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物語
四話
しおりを挟むキッチン側から、滝川が作るオムライスの香りが漂ってくる。
「・・・」
良い匂い。
兄は、いつも、そんな滝川と一緒に居る訳か。
いや、滝川自身に良い匂いがする訳じゃないけども。
そもそも嗅いだこと無いから分からない。
いや、何の話?って感じだけど。
「・・・、歩人。そんな寛いでるんだったら、ご飯、待ってる間にお風呂入れてきてよ」
一人、そんな風に思っていたら、兄が、そう声を掛けてきた。
「・・・、分かった」
ソファーから立ち上がり、リビングより外の廊下にある、お風呂場へと向かう。
着いたそこで、先ずは、浴槽を湯で洗い流し、個人的に、兄の為を思って、きちんと洗剤を使って洗った。
お風呂は、自動お湯張りなので、ボタンをピッと押せば、後は、放っておいても平気。
「・・・、」
これで良い、と思えば、ふと、乱雑に置かれているシャンプーリンスが目に付いて、また、俺は、考えた。
兄の為に、綺麗な浴室にしておかなければ、兄は、恥をかいてしまうかもしれない。
滝川も綺麗な浴室が良いだろうし、その方が、為り得る話だろう、と。
シャンプーボトルを端に揃えて置いて、風呂場を後にした。
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