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03.
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「リエラ! どういう事だ!」
「──はい? お兄様のせいでございましょう?」
王宮勤めのお兄は、帰るなりリエラの部屋に乗り込んで憤怒している。
したかしないか分からないようなノックの後、直ぐ部屋に飛び込んで来た為、ソファで腹ばいで寝転んでいた姿を直す暇もなかった。
その様子に一瞬気を逸らしたので、違う雷が落ちるかもという希望が頭を掠めたが、ブレずに本題に進んでしまったのを残念に思う。
そして兄が怒りを露わにする醜聞。……それは、
「平民女に婚約者を取られたとはどういう事だ!?」
というものだった。
──いや、婚約していませんから。
と、聞いた瞬間リエラは呆けてしまった。
はっと意識を取り戻した後に教えてくれた友人たちに真実を話してきたけれど……
ゆっくりと身を起こし、兄──レイモンドに付き合う為に座り直す。
(……私に友好的な彼女たちは噂を否定してくれるでしょう)
とは言え、自分の方がムカついているというのに、何故兄に怒鳴られなければならないのだろうと、こめかみに青筋が浮かびそうである。
「あの席は第三王子殿下の計らいで用意された場なんだぞ!」
……だから。
(だからなんですよ、お兄様!)
リエラは、はぁと溜息を吐いた。
「……お兄様、あの席はロイヤルシートでした」
「だ、だから何だ。王子殿下のご厚意で……」
リエラの怒りを感じ取ったらしいレイモンドが、僅かに気勢を削がれた。
「王家御用達の、貴族も利用するレストランの、皆が注目する席でしたのよ?」
あの目立つ席で騒ぎ立てれば、そりゃあ醜聞もあっと言う間に広がるというものだ。
「な、何だとっ」
「ご存知で無かったのですか? あの店のロイヤルシートは王族の姿を非公式で拝める場所としても人気ですのに」
そう、お見合いの席は中二階の高さにある、とても目立つ場所だったのだ。当然他の席より一段も二段も高い。
「……というか、そんな我が家の醜聞に第三王子殿下を巻き込んでしまった事はきちんと謝ってらしたのかしら?」
「そ、それは……」
──兄は目に見えて焦っている。
セドリー伯爵は王族の名前で縛って、絶対に息子を貴族女性と婚約させようとしてたんだろう。確かにあの男が平民を妻にすればセドリー家の未来は良くて没落、悪くてお取り潰しだ。
そんな親の心子知らずである。
あの馬鹿息子は父親の放った難球を打ち返し、あろう事か王族に怪我をさせてしまった。
……という訳で、「第三王子殿下の為にお願い!」というリエラの頼みを友人たちは張り切って叶えてくれているところである。上手くいけば殿下に名前を覚えて貰える。ついでにリエラの名誉も回復してくれる筈だ。友達なので。
「──その話は明日王城でするつもりだよ」
「あら、お父様」
リエラは顔を綻ばせた。
腹ばいを止めておいて良かったと思う。大好きな父に眉を顰められるのは流石に悲しい。
既に開いていたドアを軽く叩き、父──アロット伯爵はリエラに優しく微笑んだ。リエラもにこにこと笑顔を返す。それから父は兄に困った顔で向き直った。
「レイモンド、もう少し相手を選びなさい」
そう言われ、兄の動揺は増した。
(ふ、ざまあみなさい。お兄様って容姿はお父様に似て素敵なのに中身はイマイチなのよね)
兄は眩い金髪に深い青の瞳で、羨ましいくらい父と母のいいところ取りの容姿なのだ。
父の整った容姿に母の美しい色彩。リエラは父親似全開で、顔立ちは祖母に似て色彩は父と同じである。
父親が大好きなのであまり悲観した事はないのだが、羨ましく思わない事はない。
(まあ、でも人間中身よね。そうなのよ……)
レイモンドに余計なお世話だと叱られそうなので口にした事は無いけれど。リエラは内心で溜息を吐いた。
「しかし、殿下の名を出されては……」
「そうだとしても相手の素性を調べはするものだし、あちらが王族という訳ではないのだから、断る事も出来ただろう」
……どうやら父にはお断り案件だったようだ。王家の名を出されては無理かと思っていたけど、やっぱり流石は我がお父様である。
私のお父様、素敵とニコニコしていたら、父がくるりとこちらに向き直った。
「リエラ、お前も明日一緒に王城に来なさい」
「え? わ、私もですか??」
貰い事故である。
リエラが驚きに固まっていると、兄のせせら笑いの気配を感じた。
「勿論私もレイモンドも行くけれど、殿下がお前に謝りたいそうだからね」
「えっと、私は別に……殿下からの謝罪を受け取るような立場ではありませんもの……お父様とお兄様だけでよろしいのでは?」
(行きたくない……)
リエラは異性限定で人見知りだった。
それなのに第三王子殿下だなんて……不敬を働いたら大変な事くらい理解できる。
「そういう訳にはいかないよ、こちらの不手際も否めない状況ではあるけれど、心無い噂に殿下は心を痛めていらっしゃるようだからね。当事者の君の謝罪は必要だよ。分かるね、リエラ?」
「、はい……」
父はここぞという場で有無を言わせない雰囲気を作るのが上手い。そんな圧力に小さくなって頷くリエラに満足そうに頷いて、退室して行った。
兄もちらりとリエラを見てその後に続く。
ついでにボソボソと謝罪の言葉を口にしていたけど、場違いに怒っていた時の声と声量が全然違った。……いいけれど、別に。
ただ、だからモテないのよお兄は、なんて悪態を内心で吐いておいたのは内緒である。まあ人の事も言えないし。
(それにしても明日、王城かあ)
気が乗らない。行きたくない。
──とは言え父に迷惑を掛ける訳にはいかない。
(淑女スマイルを一日頑張って、何とか乗り切ろう) リエラはぐっと拳を作った。
「──はい? お兄様のせいでございましょう?」
王宮勤めのお兄は、帰るなりリエラの部屋に乗り込んで憤怒している。
したかしないか分からないようなノックの後、直ぐ部屋に飛び込んで来た為、ソファで腹ばいで寝転んでいた姿を直す暇もなかった。
その様子に一瞬気を逸らしたので、違う雷が落ちるかもという希望が頭を掠めたが、ブレずに本題に進んでしまったのを残念に思う。
そして兄が怒りを露わにする醜聞。……それは、
「平民女に婚約者を取られたとはどういう事だ!?」
というものだった。
──いや、婚約していませんから。
と、聞いた瞬間リエラは呆けてしまった。
はっと意識を取り戻した後に教えてくれた友人たちに真実を話してきたけれど……
ゆっくりと身を起こし、兄──レイモンドに付き合う為に座り直す。
(……私に友好的な彼女たちは噂を否定してくれるでしょう)
とは言え、自分の方がムカついているというのに、何故兄に怒鳴られなければならないのだろうと、こめかみに青筋が浮かびそうである。
「あの席は第三王子殿下の計らいで用意された場なんだぞ!」
……だから。
(だからなんですよ、お兄様!)
リエラは、はぁと溜息を吐いた。
「……お兄様、あの席はロイヤルシートでした」
「だ、だから何だ。王子殿下のご厚意で……」
リエラの怒りを感じ取ったらしいレイモンドが、僅かに気勢を削がれた。
「王家御用達の、貴族も利用するレストランの、皆が注目する席でしたのよ?」
あの目立つ席で騒ぎ立てれば、そりゃあ醜聞もあっと言う間に広がるというものだ。
「な、何だとっ」
「ご存知で無かったのですか? あの店のロイヤルシートは王族の姿を非公式で拝める場所としても人気ですのに」
そう、お見合いの席は中二階の高さにある、とても目立つ場所だったのだ。当然他の席より一段も二段も高い。
「……というか、そんな我が家の醜聞に第三王子殿下を巻き込んでしまった事はきちんと謝ってらしたのかしら?」
「そ、それは……」
──兄は目に見えて焦っている。
セドリー伯爵は王族の名前で縛って、絶対に息子を貴族女性と婚約させようとしてたんだろう。確かにあの男が平民を妻にすればセドリー家の未来は良くて没落、悪くてお取り潰しだ。
そんな親の心子知らずである。
あの馬鹿息子は父親の放った難球を打ち返し、あろう事か王族に怪我をさせてしまった。
……という訳で、「第三王子殿下の為にお願い!」というリエラの頼みを友人たちは張り切って叶えてくれているところである。上手くいけば殿下に名前を覚えて貰える。ついでにリエラの名誉も回復してくれる筈だ。友達なので。
「──その話は明日王城でするつもりだよ」
「あら、お父様」
リエラは顔を綻ばせた。
腹ばいを止めておいて良かったと思う。大好きな父に眉を顰められるのは流石に悲しい。
既に開いていたドアを軽く叩き、父──アロット伯爵はリエラに優しく微笑んだ。リエラもにこにこと笑顔を返す。それから父は兄に困った顔で向き直った。
「レイモンド、もう少し相手を選びなさい」
そう言われ、兄の動揺は増した。
(ふ、ざまあみなさい。お兄様って容姿はお父様に似て素敵なのに中身はイマイチなのよね)
兄は眩い金髪に深い青の瞳で、羨ましいくらい父と母のいいところ取りの容姿なのだ。
父の整った容姿に母の美しい色彩。リエラは父親似全開で、顔立ちは祖母に似て色彩は父と同じである。
父親が大好きなのであまり悲観した事はないのだが、羨ましく思わない事はない。
(まあ、でも人間中身よね。そうなのよ……)
レイモンドに余計なお世話だと叱られそうなので口にした事は無いけれど。リエラは内心で溜息を吐いた。
「しかし、殿下の名を出されては……」
「そうだとしても相手の素性を調べはするものだし、あちらが王族という訳ではないのだから、断る事も出来ただろう」
……どうやら父にはお断り案件だったようだ。王家の名を出されては無理かと思っていたけど、やっぱり流石は我がお父様である。
私のお父様、素敵とニコニコしていたら、父がくるりとこちらに向き直った。
「リエラ、お前も明日一緒に王城に来なさい」
「え? わ、私もですか??」
貰い事故である。
リエラが驚きに固まっていると、兄のせせら笑いの気配を感じた。
「勿論私もレイモンドも行くけれど、殿下がお前に謝りたいそうだからね」
「えっと、私は別に……殿下からの謝罪を受け取るような立場ではありませんもの……お父様とお兄様だけでよろしいのでは?」
(行きたくない……)
リエラは異性限定で人見知りだった。
それなのに第三王子殿下だなんて……不敬を働いたら大変な事くらい理解できる。
「そういう訳にはいかないよ、こちらの不手際も否めない状況ではあるけれど、心無い噂に殿下は心を痛めていらっしゃるようだからね。当事者の君の謝罪は必要だよ。分かるね、リエラ?」
「、はい……」
父はここぞという場で有無を言わせない雰囲気を作るのが上手い。そんな圧力に小さくなって頷くリエラに満足そうに頷いて、退室して行った。
兄もちらりとリエラを見てその後に続く。
ついでにボソボソと謝罪の言葉を口にしていたけど、場違いに怒っていた時の声と声量が全然違った。……いいけれど、別に。
ただ、だからモテないのよお兄は、なんて悪態を内心で吐いておいたのは内緒である。まあ人の事も言えないし。
(それにしても明日、王城かあ)
気が乗らない。行きたくない。
──とは言え父に迷惑を掛ける訳にはいかない。
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