【本文非公開】そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜

鷹槻れん

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■特典①『羽の生えたうさぎ』

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 その言葉に着衣を見たけれど、そんなに乱れてない。
 強いて言えば、一番上のボタンとコサージュ付きタイが緩められてることくらい。
 でもこれ、気絶したことを思えば処置としては許容範囲内……だよ、ね?


「よ、頼綱よりつなはそんなことしないものっ」

 それを直しながらそう言ったら、小さく微笑まれた。

 その笑顔がすごくかっこよくて、今更のように「ホテルの部屋に異性よりつなとふたりきり」と言う言葉が頭をぐるぐる回り始める。

「まぁそれはそうだけど。キミは何故そう思うの?」

 ベッドに腰掛けてきた頼綱に、あごをすくい上げられる。


 いやん! 変にドキドキするからやめてっ。

 
「よっ、頼綱はっ。私が怒ったり慌てたりする反応を見るのを、た、楽しむタイプだもの。意識のない私じゃ、面白く感じないはずだわっ!」

 ソワソワしながらしどろもどろに言ったら、ニヤリと微笑わらわれた。


「よく分かってるね、花々里かがり。そう、こんな風に、ね……」


 言って、親指の腹で唇をなぞられて、小さくり開かされる。

 頼綱の指先が歯列に触れたのが分かって、身体に力が入ってしまう。


が何かするたび、キミが過剰なくらい反応してくれるのを見るのが、はたまらなく好きなんだ。――その先の反応が知りたくて、ゾクゾクする」

「そ、その先の反応なんて……っ」

 口に何か入ってきたら噛み付くくらいしか思いつかない……。
 唇に触れる頼綱よりつなの手をギュッと握って、その動きを封じる。

 そうしたまま、私はソワソワしながらあちこちに視線を泳がせた。


 今更のように自分が今いるベッドはキングサイズの大きなものだと気が付いてドキッとした。

 えっと……このお部屋。

 もしかして、私が倒れちゃったから急遽押さえた、とかではなく予め取ってあったりしましたか?
 ベッドがひとつしかないように見えるのは……気のせいでしょうか?
 あ、もしかしたらもう一部屋、別室が押さえてあったりします……か?

 き、きっとそうですよね?

 うん、仮にそうだとして。
 多分ここは頼綱用のお部屋で……私には別にもう少し庶民的な小さなお部屋が取ってあるんだと思います。思うことに決めました。

 そうでも思わないとやってられない危険なシチュエーションなんだもの。



 頼綱の手を押さえたまま、彼の背中越しの景色に目を凝らせば、向こうのほうにリビングとおぼしき部屋も見えて。

 どうやらそちらにはダイニングテーブルもあるみたい。


 そうしてその上には……。
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