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第二章

第29話「クォーターエルフのハイデマリー」(♡)

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 ビッグポイズンスライムとの戦闘中、急にどこからか現れ、助太刀に駆けつけた銀髪のクォーターエルフの魔女。

 身の丈よりも長い樫の杖を手に、黒魔導士の防具としては代表的な黒のローブ。

 杖の方もそうだが、着ているローブのサイズが明らかに大きすぎる。布地を捲ったり、紐で縛ったりしてはいるものの、全体的にだぶついて袖や裾は余り気味。

 同じサイズでも日本のモノとは一回り以上デカい米国のUSサイズなのに気付かず、ネット通販で買って失敗した服を着ているのに似ている。

 あるいは大人用の男性服に、小さな女の子が無理に袖を通しているような感じ。

 杖の長さも服の大きさも自分の体と合ってない割には、扱いづらさや動きづらさを無視できるくらいには使い慣れているようだ。前衛で戦う俺やノエルに対しても遅れを取らず、即席の連携ができる程度にはついてこれている。

「ご主人様、ええっと、そちらの方は?」

「頼もしい助っ人だ。確か名前は―――」

 名前はまだ聞いていなかった。なんて呼べばいいのかと考えた直後、再びビッグポイズンスライムの触手を切り落とす〈アイスアロー〉を唱えてから彼女は自分から名乗ってくれた。

「僕はハイデマリー。気軽にハイディと呼んでくれて構わないよ」

「それじゃあ、ハイディ。君の仲間はいつくるんだ?」

 ハイデマリーは俺達と同じように、リナート草原での大規模なスライム討伐依頼へ参加した冒険者の一人なのだろう。

 魔法使いがパーティを組まず、一人ソロでやっているとは考えづらかった。

「増援を期待しているなら申し訳ないけど……真っ先にリーダーが殺されちゃったし、他に二人いた戦士と弓使いも毒でやられちゃったから僕のいたパーティは壊滅状態さ」

 戦士と弓使い―――そういえば白豚お坊ちゃんの従者っぽい二人が丁度そのジョブだった。

 よく見ればハイデマリーの首にも隷属の首輪が嵌められていた。彼女は冒険者ではなく、冒険者用の戦闘奴隷らしい。

 白豚お坊ちゃんのパーティはオーソドックスな四人編制なのかと思っていたが、エルフの男奴隷だけでなく彼女という奴隷がもう一人いたようだ。

「普通のスライムと違って魔法攻撃は効きにくいし、僕も体力と魔力が尽きかけてて死にそうなくらい困ってたんだけど―――君のところのハーフリングの子に助けてもらってね」

「うちのトリシアが?」

 確かトリシアが緊急時にライラやノエルの魔力を回復できるように、魔法力補給用のマナポーションを一本用意していた。

 白魔法・黒魔法・錬金術と魔法の種類を問わず、魔術師にとって自身の魔力が切れるということは気絶して意識を失う。倒れて戦闘不能になるのと同義。

 材料費や手間暇がかかる代物でも、魔法使いがいるパーティにとってマナポーションという保険の有無は大きい。

「さて、あのデカブツはもうポイズンスライムザコも産めなくなったようだし、ここで一気に片をつけようじゃないか―――トドメを刺すのは君達に任せるよ」

 そう言って杖を振りかざし、魔法陣の展開と呪文の詠唱を開始するハイデマリー。

 既に彼女が何度も唱えて撃った〈アイスアロー〉の氷魔法を受け、ビッグポイズンスライムは手足のように使っていた触手を根こそぎ刈り取られてしまい、体積がかなり減ってしまっている。

 次の触手を伸ばして反撃しようにも、表面に負った凍傷が邪魔して思うように体の形状を変えられずに四苦八苦している。

 そこへ追い打ちをかけるように、ノエルも〈サンダーボルト〉や〈ファイアボール〉のような熱を発生させる攻撃魔法から同じ〈アイスアロー〉に攻撃手段を変え、ビッグポイズンスライムの自由を奪う氷の枷が溶けぬように冷気を維持していた。

「マギア・ニグルム、グラキエス―――」

 ハイデマリーが両手で構えた杖。その先端を中心に発生した魔法陣から〈アイスアロー〉の時とは比べ物にならない冷気が溢れ出てきた。

「―――ファキオ、ヤクルム―――クァットゥオル―――」

 魔法陣の外円部に更に小さな魔法陣が4つ現れる。幾何学模様の立体映像みたいなそこから、それぞれ一本ずつ計四本の氷槍が枝のように伸びていく。

「―――クレスクント、ロングム―――クレスクント、コルムナ―――クレスクント、マグナム―――」

 魔法の氷槍は瞬く間に長く、太く、そして巨大になっていった。もはや氷の柱だ。

「―――ラディウス! 喰らえ、アイシクルスピアー!」

 生成された四本の氷槍が、氷のミサイルと冷気のビームのハイブリット砲みたいに一斉発射された。

 撃ち放たれた四本の氷槍は全て命中し、氷の柱で突き刺されたビッグポイズンスライムの本体である大きな目玉コアは、今度は内側から凍てついていく体の中で逃げ回る。

 しかし、とうとう逃げ場を失ってしまう。ついには水面へ浮上するように、体表へ露出するまで追い詰められてしまった。

「ノエル!」

「はい、お任せを!」

 強力な氷魔法を唱え出した段階でハイデマリーの意図を読んでいたらしいノエルは、既にショートボウに持ち替えて矢を番え、その絶好のチャンスが訪れるまで待ち構えていた。

 矢筒に残った最後の一本。しかし弓の名手でもあるノエルにとって、その一本だけ残っていれば十分だった。

 巨大なビッグポイズンスライムにとって、そんな矢など棘が刺さるようなレベルだが、針のようなそれを心臓に等しい急所に突き刺されたのなら話は別。

 矢は貫通することなく目玉に宿る魔石に当たり、矢羽根まで見えなくなるほど埋もれて止まる。

 絶命したビッグポイズンスライムはその巨体を維持できず、凍った部分も無事な部分もボロボロと崩れていき、馬鹿デカい図体が嘘のように消えてしまった。

 暫く経ち尽くして、ようやく脅威を排除できたのを理解した俺は思い出したかのように村々を腰の鞘へと納刀して戦闘態勢を解除すると、緊張の糸が解れてドッと疲れが押し寄せてくる。

 そして、その疲れさえも吹き飛ばすほどの異常性欲・・・・が湧き上がってきた。

「(うっ……ヤバい、なんだこれっ……!)」

 今まで体験したこともない、凄まじい性欲の滾りに下腹部を抑えて蹲る。

 戦闘中は村々も自重してくれるのか、生かさず殺さずな程度でそれなりに呪いの力を御してくれるものの、いざ戦闘が終われば容赦なく奪った命の数だけ性欲を滾らせてくる。

 本来の目的だったスライム狩りだけでも結構な数のスライムに村々でトドメを刺してしまい、ただでさえ限界だった状態でとんでもない数のポイズンスライムを仕留めてしまった。

 正確な数はわからない。だが村々の呪いのカウントは、合計で二桁どころか三桁を余裕で超えているだろう。

「だ、大丈夫?」

 何事かとハイデマリーは心配そうにこちらへ歩み寄ってくる。視界に美少女が映った瞬間、体の内側から獣のような欲望が飛び出しそうになり、俺はそれを必死になって抑え込む。

 危ないから近づかないでくれ―――という言葉すら出せないほど、今の俺に余裕はない。

「もしかして毒を受けちゃったのかい? 見せてくれ、腫れが酷くなる前に処置して解毒を―――」

「あっ! 駄目です! 今のご主人様に近づいては―――」

 うちのパーティの事情を何も知らず、性欲に支配されつつある俺の方へ不用意に近づくハイデマリー。

 慌ててノエルが制止するものの、もう間に合わなかった。

 とうとう耐え切れずに千切れ飛んでしまう理性の鎖。身も心も女体に飢えた醜い獣と化した俺は、手を伸ばせば届くほどの距離にいたハイデマリーをその場に押し倒す。

「きゃっ!?」

 下が濡れた草地なことなどお構いなし。一緒になって倒れ込み、彼女の着ているローブを掴んで引き裂く。

 ローブの分厚く丈夫な生地を下着ごと素手で破り捨てる。そんな真似ができるくらいに、肉体のリミッターは外れていた。

 捲るとか脱がせるとか、そういう考えすら浮かばない。頭の中にあるのは、血走った目に映り込んだ少女を犯すということのみ。

「んなっ……な、ななっ、いきなり何を―――ふぇっ?」

 そこでハイデマリーの言葉は、彼女の思考とともに止まった。

 何故なら彼女の眼前にいる男は、いきなりズボンを脱いでグロテスクな肉棒を露出させ、鉄みたいに硬くギンギンに勃起した陰茎それを突き付けてきたからだ。

 生娘ゆえに臨戦態勢の男性器ペニスを目にするのは初めて。しかし、本で学んだ知識とは比べ物にならないほど凶悪な大きさに気圧されてしまう。

 服を破かれ、柔肌を晒され、これから何が行われるのかをハイデマリーは理解した。

「えっ……え~と……ポイズンスライムの毒では、そんなに腫れ上がったりは……しないよね、普通……はは、ははは……。」

 乾いた笑いで誤魔化そうとするが、今の俺は容赦どころか配慮すらできない。

 白く可愛らしいパンツごと淫唇を親指で抉じ開き、毛も生えていないツルツルの女性器へ男根を押し当て、一気に最奥へと突っ込む。

 前戯もなしで濡れていない膣内は、処女膜を破って侵入してきた初めての異物に驚き、痛覚という警笛を鳴らす。

「ひぎぃっ!!?」

 強引に挿入され、小さな膣口を無理やり広げられて根元まで挿入されたハイデマリーは背筋を反り返らせながら目を見開き、反射的に上を向いてしまった頭を何とか下げていく。

 視線を自らの股関へと向ければ、先ほど自分がポイズンスライムに放った〈アイシクルスピアー〉の氷槍みたいに肉の棒が突き刺さっている。

「痛っ!? う、うそっ……は、入っちゃってるよぉっ……!!」

 痛みを伴う破瓜の血が「処女を失ってしまった」という事実を淡々と物語っていた。

「ひあぁぁっ!!?」

 無理やり処女を奪われてしまったことに涙を浮かべる暇もなく、ハイデマリーは今度は子宮めがけて突入してくる新たな侵入者への対応を余儀無くされた。

「あっ、あつっ、熱ぅっ! 熱いぃぃっ!!」

 痛みで敏感になっている膣内ナカは、雪崩れ込む白濁液の溶岩に火傷しそうだった。

 実際にはそんな馬鹿げた温度などあるわけがない。だが村々の呪いによって、睾丸の中でグツグツに煮え滾って活発化している精子が彼女にそんな錯覚を与えている。

 酸素を求めて口をパクパクとさせながら、ようやくハイデマリーは俺が挿入した直後に膣内射精し、たっぷりととんでもない量の精液を中出しされているのを認識した。

「う、うそっ……中で、出てるっ……!」

 腹の中へ精液がどんどん溜まっていく未知の感覚。狭い子宮はあっという間に白い雄汁に占領されてしまい、行き場を失った大量の精液が渋滞状態の膣内で溢れ返る。

「抜いてっ! 早くっ、今すぐ抜いてぇっ! これ危ないっ! このままだと危ないからぁっ!」  

 ハイデマリーの顔には妊娠以外の恐怖が出ていたものの、そんな表情の変化に今の俺は気付けない。

 女の腹の中に吐精する気持ち良さだけを求める。何かに憑りつかれたように目の前の少女の体を求め続ける俺を襲うのは、村々の呪いだけではなかった。

 膣内射精すると、命まで吸い取られるようなゾクゾクとする“何か”を感じる。普通なら得体の知れないモノに畏怖するだろうが、溜まりに溜まった濃い精液を向こうから吸い上げてくれる感覚に俺は狂喜乱舞する。

 一度目の射精が終わるや否や、無我夢中で腰を振り出す。普段ライラ達とするセックスのように、相手を感じさせてお互いに気持ちよくなろうなんて配慮は一切なかった。

 自らの欲望に身を任せ、自分だけが気持ち良くなるために、処女を奪ったハイデマリーをオナホールのように精を吐き出すためだけに扱う。

 男を知ったばかりの、しかし極上の肉穴の持ち主を逃がさないように全体重を押し当てて腰を振りまくり、射精に達するまで肉竿を扱いては膣内射精を繰り返す種付けプレス。

「ひぅっ!? ま、また出てるっ! 精子出されるぅっ!」

 村々の呪いが限界以上に溜まっているせいか、それこそ少し刺激されただけでも簡単に射精してしまう。

 しかし、何回射精しても萎えるどころか更に勃起してしまう。自ら出した精液を潤滑油に抽挿をどんどん速めていき、俺は腰を打ち付けまくる。

 セックス―――というよりレイプそのもの。

 そして我ながらタチが悪いことに、痛みや恐怖を与えていたのは最初だけ。気が付けば自分が感じているのと同等かそれ以上の快楽を相手に与えて続けている。

「あっ♡ あっ♡ あぁぁぁっ♡ だめぇっ♡ せーえき、だしながらうごくの、だめだってばぁぁぁっ♡」

 覆い被さるような正常位で始めた体位は、気が付けばいつの間にか俺が両腕でハイデマリーの両足をV字に固定し、まんぐり返しの姿勢で彼女を犯していた。

 捥げてしまいそうになるくらい男根から吸い取られていく感覚も、今の俺にとっては単なる射精のサポートでしかない。

 ハイデマリーの意思とは関係なく精気を吸い上げようとする“何か”に対し、俺はリクエストへ答えるように精子を出して出して出しまくる。

 向こうが「これ以上は食べられない!」と根負けしても構わず射精し続け、白濁の海と性楽の渦の中へハイデマリーごと沈めていく。

「せーし♡ せーし、いっぱいでてりゅぅぅぅっ♡」

 射精する度に新しい精液で子宮に溜まっていた古い精液が押し出され、膣内を逆流して結合部分から噴火よろしく精液が撒き散っていく。

「これいじょう、せーえきはいんないよぉっ♡ やめてぇっ♡ もぉやめてよぉっ♡」

 陰茎が出入りする度に鳴り響くグチョグチョという卑猥な水音には、俺の精液だけでなくハイデマリーの愛液も混ざり始め、その量に比例して喘ぎ声の大きさもどんどん上がっていく。

「イクッ♡ イクのぉっ♡ またイッちゃうっ♡ イッてるのにぃっ♡ またイクぅぅぅっ♡」

 狭い膣内へ容赦なく太い肉棒を捻じ込み、痙攣する膣壁に精液を塗り込むように擦り上げて快感を生み出し、自分だけのモノにしようと快楽漬けにする。

「ああぁぁぁぁっ♡ またイッちゃうぅぅううぅぅぅぅっ♡」

 亀頭と子宮口とをキスさせた状態で、何度目になるか分からない膣内射精なかだし。するとハイデマリーは両手で口元を抑えながらビクビクと腰を震わせて絶頂に達し、プシャアッと盛大に潮吹きまでしてしまう。

「イクッ♡ イクッ♡ いぐのぉっ♡ とまんなひぃぃぃっ♡」

 射精してスッキリするどころか、その様子に増々性欲を煽られてしまった俺は彼女を四つん這いにさせ、細い腰をがっしりと掴んで曲線美のいいお尻に腰を砕くような勢いで打ち付けまくった。

「っ~~~~~~♡♡♡」

 中出し、中出し、そしてまた中出し。何回も何回も膣内射精を繰り返す度、ハイデマリーも声にならない媚声を張りながら絶頂に達し、盛りのついた雌犬のように喘ぎまくる。

 穢れを知らなかった秘所を白く染め上げ、何度も何度も上塗りして、快楽を求めて止まなくなる彼女を肉欲の虜としていくのだった。











「あー……ああなっちゃったら、暫くの間はご主人様は元に戻らないかも」

「かなりの数の敵を倒してしまいましたから……冷静さを取り戻すくらい溜まったのを出さないと、どうにもなりませんね」

 苦笑しながらも、自らの主人の痴態に見入ってしまって頬を赤くするライラとトリシア。

 同じように見守ることしかできず、激しく愛されているハイデマリーに羨望の眼差しを向けていたノエルもハッとなって二人に話しかける。

「あの、ライラ様、トリシア様……あの方はどうなされたのですか?」

「んっ? あの方って?」

「助けたエルフの男性の奴隷です。解毒したとは言っても、かなり魔力を消耗していたご様子でしたから」

 ノエルはキョロキョロと辺りを見渡す。けれども辺りにあるのはスライムとポイズンスライムの死骸だらけ。

 ビッグポイズンスライムと単身戦っていたところを助け出したエルフの男奴隷の姿は見当たらない。解毒薬だけでなくヒールポーションも飲ませて体力を回復させたとは思うが、魔法使いにとって魔力が切れかかってるのは危険状態だ。

「それなら大丈夫です。私の作ったマナポーションで失った魔力も回復して貰いましたから」

「えっ? ですが我々のパーティで用意しているマナポーションは一本だけで、それはあちらのハイデマリー様に与えたのでは?」

「ええ、ですから大丈夫ですよ」

 トリシアとの会話が噛み合っているようで噛み合っていないのに首を掲げるノエルに対し、ライラは「どこから話せばいいかな」と呟いてから答えた。

「私達も実際にこの目で変化が解けるのを見てて驚いたんだけど……えーとね、結論から言うとあのエルフの男の人は、幻覚の魔法で化けてたって感じで……。」

「性別を偽って男の奴隷に変装していたのは、今ご主人様に抱かれるあちらの方なんです」

 二人が指差す方向には、自分達の主人が犯しているクォーターエルフの少女の姿。

 ジョブが同じ黒魔導士である彼女と件のエルフの男奴隷は、それもそのはずで同一人物だったのだ。

 思わずノエルは絶句してしまい、信じられずに空いた口が塞がらずにいる。

 いつの間にか雨も嘘のように止んでおり、久方ぶりに差し込んだ日の光で空の上には雨季の終わりを告げにやってきたように見事な虹が浮かび上がっていた。
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