1万年生きた不老不死の俺、死ぬ方法を探して旅してたら何故か英雄になってた

未来人A

文字の大きさ
5 / 47

五話目 メオン

しおりを挟む
 だいぶ歩いたら、何か禍々しい模様の扉を見つけた。

 ここに偉いやつが居そうだな。
 その偉いやつがあの本を書いたのかもな。

 そうだとしたら入って話を聞かなくてはな。よし、入ろう。

「おじゃましまーす」

 俺はそう言って中に入った。

 扉の向こうはかなり広い部屋だった。
 ほかの場所よりも少し明るいので、部屋全体が見渡せる。
 部屋の形はまるいようだ。真ん中に魔法陣が描かれている。
 魔法陣の真ん中には、大きな青い球があり、誰かがその球を触っていた。

 あれが ゲルヘナードのボスか?
 それにしては背が低い。子供みたいだ。

 髪は赤色のツインテール。顔は(ry。
 子供だと性別が分かりにくいな。まあでも、髪型からいってたぶん女か?
 女の可能性が大だけど、ツインテールの男も世の中にはいるかもしれない。
 決め付けずにいたほうがいいだろうな。

 とりあえず声をかけてみよう。俺はゲルヘナードのボス? に近づいてみる。

「……はマナの接続が……人体には……レメドォルの欠片が足りないか……」

 何かブツブツとよくわからないことを言っているな。
 ちなみに俺は人より豊富な知識を持っているがすべての知識を持っているというわけではない。
 暇つぶしにこの世のありとあらゆる知識を知ろうと思ったのだが、途中で飽きた。飽きてから一切自分から頭に知識を入れていない。これがだいたい1000年前くらいの出来事だ。
 1000年でどれくらい変わるか分からないが、下手したら普通の人間誰もが知っていることを知らない可能性もある。

「こんにちはー」

 俺は挨拶をした。だが相手は一切聞こえていないようなようすで俺の挨拶を完全に無視。
 無礼なやつだな。まあ、俺はもはや何されても心が動かなくなったので、どんだけ無礼な行動を取られてもなんとも思わんが。

「こんにちは~」

 少し大きな声で挨拶をした。これなら聞こえているだろう。
 今度は無視はされず、

「あとにせい」

 と短い返答があった。

「今、話がしたいんだけどー」

「…………」

「話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけどー」

「ええい! やかましい! 後にせいと言っておるのが分からんのか!?」

 やっとこっちを見た。険悪な表情を浮かべている。

「この忙しいときに。何なのじゃ貴様は? 我が研究をしておる時は、話しかけるといつも口を酸っぱくしていっておるじゃろうに…………ぬ?」

 ゲルヘナードのボス(仮)は俺の顔をじろじろと見てくる。

「おぬしだれじゃ」

「ペレス・ギャントル」

「おったかそんな奴? いやおらんじゃろ。我は記憶がいいのじゃ」

「今日始めてここに来たから、お前とは初対面だ」

「ほー」

 そう言ってゲルヘナードのボス(仮)は、球から手を離し、壁に向かって歩く。そして、壁に立てかけてあった長い黒い杖を手に取る。

 そしてその杖を振り邪術を使った。確か邪術ってのは元々闇属性の魔法扱いされていたけど、あまりにも人の道を外れている魔法が多くて、闇属性の魔法は一律禁止になり、その後、邪術と呼ばれるようになったとか。ちなみに呪いとかは基本的に邪術だ。
 黒い闇の球が高速で俺の頭に向かって飛んできて、直撃。
 その瞬間、ドーン! と爆発が起こった。

「ふん。さて続き続き」

 ゲルヘナードのボス(仮)はそう言って、何事もなかったかのようにまた球を触りだした。

「今のはお前なりの挨拶か?」

 爆発と言っても大したものじゃないので俺は無傷だった。

「……なに?」

 もう一度、同じ邪術を使ってくる。
 当然結果は同じだ。

「なんじゃお主は?」

「だからペレス・ギャントルだ。お前はなんていう名前なんだ?」

「メオンじゃ」

「メオンか実は話が聞きたいことがあって来たのだが」

「はぁー……面倒じゃのう。おぬしのようにそこそこ出来るやつを殺すのには、少々強い魔法を使わねばならん」

 メオンはため息を吐きながら、杖を掲げる。
 すると、杖の先端に真っ黒い闇が集まっていく。闇は徐々に凝縮され小さくなっていく。強力な攻撃邪術の準備をしているようだ。

「このアジトでさぁ。不老不死の術の書っての見たんだけど」

「けしからんやつだな。人の人のアジトを勝手に探し回りよって」

 喋りながらもメオンは邪術の発動準備をやめない。

「不老不死について詳しく教えてくれないか?」

「何じゃ、不老不死になりたいのか? 残念ながらそれは叶わぬ夢じゃ。お主はここで死ぬのじゃからのう」

「いや不老不死じゃなくなりたいんじゃが。あと死ぬのなら夢が叶ったってことだし」

「何をわけの分からんことを。よし、出来た」

 邪術の準備が終わったようだ。メオンは杖を俺に向ける。
 ズバァアアン!! と大きな音を立てながら小さい闇の高まりが、俺の胸めがけて発射される。闇は物凄い速度で飛んでくる。
 高密度に圧縮された闇属性エネルギーは凄まじく、俺の防御力を持ってしてもガードしきれない。闇の弾は俺の胸を貫通し、さらに後ろにあった扉も貫通した。

「あーあ。扉に穴を開けてしまったのう。結構気に入っておったデザインだったのに」

 メオンは、確実に俺が死んだと思い、俺の状態を確認する事無くまた青い球をいじりだした。

「いや、メオン。お前なかなかだな。俺の防御を貫通するなんて」

「!?」

 さすがに驚いたみたいで、目を見開きながら俺を見る。

 俺の胸には穴が空いている。その穴がじわじわじわじわと塞がっていく。

「でも俺、不老不死だからその程度では死なないんだよな」






しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】 それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。 剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず… 盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず… 攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず… 回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず… 弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず… そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという… これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。 剣で攻撃をすれば勇者より強く… 盾を持てばタンクより役に立ち… 攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが… それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。 Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに… 魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし… 補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に… 怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。 そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが… テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので… 追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。 そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが… 果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか? 9月21日 HOTランキング2位になりました。 皆様、応援有り難う御座います! 同日、夜21時49分… HOTランキングで1位になりました! 感無量です、皆様有り難う御座います♪

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...