170 / 243
170 ワウラの教会 (別視点)
しおりを挟む
* 別視点 マリア side *
ここは、ワウラの街にある孤児院。
いま子供達に勉強を教えているのはマリア。孤児院の責任者である。
そしてマリアは教会の司祭でもある。
突然、部屋に神官が入ってきた。
* * *
神官 「司祭様、大変です。すぐ来てください」
マリア「どうしたのですか?」
神官 「急いでください」
マリア「しばらく自由時間にします」
私は、子供達にそう告げて、隣にある教会に向かいました。
神官は、かなり慌てています。一体何事でしょうか。
向かった先は礼拝堂です。
ああっ! 女神様!
女神様の像が光り輝いています。
私はすぐに女神様の像の前に跪き、頭を垂れました。
状況が理解できません。
礼拝堂には、数名の神官と助祭のエバ、多くの信者がいます。
みな祈りを捧げています。
なぜ女神様の像が光っているのでしょうか。
女神様は何かを告げられたのでしょうか。
神託、あるいは・・・・・・神罰でしょうか。
気になります。
*
以前に女神様の像が光ったのは1ヶ月以上前です。
その時は、アンナさんに対する狼藉が原因でした。
そして神罰がくだり、貴族は行方不明になりました。
危うく国が滅亡するところでした。
*
どれくらいの時間が経ったでしょうか。時間がとても長く感じます。
このままでは埒が明きません。事態を把握する必要があります。
私は覚悟を決めて、発言します。
マリア「女神様、お告げをお願いいたします」
・・・・・・・・・・
返答がありません。
私が来る前に、何かを告げられたのでしょうか。
私は、隣にいる助祭のエバに小さな声で質問をしました。
マリア「エバ、お告げはありましたか?」(小声)
エバ 「いいえ」(小声)
マリア「女神様は、いつから光っているのですか?」(小声)
エバ 「司祭様が来られる少し前からです」(小声)
女神様は、何をお考えなのでしょうか。
私は、恐る恐る顔を上げて女神像のお顔を拝見しました。
まさか、女神様は大変お怒りなのでは・・・
もうすでに神罰は始まっているのではないか・・・
この国が・・・この世界が滅びるのではないか・・・
私はどうすれば・・・女神様・・・ローラ様・・・め・が・み・さ・・・ま・・・
< 司祭マリアは失神して、その場に倒れた >
< 女神ローラはこのとき、隣の敷地で手打ち野球をしていた >
* * *
ここは? 応接室のソファー?
エバ 「司祭様、大丈夫ですか?」
マリア「私はどうなったのですか? 女神様は? お告げは?」
エバ 「司祭様は失神されました。女神様からのお告げはありません」
マリア「女神様の像は、どうなりましたか?」
エバ 「少し前に光りが収まりました」
マリア「礼拝堂に行きます。」
エバ 「私もご一緒します。お体、大丈夫ですか?」
マリア「大丈夫です」
寝ている場合ではありません。
女神様の前で失神するとは、なんたる失態、自分が情けないです。
*
私は礼拝堂に入りました。中では十数名の信者が、お祈りをしています。
私は女神様の像を見上げました。確かに光りは収まっています。
私は跪き、頭を垂れ、祈ります。
そして、先ほどの失態を心の中で謝罪しました。
*
お祈りをしている間、子供達の大きな声が聞こえます。
女神様の像が光っていたときも、子供達の声が聞こえていたような気がします。
子供達は、一体何をしているのでしょうか。
私は、お祈りを終えて、立ち上がりました。
マリア「子供達のところに行きます」
エバ 「ご一緒します」
*
孤児院の庭に行くと、子供達が遊んでいます。私の知らない遊びです。
あの天幕と黒板は、何かしら?
マリア「天幕と黒板はどうしたの?」
子供達「アンナさんにもらった」
マリア「アンナさんは、どこ?」
子供達「もういないよ。用事があるんだって」
マリア「アンナさんは、何をしに来たの?」
子供達「手打ち野球を教えてくれた」
マリア「今やっている遊びのこと?」
子供達「うん」
子供達「陽子さんとローラちゃん、すごかったよね」
陽子さん? ローラちゃん?
マリア「その二人はアンナさんと一緒に来たの?」
子供達「うん」
マリア「二人はどういう人かしら?」
子供達「陽子さんは・・・メイドさんかな」
子供達「ローラちゃんは5歳くらいの女の子」
マリア「その二人は街の人かしら?」
子供達「知らない」
陽子さんとローラちゃんは、アンナさんとどういう関係でしょうか。
アンナさんが人を連れて来たことはありません。
ローラちゃん? まさか・・・
女神様と名前が同じですが、偶然・・・よね。
ここは、ワウラの街にある孤児院。
いま子供達に勉強を教えているのはマリア。孤児院の責任者である。
そしてマリアは教会の司祭でもある。
突然、部屋に神官が入ってきた。
* * *
神官 「司祭様、大変です。すぐ来てください」
マリア「どうしたのですか?」
神官 「急いでください」
マリア「しばらく自由時間にします」
私は、子供達にそう告げて、隣にある教会に向かいました。
神官は、かなり慌てています。一体何事でしょうか。
向かった先は礼拝堂です。
ああっ! 女神様!
女神様の像が光り輝いています。
私はすぐに女神様の像の前に跪き、頭を垂れました。
状況が理解できません。
礼拝堂には、数名の神官と助祭のエバ、多くの信者がいます。
みな祈りを捧げています。
なぜ女神様の像が光っているのでしょうか。
女神様は何かを告げられたのでしょうか。
神託、あるいは・・・・・・神罰でしょうか。
気になります。
*
以前に女神様の像が光ったのは1ヶ月以上前です。
その時は、アンナさんに対する狼藉が原因でした。
そして神罰がくだり、貴族は行方不明になりました。
危うく国が滅亡するところでした。
*
どれくらいの時間が経ったでしょうか。時間がとても長く感じます。
このままでは埒が明きません。事態を把握する必要があります。
私は覚悟を決めて、発言します。
マリア「女神様、お告げをお願いいたします」
・・・・・・・・・・
返答がありません。
私が来る前に、何かを告げられたのでしょうか。
私は、隣にいる助祭のエバに小さな声で質問をしました。
マリア「エバ、お告げはありましたか?」(小声)
エバ 「いいえ」(小声)
マリア「女神様は、いつから光っているのですか?」(小声)
エバ 「司祭様が来られる少し前からです」(小声)
女神様は、何をお考えなのでしょうか。
私は、恐る恐る顔を上げて女神像のお顔を拝見しました。
まさか、女神様は大変お怒りなのでは・・・
もうすでに神罰は始まっているのではないか・・・
この国が・・・この世界が滅びるのではないか・・・
私はどうすれば・・・女神様・・・ローラ様・・・め・が・み・さ・・・ま・・・
< 司祭マリアは失神して、その場に倒れた >
< 女神ローラはこのとき、隣の敷地で手打ち野球をしていた >
* * *
ここは? 応接室のソファー?
エバ 「司祭様、大丈夫ですか?」
マリア「私はどうなったのですか? 女神様は? お告げは?」
エバ 「司祭様は失神されました。女神様からのお告げはありません」
マリア「女神様の像は、どうなりましたか?」
エバ 「少し前に光りが収まりました」
マリア「礼拝堂に行きます。」
エバ 「私もご一緒します。お体、大丈夫ですか?」
マリア「大丈夫です」
寝ている場合ではありません。
女神様の前で失神するとは、なんたる失態、自分が情けないです。
*
私は礼拝堂に入りました。中では十数名の信者が、お祈りをしています。
私は女神様の像を見上げました。確かに光りは収まっています。
私は跪き、頭を垂れ、祈ります。
そして、先ほどの失態を心の中で謝罪しました。
*
お祈りをしている間、子供達の大きな声が聞こえます。
女神様の像が光っていたときも、子供達の声が聞こえていたような気がします。
子供達は、一体何をしているのでしょうか。
私は、お祈りを終えて、立ち上がりました。
マリア「子供達のところに行きます」
エバ 「ご一緒します」
*
孤児院の庭に行くと、子供達が遊んでいます。私の知らない遊びです。
あの天幕と黒板は、何かしら?
マリア「天幕と黒板はどうしたの?」
子供達「アンナさんにもらった」
マリア「アンナさんは、どこ?」
子供達「もういないよ。用事があるんだって」
マリア「アンナさんは、何をしに来たの?」
子供達「手打ち野球を教えてくれた」
マリア「今やっている遊びのこと?」
子供達「うん」
子供達「陽子さんとローラちゃん、すごかったよね」
陽子さん? ローラちゃん?
マリア「その二人はアンナさんと一緒に来たの?」
子供達「うん」
マリア「二人はどういう人かしら?」
子供達「陽子さんは・・・メイドさんかな」
子供達「ローラちゃんは5歳くらいの女の子」
マリア「その二人は街の人かしら?」
子供達「知らない」
陽子さんとローラちゃんは、アンナさんとどういう関係でしょうか。
アンナさんが人を連れて来たことはありません。
ローラちゃん? まさか・・・
女神様と名前が同じですが、偶然・・・よね。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

烙印騎士と四十四番目の神
赤星 治
ファンタジー
生前、神官の策に嵌り王命で処刑された第三騎士団長・ジェイク=シュバルトは、意図せず転生してしまう。
ジェイクを転生させた女神・ベルメアから、神昇格試練の話を聞かされるのだが、理解の追いつかない状況でベルメアが絶望してしまう蛮行を繰り広げる。
神官への恨みを晴らす事を目的とするジェイクと、試練達成を決意するベルメア。
一人と一柱の前途多難、堅忍不抜の物語。
【【低閲覧数覚悟の報告!!!】】
本作は、異世界転生ものではありますが、
・転生先で順風満帆ライフ
・楽々難所攻略
・主人公ハーレム展開
・序盤から最強設定
・RPGで登場する定番モンスターはいない
といった上記の異世界転生モノ設定はございませんのでご了承ください。
※【訂正】二週間に数話投稿に変更致しましたm(_ _)m
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる