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第88話 封印
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賢者が倒れたことで一瞬の隙を突かれ、
バルガスを城へ送られてしまった。
そしてクレアは賢者に駆け寄っていて戦いどころではない。
ユーリとアリスは引き続きシンを狙う。
「っく…」
身体強化を施したアリスが高速で攻撃を繰り出し、更にユーリも氷魔法で追撃する。
戦況は圧倒的に有利なように見えた。
しかし一瞬だけ氷魔法の発動が遅れた隙に転移魔法を発動されてしまう。
不敵な笑みを浮かべながら、
シンの隣にゲートが発生した。
「今日のところは僕の負けだが、
きっとバルガスが王女を喰うよ」
シンは旧魔法学園から忽然と姿を消した
ユーリはこの瞬間、シンを倒せなかったことを激しく後悔する。
「く、クレア…」
「し、師匠…」
賢者の手を握り瞳に涙が溢れるクレア。
深い傷に動揺してしまい最善の策が浮かばないでいた。
「あの………」
そんな時にアリスが口を開いたのだ。
そしてその場にいた全員がアリスの言葉に耳を傾けていく…
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ルミナス城、訓練場で激闘は継続する。
剣聖セシルを倒したかと思いきや休む暇もなく四天王バルガスが現れた。
「覇王か、これは運が良い…」
覇王が魔王軍にとって脅威のスキルだということは認知されている。
だからこそバルガスは覇王を何としても獲得し四天王の勢力争いに勝利したい。
「クリス、何か様子がおかしい…」
シャルロットが指摘したのは、バルガスの奇妙な痙攣だった。
この症状の答えをひたすら考えた結果いつも顔を合わせる人物を思い出した。
「あ、アリスの雷魔法か」
雷魔法の麻痺が解けていないと推測した。
少なくとも動きが鈍くなっているのであれば今すぐに攻撃を仕掛けるのが最も効果的だと判断した。
クリスは即座に身体強化を施して駆け抜けていく。
それを見たバルガスはスキルを出せず苛立ちを見せた。
「クソ、こんな時に限って…」
硬質化を使いクリスの攻撃を凌いでいるが、
この戦況ではまさに圧倒的な実力で押していると言えた。
「時間がない、早くしなければ…
何かが起こる予感がする…」
そしてこの瞬間、【何者か分からない誰か】から明確な呼びかけを受ける。
「ここで魔力を送らないと、
必ず後悔する?」
そう呼びかけられたクリスは過去、素直に従って命を救われた経験があったのを思い出す。
そして今回もその言葉を信じてみることにした。
クリスは神速スキルでバルガスの背後に回り魔力を送り込む。
「な、何だと?」
予想外の行動にバルガスは判断が遅れる。
クリスは麻痺が解けたあとの危機を察知し全力で攻撃しているが、その最中で信じられない光景を見る。
「う、嘘だろ…」
すると倒れていたはずのセシルがゆっくりと起き上がったのだ。
深い傷を負っており瀕死の重体のはずだが、先程と変わらない表情をしている。
「起きたか、セシルよ」
セシルは瀕死の重体から回復してみせた。
まさにルミナスの最強と謳われただけに、
そう簡単には勝ちを譲ってくれない。
怪しく笑みを浮かべながらクリスを見つめるセシル。
しかしバルガスは予想外の言葉を口にする。
「セシルよ、退け!
麻痺が解けたら、あのスキルを使う…」
セシルはその言葉に驚き目を見開くが寂しげな表情に変わる。
「クリス、貴方との戦い素敵だったわ…
残念だけど、ここでお別れよ。
まだ正体を明かせないの…」
セシルはそのように口にすると吹き抜けになっている訓練施設の壁や建物を足場に脱出していく。
「さて、ついに麻痺が解けたぞ…」
バルガスが怪しく笑みを浮かべる。
そして背中に固定していた鉤爪とも呼ばれるクローを腕に装備した。
鋭く長い爪は一度突き刺さると致命傷になりそうな予感がしてしまう。
「無力な自分を悔やんで死ね」
「封印魔法でな」
バルガスがそう言い放つと、
その場にいる全員は異常を調べていく。
「な、何が起きている?」
シャルロットは何が起きているか分からなかったが、クリスを見ると異常の正体を認識した。
「く、クリス…
お前…」
魔法やスキルが使えなくなる封印魔法。
術者も対象となるためバルガスも使えない。
そして封印された影響でクリスは子供の姿に戻り、聖剣も輝きを失ってしまった。
「な、なんだと…」
クリスはここに来て全ての力を封印されるとは思わなかった。
何しろスキルを封印されてしまうと普通の12歳の少年に他ならない。
「ふはははは
覇王の正体がこんなガキとはな」
バルガスは勝利を確信し憎たらしい笑い声をあげる。
そしてクリスの力を奪えると踏んだバルガスは、歪んだ笑みで溢れている。
「さぁ、覇王の力は頂いた!」
急速に迫ってくるバルガス…
身体強化を使っていないため移動速度は速くない。
しかし子供の身体能力もたかが知れている。
「く、クリス、逃げて!」
シャルロットが大声で張り叫ぶ。
スキルが使えない状態でバルガスに捕まれば即座に殺されてしまう。
そして今まさに人生最大の危機とも言える状況でこの場に新たな人物が現れる。
「お、お前は…」
クリスはその人物を知っている。
十年間クリスを想い続けたユーリのように、人間界でも同じ歳月をかけて、
バルガスを憎しみ続けた人物。
「サリー」
バルガスが城に現れると踏んでいたサリー。
愛する家族をバルガスに喰われ、
守れなかった日を悔やみ続けきた。
そして亡くなった家族のために復讐を果たすと心に誓っている。
その研ぎ澄まされた牙はバルガスに向かっていく。
バルガスを城へ送られてしまった。
そしてクレアは賢者に駆け寄っていて戦いどころではない。
ユーリとアリスは引き続きシンを狙う。
「っく…」
身体強化を施したアリスが高速で攻撃を繰り出し、更にユーリも氷魔法で追撃する。
戦況は圧倒的に有利なように見えた。
しかし一瞬だけ氷魔法の発動が遅れた隙に転移魔法を発動されてしまう。
不敵な笑みを浮かべながら、
シンの隣にゲートが発生した。
「今日のところは僕の負けだが、
きっとバルガスが王女を喰うよ」
シンは旧魔法学園から忽然と姿を消した
ユーリはこの瞬間、シンを倒せなかったことを激しく後悔する。
「く、クレア…」
「し、師匠…」
賢者の手を握り瞳に涙が溢れるクレア。
深い傷に動揺してしまい最善の策が浮かばないでいた。
「あの………」
そんな時にアリスが口を開いたのだ。
そしてその場にいた全員がアリスの言葉に耳を傾けていく…
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ルミナス城、訓練場で激闘は継続する。
剣聖セシルを倒したかと思いきや休む暇もなく四天王バルガスが現れた。
「覇王か、これは運が良い…」
覇王が魔王軍にとって脅威のスキルだということは認知されている。
だからこそバルガスは覇王を何としても獲得し四天王の勢力争いに勝利したい。
「クリス、何か様子がおかしい…」
シャルロットが指摘したのは、バルガスの奇妙な痙攣だった。
この症状の答えをひたすら考えた結果いつも顔を合わせる人物を思い出した。
「あ、アリスの雷魔法か」
雷魔法の麻痺が解けていないと推測した。
少なくとも動きが鈍くなっているのであれば今すぐに攻撃を仕掛けるのが最も効果的だと判断した。
クリスは即座に身体強化を施して駆け抜けていく。
それを見たバルガスはスキルを出せず苛立ちを見せた。
「クソ、こんな時に限って…」
硬質化を使いクリスの攻撃を凌いでいるが、
この戦況ではまさに圧倒的な実力で押していると言えた。
「時間がない、早くしなければ…
何かが起こる予感がする…」
そしてこの瞬間、【何者か分からない誰か】から明確な呼びかけを受ける。
「ここで魔力を送らないと、
必ず後悔する?」
そう呼びかけられたクリスは過去、素直に従って命を救われた経験があったのを思い出す。
そして今回もその言葉を信じてみることにした。
クリスは神速スキルでバルガスの背後に回り魔力を送り込む。
「な、何だと?」
予想外の行動にバルガスは判断が遅れる。
クリスは麻痺が解けたあとの危機を察知し全力で攻撃しているが、その最中で信じられない光景を見る。
「う、嘘だろ…」
すると倒れていたはずのセシルがゆっくりと起き上がったのだ。
深い傷を負っており瀕死の重体のはずだが、先程と変わらない表情をしている。
「起きたか、セシルよ」
セシルは瀕死の重体から回復してみせた。
まさにルミナスの最強と謳われただけに、
そう簡単には勝ちを譲ってくれない。
怪しく笑みを浮かべながらクリスを見つめるセシル。
しかしバルガスは予想外の言葉を口にする。
「セシルよ、退け!
麻痺が解けたら、あのスキルを使う…」
セシルはその言葉に驚き目を見開くが寂しげな表情に変わる。
「クリス、貴方との戦い素敵だったわ…
残念だけど、ここでお別れよ。
まだ正体を明かせないの…」
セシルはそのように口にすると吹き抜けになっている訓練施設の壁や建物を足場に脱出していく。
「さて、ついに麻痺が解けたぞ…」
バルガスが怪しく笑みを浮かべる。
そして背中に固定していた鉤爪とも呼ばれるクローを腕に装備した。
鋭く長い爪は一度突き刺さると致命傷になりそうな予感がしてしまう。
「無力な自分を悔やんで死ね」
「封印魔法でな」
バルガスがそう言い放つと、
その場にいる全員は異常を調べていく。
「な、何が起きている?」
シャルロットは何が起きているか分からなかったが、クリスを見ると異常の正体を認識した。
「く、クリス…
お前…」
魔法やスキルが使えなくなる封印魔法。
術者も対象となるためバルガスも使えない。
そして封印された影響でクリスは子供の姿に戻り、聖剣も輝きを失ってしまった。
「な、なんだと…」
クリスはここに来て全ての力を封印されるとは思わなかった。
何しろスキルを封印されてしまうと普通の12歳の少年に他ならない。
「ふはははは
覇王の正体がこんなガキとはな」
バルガスは勝利を確信し憎たらしい笑い声をあげる。
そしてクリスの力を奪えると踏んだバルガスは、歪んだ笑みで溢れている。
「さぁ、覇王の力は頂いた!」
急速に迫ってくるバルガス…
身体強化を使っていないため移動速度は速くない。
しかし子供の身体能力もたかが知れている。
「く、クリス、逃げて!」
シャルロットが大声で張り叫ぶ。
スキルが使えない状態でバルガスに捕まれば即座に殺されてしまう。
そして今まさに人生最大の危機とも言える状況でこの場に新たな人物が現れる。
「お、お前は…」
クリスはその人物を知っている。
十年間クリスを想い続けたユーリのように、人間界でも同じ歳月をかけて、
バルガスを憎しみ続けた人物。
「サリー」
バルガスが城に現れると踏んでいたサリー。
愛する家族をバルガスに喰われ、
守れなかった日を悔やみ続けきた。
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その研ぎ澄まされた牙はバルガスに向かっていく。
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