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後編
しおりを挟む私は夫を愛している。
夫も私を愛してくれている。
彼となら、手を取り合って、きっと幸せな未来へと歩んでゆけることだろう。
リーデフィッテに執着していなくて良かった――今、強くそう思う。
ああ、そうだ、これは噂で聞いた話だが。
義妹はリーデフィッテと結婚して間もなく呪いのような奇病にかかり顔面が少しも動かせない状態となってしまったそうだ。
そんな彼女をリーデフィッテは大事にはしなくて。
こんな弱々しい壊れた女は愛せない、そう言って、彼は全力で他の女との浮気を楽しむようになったそう。
義妹は結局誰からも愛されなくなってしまったのである。
彼女は今、一人寂しくベッドで寝ているだけだそう。
なんて悲しいこと。
なんて気の毒な。
でも自業自得。
彼女の行いが招いた結末、ただそれだけ。
◆
リーデフィッテと義妹の二度目の結婚記念日。
相変わらず変な意味でリーデフィッテは不倫相手と散歩していたところ崖から足を滑らせて数メートル下まで転落してしまい、即死したらしい。
ちなみに義妹は病気が進行しておりもう寝たきりで会話もままならない状態だそうだ。
普通であれば気の毒の思うところだろう。そんな悲劇に見舞われ、自由を奪われ、命すらも、と。謎の病に襲われるなんて実に悲しいことである。
けれども義妹の場合に関してだけは気の毒とは思わない。
彼女がどうなろうとも……どうでもいいことだし、何ならざまぁみろと思うくらいである。
◆終わり◆
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