自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第440話 村での出来事を振り返る

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湖の中にもダンジョンの出入り口があるっていう説があるらしい。半分正解だね。
プニョン君はこの付近のエリアだったら、湖の中でも森の中でもダンジョンの入り口を作る事はできるんだ。
でも、今湖の底にもぐって探したとしてもダンジョンの出入り口は見つからない。
プニョン君は今トラップに凝っているから、トラップので出口は沢山作るけど、普通の出入り口を作ると管理が面倒臭いとかで
ずっと穴が開いているような出入り口とかは、もともとあまり用意していないらしいんだ。

それとレイクサーペントはダンジョンから出て来たわけじゃないからなぁ。あ、これだけで半分不正解ってことかな。
でも村の人だとか冒険者の人だとかからすると、レイクサーペントがダンジョンから出て来たかどうかは結構重要らしい。
ダンジョンから出て来て湖に現れたのなら、ダンジョン内にまだレイクサーペントがいればまた湖にやってくるのじゃないかって考えているそうだ。

そもそもプニョンダンジョンは、トラップばかりであまり下層まで攻略がすすんでいないから、どんなフロアボスが出てくるのか知られていなくて色々想像されているのかな。
フロアボスは出て来てなくても、ダンジョンマスターのプニョン君はダンジョンの入り口辺りをウロウロしてたんだけどね。

暫く遊戯室で話をしていたんだけど、遊戯室に設置されていた投げ矢をラルフ君が投げ始めて、その流れで皆で交代で投げ矢をやった。
まだ外の様子がちょっと気になっていたから、テーブルボールより静かな投げ矢を選んだ感じだ。

別の怒鳴り声や叫び声とか騒がしい声が聞こえて来ているわけじゃなかったんだけど、別の場所でピンクサーモン令嬢が事情聴取されているらしかったから、
まだ宿の中にいるのかどうかが気になっちゃったんだ。

そんなに長い時間経たないうちに、夕食の時間で呼ばれた。夕食の席に叔父様がいたので、どうなったのか聞いたら
一旦場所を移して、お話を聞いているところだって言っていた。

「何か大きな声で騒いでいる令嬢がいらしたわね。」

夕食を食べている時に、アリサ姉様が言い始めた。その話題をして良いのかがよくわからなかったので黙ってたんだけど、アリサ姉様も気になっていたらしい。

「そうだね。令嬢は何か勘違いをしていたみたいだったよ。詳しい話はね、今別のところで訊いてもらっているよ。」
叔父様は涼しげな笑みを口元に浮かべてアリサ姉様に応えていた。

「そうなの?お祭りの時もなのだけど、この村に来ている貴族の令嬢とか令息って、激しい方が多い感じがするわね。
王都の学園に通っている方達なのでしょう?ケニー兄様が学園に入学したら、あの方達とも会う機会があるのかしら。」
「兄様と!?」

アリサ姉様が、急に兄様の名前を出したので、思わず声を上げてしまった。
ちょっと声が響いちゃって、母様が僕を嗜めるようにチラリと目線を動かした。怒れちゃうかな。

「ごめんなさい。兄様のお名前がでたから。」
「ソーマはケニー兄様が大好きだものね。」
「うん!兄様大好き!」

えへへと笑うと、アリサ姉様がちょっと呆れたみたいに目を細めた。

「何か問題がある方達なのだったら、ケニー兄様にもお伝えしておいた方が良いのかと思っただけよ。」
「そうだね。村でのお話は兄様にも知らせなくっちゃ。」

父様がレイクサーペントをバッタバッタと切り倒した話とか、お話ししたい。あ、映像も見せちゃおうかな。

「‥‥何かワクワクしているみたいな顔をするわね。‥‥まあ、ソーマは村で見た事だとか自由にご連絡すれば良いと思うわ。」
「うん。」

アリサ姉様が訝しげな表情になった。あ、ピンクサーモン令嬢とかの話だったっけ。
村での出来事ってクラークさんがエッダさんに婚約破棄宣言をしたとか、クラークさんが行方不明になったとか、エッダさんに殺人容疑がかかったとか。
オタマジャクシ魔獣が大量発生したとか、それの黒幕がどうやらマカロ男爵で、本当に悪の総帥だったかもって話だとか‥‥、あ、ワクワクしなさそうな事ばっかりだった。
でも父様がレイクサーペントをやっつけたのは格好よかったんだよね‥‥。
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