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3章
ハルモニア
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「お前、自分の住んでる森の名前も知らないのか?」
とローランドはフォノンに呆れたように言いました。
「だって、森は森でしょ。名前なんかなくても困ったことないよ。」
フォノンは口を尖らせて言います。フォノンが住んでいる森の名前が、カルマートと呼ばれていると初めて知ったのです。
「あのな。それじゃ違う土地の森に行った時区別がつかないだろう?地図を見ても自分がどこにいるかわからないじゃないか」
「だって、この森から出るなんて今まで考えたこと無かったから」
「いつか世界を旅したいんじゃなかったのか?」
とローランドは容赦ありません。
「だから、いつか、だよ。そのうち、勉強するつもりだったんだって」
とフォノンは言い訳をしてしまいます。
確かに今まで地図を読んだことがなく、ノバが話してくれた国々も遠くにある、くらいしか知らなかったのです。
「いつか、なんていつ来るかわからないんだぞ。それに、そのうち、はずっと来ない」
「わかったよ。お父さんに言って教えてもらうよ」
二人は話しながら森の中を歩いています。
二人の後からユニとシンが黙ってついてきています。
時々、小鳥がフォノンの肩や頭に止まっては、チチチと鳴いて飛び立っていきます。
ユニとシンが少し離れてるのをちらりと見て、フォノンはこっそりローランドに囁きましました。
「つけてきてる人も動物も見当たらないって」
「そうか。あやしい気配は俺も感じない。ただ、森は気配が多すぎるからな、用心に越したことはない。じゃあそろそろ小屋へ向かおう」
フォノン達は盗賊達が後をつけて来てないか確かめるため、小屋まで遠回りをしていました。そして念のため小鳥達に見張りをお願いしていたのです。
日が暮れてきました。
森の気配が濃くなってきます。
「小屋はまだ?」
ユニがフォノンに聞きました。心なしか声に不安が含まれています。遠回りした分、だいぶ歩いているのです。
「もうすぐだよ」
とフォノンが答えました。
「ユニ、シン疲れたかい?」
二人の少年はどうやら長い旅をして来たようです。しかも長い間盗賊に狙われていたとあっては、疲れない方が不思議です。
それでもユニは言いました。
「俺は大丈夫だ。でもシン、疲れたか?」
と帽子をかぶっている弟に向かって聞きました。
シンは首を横に振ります。
「大丈夫、だそうだ」
ユニが言いました。それにしてもシンは無口です。
「じゃあもう少し頑張って」
やがて、煙が見えてきました。
小屋の暖炉から立ち上る煙に違いありません。
「お腹空いてる?お母さんに何か作ってもらわなきゃ」
と言った途端、フォノンのお腹が鳴りました。
「昼ごはん食べそこねたからなあ」
そしてついに小屋が見えて来ました。
「ただいま」
とフォノンは勢いよく扉をあけました。
「おかえり」
「おかえり」
とマリアとノバが言いました。マリアは食事の支度をしていて、ノバも畑から帰って来たばかりのようです。
「今日はお客さんがいるんだ」
小さな影が入ってきました。
「ローランド!こんばんは」
「やあ!ノバにマリア。こんばんは」
ローランドは言いました。
「でも今日のお客さんはこちらだ」
ユニとシンが入り口に立っているのに気づいたマリアが言いました。
「あら、新しいお友達?どうぞ入って」
ユニとシンは寄り添いながら小屋の中へ入って来ました。
「ノバ様とマリア様ですか?」
とユニが確かめるように聞きました。
ノバ様?マリア様?ぎょっとしてフォノンはユニを見ました。
「そうだが......」
とノバも訝しみながら答えました。
ユニは叫ぶように言いました。
「どうぞこの国を!ハルモニアを助けて下さい!」
「……どういうことかな?」
とノバはフォノンに聞きました。
フォノンは首を振りました。
「わからないよ。実は……」
と今日、盗賊に襲われていた二人を助けた事をノバとマリアに話しました。
話を聞き終わったノバはユニとシンを見て思慮深く言いました。
「なるほど。この辺りに盗賊が出るのは最近よく聞く話だ。だが町からつけて来て、子供をさらう盗賊という話はまだ聞いたことがない。何か事情はあるようだね?」
ユニは答えました。
「はい。話せば長くなりますが、ぜひ聞いていただき、そしてハルモニアを助けていただきたいのです。」
ノバの隣に立っていたマリアが言いました。
「話が長くなるのなら」
テーブルを見やります。
「座って、みんなで食事をしながら聞きましょう」
「それがいいよ」
とフォノンも言いました。盗賊の騒動で昼ごはんを食べそこねてすっかりお腹が空いていました。
「ところでハルモニアって何?」
とローランドはフォノンに呆れたように言いました。
「だって、森は森でしょ。名前なんかなくても困ったことないよ。」
フォノンは口を尖らせて言います。フォノンが住んでいる森の名前が、カルマートと呼ばれていると初めて知ったのです。
「あのな。それじゃ違う土地の森に行った時区別がつかないだろう?地図を見ても自分がどこにいるかわからないじゃないか」
「だって、この森から出るなんて今まで考えたこと無かったから」
「いつか世界を旅したいんじゃなかったのか?」
とローランドは容赦ありません。
「だから、いつか、だよ。そのうち、勉強するつもりだったんだって」
とフォノンは言い訳をしてしまいます。
確かに今まで地図を読んだことがなく、ノバが話してくれた国々も遠くにある、くらいしか知らなかったのです。
「いつか、なんていつ来るかわからないんだぞ。それに、そのうち、はずっと来ない」
「わかったよ。お父さんに言って教えてもらうよ」
二人は話しながら森の中を歩いています。
二人の後からユニとシンが黙ってついてきています。
時々、小鳥がフォノンの肩や頭に止まっては、チチチと鳴いて飛び立っていきます。
ユニとシンが少し離れてるのをちらりと見て、フォノンはこっそりローランドに囁きましました。
「つけてきてる人も動物も見当たらないって」
「そうか。あやしい気配は俺も感じない。ただ、森は気配が多すぎるからな、用心に越したことはない。じゃあそろそろ小屋へ向かおう」
フォノン達は盗賊達が後をつけて来てないか確かめるため、小屋まで遠回りをしていました。そして念のため小鳥達に見張りをお願いしていたのです。
日が暮れてきました。
森の気配が濃くなってきます。
「小屋はまだ?」
ユニがフォノンに聞きました。心なしか声に不安が含まれています。遠回りした分、だいぶ歩いているのです。
「もうすぐだよ」
とフォノンが答えました。
「ユニ、シン疲れたかい?」
二人の少年はどうやら長い旅をして来たようです。しかも長い間盗賊に狙われていたとあっては、疲れない方が不思議です。
それでもユニは言いました。
「俺は大丈夫だ。でもシン、疲れたか?」
と帽子をかぶっている弟に向かって聞きました。
シンは首を横に振ります。
「大丈夫、だそうだ」
ユニが言いました。それにしてもシンは無口です。
「じゃあもう少し頑張って」
やがて、煙が見えてきました。
小屋の暖炉から立ち上る煙に違いありません。
「お腹空いてる?お母さんに何か作ってもらわなきゃ」
と言った途端、フォノンのお腹が鳴りました。
「昼ごはん食べそこねたからなあ」
そしてついに小屋が見えて来ました。
「ただいま」
とフォノンは勢いよく扉をあけました。
「おかえり」
「おかえり」
とマリアとノバが言いました。マリアは食事の支度をしていて、ノバも畑から帰って来たばかりのようです。
「今日はお客さんがいるんだ」
小さな影が入ってきました。
「ローランド!こんばんは」
「やあ!ノバにマリア。こんばんは」
ローランドは言いました。
「でも今日のお客さんはこちらだ」
ユニとシンが入り口に立っているのに気づいたマリアが言いました。
「あら、新しいお友達?どうぞ入って」
ユニとシンは寄り添いながら小屋の中へ入って来ました。
「ノバ様とマリア様ですか?」
とユニが確かめるように聞きました。
ノバ様?マリア様?ぎょっとしてフォノンはユニを見ました。
「そうだが......」
とノバも訝しみながら答えました。
ユニは叫ぶように言いました。
「どうぞこの国を!ハルモニアを助けて下さい!」
「……どういうことかな?」
とノバはフォノンに聞きました。
フォノンは首を振りました。
「わからないよ。実は……」
と今日、盗賊に襲われていた二人を助けた事をノバとマリアに話しました。
話を聞き終わったノバはユニとシンを見て思慮深く言いました。
「なるほど。この辺りに盗賊が出るのは最近よく聞く話だ。だが町からつけて来て、子供をさらう盗賊という話はまだ聞いたことがない。何か事情はあるようだね?」
ユニは答えました。
「はい。話せば長くなりますが、ぜひ聞いていただき、そしてハルモニアを助けていただきたいのです。」
ノバの隣に立っていたマリアが言いました。
「話が長くなるのなら」
テーブルを見やります。
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