異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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169 野球です 3

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  ここは、孤児院の庭です。

 一時的に野球のグラウンドになっています。
 手打ち野球の試合をしています。1回裏が終わりました。

 子供達は攻撃と守備を経験して、ある程度理解できたと思います。
 攻撃をする際は、どこをねらうのか。内野なのか外野なのか。走者がいる場合はどうするのか。
 守備をする際は、何に気をつけるのか。自分の守備範囲はどこまでなのか。どこに送球するのか。
 面白くなるのは、これからです。

*2回表

 四番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。ボールはセンター前でバウンドします。キャッチできません。
 ボールを追いかけて、1塁に送球します。

アンナ「セーフ」

 ノーアウト、1塁です。

 五番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球は右中間に落ちてバウンドします。
 ライトとセンターがボールを取りに向かいます。
 センターが拾って2塁に送球します。

アンナ「セーフ」

  ノーアウト、1塁、2塁です。

 六番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球はショートゴロです。
 ショートがキャッチして、3塁に送球します。

アンナ「アウト」

 1アウト、1塁、2塁です。

 7番打者が打席に入りました。小さい子です。
 守備陣が少し前に来ました。ちゃんと考えていますね。

 ぽん。

 打ちました。ボールはサードの頭上を越えました。
 レフト取りに向かいます。キャッチして3塁に送球します。

アンナ「セーフ」

 1アウト、満塁です。

 打者一巡いちじゅんして、打者はケン君です。打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。ライト前に落ちてバウンドします。ライトが取り、1塁に送球します。

アンナ「アウト」

 しかし走者を進めて、得点が入りました。

攻撃陣「やったー」

 1対1の同点になりました。

 2アウト、2塁、3塁です。

 次の打者はローラです。打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球は左中間に落ちて転がります。レフトとセンターが追います。

 走者がホームを踏み、得点が入りました。逆転です。

攻撃陣「やったー」

 ファーストの陽子さんはホームに着いて、次の得点走者を阻止そしします。

 2アウト、1塁、3塁です。

 3番打者が打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球はまた右中間に飛びます。しかしショートが空中でキャッチしました。

アンナ「アウト」

アンナ「スリーアウト、チェンジ」

 わたしはスコアボードに「2」と書き入れました。
 野球らしくなってきましたね。

 このあとも、白熱した試合が続きます。
 両チーム共、得点が入ります。


*    *    *


 試合は終盤になりました。
 手打ち野球にきて別の遊びをする子は、いません。

*5回裏

 メリーチームの攻撃です。

 3対3の同点です。

 2アウト、1塁、3塁です。陽子さんは1塁にいます。
 
 打者はリーダーのメリーさんです。打席に入りました。

 ぽん。

 打ちました。打球は3塁の真上を通過します。
 レフトが打球を追います。

アンナ「フェア」

 守備陣がホームに着きます。
 レフトの送球は・・・・・・間に合いません。
 走者は、ホームを踏みました。

アンナ「試合終了」

 4対3でメリーチームが勝ちました。勝ったチームは喜んでいます。
 負けたケンチームも満足そうな顔をしています。

ローラ「負けたけど、面白かったわ。手打ち野球」
アンナ「いい試合でした」

ケン 「もう一回、やろうぜ」
メリー「いいわよ」
アンナ「その前におやつにしましょう。皆さん、集まってください」

 天幕に子供達が集まってきました。

アンナ「皆さん、手を出してください。魔法できれいにします」

 子供達は手を出しました。

アンナ「クリーン」

 わたしはテーブルにバスケットを出しました。
 中にはマカロンとフィナンシェが入っています。

アンナ「手で取って食べてください。水分補給もしてください。」

 スポーツドリンクも補充しました。

アンナ「ローラと陽子さんも、お菓子どうぞ」
ローラ「陽子ちゃん、食べましょう」
陽子 「はい」

 わたしも、いただきます。

     *

 おやつが食べ終わりました。

アンナ「私たちは用事があるので、これで失礼します」
メリー「行っちゃうの?」
アンナ「はい・・・ここにある、天幕、イス、黒板、ボールなどは、孤児院に寄付します。
    自由に使ってください」
子供達「ありがとう」

 わたしは、ペットサークルだれを収納します。他はすべて寄付します。
 ローラは、マオをスリングに入れて、たすき掛けにしました。

アンナ「失礼します。また来ますね」
子供達「バイバイ」
子供達「またねー」

 私たちは、孤児院を後にしました。
 陽子さんには、まだ見せたいところがあります。



 私たちは歩いて次の場所に移動しました。
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