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CH1 孵化

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最初の相手は、義理の父親だった。

酒と男にだらしない母親。

実の父親は知らず、物心がついた時には、数ヵ月毎に父親が変わり、それが当たり前だと思っていた。

母親が籍を入れた男、入れない男、覚えきれない。

ただ、姓が変わって、戻って、また変わるのは、子供心に面倒だった。

だから、彼は、名前には執着しない。

優しい父親もいれば、彼を疎む父親もいた。

有り難かったのは、暴力を振るう程のクズは居なかったということだ。

まぁ、母親は堪え性がないだけで、男を見る目はほどほどあったということだろう。

その男が母と彼が暮らす家に転がり込んできたのは、彼が中学二年の夏の始まる頃だった。

地方都市の中心部からバスで15分の古い一軒家。

家猫とも野良猫ともつかない猫達が庭から家の中に入り込む。

その男は猫アレルギーとかでよくくしゃみをしていた。

母親は渡りのホステス。

太客を数名持ち、在籍する店でママや同僚と大喧嘩をし、他の店に太客を連れて移動する。

移動する毎に太客の数は多くなり、彼女の評判は悪くなる。

でも、太客は居続けたので、彼は、食べることには困らなかった。

子供には全く興味が無いようで、干渉はせず、彼もまた、小学校の頃から、朝、机の上におかれた千円を財布にいれ、下校途中で弁当と翌日の朝食をコンビニで買って帰る毎日。

夕方、その日の同伴客との食事に出掛ける母親とすれ違うことが週に数日あるかないか。

だから、数ヵ月毎に変わる義理の父親と一緒にいることの方が多かった。

その男は、朝方の居酒屋で母親と意気投合したらしい。

ある日、学校から帰ってきたら、ソファで寝ていた。

いきなり中学生の少年が現われたことに驚いていた。

母親は17歳で彼を産んでいるため、姉弟といっても通る。

“それ、あたしの息子。よろしくね”

母親が鏡台に向かい、化粧しながら紹介した。

その男は戸惑いを隠せないまま軽く挨拶をした。

その日から、男は家に居ついた。

その男は、工事現場で働いていた。

28歳。

がっしりとした逞しい体格だった。

夏である。

夕刻間近。

母親は少し前に仕事に出掛けていった。

戸を開け放し、庭から縁側を通り涼しい風が入るので、エアコンをかけない日が多い。

彼が自分の部屋から出ると、その男はトランクス一枚のだらしない姿で畳の上で寝ていた。

食べ終わったカップ麺が箸と一緒にテーブルの上に放置してある。

肉体労働で出来上がった実用的な筋肉に覆われた肉体。

厚い胸が寝息と共に上下している。

黒く日焼けした肌。

そして、トランクスの前部が膨らんでいる。

大人の男の肉体。

彼は、暫くの間、じっとその姿を見つめた。

その男は、熟睡している。

昨夜、夜通し働いていたのだろう。

彼は、その傍らに近づき、座り込んだ。

目が離せなかった。

男らしい顔。

知性には欠けるが、荒々しい男らしさに満ちている。

身体もそれに似つかわしい。

彼は、ゆっくりとその男のトランクスに向かい手を伸ばした。

ゆっくり、ゆっくり、手の平を近付ける。

その男の股間の感触を手の平に感じる。

太く柔らかい。

さらに手の平を近付け、指を曲げる。

大人の男自身を軽く握る。

グニャリとした感触。

彼は、指をそっと動かす。

手の平でそのグニャリとした太いモノを撫でる。

そのグニャリとしたモノの中心に固い芯のような感触が生まれる。

その男の分身がトランクスの中、身動きを始める。

彼は、もう片方の手も近付け、その男自身を弄る。

力を付けた男自身は、トランクスの布を内側から突き上げる。

彼は、ビクッとする。

急に腕が掴まれた。

見るとその男が目を開き、彼を見ていた。

“怒られるっ”

彼は、下半身を弄っていた手を引っ込め、身構えた。

グイと彼の身体が引っ張られる。

その男は半身を起こし、彼の上半身を抱き寄せた。

始めて感じる男の肌の感触。

熱を感じる。

母親とは違いザラっとしているが不思議に心地い。

その男は、彼の掌をそっと掴み、屹立している自分の股間に持っていった。

彼は、再び、屹立したものを弄り始める。

その男の手は、彼のTシャツの裾から中へ侵入し、彼の横腹を撫であげ、そして乳首を摘まむ。

彼の中に未知のゾクゾクした快感が駆け巡る。

暫く二人はお互いの身体を無言で弄り合う。

そして、、、

その男が彼のTシャツを剥ぎ取るように脱がす。

上半身が露になった彼は、男のトランクスを引き下ろす。

その男は、彼が履いていた短パンを下ろす。

二人は素っ裸になった。

日に焼けた大柄の筋肉質の大人の熟れきった身体、細く白いキュッとしまった少年の青い果実のような身体。

対照的な2つの身体が絡み合う。

互いを貪る。

彼は、その男の太く屹立したモノを口に含む。

固い、、、

先端から滲み出ている液体がしょっぱい。

彼は、その男の象徴を口の中で味わう。

「イテッ」

二人が近付いてから、初めての言葉がそれだった。

彼の歯がその男の雁、膨らんだ亀頭と肉棒の合間の敏感な部分に立てられたのだ。

彼は、男が怒るかと一瞬身構えるが、男は言った。

「いい、、、続けてくれ、、、いい、、、」

彼は、再び男の象徴に食らいついた。

そして、男は少年の腰を掴み、自分の顔の前に移動させる。

少年の若い屹立したものを口に含む。

彼は、股間から脳天に快感が貫くのを感じる。

その快感に感謝するように、男の大人のモノを深く口に含み、舌で舐め回す。

絡み合う白と黒の肉体。

庭に向かう戸は開け放たれ、夏の夕方でも強い日差しが二人に注いでいる。

二人の絶頂はほぼ同時にやってきて、二人の動きが止まる。

が、それもつかの間。

寄り添った二人は、互いの身体をゆっくり愛撫し合い、そして、示し合わせたように互いを強く抱き締め、絡み合いが再び始まる。

何度もそれを繰り返す。

それは、母親が帰宅する時間の直前まで続く。








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