳のようになってきます。
ヴィアベル!お母様は悪い事なんてしてませんからね!信じてね!
不気味な笑い声が聞こえる。
いつもよりかなり早く目が覚めて寝室から出ようと扉に近付くと、その笑い声は聞こえてきた。
少しだけ扉を開いて恐る恐る声の正体を確認して、私はそっと扉を閉めた。
ベルタでした。
何をしているのか?
それは一目瞭然でした。もう毎日の日課と言ってもいいかもしれません。
ベルタは瓶を恍惚の表情で眺めていました。
瓶とは勿論先日作った梅シロップの瓶です。
今、フラクスブルベ家は空前の梅シロップブームです。砂糖を大量に使うのでおいそれと誰にでも作れるものではありませんが、私から許可を得た料理長が大量に生産しました。庭の梅シロップに使用した実は全て取り尽くされてもうありません。
なんとビアンカ様まで作って瓶を揺すっているらしいです。
梅シロップの何がそれ程皆を惹きつけるのか?
不思議ですが、まあ、皆出来上がるのが楽しみなのでしょう。甘い物ですからね。
さて、どうしましょう?
もう一度寝るのもなんですが、扉の外には見てはいけない知ってはいけないもの(ベルタ)があります。
よし、では最近凝っているアレをしましょうかね。
アレ、とは淑女の嗜みである"刺繍"です。
刺繍は布に針を刺して細かな模様を作る繊細な作業です。
アマーリエも一応貴族のお嬢様なので、刺繍は得意で好きだったようです。意外ですね!
私が刺繍を始めたのには理由があります。
それは、魔力制御のためです。
いつも大量に魔力を放出してしまう私に、互助組合長は魔力の強弱を制御できるように鍛錬するよう言われました。
その方法として、魔法での細かな作業を勧められたのです。
それでは刺繍を始めましょう!
棚に置かれた小さなベストを手に取り刺繍を施していきます。
いつものように細い糸のような魔力をイメージし、同じく魔力の針を使いベストに模様を刺していきます。模様といっても普通の人の目には見えません。
魔力も余程気を付けなければ気付かないように細心の注意を払いました。これも魔力制御の鍛錬の一環です!
初めは普通に刺繍しようと思ったのですが、ふと「魔力って刺繍出来るのかな?」と思い、やってみたらなんと出来ちゃいました。
じゃあ、どうせならヴィアベルの服にやろう!と、この小さなベストに刺繍しています。
この魔力の刺繍がヴィアベルの護りとなるように心を込めて刺しましょう。
コンコン
ベストの刺繍がひと段落ついた頃、寝室の扉が軽く叩かれた。
一拍置いて扉が開かれ、ベルタが入って来る。
「奥様!失礼いたしました、起きていらしたのですね」
「ええ、目が覚めたので刺繍をしていたの」
「左様でございますか、では、お支度のお手伝いを致しますね」
ベルタや他の侍女に支度してもらい食堂に移動すると、ヴィアベルが先に着いていました。
「お母様!おはようございます!」
「おはよう、ヴィアベルは今日も元気ね」
挨拶と共に軽く頰にキスして席に着く。
朝から可愛い我が子に癒されます。
寝起きに怖いものを見てしまいましたからね!
チラリとベルタの方を見るとまともに目が合ってしまいました。不自然にならないようにゆっくり目をそらす。ふう、魔王様は察知能力が敏感過ぎますね!
「お母様!僕の瓶もうたくさん果汁が出て来てるんですよ!もう直ぐ飲めますか!?」
「そうね、お砂糖が全て溶けたら出来上がりよ」
「フフ、楽しみです!アル兄様も出来たら絶対飲ませてくれって言ってました。でも、出来上がったら、僕、お母様に一番に飲んで頂きたいです!」
「まあ、ありがとう、凄く楽しみだわ!」
いい子!本当にいい子!朝から泣かせないで!ウウ、、、
ヴィアベルを健やかに育ててくれた全てに感謝します。本当にありがとうございます。
「お母様、どうかされましたか?」
「なんでもないわ。ヴィアベル、大好きよ」
「僕もお母様大好きです!!」
「じゃあ、両思いね!」
「はい!」
二人でバカップルの如き会話をして、朝食は終了しました。仲良し最高!
ヴィアベルが本館に行ってしまったので、今日の予定をベルタに確認してみる。
「本日はベッカー商会の主人とのお約束がございます」
そうでした!今日は何の用かな?
たくさん有り過ぎて分かりませんね~
自室に戻りベストの刺繍の続きをしていると、ベッカー商会の主人の来訪が告げられた。
客間に入ると、慇懃なお辞儀で迎えられる。
「奥様、いつも貴重なお時間を頂き誠に有難うございます」
「堅苦しい挨拶はいいわ、今日の用件は何かしら?」
「はい、先日、お話にございましたレシピ本の下書きが出来ましたので、奥様に見て頂き何かご助言等頂ければと持参いたしました」
そう言って、ベッカーが机に何枚かの紙を置く。
ふむ、やはりと言うべきでしょうね、、、凄く、見にくい。
魔法書などを見て思っていた事ですが、この世界の書式は行間なども空けず文字を書き連ねているだけだ。
紙が貴重な事もあり出来るだけ文字を詰め込んだ結果だと思うが、本当に読みにくい。
「奥様、如何でございましょう?」
「そうね、内容的には間違ってはいないわ。けれど、、、」
「けれど?」
「見にくいわ」
「見にくい、、、ですか?」
「ええ、ですから、こんな風にしてはどうかしら?」
別の紙にレイアウトを書き出していく。
「まず挿絵ね、絵を入れる事でどんな料理か一目で分かるようになるわ。次に材料と分量ね。何人分の分量であるかを記載して、計量カップやスプーンを基準にした分量を書きます。それから手順。行間を空けて1、2、3、と順番に分かりやすく記載し、注意点なども別に書いておけば、作る人間はとても助かると思うの、どうかしら?」
説明通りにレイアウトされたレシピをベッカーの前に差し出す。
「ほう、、、」
ベッカーは食い入るように私の書いた紙を見つめている。
「これは、、、確かに分かりやすい。これならば料理人でなくとも簡単に理解できます。私でも作れそうな気がしてきます」
「あら、旦那様が奥様の為に料理を作るって言うのもいいかもしれないわね。あと、そうね、本を買えない人達のために貸本を考えてみてはどうかしら?料理の実演を見てもらっても後から分からない事も出てくるでしょう。お金を担保にして本を貸し、返却されたらお金を返す。ある程度の信用はお互いに必要になるけれど、レシピ本も役立って計量器具も売れるわよ」
無料で本を貸す、という私の考えに難しい顔をしていたベッカーだが、案の定、私の「売れる」発言にピクリと反応する。
「成る程、無料で本を貸すのは大量の計量器具を売りさばく為、という訳ですな!奥様の深謀遠慮にはこのベッカーでさえ足元にも及びません!素晴らしいの一言です。売りましょう!一家に一台計量器具を!フハハハハ!」
ベッカー、、、顔が悪い人になってますよ。先程までの落ち着いた紳士は何処へ行った?
煽った私が言うのもなんですが、ちょっと引きます。
しかも、ベッカーの中では私が親玉っぽいし、、、嫌だな~この越後屋と悪代官みたいな感じ。
違うんですよ!本当に唯皆が便利になったらいいと思ってるだけですから!
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