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57話、葛藤する初めての食べ歩き
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「さてと、コロッケは揚がってるかしら?」
八百屋で起こった思わぬ嬉しい展開を、早くハルに伝えたい所だけども。お店を離れた途端、思い出したかのようにコロッケに対する食欲が蘇ってきてしまった。
それも、さっきより猛烈に強くなって。ああ、早く食べたいなぁ。出来立て熱々のコロッケを。一口目は、そのままの味を楽しみ。二口目か三口目ぐらいに、ソースを掛けて食べよっと。
コロッケを食べる流れを決めつつ、願いを込めながら揚げ物専門店まで戻り、物陰からこっそりとショーケースの中を覗いてみた。
「やったっ、思った通りだわ」
行きでは姿を拝めなかった大判のコロッケが、綺麗に並んでいる。その数、十個以上。他の商品も補充してあるから、やはりあのコロッケも揚げたばかり───。
「えっ? ウィンナーフライが、ある……」
カリカリとしていそうな厚い衣を纏う、竹串に三本刺さったウィンナーフライ。しかも、一本一本が大きい。食べ応えがありそうだし、あれ一つでご飯一杯ペロリといけちゃいそう。
「でも、今の手持ちじゃギリギリ買えないわね」
ウィンナーフライの値段は、一つ百十円。私の手持ちは、ハルから貰ったお駄賃の百円のみ。
……むう、十円だけ足りない。だから今の私では、どう足搔こうとも、あの大きなウィンナーフライを買えないんだ。
「買えないって分かってても、食べたくなってくるわね……」
手に入れられないからこそ、余計に食べたくなってくる。絶対においしいはずよ、あのウィンナーフライ。思いっ切り齧って、『カリッパリッ』という軽快な音を鳴らしてみたい!
もうこれは、一種の拷問よ。目の前にあるというのに、薄いガラス板を一枚隔てているだけだというのに。たった十円足らないだけで、決して手に入れられない代物と化すなんて。
「……待って。私は、ウィンナーフライを買えるお金を持っている」
そうだ。ネギを購入した分の、おつりがあるじゃない。それを足してしまえば、私の手持ちは三百九十円になり、コロッケとウィンナーフライの二つを買えるようになる。
「いや。それに手を出すのは、流石にまずいわよね……」
二百九十円のおつりは、私のお金じゃない。ハルの所有物だ。ただ私が、ハルのお金を持っているだけに過ぎない。
それに、このお金は、ハルが私を信頼して渡してきたお金なのよ? もし私利私欲の目的で使ってしまったら、ハルの信頼を裏切る事になる。
それだけは駄目だ。一体何を考えているのよ、私は! そもそもの話。本来なら、私は食べ歩きを出来る立場じゃない。ハルの好意によって、出来るようになれたんだ。
なので私は、コロッケ以外を買う選択肢なんて無い。ウィンナーフライは、手の届かない高嶺の花だと思って諦めるべきよ。
「はぁ……。これから少しずつ貯めていかないと」
ハルは、お駄賃を貯めるも使うも良しと言っていた。お金が足りなくて買えないのであれば、貯めるしかない。これからは、計画的にお金を使おう。
もう一度ため息を吐き、濃い油の匂いを感じるショーケースの前まで歩んでいく。メンチカツ、イカフライ、カニクリームコロッケやらも見えるけど、やはり高くて買えそうにない。
唯一コロッケ以外で買えそうなのは、百円ピッタリのハムカツのみ。これまた分厚くておいしそうね。お金が貯まったら、ソースと一緒に購入しよう。
「あら、いらっしゃい」
私を出迎えてくれたのは、ふくよかな笑顔をした割烹着姿の人間。人間と言うよりも、おばちゃんと言いたくなるような、優しい笑顔をしている。
「何が欲しいんだい?」
「コロッケとソースが欲しいんだけども。すぐ食べるから、梱包は簡単でいいわ」
「コロッケとソースね。お姉さん、可愛いねえ。学校帰りかい?」
学校帰り? もしかして、私を学生だと思っているの? そういえば、前にハルから、私の容姿は中高生の女子にしか見えないと言われた事があったっけ。
ならば、勘違いされても仕方ないわね。しかし、それなら私にとっても好都合よ。自然体のままで、人間の生活に溶け込む事が出来るのだから。
「いいえ、学校はもう卒業してるわ。こう見えても私、成人なの」
「あら! そうだったの? ごめんなさいねぇ。若く見えちゃったから、つい」
「構わないわ。おばちゃんこそ、よく若いって言われない?」
「あらやだっ! もうっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。お世辞が上手い子なんだから」
とは言いつつも、ほんのりと赤く染まった頬に左手を添えて、右手をパタパタとさせるおばちゃん。どうやら、満更でもなさそうね。
その嬉しそうに微笑んでいるおばちゃんが、トングでコロッケを掴み。上側と右側が空いた包み紙に入れて、ソースの袋と一緒にカウンターの上へ置いた。
「はい。コロッケとソースで、ちょうど百円ね。一番美味しいのを選んだから、ゆっくり味わってちょうだい」
「あら、そう。ありがとう」
見た目の違いは全然分からないというのに、わざわざ一番おいしい物を選んでくれるだなんて。このおばちゃん、目利きのプロなのかしら?
包み紙を持つと、手にじんわりと温かさが伝わってきた。うん、出来立ての証拠だ。おばちゃんに百円を渡せば、晴れてこのコロッケは、私の物になった。
私のお金で買った、正真正銘生まれて初めての食べ物。油の良い匂いが食欲を刺激してくるし、もう待ち切れないわ!
「ここで、食べてもいいかしら?」
「ええ、どうぞ」
おばちゃんの許可が下りたので、包み紙の下からコロッケを押して、半分ほど出した。いいわね、この包み紙。コロッケが、すごく食べやすそう。
「それじゃあ、いただきます。アチチッ……、ほふほふっ。……んん~っ!」
カリカリの衣を噛めば、『ザクザク』という気持ちのいい良い音を鳴らし。噛んだ断面から、中に閉じ込められていた熱々の湯気が逃げるように昇っていく。
やはり出来立てともあってか、じゃがいもの飾り気が無い濃い甘味をダイレクトに感じる。味付けは、シンプルに塩だけのようね。
ほんのりと分かるぐらいのちょうどいい塩加減が、じゃがいもの風味を一切邪魔せず、甘味とコクをグッと引き立てていく。
だけど、挽き肉も負けていない。じゃがいもの味を、十分味わった後。そろそろ俺の出番だなと言わんばかりに、ぶわっと出てきた。断面を見る限り、挽き肉も結構入っていそうね。
だから、こっちの味も一気に押し寄せてきた訳だ。食感も、いい具合に弾力を残している。油っこさは、じゃがいもの風味を飾る程度に染みていて、程よく調和しているわ。
しかし、一度いっぺんに味わってしまったからか。挽き肉が居ないと居ないで、物足りなさを感じるかも。この二つ、量が絶妙に釣り合っていそうね。
なので、大判だけど飽きが来ない。一口一口が新鮮で、いつまでも風味を楽しめる。ソースを掛けなくても、ずっとおいしい。
「う~ん、おいしいっ」
「あら、そう。それだけ美味そうに食べてくれると、あたしも嬉しいわ」
「本当においしいわ、このコロッケ。ソースを掛けなくても、最後まで食べられそうよ」
「そうかい。実はね、そのコロッケ。あたしが作って揚げたコロッケなのよ」
「あ、そうだったの?」
驚いて聞き返してみると、ニコニコ顔のおばちゃんが、ゆっくり頷いた。
「そうなのよ。だからね、お姉さんの感想を聞けて、本当に嬉しいのよ。ありがとうね」
「こちらこそ、おいしいコロッケをありがとう。また、必ず買いに来るわ」
「ふふっ。それなら、もっと美味しいコロッケを作っておかないとね。またどうぞ」
「ええ、それじゃあ」
いつまでも笑みが絶えないおばちゃんに、小さく手を振りながらお店を後にする。人間とこういう触れ合い方をするのも、なかなか悪くないわね。
なんだか、人間の温かい部分に触れられた気がする。こういう気分になるのは、ハル以外で初めてだ。
次はハムカツを買おうと思っていたけど。おばちゃんの笑顔を見てみたいし、またコロッケを買っちゃおっと。
八百屋で起こった思わぬ嬉しい展開を、早くハルに伝えたい所だけども。お店を離れた途端、思い出したかのようにコロッケに対する食欲が蘇ってきてしまった。
それも、さっきより猛烈に強くなって。ああ、早く食べたいなぁ。出来立て熱々のコロッケを。一口目は、そのままの味を楽しみ。二口目か三口目ぐらいに、ソースを掛けて食べよっと。
コロッケを食べる流れを決めつつ、願いを込めながら揚げ物専門店まで戻り、物陰からこっそりとショーケースの中を覗いてみた。
「やったっ、思った通りだわ」
行きでは姿を拝めなかった大判のコロッケが、綺麗に並んでいる。その数、十個以上。他の商品も補充してあるから、やはりあのコロッケも揚げたばかり───。
「えっ? ウィンナーフライが、ある……」
カリカリとしていそうな厚い衣を纏う、竹串に三本刺さったウィンナーフライ。しかも、一本一本が大きい。食べ応えがありそうだし、あれ一つでご飯一杯ペロリといけちゃいそう。
「でも、今の手持ちじゃギリギリ買えないわね」
ウィンナーフライの値段は、一つ百十円。私の手持ちは、ハルから貰ったお駄賃の百円のみ。
……むう、十円だけ足りない。だから今の私では、どう足搔こうとも、あの大きなウィンナーフライを買えないんだ。
「買えないって分かってても、食べたくなってくるわね……」
手に入れられないからこそ、余計に食べたくなってくる。絶対においしいはずよ、あのウィンナーフライ。思いっ切り齧って、『カリッパリッ』という軽快な音を鳴らしてみたい!
もうこれは、一種の拷問よ。目の前にあるというのに、薄いガラス板を一枚隔てているだけだというのに。たった十円足らないだけで、決して手に入れられない代物と化すなんて。
「……待って。私は、ウィンナーフライを買えるお金を持っている」
そうだ。ネギを購入した分の、おつりがあるじゃない。それを足してしまえば、私の手持ちは三百九十円になり、コロッケとウィンナーフライの二つを買えるようになる。
「いや。それに手を出すのは、流石にまずいわよね……」
二百九十円のおつりは、私のお金じゃない。ハルの所有物だ。ただ私が、ハルのお金を持っているだけに過ぎない。
それに、このお金は、ハルが私を信頼して渡してきたお金なのよ? もし私利私欲の目的で使ってしまったら、ハルの信頼を裏切る事になる。
それだけは駄目だ。一体何を考えているのよ、私は! そもそもの話。本来なら、私は食べ歩きを出来る立場じゃない。ハルの好意によって、出来るようになれたんだ。
なので私は、コロッケ以外を買う選択肢なんて無い。ウィンナーフライは、手の届かない高嶺の花だと思って諦めるべきよ。
「はぁ……。これから少しずつ貯めていかないと」
ハルは、お駄賃を貯めるも使うも良しと言っていた。お金が足りなくて買えないのであれば、貯めるしかない。これからは、計画的にお金を使おう。
もう一度ため息を吐き、濃い油の匂いを感じるショーケースの前まで歩んでいく。メンチカツ、イカフライ、カニクリームコロッケやらも見えるけど、やはり高くて買えそうにない。
唯一コロッケ以外で買えそうなのは、百円ピッタリのハムカツのみ。これまた分厚くておいしそうね。お金が貯まったら、ソースと一緒に購入しよう。
「あら、いらっしゃい」
私を出迎えてくれたのは、ふくよかな笑顔をした割烹着姿の人間。人間と言うよりも、おばちゃんと言いたくなるような、優しい笑顔をしている。
「何が欲しいんだい?」
「コロッケとソースが欲しいんだけども。すぐ食べるから、梱包は簡単でいいわ」
「コロッケとソースね。お姉さん、可愛いねえ。学校帰りかい?」
学校帰り? もしかして、私を学生だと思っているの? そういえば、前にハルから、私の容姿は中高生の女子にしか見えないと言われた事があったっけ。
ならば、勘違いされても仕方ないわね。しかし、それなら私にとっても好都合よ。自然体のままで、人間の生活に溶け込む事が出来るのだから。
「いいえ、学校はもう卒業してるわ。こう見えても私、成人なの」
「あら! そうだったの? ごめんなさいねぇ。若く見えちゃったから、つい」
「構わないわ。おばちゃんこそ、よく若いって言われない?」
「あらやだっ! もうっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。お世辞が上手い子なんだから」
とは言いつつも、ほんのりと赤く染まった頬に左手を添えて、右手をパタパタとさせるおばちゃん。どうやら、満更でもなさそうね。
その嬉しそうに微笑んでいるおばちゃんが、トングでコロッケを掴み。上側と右側が空いた包み紙に入れて、ソースの袋と一緒にカウンターの上へ置いた。
「はい。コロッケとソースで、ちょうど百円ね。一番美味しいのを選んだから、ゆっくり味わってちょうだい」
「あら、そう。ありがとう」
見た目の違いは全然分からないというのに、わざわざ一番おいしい物を選んでくれるだなんて。このおばちゃん、目利きのプロなのかしら?
包み紙を持つと、手にじんわりと温かさが伝わってきた。うん、出来立ての証拠だ。おばちゃんに百円を渡せば、晴れてこのコロッケは、私の物になった。
私のお金で買った、正真正銘生まれて初めての食べ物。油の良い匂いが食欲を刺激してくるし、もう待ち切れないわ!
「ここで、食べてもいいかしら?」
「ええ、どうぞ」
おばちゃんの許可が下りたので、包み紙の下からコロッケを押して、半分ほど出した。いいわね、この包み紙。コロッケが、すごく食べやすそう。
「それじゃあ、いただきます。アチチッ……、ほふほふっ。……んん~っ!」
カリカリの衣を噛めば、『ザクザク』という気持ちのいい良い音を鳴らし。噛んだ断面から、中に閉じ込められていた熱々の湯気が逃げるように昇っていく。
やはり出来立てともあってか、じゃがいもの飾り気が無い濃い甘味をダイレクトに感じる。味付けは、シンプルに塩だけのようね。
ほんのりと分かるぐらいのちょうどいい塩加減が、じゃがいもの風味を一切邪魔せず、甘味とコクをグッと引き立てていく。
だけど、挽き肉も負けていない。じゃがいもの味を、十分味わった後。そろそろ俺の出番だなと言わんばかりに、ぶわっと出てきた。断面を見る限り、挽き肉も結構入っていそうね。
だから、こっちの味も一気に押し寄せてきた訳だ。食感も、いい具合に弾力を残している。油っこさは、じゃがいもの風味を飾る程度に染みていて、程よく調和しているわ。
しかし、一度いっぺんに味わってしまったからか。挽き肉が居ないと居ないで、物足りなさを感じるかも。この二つ、量が絶妙に釣り合っていそうね。
なので、大判だけど飽きが来ない。一口一口が新鮮で、いつまでも風味を楽しめる。ソースを掛けなくても、ずっとおいしい。
「う~ん、おいしいっ」
「あら、そう。それだけ美味そうに食べてくれると、あたしも嬉しいわ」
「本当においしいわ、このコロッケ。ソースを掛けなくても、最後まで食べられそうよ」
「そうかい。実はね、そのコロッケ。あたしが作って揚げたコロッケなのよ」
「あ、そうだったの?」
驚いて聞き返してみると、ニコニコ顔のおばちゃんが、ゆっくり頷いた。
「そうなのよ。だからね、お姉さんの感想を聞けて、本当に嬉しいのよ。ありがとうね」
「こちらこそ、おいしいコロッケをありがとう。また、必ず買いに来るわ」
「ふふっ。それなら、もっと美味しいコロッケを作っておかないとね。またどうぞ」
「ええ、それじゃあ」
いつまでも笑みが絶えないおばちゃんに、小さく手を振りながらお店を後にする。人間とこういう触れ合い方をするのも、なかなか悪くないわね。
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