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第4章 嬉しすぎるお誘い
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「わ、美味しそう! いただきます」
そう言いながら、いつもの癖で手を合わせた。
すると宮沢さんが「お行儀がいいんだね」と、決してバカにした口調ではなく、とても素直な、いかにも感心した調子で言った。
「子どもみたいですよね。でも、小さなころから親に口うるさく言われていたので、もう癖になっていて」
「いや、見ていてとても気持ちがいいよ。食べ物への感謝の気持ちが自然にあふれていて」
「わたし、食べることがとっても好きで。とくに甘いものに目がないんです。一口食べたらどんなストレスも一瞬で吹っ飛びます」
「じゃあ、これ以上お預けは可哀そうだな。早く食べようか」
「はいっ」
美しい薄緑色のケーキにフォークを入れ、一口食べた。
「わ、おいしい!」
思わず顔がほころぶ。
そんなわたしを見つめて、宮沢さんはにっこり微笑んだ。
「いい顔するねえ、ひよりちゃん。本当に美味しいって、すごく伝わってくる。ね、ちょっと食レポもやってみてよ」
「えー、無理ですよ」
「素直な感想を聞かせてくれればいいんだよ」
やっぱり、彼の笑顔は罪だ。
どんな無茶ぶりされても、拒否できなくなってしまう。
「えーと、口に入れるとフワッと溶けるような触感で、ホウレンソウの味もしっかりするんだけど、苦みとかはまるでなくて、チーズ味のクリームとも相性ばっちりです」
「なかなかうまいじゃん、食レポ」
「そんなこと、ないですよー」
宮沢さんの魅力は数えきれないほどあるけれど、とにかく相手の良い面を認めてくれるところを一番に推したい。
相手をけなすような言葉は聞いたことがない。
つねにポジティブで、たとえ失敗した相手に対しても、必ず次につながるようなことを言ってくれるのだ。
宮沢さんがうちの会社に来て、まだ2週間ほどだけど、男女問わずみんな、彼に好意をもっていた。
そう言いながら、いつもの癖で手を合わせた。
すると宮沢さんが「お行儀がいいんだね」と、決してバカにした口調ではなく、とても素直な、いかにも感心した調子で言った。
「子どもみたいですよね。でも、小さなころから親に口うるさく言われていたので、もう癖になっていて」
「いや、見ていてとても気持ちがいいよ。食べ物への感謝の気持ちが自然にあふれていて」
「わたし、食べることがとっても好きで。とくに甘いものに目がないんです。一口食べたらどんなストレスも一瞬で吹っ飛びます」
「じゃあ、これ以上お預けは可哀そうだな。早く食べようか」
「はいっ」
美しい薄緑色のケーキにフォークを入れ、一口食べた。
「わ、おいしい!」
思わず顔がほころぶ。
そんなわたしを見つめて、宮沢さんはにっこり微笑んだ。
「いい顔するねえ、ひよりちゃん。本当に美味しいって、すごく伝わってくる。ね、ちょっと食レポもやってみてよ」
「えー、無理ですよ」
「素直な感想を聞かせてくれればいいんだよ」
やっぱり、彼の笑顔は罪だ。
どんな無茶ぶりされても、拒否できなくなってしまう。
「えーと、口に入れるとフワッと溶けるような触感で、ホウレンソウの味もしっかりするんだけど、苦みとかはまるでなくて、チーズ味のクリームとも相性ばっちりです」
「なかなかうまいじゃん、食レポ」
「そんなこと、ないですよー」
宮沢さんの魅力は数えきれないほどあるけれど、とにかく相手の良い面を認めてくれるところを一番に推したい。
相手をけなすような言葉は聞いたことがない。
つねにポジティブで、たとえ失敗した相手に対しても、必ず次につながるようなことを言ってくれるのだ。
宮沢さんがうちの会社に来て、まだ2週間ほどだけど、男女問わずみんな、彼に好意をもっていた。
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