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*あなたに、キスのその先を。〜第二夜〜
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ギュッとつぶった目端に涙がじんわりとにじみます。
私がこんなに苦しくて痛いということは……修太郎さんもしんどいのではないでしょうか。
私はギュッと閉じていた目を恐る恐る開けると、涙で霞んだ視界に修太郎さんをとらえます。
「しゅ、たろぉさ、ん……っ」
一生懸命手を伸ばして、私にのしかかった状態で止まっておられる彼の名を呼ぶと、修太郎さんが優しくその手を握ってくださいました。
「日織……さっ、すみませんっ。痛い……です、よね?」
修太郎さん、何でそんな泣きそうな顔で尋ねていらっしゃる、の?
もしかして修太郎さんも、泣くほど……痛いのでしょうか?
そう思うと、申し訳ない気持ちで一杯になります。私は修太郎さんを泣かせたいわけではないのにっ。
痛いのは確かですが、修太郎さんが動かずにじっとしていてくださるので、彼が隘路を塞いでいる痛みや違和感に少しずつ身体が馴染んできているように感じています。
「わた、しは……大、丈夫なのです……。修太郎さ、んこそ、お辛い、のでは……ない、で、す……か?」
私が彼を締めつけすぎているせいで、痛い思いをさせてしまっているのではないかと……不安でたまりません。
私が言葉を発するたび、修太郎さんが眉根を寄せて吐息を漏らされて。
私、やはり修太郎さんにしんどい思いをさせてしまっているのでしょうか。
「――っ、ごめ、なさっ」
力を抜いて差し上げられたらいいのですが、どうしたらいいのか分からないのですっ。本当に、……ごめんなさいっ。
修太郎さんの頬に触れながら謝罪の言葉をつむいだら、彼はゆるゆると首を横に振っていらっしゃいます。
「ち、違うんです、ひお、りさんっ。アナタがしんどいのにすみせんっ。僕はっ、日織さんの中がただただ心地よ、すぎて……い、――今すぐにでも達ってしまいそうなのを堪えるのに、必死なだけ……なんです」
まさかの告白に、私は驚いて瞳を見開きました。
私の中が……心地よい……?
はわわっ。嬉しすぎて顔がにやけそうですっ!
そんなことを言われたら、痛いのなんてどこかへ飛んでいってしまいますっ。
「本当、……ですか?」
修太郎さんの頬をそっと撫でながら問いかけると、修太郎さんがその手を包み込むようにして頷いてくださいました。
「すごく、うれしい、です……」
もう一方の手を修太郎さんの首に回すと、私は彼をギュッと抱きしめました。
「修太郎さん、私、もう、大丈夫……ですので……その……う、動いて……いらしても……」
抱き寄せた修太郎さんの耳元で小さくそうつぶやいたら、私の中に埋められた修太郎さんがピクッと反応なさったのを感じました。
「……んっ」
その気配に思わず声が漏れて、私自身びっくりします。
まだ下肢はジンジンとした痺れるような違和感を訴えていて、正直修太郎さんが動いていらしたら痛いかも、とも思います。
でも、私、案外その……痛いのが嫌ではないかも、とか思ったりもして。
あっ、ち、違いますっ。痛いのは嫌なのですが……その……修太郎さんがそれで気持ちよくなられるのでしたら、という前提つきなのですっ。
べ、別に叩かれたいとか、そういう願望とは違うのですっ。
私で……修太郎さんが感じてくださるのでしたら、痛みを我慢する意味があるというか……それ以上の価値があるというか……つ、つまりはそういうことでっ。
私がこんなに苦しくて痛いということは……修太郎さんもしんどいのではないでしょうか。
私はギュッと閉じていた目を恐る恐る開けると、涙で霞んだ視界に修太郎さんをとらえます。
「しゅ、たろぉさ、ん……っ」
一生懸命手を伸ばして、私にのしかかった状態で止まっておられる彼の名を呼ぶと、修太郎さんが優しくその手を握ってくださいました。
「日織……さっ、すみませんっ。痛い……です、よね?」
修太郎さん、何でそんな泣きそうな顔で尋ねていらっしゃる、の?
もしかして修太郎さんも、泣くほど……痛いのでしょうか?
そう思うと、申し訳ない気持ちで一杯になります。私は修太郎さんを泣かせたいわけではないのにっ。
痛いのは確かですが、修太郎さんが動かずにじっとしていてくださるので、彼が隘路を塞いでいる痛みや違和感に少しずつ身体が馴染んできているように感じています。
「わた、しは……大、丈夫なのです……。修太郎さ、んこそ、お辛い、のでは……ない、で、す……か?」
私が彼を締めつけすぎているせいで、痛い思いをさせてしまっているのではないかと……不安でたまりません。
私が言葉を発するたび、修太郎さんが眉根を寄せて吐息を漏らされて。
私、やはり修太郎さんにしんどい思いをさせてしまっているのでしょうか。
「――っ、ごめ、なさっ」
力を抜いて差し上げられたらいいのですが、どうしたらいいのか分からないのですっ。本当に、……ごめんなさいっ。
修太郎さんの頬に触れながら謝罪の言葉をつむいだら、彼はゆるゆると首を横に振っていらっしゃいます。
「ち、違うんです、ひお、りさんっ。アナタがしんどいのにすみせんっ。僕はっ、日織さんの中がただただ心地よ、すぎて……い、――今すぐにでも達ってしまいそうなのを堪えるのに、必死なだけ……なんです」
まさかの告白に、私は驚いて瞳を見開きました。
私の中が……心地よい……?
はわわっ。嬉しすぎて顔がにやけそうですっ!
そんなことを言われたら、痛いのなんてどこかへ飛んでいってしまいますっ。
「本当、……ですか?」
修太郎さんの頬をそっと撫でながら問いかけると、修太郎さんがその手を包み込むようにして頷いてくださいました。
「すごく、うれしい、です……」
もう一方の手を修太郎さんの首に回すと、私は彼をギュッと抱きしめました。
「修太郎さん、私、もう、大丈夫……ですので……その……う、動いて……いらしても……」
抱き寄せた修太郎さんの耳元で小さくそうつぶやいたら、私の中に埋められた修太郎さんがピクッと反応なさったのを感じました。
「……んっ」
その気配に思わず声が漏れて、私自身びっくりします。
まだ下肢はジンジンとした痺れるような違和感を訴えていて、正直修太郎さんが動いていらしたら痛いかも、とも思います。
でも、私、案外その……痛いのが嫌ではないかも、とか思ったりもして。
あっ、ち、違いますっ。痛いのは嫌なのですが……その……修太郎さんがそれで気持ちよくなられるのでしたら、という前提つきなのですっ。
べ、別に叩かれたいとか、そういう願望とは違うのですっ。
私で……修太郎さんが感じてくださるのでしたら、痛みを我慢する意味があるというか……それ以上の価値があるというか……つ、つまりはそういうことでっ。
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