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21.朝チュンではないけれど
勝手に話しちゃうなんて酷い!
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***
「プロポーズをしてOKをもらったんだ。法忍さんには羽理の友人として、どうか温かい気持ちで俺たちのことを応援して欲しい」
大葉がいきなりそんなことを口走ったから、痛む腰をさすりながら猫型テーブルにもたれ掛かっていた羽理は、「はぅぁ!?」と変な声を上げて身体を起こした。
途端、「イタタタタ……!」とうずくまる羽目になったけれど、実際問題それどころじゃない。
「ちょっと大葉!」
大葉呼んで携帯電話をひったくると、羽理は「仁子っ、……い、い、い、今のっ!」と何とか誤魔化そうとしたのだけれど。
『ちょっと羽理ぃー! プロポーズって何なのぉぉぉぉっ!』
当然と言うべきか、仁子からそんな雄叫びを聞かされてしまう。
「あ、あのっ、そ、それは……えっと……」
羽理が仁子の勢いに押されていたら、大葉に再度携帯を奪われた。
「まぁそれについてはまたゆっくり羽理と話すといい。――だが、とりあえず今朝のところは一旦興奮をおさめて……朝の支度に戻らないとお互いまずいと思うんだが?」
羽理は休むからいいとして、大葉も仁子も仕事なのだ。
上司モードでそれを示唆した大葉に、仁子が『わわっ。ホントだ! もうこんな時間!』と慌てて、『すみません! 羽理にはまた改めて話聞かせてもらうって伝えて下さい。では――』と早々と通話から離脱してしまう。
「もぅ、大葉のバカぁ! プロポーズのこと、勝手に仁子に話しちゃうなんて酷いですっ」
大葉が電話を羽理に戻してきたのと同時、羽理はそんな恨み節を言わずにはいられなかった。
「知らないのか、羽理。仕事でもプライベートでも外堀固めは重要なんだぞ?」
なのに大葉はいっかな悪びれた様子もなくククッと笑うと、余りのことにハクハクと口を開け閉めするしか出来ない羽理を残してキッチンへ戻ってしまった。
身動きのままならない羽理が、恨めし気に呆然と見つめる先、大葉は電子レンジから温めたまま放置していたミートボールを取り出すと、弁当箱に詰めて「よし」とつぶやいた。
どうやら弁当が完成したらしい。
***
「待たせたな、朝食にしよう」
大葉がトレイに美味しそうなオムライスと湯気のくゆるマグカップを載せてリビングへ戻って来た時、羽理は未だにムゥーッと唇を突き出して拗ねっ子モードのままだった。
それを見て、大葉は(ホント可愛いな、こいつ)と思ったのだけれど、今そんなことを言えば揶揄っていると余計に怒らせてしまいそうだったので、言わずにおいた。
「プロポーズをしてOKをもらったんだ。法忍さんには羽理の友人として、どうか温かい気持ちで俺たちのことを応援して欲しい」
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途端、「イタタタタ……!」とうずくまる羽目になったけれど、実際問題それどころじゃない。
「ちょっと大葉!」
大葉呼んで携帯電話をひったくると、羽理は「仁子っ、……い、い、い、今のっ!」と何とか誤魔化そうとしたのだけれど。
『ちょっと羽理ぃー! プロポーズって何なのぉぉぉぉっ!』
当然と言うべきか、仁子からそんな雄叫びを聞かされてしまう。
「あ、あのっ、そ、それは……えっと……」
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「まぁそれについてはまたゆっくり羽理と話すといい。――だが、とりあえず今朝のところは一旦興奮をおさめて……朝の支度に戻らないとお互いまずいと思うんだが?」
羽理は休むからいいとして、大葉も仁子も仕事なのだ。
上司モードでそれを示唆した大葉に、仁子が『わわっ。ホントだ! もうこんな時間!』と慌てて、『すみません! 羽理にはまた改めて話聞かせてもらうって伝えて下さい。では――』と早々と通話から離脱してしまう。
「もぅ、大葉のバカぁ! プロポーズのこと、勝手に仁子に話しちゃうなんて酷いですっ」
大葉が電話を羽理に戻してきたのと同時、羽理はそんな恨み節を言わずにはいられなかった。
「知らないのか、羽理。仕事でもプライベートでも外堀固めは重要なんだぞ?」
なのに大葉はいっかな悪びれた様子もなくククッと笑うと、余りのことにハクハクと口を開け閉めするしか出来ない羽理を残してキッチンへ戻ってしまった。
身動きのままならない羽理が、恨めし気に呆然と見つめる先、大葉は電子レンジから温めたまま放置していたミートボールを取り出すと、弁当箱に詰めて「よし」とつぶやいた。
どうやら弁当が完成したらしい。
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「待たせたな、朝食にしよう」
大葉がトレイに美味しそうなオムライスと湯気のくゆるマグカップを載せてリビングへ戻って来た時、羽理は未だにムゥーッと唇を突き出して拗ねっ子モードのままだった。
それを見て、大葉は(ホント可愛いな、こいつ)と思ったのだけれど、今そんなことを言えば揶揄っていると余計に怒らせてしまいそうだったので、言わずにおいた。
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