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第23章 瑛太9
第230話 自転車
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「エイター。」
バタバタしていて放置してしまっていたケイン君は、一人で積み木遊びをしていた。ちなみに積み木は尾市さん作だ。
木のブロックを高く積み上げてニコニコしているケイン君に微笑み返す。
「ケイン君、いい子にしてたね。」
「ん!」
満足そうな笑顔を見てワイちゃんが「かわいー」といって、ケイン君に寄り添った。ケイン君はニコニコしながら、両手を俺に差し出した。
「ケイもスマホー」
「うん?またスマホ使ってみたいの?」
俺が、自分の携帯をケイン君に差し出すと、ケイン君が両手でそれを受け取った。
「よいしょっと。」
ケイン君を抱え上げて膝の上に座らせた。俺の膝の上に乗りながらケイン君がスマホを弄った。
「えへへ。」
ケイン君は写真アプリを開いたり、MOINEアプリを開いたり、ぱっぱと変わる画面を楽しんでいるようだった。
最初のうちは、写真アプリをうっかり消しちゃったりしたら大変だと、ケイン君の手元を細かくチェックしていたのだが、
上手に操作しているので、好きに弄らせておく事にしている。機嫌良く遊んでいるしね。
でも、今日はいつもより気分が高揚していたので、ケイン君の頭をポンポンと撫でて、ケイン君の肩越しから話しかけた。
「ケイン君~。俺達、今日は凄く良い事があったんだよ。」
「よいこと~?」
ケイン君は、画面を操作している手を少しだけ止めて顔を上げた。
「うん。お兄ちゃん達の家族とお話できたんだ。」
「かぞく~?」
ケインが顔を俺の方に向けた。
「エイター、うれし?」
「うん。嬉しい。凄く嬉しいよ。」
「よかったね!」
「ありがとう。」
「えへへ。」
ケイン君がニコニコする。無邪気で可愛いよな。
ほのぼのしていたらノックの音がした。返事をすると江角さん達が部屋に入って来た。何やら大きい麻袋を背負っている。
「おう。ちょっと相談に来たんだが。」
俺と藍ちゃん、ワイちゃんは互いの顔を見合わせた。江角さんが真剣そうな様子なので、もしかして江角さん達もMOINEで家族と繋がったりしたのかもと思ったのだ。
江角さんは麻袋を開けた。開けてすぐのと頃に畳んで入れられていた厚手の布を取り出した。それを柄舟さんが受け取り床に敷いた。
そうして、麻袋から何だか見た事ああるようなフォルムの物体を取り出して、布の上に逆さに置いた。
そう、「逆さ」ってわかるんだ。
タイヤが二個ついている。逆さまになっていて、ハンドルが下側になるように置かれた。ペダルが少し揺れた。
「自転車?」
「正解!」
江角さん達が出して来たその物体は、自転車だった。
前々から自転車欲しい、作りたいって言っていたんだよな。
「なんとか、見よう見真似っていうか、こんな感じかなって思ってチェーンまでは作ったんだ。後はブレーキかなと思うんだが仕組みがいまいち判らない。」
「え?相談ってまさか自転車にブレーキの構造ですか?何で俺に?」
「瑛太っていうかサスケイ様の資料にないかと思ってさ。圭君、自転車について何か書いてたりしない?」
「あ~‥‥。」
江角さん達は時々、圭の事を「サスケイ様」と呼ぶ。
植物の種やら、物の作り方などの資料だとか、ビックリするくらい大量に準備をしていた事について敬意を表してのことらしい。
開拓村の人達にも「サスケイ様の恩恵」なんて言い出していて、妙にくすぐったいような感じだ。
バタバタしていて放置してしまっていたケイン君は、一人で積み木遊びをしていた。ちなみに積み木は尾市さん作だ。
木のブロックを高く積み上げてニコニコしているケイン君に微笑み返す。
「ケイン君、いい子にしてたね。」
「ん!」
満足そうな笑顔を見てワイちゃんが「かわいー」といって、ケイン君に寄り添った。ケイン君はニコニコしながら、両手を俺に差し出した。
「ケイもスマホー」
「うん?またスマホ使ってみたいの?」
俺が、自分の携帯をケイン君に差し出すと、ケイン君が両手でそれを受け取った。
「よいしょっと。」
ケイン君を抱え上げて膝の上に座らせた。俺の膝の上に乗りながらケイン君がスマホを弄った。
「えへへ。」
ケイン君は写真アプリを開いたり、MOINEアプリを開いたり、ぱっぱと変わる画面を楽しんでいるようだった。
最初のうちは、写真アプリをうっかり消しちゃったりしたら大変だと、ケイン君の手元を細かくチェックしていたのだが、
上手に操作しているので、好きに弄らせておく事にしている。機嫌良く遊んでいるしね。
でも、今日はいつもより気分が高揚していたので、ケイン君の頭をポンポンと撫でて、ケイン君の肩越しから話しかけた。
「ケイン君~。俺達、今日は凄く良い事があったんだよ。」
「よいこと~?」
ケイン君は、画面を操作している手を少しだけ止めて顔を上げた。
「うん。お兄ちゃん達の家族とお話できたんだ。」
「かぞく~?」
ケインが顔を俺の方に向けた。
「エイター、うれし?」
「うん。嬉しい。凄く嬉しいよ。」
「よかったね!」
「ありがとう。」
「えへへ。」
ケイン君がニコニコする。無邪気で可愛いよな。
ほのぼのしていたらノックの音がした。返事をすると江角さん達が部屋に入って来た。何やら大きい麻袋を背負っている。
「おう。ちょっと相談に来たんだが。」
俺と藍ちゃん、ワイちゃんは互いの顔を見合わせた。江角さんが真剣そうな様子なので、もしかして江角さん達もMOINEで家族と繋がったりしたのかもと思ったのだ。
江角さんは麻袋を開けた。開けてすぐのと頃に畳んで入れられていた厚手の布を取り出した。それを柄舟さんが受け取り床に敷いた。
そうして、麻袋から何だか見た事ああるようなフォルムの物体を取り出して、布の上に逆さに置いた。
そう、「逆さ」ってわかるんだ。
タイヤが二個ついている。逆さまになっていて、ハンドルが下側になるように置かれた。ペダルが少し揺れた。
「自転車?」
「正解!」
江角さん達が出して来たその物体は、自転車だった。
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「なんとか、見よう見真似っていうか、こんな感じかなって思ってチェーンまでは作ったんだ。後はブレーキかなと思うんだが仕組みがいまいち判らない。」
「え?相談ってまさか自転車にブレーキの構造ですか?何で俺に?」
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「あ~‥‥。」
江角さん達は時々、圭の事を「サスケイ様」と呼ぶ。
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