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1章
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「…ん」
身体が熱い。下半身が疼いてもどかしい。
なんだろう、溜まっているのかな…。
ふと、双眸を開くと、見知らぬ天井がある。
「ここは…」
今までの出来事を整理してみる。が、あいにく記憶の一部がない。
ここがどこだか、検討がつかない。
大きなベッドに生活感のない部屋。
どこかのホテルだろうか。
枕許にはティッシュ箱。それからコンドームがどーんと置いてあった。
「こ、近藤さん…!な、なんでこんなところに…」
使ったこともなければ、あまりお目にかかれないコンドームをまじまじと見てしまう。
可愛い鈴のイメージじゃない!ってえろ本も、剛や友達は見せてくれないけど、俺だって好きな人とやることには興味はあるわけで…。ごくごく、普通な高校生なわけで。
でも、なんで自分はこんな所に? と真横を見ればそこにはコンドームを超える衝撃。
大人の玩具グッズが大量に置いてあった。
バイブから、手錠、鞭や蝋燭まで。
何ここ。怖い。
俺、拉致でもされちゃったの?誘拐?
「…うう…兄ちゃ~ん」
ジワリと恐怖から涙が浮かんでくる。
って、こんな泣いている暇はない。
誘拐犯がいるのなら、早く逃げなくちゃ。
このままここにいたら危ない。
急いでベッドから降りようと、布団を跳ね除ける。と…
「鈴、起きたかい?具合はどう?」
聞き慣れた声。この声は…
「…隼人さん…?」
「うん。そう。どうしたの?怖がらせちゃったかな。」
優しく微笑んで、俺の頭を撫でて隼人さんは俺の隣に腰を下ろした。
「気分はどう?まだ、辛い?」
「だい…丈夫。あの…」
「ん?」
「……此処は?」
「ああ~ラブホだよ」
ラブホかぁ。
って、ラブホ?
隼人さんと二人で、今ラブホにいるってこと?
「な、なんで…」
「鈴、お酒飲んだの覚えているかい?
連れて帰る途中に具合悪いって鈴がつらそうだったから、急遽此処に入ったんだよ」
そうか。確かに透明な液体飲んでいい気分になって…それ以降の記憶がない。
俺、隼人さんにへんなこと言ったりしてないだろうか。
「…ごめんなさい、俺、粗相しなかった?」
「ふふ、どうかな…」
「ええ…」
「可愛かったよ。泣いて離してくれず、ぎゅってしてって。離れちゃやだ、ってね」
---そんな、俺、何してんの。酔ってることをいいことに。
ラブホに隼人さんを連れてくるなんて。
隼人さん、迷惑してるだろうな。
ただでさえ、俺、子供扱いされているのに。
酔っ払って駄々こねてラブホで介抱してもらうなんて。
「私と一緒でがっかりした?
もっと綺麗なお姉さんと一緒にいたかった?」
「そんな…こと…」
「ねぇ、鈴。ここが恋人同士で何するところか、鈴は知ってる?」
何するところって、そりゃぁ…
「え、エッチ…でしょ。
俺だって、それくらい知ってるよ。高校生なんだから…
可愛い鈴ちゃんなだけじゃないんだよ」
誰かときたことはないけど。
「そう。もう鈴も高校生になんだね…」
「そうだよ。もう子供じゃないんだから」
そう、子供じゃないんだよ。
エッチだって知ってるし、男同士でどうやるかだって、ちゃんと知ってるんだよ。
それでもって、俺は、隼人さんとしたいなんて思ってるんだよ。
恋人同士みたいなことを。
他でもない、隼人さんとやりたいな…って思っているんだよ。
「俺は、ちゃんと、大人なんだよ…。隼人さん」
俺、へんなこと言ってる。
でも一度出た言葉は取り消すことができなくて。
「俺、隼人さんと、エッチしたい…」
気づいたら俺は、熱に浮かされたようにそんな言葉を呟いていた。
「鈴、嬉しいよ…。でもね、こういうのは、好きな人と…」
やんわりと断る隼人さんは、いやになるくらいいつもどおり。
感情顕にしているのは、俺だけだ。
隼人さんはまだ、子供扱いして、俺の告白を流そうとしている。
「俺、隼人さんが好きだもん。お嫁さんにして欲しいって思うくらい好きなんだもん。
愛してるんだもん」
冗談になんて、されたくないよ。
俺、本気なんだよ。
どうして、好きって言っても気持ちが伝わらないんだ。
冗談にされて、涙腺が緩む。
こんなことで泣きそうになるなんて、子供だって呆れられる。
急いで涙を拭おうとする手を、隼人さんに掴まれた。
「鈴…、悪い子だね…。大人をからかうなんて…。
理性なんてなくして、私も悪い大人になってしまいそうだ…」
「隼人さん?」
「悪い狼にそんなこと言ってると…、ただじゃすまなくなるよ?…たとえば…」
「んっ…」
隼人さんの唇が、俺の唇を塞ぐ。
はじめてのキスは軽いものじゃなくて、隼人さんの舌は激しく俺の口内を荒らしていった。
「ん…ふあ…、ん」
「鈴、もっと口を開けて…、舌を出して…私の舌と絡ませて…。そういい子。
これが、恋人同士のキスだよ。鈴」
「ふぁ…」
「気持ちイイ?目がトロンとしてるね…」
俺の頬に手を当てて、クスリと笑う隼人さん。
だって、こんなの…はじめてだし。
それに、こんな間近で隼人さんの顔、みるのも始めて。
隼人さんは眼鏡を外すとベッドの脇に置いた。
いつもはレンズ越しにみる青い瞳が、ユラユラと熱が灯っている。
普段は冷静な隼人さんなのに。その目は少しギラついていた。
俺を見て、こうなっているの?
隼人さんも、俺とエッチしたいって思ってる?
俺と同じ気持ちなの…?
「もっと気持ちイイこと、鈴に教えてもいい?」
「気持ちいい…こと?」
「そう。例えば、ここを触るとかね…」
隼人さんは、俺のズボンを下げてパンツに手を差し入れ眠っていた俺のペニスに手をかけた。
予想だにしなかった隼人さんの行動に、ビクンと体が跳ねる。
「ひゃ…、は、隼人さん…」
「鈴はここを弄ったこと、ある?」
「ある…けど…」
「じゃあ、弄られたことは?」
「ないよ!そんな…。だって、誰ともしたことない」
「里桜とも?」
「あるわけないでしょ!」
いくらブラコンだからって、やれることとやれないことがある。
たかが触りあいっこ、なんてそんな風に思えない。
「じゃあ、私がはじめてか。嬉しいよ。鈴を大人にしてあげるのが私で…」
「んっ…」
クリクリと、隼人さんは俺のペニスの先端を親指の腹でなぞった。
身体の力が抜けそう。隼人さんが触ったところが、とけてしまいそうだ。
俺が出したものが、隼人さんの手を濡らしていく。
くちゅくちゅ、と卑猥な音が部屋に響いた。
「真っ赤だね鈴…可愛いな」
「恥ずかしいよ…。でも、可愛い…って、隼人さんに言われるの嬉しい…かな」
なんだか、隼人さんの特別に思えるから。
そう告げれば。
「そう。じゃあ、何度も言ってあげる。だから、もっと先の鈴の可愛い姿を包み隠さず私に見せて欲しいな。もっと可愛いエッチな鈴がみたい」
「エッチな…、俺…」
「そう。私は鈴が好きだから。鈴は私が嫌い?」
「好き…。俺も隼人さんが好きだよ。
お嫁さんにしてほしいって思うくらい好きだよ。ねぇ、これって夢じゃないよね?」
この間、見た夢の続き?
じゃなきゃ、こんな都合のいい展開なんてありえるの。
お酒が見せた幻覚なんじゃないの?
「夢じゃないよ? 私も鈴が好きだ、愛してるよ…。君をもっと私の手で泣かせたい」
隼人さんは俺の身体に覆いかぶさり、俺が身につけていたシャツのボタンを外していった。
人生、思い通りにはいかない。
好きな人と両想いになって、そのまま抱き合って…。
そう、抱き合うつもりだったのだ。
俺が、酒酔いでリバースしなければ。
隼人さんの手で、俺は2回も射精した。
優しく愛撫もされて身体はトロトロ。
もうメロメロー、なんでもしていいよ!隼人さんって気分だったのに。
ゲーゲー吐いてしまった俺を隼人さんは優しく解放してくれた。
エッチ最中に、いきなり吐きそうになるなんて。
キス中じゃなくてよかったけど、隼人さんにすごく迷惑かけてしまった。
隼人さん、トラウマになってないだろうか。
結局、吐いた後、具合悪いだろうから…、と隼人さんはそれ以上俺に手は出してくれなかった。隼人さんいわく、もしかしたら俺の心に身体がついていってないかもしれないとのことで。
これから、ゆっくりと隼人さんに慣れるように色々練習していくようで。
その第一歩が、昨日一緒に同じベッドで寝ることだった。
「ごめんね、隼人さん。俺ばっかり気持ちよくて。隼人さん1回もいってないよね?俺、何かしたほうがいい?」
「無理はしなくていいんだよ。鈴。私は鈴と結ばれたことが嬉しいから。ゆっくり、焦らず…だよ」
「うん…」
でも。不安なんだよ。
だって、隼人さん。すっごいかっこいいし。モテるし。
モタモタしてたら、ほかの女の人に奪われるんじゃないかって。不安で。
体を繋げれば、一瞬の繋がりができるんじゃないか…ってそう思って。
「俺、男だけどちゃんと待ってくれる?全然、いい身体じゃないかもしれないけど」
「何言ってるんですか。」
「だって、俺ばっかり焦ってる気がする。隼人さん、今だって落ち着いてるから…」
「そんなことありませんよ。ほら…」
そういって、隼人さんが俺の手をとって触れさせたのは、隼人さんのモノだった。
すごい…大きい。巨根である。
兄ちゃんと俺のモノしか実物で見たことないけど…多分、平均より大きいんじゃないかな。
「えっと…」
「熱いでしょう?私だって鈴に欲情してるんですよ?可愛い鈴を前に自分でもよくセーブしてるって思いますよ」
「じゃあ…」
「でも、今日はしません。男の意地です」
「なんなの、それ…変なのー」
くすくすと笑っていると、隼人さんも笑ってくれて。
俺たちは戯れるように足を絡めて、口づけあった。
今日初めてしたばかりなのに、まるで前から知っていたかのように、俺たちは何度も何度も口づけを交わし…俺はいつのまにか眠りに落ちていた。
だから、
「可哀想な鈴。こんな私に捕まって。
私は…、君を傷つけることしかできないのに。
私は君を絶対に、愛すことはできないのにね…」
そう、俺の寝顔を見ながら隼人さんが呟いていたのを、知ることもなかったんだ。
「朝帰りならぬ、昼帰りって、ヤバイよね?兄ちゃん怒ってるかな」
「うーん。そうだな、兄貴に釘刺されたしなぁ…」
「釘?」
「鈴に手を出すな、ってね。鈴が可愛くて、つい出しちゃったけどね…」
「出しちゃった…って、でも…、未遂…だよね?」
俺、2回もいかされちゃったけど…でも、抱き合ってないし、これって未遂だよね?それとも手を出されたことになるのかな?
「そうだね…。次のステップはいつ進もうか…?」
「……っ!」
さわやかな笑顔を向けながら、俺の腰を抱く隼人さん。
その腰に回る手が、妖しげな動きをしているのは…気の所為?
それに、心なしか、昨日までは感じなかったエロエロオーラが隼人さんから溢れ出ている気がする。
なんでだろう。
どっからどう見ても、知的な眼鏡のお兄さんなのに、昨日と違って隼人さんがエロエロセクシーに見えちゃうのは。
普段のインテリメガネのお兄さんな隼人さんも好きだけど、今のちょっとエロチックな隼人さんも素敵だ。
隼人さんの一挙一動に悶絶する俺がいる。
「ダメです、エロエロ禁止…!まだお昼!」
「エロエロ?」
「小首傾げないでください!心臓に悪いから!ああ、もうすごいドキドキしてるし。隼人さんと恋人になったって、兄ちゃんにバレたら、どうしよう」
「多分、鈴がどれだけ隠したところで里桜にはすぐバレると思いますけどね…」
そんなこんなで、我が家の玄関の前に到着した。
俺は、そわそわしながら、ズボンのポケットから鍵を取り出してドアを開ける。
「た…ただいま」
恐々と扉を開けたけど…、あるはずの兄ちゃんの靴がなかった。
母さんも兄ちゃんも帰ってないらしい。
「兄ちゃん、どうしたのかな…友達の家かな?いつもメモ残してるのに」
「携帯に電話してみたら…?」
「俺、兄ちゃんの携帯の番号知らないんだ。俺も携帯持ってないから。だいたい、いつも一緒だしね…」
「いつも一緒、ね…。ほんと、1番厄介な敵は身内だな…」
隼人さんはポツリと呟くと、ご飯の用意をすると言って台所へ向かった。
ご飯、と聞いて俺のお腹がグーッとなり始める。
ラブホテルで時間ギリギリまで隼人さんとベタベタしてたから、朝ごはん食べていなかった。
「隼人さん、手伝えることある?」
「うーん。裸にエプロンして、アシスタントしてくれる?」
「ええ?」
「冗談です。すぐ出来ますから、ソファーで待っていてください」
なんだ、冗談か。隼人さん、真顔で冗談言うんだもん。
冗談言いそうな顔じゃないのに。
隼人さんが台所でご飯を作っているのをソファーでぼんやりと見つめていると赤く点滅する電話の子機のランプが見えた。
画面を見てみると、兄ちゃんの携帯と剛の携帯番号が表示されている。
ふたりとも、夜中連絡してくれたんだ。
「鈴?」
子機を持って廊下に出た俺を隼人さんが呼び止める。
「友達から、電話。ちょっとかけるね」
剛には、昨日再婚相手に会うと話してある。
昨日は俺も不安だったから、心配して電話をかけてくれたんだろう。
電話をかけて1コールで、剛は電話に出てくれた。
『で? どうだった? 相手の家族。良い奴か?』
「うん、それがね? 聞いてびっくりだよ?剛もよく知ってる人。
母ちゃんの結婚相手、小早川院長先生だったんだよ」
『そうかそうか~………何だって?』
「だから、あの、小早川先生。小早川病院の!母さんが勤めてる病院の先生だよ。剛もよく予防接種受けに言ったよね?」
「言ったけど…。ってまさか…。あの人が結婚相手ってことは…あいつが…」
「鈴、ご飯出来たよ。鈴が好きなもの、沢山作ったから。ご飯を食べて、またキスの練習でもしようか?」
『…ちょっと待て…今聞こえた声はまさか』
「ごめん、隼人さんが呼んでるや。
また学校で話すよ。じゃあね、剛」
電話口でまだ何かを言いかけている剛の声を聞かずに、俺は電話を切る。
待ちきれないとばかりに、背後から隼人さんが俺を抱きしめ首筋に口づけを落とした。
「ん…、隼人さん。ご飯…」
「剛君に聞かせれば良かったな。鈴の可愛い声。鈴は昨日私のものになったんだ、って。そしたら、ちょっかい出さなるかもしれないし…」
「ちょっかい??剛が?」
「そう。鈴、私はね、凄く嫉妬深いんだよ。本当は鈴を誰に見せることなく監禁したいって思っちゃうくらい…、すっごく心が狭い男なんです」
「そうなの?」
全然、見えないけど。隼人さん、大人な男って感じだし。
「だから、あまり私を翻弄しないでくださいね?私だけのものでいてください」
翻弄って。俺の方が翻弄されてる気がするんだけど。
隼人さんの視線が、心なしか、微かに揺れている。
隼人さんも不安、なのかな。
俺は隼人さんに背伸びをし、自分から掠めるくらいのキスをして、「俺は隼人さんのものだよ」と告げた。
「可愛いことを…」
隼人さんは、そのまま俺を横抱きにして、子供部屋まで連れていくと、ベッドに俺を押し倒した。
呆然としている俺のシャツに、隼人さんは手を潜り込ませる。
「えーっと、隼人さん。ご飯…」
「直ぐ終わります。鈴を味わったら…」
「ふえ?だ、だってまだお昼…」
「関係ないです。煽ったのは鈴です。」
「えええ?俺、なんかした??」
ちゅってしただけじゃん。
昨日もっと激しいキスしたし。
それに比べたら俺がしたことなんて、可愛いもんだし。
なのに…隼人さんの目は既にスイッチが入ってしまっている。
うっとりと俺を見つめて、それから鎖骨にキスマークをつけた。
「ここも、あまり見せないように。
鈴のここは、敏感ですぐつんと立ち上がるんですから…」
たくし上げられたシャツから覗く赤い乳首。
昨日散々そこも愛撫された。真っ赤になってしまうくらい。
俺の乳首は隼人さんの手で硬くなり、それとともに、俺の下半身はやんわりと起ちあがっていく。
「乳首だけでいけるように、ここもゆっくり調教していきましょうね…」
くにくにと親指と人指し指の腹で俺の乳頭を潰し刺激を送る。
ゾクゾクと背筋が戦慄いた。
「んん…や…。やだ…。俺、女の子じゃないし。
そんなとこ、触らなくても…」
「女の子じゃなくても、気持ちよくなれるんですよ?
そう、シャツの刺激だけでツンとたつようになって…。
私に触れられなくても、私の指を思い出して、芯が灯っていくんです。
心配だな、鈴のこの可愛い乳首に誘惑されて誰かに襲われないか」
「隼人さん…」
「でも、鈴…私は鈴を守るよ?誰にも襲われないように。これからは里桜の代わりに守るから…。だから、鈴はいつまでも私の可愛い鈴でいてくださいね…」
大好きな隼人さんの言葉に、もう反論する気も起きなくて。
俺は隼人さんの手に身をゆだねた。
身体が熱い。下半身が疼いてもどかしい。
なんだろう、溜まっているのかな…。
ふと、双眸を開くと、見知らぬ天井がある。
「ここは…」
今までの出来事を整理してみる。が、あいにく記憶の一部がない。
ここがどこだか、検討がつかない。
大きなベッドに生活感のない部屋。
どこかのホテルだろうか。
枕許にはティッシュ箱。それからコンドームがどーんと置いてあった。
「こ、近藤さん…!な、なんでこんなところに…」
使ったこともなければ、あまりお目にかかれないコンドームをまじまじと見てしまう。
可愛い鈴のイメージじゃない!ってえろ本も、剛や友達は見せてくれないけど、俺だって好きな人とやることには興味はあるわけで…。ごくごく、普通な高校生なわけで。
でも、なんで自分はこんな所に? と真横を見ればそこにはコンドームを超える衝撃。
大人の玩具グッズが大量に置いてあった。
バイブから、手錠、鞭や蝋燭まで。
何ここ。怖い。
俺、拉致でもされちゃったの?誘拐?
「…うう…兄ちゃ~ん」
ジワリと恐怖から涙が浮かんでくる。
って、こんな泣いている暇はない。
誘拐犯がいるのなら、早く逃げなくちゃ。
このままここにいたら危ない。
急いでベッドから降りようと、布団を跳ね除ける。と…
「鈴、起きたかい?具合はどう?」
聞き慣れた声。この声は…
「…隼人さん…?」
「うん。そう。どうしたの?怖がらせちゃったかな。」
優しく微笑んで、俺の頭を撫でて隼人さんは俺の隣に腰を下ろした。
「気分はどう?まだ、辛い?」
「だい…丈夫。あの…」
「ん?」
「……此処は?」
「ああ~ラブホだよ」
ラブホかぁ。
って、ラブホ?
隼人さんと二人で、今ラブホにいるってこと?
「な、なんで…」
「鈴、お酒飲んだの覚えているかい?
連れて帰る途中に具合悪いって鈴がつらそうだったから、急遽此処に入ったんだよ」
そうか。確かに透明な液体飲んでいい気分になって…それ以降の記憶がない。
俺、隼人さんにへんなこと言ったりしてないだろうか。
「…ごめんなさい、俺、粗相しなかった?」
「ふふ、どうかな…」
「ええ…」
「可愛かったよ。泣いて離してくれず、ぎゅってしてって。離れちゃやだ、ってね」
---そんな、俺、何してんの。酔ってることをいいことに。
ラブホに隼人さんを連れてくるなんて。
隼人さん、迷惑してるだろうな。
ただでさえ、俺、子供扱いされているのに。
酔っ払って駄々こねてラブホで介抱してもらうなんて。
「私と一緒でがっかりした?
もっと綺麗なお姉さんと一緒にいたかった?」
「そんな…こと…」
「ねぇ、鈴。ここが恋人同士で何するところか、鈴は知ってる?」
何するところって、そりゃぁ…
「え、エッチ…でしょ。
俺だって、それくらい知ってるよ。高校生なんだから…
可愛い鈴ちゃんなだけじゃないんだよ」
誰かときたことはないけど。
「そう。もう鈴も高校生になんだね…」
「そうだよ。もう子供じゃないんだから」
そう、子供じゃないんだよ。
エッチだって知ってるし、男同士でどうやるかだって、ちゃんと知ってるんだよ。
それでもって、俺は、隼人さんとしたいなんて思ってるんだよ。
恋人同士みたいなことを。
他でもない、隼人さんとやりたいな…って思っているんだよ。
「俺は、ちゃんと、大人なんだよ…。隼人さん」
俺、へんなこと言ってる。
でも一度出た言葉は取り消すことができなくて。
「俺、隼人さんと、エッチしたい…」
気づいたら俺は、熱に浮かされたようにそんな言葉を呟いていた。
「鈴、嬉しいよ…。でもね、こういうのは、好きな人と…」
やんわりと断る隼人さんは、いやになるくらいいつもどおり。
感情顕にしているのは、俺だけだ。
隼人さんはまだ、子供扱いして、俺の告白を流そうとしている。
「俺、隼人さんが好きだもん。お嫁さんにして欲しいって思うくらい好きなんだもん。
愛してるんだもん」
冗談になんて、されたくないよ。
俺、本気なんだよ。
どうして、好きって言っても気持ちが伝わらないんだ。
冗談にされて、涙腺が緩む。
こんなことで泣きそうになるなんて、子供だって呆れられる。
急いで涙を拭おうとする手を、隼人さんに掴まれた。
「鈴…、悪い子だね…。大人をからかうなんて…。
理性なんてなくして、私も悪い大人になってしまいそうだ…」
「隼人さん?」
「悪い狼にそんなこと言ってると…、ただじゃすまなくなるよ?…たとえば…」
「んっ…」
隼人さんの唇が、俺の唇を塞ぐ。
はじめてのキスは軽いものじゃなくて、隼人さんの舌は激しく俺の口内を荒らしていった。
「ん…ふあ…、ん」
「鈴、もっと口を開けて…、舌を出して…私の舌と絡ませて…。そういい子。
これが、恋人同士のキスだよ。鈴」
「ふぁ…」
「気持ちイイ?目がトロンとしてるね…」
俺の頬に手を当てて、クスリと笑う隼人さん。
だって、こんなの…はじめてだし。
それに、こんな間近で隼人さんの顔、みるのも始めて。
隼人さんは眼鏡を外すとベッドの脇に置いた。
いつもはレンズ越しにみる青い瞳が、ユラユラと熱が灯っている。
普段は冷静な隼人さんなのに。その目は少しギラついていた。
俺を見て、こうなっているの?
隼人さんも、俺とエッチしたいって思ってる?
俺と同じ気持ちなの…?
「もっと気持ちイイこと、鈴に教えてもいい?」
「気持ちいい…こと?」
「そう。例えば、ここを触るとかね…」
隼人さんは、俺のズボンを下げてパンツに手を差し入れ眠っていた俺のペニスに手をかけた。
予想だにしなかった隼人さんの行動に、ビクンと体が跳ねる。
「ひゃ…、は、隼人さん…」
「鈴はここを弄ったこと、ある?」
「ある…けど…」
「じゃあ、弄られたことは?」
「ないよ!そんな…。だって、誰ともしたことない」
「里桜とも?」
「あるわけないでしょ!」
いくらブラコンだからって、やれることとやれないことがある。
たかが触りあいっこ、なんてそんな風に思えない。
「じゃあ、私がはじめてか。嬉しいよ。鈴を大人にしてあげるのが私で…」
「んっ…」
クリクリと、隼人さんは俺のペニスの先端を親指の腹でなぞった。
身体の力が抜けそう。隼人さんが触ったところが、とけてしまいそうだ。
俺が出したものが、隼人さんの手を濡らしていく。
くちゅくちゅ、と卑猥な音が部屋に響いた。
「真っ赤だね鈴…可愛いな」
「恥ずかしいよ…。でも、可愛い…って、隼人さんに言われるの嬉しい…かな」
なんだか、隼人さんの特別に思えるから。
そう告げれば。
「そう。じゃあ、何度も言ってあげる。だから、もっと先の鈴の可愛い姿を包み隠さず私に見せて欲しいな。もっと可愛いエッチな鈴がみたい」
「エッチな…、俺…」
「そう。私は鈴が好きだから。鈴は私が嫌い?」
「好き…。俺も隼人さんが好きだよ。
お嫁さんにしてほしいって思うくらい好きだよ。ねぇ、これって夢じゃないよね?」
この間、見た夢の続き?
じゃなきゃ、こんな都合のいい展開なんてありえるの。
お酒が見せた幻覚なんじゃないの?
「夢じゃないよ? 私も鈴が好きだ、愛してるよ…。君をもっと私の手で泣かせたい」
隼人さんは俺の身体に覆いかぶさり、俺が身につけていたシャツのボタンを外していった。
人生、思い通りにはいかない。
好きな人と両想いになって、そのまま抱き合って…。
そう、抱き合うつもりだったのだ。
俺が、酒酔いでリバースしなければ。
隼人さんの手で、俺は2回も射精した。
優しく愛撫もされて身体はトロトロ。
もうメロメロー、なんでもしていいよ!隼人さんって気分だったのに。
ゲーゲー吐いてしまった俺を隼人さんは優しく解放してくれた。
エッチ最中に、いきなり吐きそうになるなんて。
キス中じゃなくてよかったけど、隼人さんにすごく迷惑かけてしまった。
隼人さん、トラウマになってないだろうか。
結局、吐いた後、具合悪いだろうから…、と隼人さんはそれ以上俺に手は出してくれなかった。隼人さんいわく、もしかしたら俺の心に身体がついていってないかもしれないとのことで。
これから、ゆっくりと隼人さんに慣れるように色々練習していくようで。
その第一歩が、昨日一緒に同じベッドで寝ることだった。
「ごめんね、隼人さん。俺ばっかり気持ちよくて。隼人さん1回もいってないよね?俺、何かしたほうがいい?」
「無理はしなくていいんだよ。鈴。私は鈴と結ばれたことが嬉しいから。ゆっくり、焦らず…だよ」
「うん…」
でも。不安なんだよ。
だって、隼人さん。すっごいかっこいいし。モテるし。
モタモタしてたら、ほかの女の人に奪われるんじゃないかって。不安で。
体を繋げれば、一瞬の繋がりができるんじゃないか…ってそう思って。
「俺、男だけどちゃんと待ってくれる?全然、いい身体じゃないかもしれないけど」
「何言ってるんですか。」
「だって、俺ばっかり焦ってる気がする。隼人さん、今だって落ち着いてるから…」
「そんなことありませんよ。ほら…」
そういって、隼人さんが俺の手をとって触れさせたのは、隼人さんのモノだった。
すごい…大きい。巨根である。
兄ちゃんと俺のモノしか実物で見たことないけど…多分、平均より大きいんじゃないかな。
「えっと…」
「熱いでしょう?私だって鈴に欲情してるんですよ?可愛い鈴を前に自分でもよくセーブしてるって思いますよ」
「じゃあ…」
「でも、今日はしません。男の意地です」
「なんなの、それ…変なのー」
くすくすと笑っていると、隼人さんも笑ってくれて。
俺たちは戯れるように足を絡めて、口づけあった。
今日初めてしたばかりなのに、まるで前から知っていたかのように、俺たちは何度も何度も口づけを交わし…俺はいつのまにか眠りに落ちていた。
だから、
「可哀想な鈴。こんな私に捕まって。
私は…、君を傷つけることしかできないのに。
私は君を絶対に、愛すことはできないのにね…」
そう、俺の寝顔を見ながら隼人さんが呟いていたのを、知ることもなかったんだ。
「朝帰りならぬ、昼帰りって、ヤバイよね?兄ちゃん怒ってるかな」
「うーん。そうだな、兄貴に釘刺されたしなぁ…」
「釘?」
「鈴に手を出すな、ってね。鈴が可愛くて、つい出しちゃったけどね…」
「出しちゃった…って、でも…、未遂…だよね?」
俺、2回もいかされちゃったけど…でも、抱き合ってないし、これって未遂だよね?それとも手を出されたことになるのかな?
「そうだね…。次のステップはいつ進もうか…?」
「……っ!」
さわやかな笑顔を向けながら、俺の腰を抱く隼人さん。
その腰に回る手が、妖しげな動きをしているのは…気の所為?
それに、心なしか、昨日までは感じなかったエロエロオーラが隼人さんから溢れ出ている気がする。
なんでだろう。
どっからどう見ても、知的な眼鏡のお兄さんなのに、昨日と違って隼人さんがエロエロセクシーに見えちゃうのは。
普段のインテリメガネのお兄さんな隼人さんも好きだけど、今のちょっとエロチックな隼人さんも素敵だ。
隼人さんの一挙一動に悶絶する俺がいる。
「ダメです、エロエロ禁止…!まだお昼!」
「エロエロ?」
「小首傾げないでください!心臓に悪いから!ああ、もうすごいドキドキしてるし。隼人さんと恋人になったって、兄ちゃんにバレたら、どうしよう」
「多分、鈴がどれだけ隠したところで里桜にはすぐバレると思いますけどね…」
そんなこんなで、我が家の玄関の前に到着した。
俺は、そわそわしながら、ズボンのポケットから鍵を取り出してドアを開ける。
「た…ただいま」
恐々と扉を開けたけど…、あるはずの兄ちゃんの靴がなかった。
母さんも兄ちゃんも帰ってないらしい。
「兄ちゃん、どうしたのかな…友達の家かな?いつもメモ残してるのに」
「携帯に電話してみたら…?」
「俺、兄ちゃんの携帯の番号知らないんだ。俺も携帯持ってないから。だいたい、いつも一緒だしね…」
「いつも一緒、ね…。ほんと、1番厄介な敵は身内だな…」
隼人さんはポツリと呟くと、ご飯の用意をすると言って台所へ向かった。
ご飯、と聞いて俺のお腹がグーッとなり始める。
ラブホテルで時間ギリギリまで隼人さんとベタベタしてたから、朝ごはん食べていなかった。
「隼人さん、手伝えることある?」
「うーん。裸にエプロンして、アシスタントしてくれる?」
「ええ?」
「冗談です。すぐ出来ますから、ソファーで待っていてください」
なんだ、冗談か。隼人さん、真顔で冗談言うんだもん。
冗談言いそうな顔じゃないのに。
隼人さんが台所でご飯を作っているのをソファーでぼんやりと見つめていると赤く点滅する電話の子機のランプが見えた。
画面を見てみると、兄ちゃんの携帯と剛の携帯番号が表示されている。
ふたりとも、夜中連絡してくれたんだ。
「鈴?」
子機を持って廊下に出た俺を隼人さんが呼び止める。
「友達から、電話。ちょっとかけるね」
剛には、昨日再婚相手に会うと話してある。
昨日は俺も不安だったから、心配して電話をかけてくれたんだろう。
電話をかけて1コールで、剛は電話に出てくれた。
『で? どうだった? 相手の家族。良い奴か?』
「うん、それがね? 聞いてびっくりだよ?剛もよく知ってる人。
母ちゃんの結婚相手、小早川院長先生だったんだよ」
『そうかそうか~………何だって?』
「だから、あの、小早川先生。小早川病院の!母さんが勤めてる病院の先生だよ。剛もよく予防接種受けに言ったよね?」
「言ったけど…。ってまさか…。あの人が結婚相手ってことは…あいつが…」
「鈴、ご飯出来たよ。鈴が好きなもの、沢山作ったから。ご飯を食べて、またキスの練習でもしようか?」
『…ちょっと待て…今聞こえた声はまさか』
「ごめん、隼人さんが呼んでるや。
また学校で話すよ。じゃあね、剛」
電話口でまだ何かを言いかけている剛の声を聞かずに、俺は電話を切る。
待ちきれないとばかりに、背後から隼人さんが俺を抱きしめ首筋に口づけを落とした。
「ん…、隼人さん。ご飯…」
「剛君に聞かせれば良かったな。鈴の可愛い声。鈴は昨日私のものになったんだ、って。そしたら、ちょっかい出さなるかもしれないし…」
「ちょっかい??剛が?」
「そう。鈴、私はね、凄く嫉妬深いんだよ。本当は鈴を誰に見せることなく監禁したいって思っちゃうくらい…、すっごく心が狭い男なんです」
「そうなの?」
全然、見えないけど。隼人さん、大人な男って感じだし。
「だから、あまり私を翻弄しないでくださいね?私だけのものでいてください」
翻弄って。俺の方が翻弄されてる気がするんだけど。
隼人さんの視線が、心なしか、微かに揺れている。
隼人さんも不安、なのかな。
俺は隼人さんに背伸びをし、自分から掠めるくらいのキスをして、「俺は隼人さんのものだよ」と告げた。
「可愛いことを…」
隼人さんは、そのまま俺を横抱きにして、子供部屋まで連れていくと、ベッドに俺を押し倒した。
呆然としている俺のシャツに、隼人さんは手を潜り込ませる。
「えーっと、隼人さん。ご飯…」
「直ぐ終わります。鈴を味わったら…」
「ふえ?だ、だってまだお昼…」
「関係ないです。煽ったのは鈴です。」
「えええ?俺、なんかした??」
ちゅってしただけじゃん。
昨日もっと激しいキスしたし。
それに比べたら俺がしたことなんて、可愛いもんだし。
なのに…隼人さんの目は既にスイッチが入ってしまっている。
うっとりと俺を見つめて、それから鎖骨にキスマークをつけた。
「ここも、あまり見せないように。
鈴のここは、敏感ですぐつんと立ち上がるんですから…」
たくし上げられたシャツから覗く赤い乳首。
昨日散々そこも愛撫された。真っ赤になってしまうくらい。
俺の乳首は隼人さんの手で硬くなり、それとともに、俺の下半身はやんわりと起ちあがっていく。
「乳首だけでいけるように、ここもゆっくり調教していきましょうね…」
くにくにと親指と人指し指の腹で俺の乳頭を潰し刺激を送る。
ゾクゾクと背筋が戦慄いた。
「んん…や…。やだ…。俺、女の子じゃないし。
そんなとこ、触らなくても…」
「女の子じゃなくても、気持ちよくなれるんですよ?
そう、シャツの刺激だけでツンとたつようになって…。
私に触れられなくても、私の指を思い出して、芯が灯っていくんです。
心配だな、鈴のこの可愛い乳首に誘惑されて誰かに襲われないか」
「隼人さん…」
「でも、鈴…私は鈴を守るよ?誰にも襲われないように。これからは里桜の代わりに守るから…。だから、鈴はいつまでも私の可愛い鈴でいてくださいね…」
大好きな隼人さんの言葉に、もう反論する気も起きなくて。
俺は隼人さんの手に身をゆだねた。
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