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2章 ドラクル伯爵の野望
人魚と密猟者
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子供たち四人はいっせいに散っていきます。すると、あまり人の来ないところを探していたエルニスは、岩場で、金色に光る小さなハープを見つけたのです。エルニスはその小さなハープを拾い上げ、真っ先に人魚の元にかけよってきたのです。
「まぁ!それこそまさに、私の竪琴・・・!ありがとうございました!」
人魚がうれしそうな様子で竪琴を受け取ると、後ろからサングラスを着用したガラの悪そうな男二人が声をかけました。
「おお!行方不明になった人魚がこんなところにいたぜ!」
「しかも、竪琴も見つけてくれたのか!?ありがとうよ!」シャノンたちは声のした方を振り向きます。
「まさか、あなたたちがこの人魚を・・・!?」
「そうさ!実在が疑問視されていた人魚を捕まえて、マモン財閥に売り飛ばせば大金持ちだ!」
「それに、人魚の竪琴も、闇マーケットに持っていけば、高く売れるしな!」男たちはゲラゲラと下品な笑い声をあげると、麻里子はハッとします。
「そうか、アンタたちは密猟者ね!?いるのよ!こういう輩は!珍しい異種族を捕まえて、見世物にしたり、異種族由来の物を強奪して金儲けをする奴らが!」シャノンは密猟者の前に立ちはだかります。
「そんな奴らなんかに、彼女は渡さない!帰って!」シャノンは爪を伸ばして構えると、子供たちもおどり出ました。
「みんな!人魚さんを守るぞ!」エルニスの号令で、子供たちは石や砂を密猟者の顔面に投げつけまくります。予想以上の激しさに、密猟者たちはたまらず退散しました。
「やったー!悪い奴らから人魚さんを守ったぞー!」子供たちが勝利の雄たけびを上げていると、人魚はシャノンたちに向き合ってお礼を言います。
「皆さん、ありがとうございました。お礼に、これを差し上げます」人魚は透明な青い石のかけらをシャノンに手渡します。
「これは、願いをかなえるとされる石のかけらの一つです、これと同じようなかけらを四つそろえると、どんな願いもかなうと言われています」それを聞いた麻里子はハッとします。
「それって・・・!?」人魚は静かに海に帰っていくと、オレンジ色に染まりかけた夏空に、人魚の澄んだ歌声が響きわたったのです。
夜になり、みんながホテルに帰ると、同室のベッドで寝息を立てているシャノンを見て麻里子が言いました。
「さすがのシャノンも、あれだけの事があって疲れたみたいね・・・」麻里子が自分のベッドに入ろうとすると、テーブルに置いてあった手紙に目が止まりました。
麻里子は、一人で手紙を持ってホテルの裏に来ると、そこには黒いローブととんがり帽子をかぶった金髪の魔法使いの青年が立っていました。
「待っていたよ、麻里子さん」
「あなたは誰?私を呼び出して何をするの?」
「ぼくはブライアン、『バラ十字団』の団長さ」それを聞いた麻里子はハッとしました。
「『バラ十字団』!?あの魔法使いたちの秘密結社・・・!?」
「その通り!今日、海水浴場で君が魔法で人魚を救ったのを見ていたのさ、君の実力は素晴らしい、どうか、ぼくたちの同志になって欲しいんだ、魔法族の独立を勝ち取るために!」それを聞いた麻里子は驚きます。
「魔法族の独立ですって!?」
「そう、君は知っているはずだ、我々、魔法族は教会をはじめ、人間どもから目の敵にされてきたことを・・・!」それを聞いた麻里子はハッとしました。
「・・・心当たりがあるだろう?それに、君は十分わかっているはずだ、人間は自分の欲のためなら、平気で他人を傷つける醜い種族だ!あの人魚を捕まえようとした密猟者はその典型だ!」それに、麻里子は言い返すことができません。
「否定しないんだね・・・?だったら話は早い、君のような優秀な魔法使いは大歓迎さ、悪いようにはしない・・・!
それに、同志になれば、君の一番の願いをかなえてあげるよ」麻里子はシャノンたちの事を思いながらも、ブライアンの手を取りました。
「・・・よろしく」
「まぁ!それこそまさに、私の竪琴・・・!ありがとうございました!」
人魚がうれしそうな様子で竪琴を受け取ると、後ろからサングラスを着用したガラの悪そうな男二人が声をかけました。
「おお!行方不明になった人魚がこんなところにいたぜ!」
「しかも、竪琴も見つけてくれたのか!?ありがとうよ!」シャノンたちは声のした方を振り向きます。
「まさか、あなたたちがこの人魚を・・・!?」
「そうさ!実在が疑問視されていた人魚を捕まえて、マモン財閥に売り飛ばせば大金持ちだ!」
「それに、人魚の竪琴も、闇マーケットに持っていけば、高く売れるしな!」男たちはゲラゲラと下品な笑い声をあげると、麻里子はハッとします。
「そうか、アンタたちは密猟者ね!?いるのよ!こういう輩は!珍しい異種族を捕まえて、見世物にしたり、異種族由来の物を強奪して金儲けをする奴らが!」シャノンは密猟者の前に立ちはだかります。
「そんな奴らなんかに、彼女は渡さない!帰って!」シャノンは爪を伸ばして構えると、子供たちもおどり出ました。
「みんな!人魚さんを守るぞ!」エルニスの号令で、子供たちは石や砂を密猟者の顔面に投げつけまくります。予想以上の激しさに、密猟者たちはたまらず退散しました。
「やったー!悪い奴らから人魚さんを守ったぞー!」子供たちが勝利の雄たけびを上げていると、人魚はシャノンたちに向き合ってお礼を言います。
「皆さん、ありがとうございました。お礼に、これを差し上げます」人魚は透明な青い石のかけらをシャノンに手渡します。
「これは、願いをかなえるとされる石のかけらの一つです、これと同じようなかけらを四つそろえると、どんな願いもかなうと言われています」それを聞いた麻里子はハッとします。
「それって・・・!?」人魚は静かに海に帰っていくと、オレンジ色に染まりかけた夏空に、人魚の澄んだ歌声が響きわたったのです。
夜になり、みんながホテルに帰ると、同室のベッドで寝息を立てているシャノンを見て麻里子が言いました。
「さすがのシャノンも、あれだけの事があって疲れたみたいね・・・」麻里子が自分のベッドに入ろうとすると、テーブルに置いてあった手紙に目が止まりました。
麻里子は、一人で手紙を持ってホテルの裏に来ると、そこには黒いローブととんがり帽子をかぶった金髪の魔法使いの青年が立っていました。
「待っていたよ、麻里子さん」
「あなたは誰?私を呼び出して何をするの?」
「ぼくはブライアン、『バラ十字団』の団長さ」それを聞いた麻里子はハッとしました。
「『バラ十字団』!?あの魔法使いたちの秘密結社・・・!?」
「その通り!今日、海水浴場で君が魔法で人魚を救ったのを見ていたのさ、君の実力は素晴らしい、どうか、ぼくたちの同志になって欲しいんだ、魔法族の独立を勝ち取るために!」それを聞いた麻里子は驚きます。
「魔法族の独立ですって!?」
「そう、君は知っているはずだ、我々、魔法族は教会をはじめ、人間どもから目の敵にされてきたことを・・・!」それを聞いた麻里子はハッとしました。
「・・・心当たりがあるだろう?それに、君は十分わかっているはずだ、人間は自分の欲のためなら、平気で他人を傷つける醜い種族だ!あの人魚を捕まえようとした密猟者はその典型だ!」それに、麻里子は言い返すことができません。
「否定しないんだね・・・?だったら話は早い、君のような優秀な魔法使いは大歓迎さ、悪いようにはしない・・・!
それに、同志になれば、君の一番の願いをかなえてあげるよ」麻里子はシャノンたちの事を思いながらも、ブライアンの手を取りました。
「・・・よろしく」
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