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フラグは安全とは限らないのね(3)
しおりを挟む「あ、あのっ、クリスさまっ」
「どうしたの、ミュリエル? どこか、痛い?」
ミュリエルが、とても辛そうな表情で私を見上げている。
まさか、殴られたりはしていないわよね?
私はキッとコスイを睨みつける。
「ひっ!」とコスイは涙目で後ずさった。
「ち、違います。えぇっと、彼、案内してくれようとしていただけなんです。わたし、迷ってしまっていて……」
「ミュリエル、貴方……」
まさか、こんな奴庇ってる?!
唖然とする私の横に、一歩進み出るミュリエル。
「ね? コスイさん、案内してくれた、だけ、ですよね?」
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「で、でも! クリスさまは来てくださいました。わたし、なんともないです。
コスイさんだって、きっと、そんなつもりなかったですよね?
案内してくれようと、していましたもん。
だから、だから……」
涙目で、不安そうに私を見上げるミュリエル。
あぁ、解っているのね。
私がお父様に言うってことの意味が。
退学や廃嫡になったら、コスイの未来は無いものね。
私はそうしてやりたいと思っているけれど、これ、実行したらミュリエルが気に止んでしまうわね。
「コスイ」
「は、はいっ!」
バネのように飛び跳ねて、ビシッと直立不動するコスイ。
「ミュリエルを案内してくれていた、というのは本当かしら」
「は、はいっ、ご案内していました」
「そう。ならわたくしの早とちりだったようね。親友を案内していただいたことに、お礼を申し上げますわ」
「い、いえ、そんな……」
「ですが。もし、万が一、ミュリエルが泣くような事態があったらその時は……わかっていますわね?」
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きっちり、釘を刺しておかないとね?
「は、はいっ! ミュリエル様を誠心誠意、絶対に泣く事が無いように勤めさせていただきます!!!」
「それを聞いて安心しましたわ。わたくし達、これから入学式ですの。そろそろお時間ですから、失礼しますわね」
ニコリ。
目を細めて微笑むと、コスイは震え上がって走り去った。
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