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♡ぼくのおちゅんちゅんはすまいるマナー♡

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 観測史上最も早く梅雨が明けた日の朝、凛はいつも通り電車で高校へと向かっている。

 市を跨ぐ電車、田舎から地方都市へと向かう。車窓からは海が見えて、そこに浮かぶ島は他県のもの。凛はいつも考える。大学に受かったらあの島へ行ってみよう、と。

 電車は片道1時間半かかる。毎日大体同じ顔ぶれ。たまに観光客が紛れ込むぐらい。

 地元に高校はあるが、レベルが低い。ある程度勉強が出来る子ども達は皆、往復3時間かけて県庁所在地がある市内の進学校に通っている。皆電車内では教科書やスマホを見て勉強している。特に今日は気合いの入っている子が多い。テストがあるの。凛も。

 途中の駅で久々に観光客の男が1人紛れ込んだ。とても身長が高い。2メートルぐらいありそうだ。天井に頭がつきそうなくらい。

 いつもこの時間帯の電車は混んでいる。凛は始発駅から乗るのでいつも座席に座れるが、この観光客が乗る頃には席は埋まり、立っている客も多くなる。

 その男は凛が座っている座席の前に立った。

 近くで見るととても大きい。凛の顔の正面に男の股がある。ちらりと見上げる、顎に隠れて顔の全体像が掴めない。

「いけないいけない、勉強勉強」

 凛は広げていた英語の教科書に目を落とす。凛は英語が苦手だけど、将来海外に住みたいと思っている。だから勉強勉強。

 違和感が頭上を掠める。

 何度も。

 違和感に集中力が負けて顔を上げる。

 男の股間が蠢いている。

 咄嗟に凛は顔をそむけた。

「え?なに?なんなの?」

 違和感がまた頭上を掠める。
 さっきのは何かの勘違いだったかもと言う気持ちと、好奇心がないまぜになって、また凛は顔を上げる。

 やはり股間が蠢いている。膨らんだり、縮んだり、また膨らんだり、縮んだり。

 チャックが開いている。だから膨らんだ時に中身がボロンと出て、縮むと中に引っ込み、チャックが開いてないかのような状態になる。それを繰り返している。断続的にリズムを刻む男のおちゅんちゅんから、凛は目が離せない。

 凛は左右を見る。学生達はイヤホンをして視線を落とし、勉強に集中している。凛は正面の男のおちゅんちゅんに集中している。

「どうだい?ぼくのおちゅんちゅんは?」

 男が凛にだけ聴こえるように言った。

「か、かわいいです」

 凛は顔を上げて言った。

「だろう?ホラ、お礼を言いな」

 股間のスズメが笑顔でちゅん!と鳴いた。

 
 
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