136 / 136
ヴァレンの印象 3
しおりを挟む
「ところで、お客たちからヴァレン兄さんに対する印象を調査してみました」
「……いったい、きみは何をやっているんだ」
「床入りを断られたことを気にしているようだったので」
非難めいたヴァレンの視線をものともせず、アルンは調査結果の紙をヴァレンに差し出す。
ヴァレンはあまり見たくなかったのだが、目に入ってしまった。記憶力と情報処理力がおかしいヴァレンは、その一瞬で内容がすべて頭に入ってしまう。
『あれは白花というか、別物』
『今問われて、初めて美少年だということに気づいた。あいつを見てもそんな気がしない』
『俺は突っ込めるよ。あいつにも穴があるからな』
このような、ろくでもない意見がつらつらと並んでいた。
ヴァレンはがっくりとうな垂れてしまう。
「床入りできるという意見もありましたよ。よかったですね」
「……穴がどうのとか、ひどい言い分じゃないか……」
ヴァレンが虚しさに包まれていると、扉を叩く音が響いた。
もうどうでもいいと思いながらヴァレンがどうぞと声をかけると、現れたのはエアイールだった。やや困惑したような表情で、ブラムとコリンに導かれている。
ヴァレンはふらふらとエアイールに歩み寄り、エアイールの肩にことんと額を押し当て、頭を持たせかけた。
「なんかもう……俺には、おまえしかいないのかもしれない……」
「……え?」
力ないヴァレンの呻きに、エアイールは戸惑いの声をもらす。
しかし、アルンがエアイールに意味ありげな微笑を投げかけると、得心したようにエアイールも微笑んでわずかに頷く。
そのまま、見習いたちがそっと部屋を出て行ったところで、エアイールは浮かび上がってくる笑みを抑えながら、ヴァレンを抱きしめた。
――後日、アルンたちはエアイールから大量のお菓子を贈られることになったのだった。
「……いったい、きみは何をやっているんだ」
「床入りを断られたことを気にしているようだったので」
非難めいたヴァレンの視線をものともせず、アルンは調査結果の紙をヴァレンに差し出す。
ヴァレンはあまり見たくなかったのだが、目に入ってしまった。記憶力と情報処理力がおかしいヴァレンは、その一瞬で内容がすべて頭に入ってしまう。
『あれは白花というか、別物』
『今問われて、初めて美少年だということに気づいた。あいつを見てもそんな気がしない』
『俺は突っ込めるよ。あいつにも穴があるからな』
このような、ろくでもない意見がつらつらと並んでいた。
ヴァレンはがっくりとうな垂れてしまう。
「床入りできるという意見もありましたよ。よかったですね」
「……穴がどうのとか、ひどい言い分じゃないか……」
ヴァレンが虚しさに包まれていると、扉を叩く音が響いた。
もうどうでもいいと思いながらヴァレンがどうぞと声をかけると、現れたのはエアイールだった。やや困惑したような表情で、ブラムとコリンに導かれている。
ヴァレンはふらふらとエアイールに歩み寄り、エアイールの肩にことんと額を押し当て、頭を持たせかけた。
「なんかもう……俺には、おまえしかいないのかもしれない……」
「……え?」
力ないヴァレンの呻きに、エアイールは戸惑いの声をもらす。
しかし、アルンがエアイールに意味ありげな微笑を投げかけると、得心したようにエアイールも微笑んでわずかに頷く。
そのまま、見習いたちがそっと部屋を出て行ったところで、エアイールは浮かび上がってくる笑みを抑えながら、ヴァレンを抱きしめた。
――後日、アルンたちはエアイールから大量のお菓子を贈られることになったのだった。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
キター(*≧▽≦)(笑)(笑)(笑)
返信で教えてもらったシーンは、この最新話ですね‼️(笑)
鬼が迫ってる。にも笑い、今まで培った技術で謝る……が宙返り!!!!ꉂ🤣𐤔
この可愛さと面白さ最高です✨
エアさんと一緒の時のヴァレンくんも大好きです♡
この2人も延々と見ていられる(*≧▽≦)
感想ありがとうございます!
あのシーンは、これです(笑)
笑っていただけて光栄です!
ヴァレンは努力の方向性が斜めに向かっています。
エアイールとヴァレンも、何だかんだで結構お似合いかもしれません。
大好きとおっしゃっていただけて、嬉しいです!
サクッと読めるのにちゃんと疑問回収されてて凄く嬉しい~!!!!
エアさんとヴァレン、やっぱり♡(笑)
エアさん成長したらとんでもない男前になりそ…って思っていたので、ヴァレンくんを押し倒した瞬間、よし!!!!( *˙ω˙*)و グッ!ってなりました😊✨
侯爵さまが本当に良い大人で良かった(^^)
音楽奏でに来る日を楽しみにするのも元気の源になりそうですね👍👍
三人衆面白い!!…凄腕の色事師(笑)誤解は解けないままでしたね(笑)
早速のご感想ありがとうございます!
エアイール×ヴァレンです。
これがきっかけで、二人の関係にちょっと変化が起こりました。
侯爵は本当にミゼアスのことを大切に思っています。
いつかやって来てくれる日を楽しみに生きていきます。
凄腕の色事師は、結局誤解されたまま終わりました(笑)
彼らの中ではアデルジェスは英雄です。