71 / 199
69話、おかわりをする時は、二人で一緒に
しおりを挟む
「私、メリーさん。今、もっと褒めて欲しいと思っているの」
『話を聞いた限り、火加減はバッチリ、麺やもやしの固さも丁度いいんじゃない? 洗い物もちゃんと出来てたし、皿や鍋も元の場所に戻ってた。台所の後掃除も完璧だったから、始まりから終わりまで文句無しのパーフェクトだね。全部初めてやった割には、マジでちゃんと出来てたよ。すごいじゃん』
「ふふんっ、でしょ? 最強の都市伝説である私に、出来ない事なんて無いのよ」
あのハルから、全ての工程でパーフェクトを貰ってしまった。なんだかすごく嬉しいわ。やっぱり、水浸し状態だった台所周りを、綺麗に拭いておいて正解だったわね。
洗い物を済ませた後、見ていてすごく気になったのよ。このまま放置して、ハルが帰って来て台所を見たら、不快な気持ちになるかもしれないと。
結局、どこまで掃除をすればいいのか分からず、掃除に対して熱が入った事もあり。インターネットで調べながら掃除をしたら、元々綺麗だった排水口の中までやってしまった。
どうやら、ハルも小まめに掃除をしていそうね。排水口にぬめりや黒ずみが無かったし、匂いもまったくしなかった。
『しっかし、作ったのがまさかの味噌ラーメンだったとはね。バターともやし、コーンしか使わないとばかり思ってたから、思い付かなかったよ』
「あんたが作ってくれたおにぎりと、相性が抜群によかったわよ。本当においしかったわ」
『おお、そりゃよかった。食べたくなったら、どんどん言ってね』
「ええ、分かったわ」
ハルが握ってくれたおにぎり。ウィンナーと一緒に食べた時よりも、更においしくなっていたのよね。
今でも私の好きな料理ランキング、十位以内にいるけど。その内、五位以内にまで食い込んでくるかもしれない。
「お待たせー」
「わあ、酸味が利いてそうな匂いがする」
いつもより、多めに湯気が昇るお盆を持ってきたハルが、皿をテーブルに並べていったので、湯気を浴びつつ中身を覗いてみれば。
見るからに赤々しいスープを纏う、ほんのりと赤みを帯びたロールキャベツがあった。この、食欲をそそるトマトの香りよ。間違いなくご飯をかき込めるわね。
それに、スープに浮かんでいる大きめにくし切りされた玉ネギ。これ、私が好きなやつだ。スープの旨味を吸っていそうだし、絶対においしいはずよ。
「ああ、良い匂い」
「でしょ? まあまあ自信作なんだ~。はい、メリーさんの分」
「ありがとう」
ハルが新たに渡してきたのは、フォーク、ナイフ、スプーン。お皿を持ってスープを飲もうと思っていたけど、渡されたからには仕方ない。行儀よく飲もう。
「んじゃ、いただきまーす」
「いただきます」
まず初めは、やはりロールキャベツから。左手にフォーク、右手にナイフを持ち、ロールキャベツを崩さないように切っていく。
「うわぁ~、肉汁がすごい滴ってる」
断面から溢れ出てくるは、キラキラと輝く透明な肉汁。止めどなく流れていく様は、まさにおしとやかな清流の滝。……本当にすごい量ね。いつまでも流れているわ。
「う~ん、トマトがしっかり利いてる」
最初に感じた風味は、やはりトマト。スープにとろみがつく程の濃さだから、強い酸味がくるのかと思いきや、案外そうでもない。
確かに強いけど、あまり尖っていなく、食べやすいまろやかな酸味だ。
コクや旨味もしっかり感じるので、たぶんコンソメで調整されていそうね。けど、トマトの酸味をちゃんと活かしている。
しんなりと柔らかいキャベツからは、薄っすら甘味が出ているかも? 全体的にトマトが強いし、意識して噛まないとちょっと分かり辛い。
中身の肉だねは、シンプルに塩コショウだけかしら? ダイレクトに肉々しさが伝わってくる。更に、噛み進めていく内にも、旨味が凝縮された肉汁がじゅわりと増していく。
ハルの事だから、ニンニクを多めに入れていると踏んでいたけれども。ロールキャベツという料理のバランスが崩壊してしまいそうだし、これなら入れない方が正解ね。
あと、肉だね自体も相当柔らかい。上顎と舌さえあれば、簡単にほぐれていく。
そして、キャベツも然り。しかし、各材料から旨味を引き出していきたいから、しっかり噛んで味わおっと。
玉ネギは、言わずもがな。予想していた通り、トマトの濃厚な風味に負けず、優しい甘さを主張してくる。
一つ文句があるとすれば、口の中に入れた瞬間、ほろっと溶けてしまう事ぐらいかしら。
「う~ん、おいしい。ご飯が進むわぁ」
「やばいなぁ、三回ぐらいおかわり出来そう」
「スープにご飯を浸したら、三回じゃ済まないかもよ?」
「ありえるね。その上にとろけたチーズとか乗せたら、もっと進んじゃうかも」
「あんた、とんでもない事を考えるわね。絶対においしいじゃない、それ」
ただのチーズではなくて、量を調節出来る、粉チーズも悪くない。どうしよう、本当に試したくなってきちゃった。
「ああ、ダメだ。ご飯が全然足りないや。おかわりしよっと」
「じゃあ、私も付いてくわ」
「よし。なら二人して、山盛りにしちまいましょうぜ」
「ええ、そうしましょ」
ついでに叶うならば、ロールキャベツのおかわりもしたい。無かったとしても、せめてスープだけはしたいわね。
そうすれば、スープの中にご飯を入れた締めが食べられる。あわよくば、チーズを乗せたちょっと贅沢な締めをね。
『話を聞いた限り、火加減はバッチリ、麺やもやしの固さも丁度いいんじゃない? 洗い物もちゃんと出来てたし、皿や鍋も元の場所に戻ってた。台所の後掃除も完璧だったから、始まりから終わりまで文句無しのパーフェクトだね。全部初めてやった割には、マジでちゃんと出来てたよ。すごいじゃん』
「ふふんっ、でしょ? 最強の都市伝説である私に、出来ない事なんて無いのよ」
あのハルから、全ての工程でパーフェクトを貰ってしまった。なんだかすごく嬉しいわ。やっぱり、水浸し状態だった台所周りを、綺麗に拭いておいて正解だったわね。
洗い物を済ませた後、見ていてすごく気になったのよ。このまま放置して、ハルが帰って来て台所を見たら、不快な気持ちになるかもしれないと。
結局、どこまで掃除をすればいいのか分からず、掃除に対して熱が入った事もあり。インターネットで調べながら掃除をしたら、元々綺麗だった排水口の中までやってしまった。
どうやら、ハルも小まめに掃除をしていそうね。排水口にぬめりや黒ずみが無かったし、匂いもまったくしなかった。
『しっかし、作ったのがまさかの味噌ラーメンだったとはね。バターともやし、コーンしか使わないとばかり思ってたから、思い付かなかったよ』
「あんたが作ってくれたおにぎりと、相性が抜群によかったわよ。本当においしかったわ」
『おお、そりゃよかった。食べたくなったら、どんどん言ってね』
「ええ、分かったわ」
ハルが握ってくれたおにぎり。ウィンナーと一緒に食べた時よりも、更においしくなっていたのよね。
今でも私の好きな料理ランキング、十位以内にいるけど。その内、五位以内にまで食い込んでくるかもしれない。
「お待たせー」
「わあ、酸味が利いてそうな匂いがする」
いつもより、多めに湯気が昇るお盆を持ってきたハルが、皿をテーブルに並べていったので、湯気を浴びつつ中身を覗いてみれば。
見るからに赤々しいスープを纏う、ほんのりと赤みを帯びたロールキャベツがあった。この、食欲をそそるトマトの香りよ。間違いなくご飯をかき込めるわね。
それに、スープに浮かんでいる大きめにくし切りされた玉ネギ。これ、私が好きなやつだ。スープの旨味を吸っていそうだし、絶対においしいはずよ。
「ああ、良い匂い」
「でしょ? まあまあ自信作なんだ~。はい、メリーさんの分」
「ありがとう」
ハルが新たに渡してきたのは、フォーク、ナイフ、スプーン。お皿を持ってスープを飲もうと思っていたけど、渡されたからには仕方ない。行儀よく飲もう。
「んじゃ、いただきまーす」
「いただきます」
まず初めは、やはりロールキャベツから。左手にフォーク、右手にナイフを持ち、ロールキャベツを崩さないように切っていく。
「うわぁ~、肉汁がすごい滴ってる」
断面から溢れ出てくるは、キラキラと輝く透明な肉汁。止めどなく流れていく様は、まさにおしとやかな清流の滝。……本当にすごい量ね。いつまでも流れているわ。
「う~ん、トマトがしっかり利いてる」
最初に感じた風味は、やはりトマト。スープにとろみがつく程の濃さだから、強い酸味がくるのかと思いきや、案外そうでもない。
確かに強いけど、あまり尖っていなく、食べやすいまろやかな酸味だ。
コクや旨味もしっかり感じるので、たぶんコンソメで調整されていそうね。けど、トマトの酸味をちゃんと活かしている。
しんなりと柔らかいキャベツからは、薄っすら甘味が出ているかも? 全体的にトマトが強いし、意識して噛まないとちょっと分かり辛い。
中身の肉だねは、シンプルに塩コショウだけかしら? ダイレクトに肉々しさが伝わってくる。更に、噛み進めていく内にも、旨味が凝縮された肉汁がじゅわりと増していく。
ハルの事だから、ニンニクを多めに入れていると踏んでいたけれども。ロールキャベツという料理のバランスが崩壊してしまいそうだし、これなら入れない方が正解ね。
あと、肉だね自体も相当柔らかい。上顎と舌さえあれば、簡単にほぐれていく。
そして、キャベツも然り。しかし、各材料から旨味を引き出していきたいから、しっかり噛んで味わおっと。
玉ネギは、言わずもがな。予想していた通り、トマトの濃厚な風味に負けず、優しい甘さを主張してくる。
一つ文句があるとすれば、口の中に入れた瞬間、ほろっと溶けてしまう事ぐらいかしら。
「う~ん、おいしい。ご飯が進むわぁ」
「やばいなぁ、三回ぐらいおかわり出来そう」
「スープにご飯を浸したら、三回じゃ済まないかもよ?」
「ありえるね。その上にとろけたチーズとか乗せたら、もっと進んじゃうかも」
「あんた、とんでもない事を考えるわね。絶対においしいじゃない、それ」
ただのチーズではなくて、量を調節出来る、粉チーズも悪くない。どうしよう、本当に試したくなってきちゃった。
「ああ、ダメだ。ご飯が全然足りないや。おかわりしよっと」
「じゃあ、私も付いてくわ」
「よし。なら二人して、山盛りにしちまいましょうぜ」
「ええ、そうしましょ」
ついでに叶うならば、ロールキャベツのおかわりもしたい。無かったとしても、せめてスープだけはしたいわね。
そうすれば、スープの中にご飯を入れた締めが食べられる。あわよくば、チーズを乗せたちょっと贅沢な締めをね。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる