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第22章 広田3
第225話 森で見つけたもの
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どのくらい、その場に座り込んでいたのだろうか。辺りが暗くなって来ていた。
武井さんが徐に立ち上がり、杖と短剣を拾い上げた。
そして、放り投げられていた毛布を畳み始めた。
「‥‥逃げられないにしてもさ。ちょっとでも居心地が良い場所に移動するのはできるだろう。
横になるにしたって、苔だとか落ち葉だとかがある辺りが良いし。」
確かに足下はごつごつした石が転がっていて、座り心地はよくなかった。
移動か。立ち上がってみたけど、呪具は反応しなかった。逃げたいという気持ちにならないように気をつけて移動をすることにした。
周辺を歩き回っていたら、開けた場所に出た。地面がこんもりと盛り上がっている場所もあり平坦ではないけど、草が沢山生えているので寝転ぶのには向いているかもしれない。
「ここにしてみるか‥‥。お、薬草が生えているぞ。」
武井さんはそう言って足下に生えていた植物を採って俺に見せてくれた。
ミントのような何となくスッキリした匂いがする草だ。細長い尖った葉っぱで、葉脈に黒っぽい線が入っている。
「葉っぱを揉んで傷口にぬるといいらしいよ。」
そう言われて俺もその薬草を探してみた。薬草の知識はないから、他にも薬草が生えているかもしれないが判断ができない。
途中で、武井さんが「これも薬草」と教えてくれたものをじっくりみて覚えて、探して採取する。
採取した薬草を一カ所にまとめて積み上げていたのだが、途中で、ふっと笑いがこみ上げてきた。
「何で、俺達薬草集めてるんですかね。死ぬって言うのに‥‥。」
「魔獣が来ない間はさ、生き長らえるわけだよ。そのときに飢え死にしたり、転んだ怪我が化膿したなんて理由で死ぬのも嫌だろう?」
「魔獣‥‥出ないってことですか?」
「そうとは限らないけど、今迄、遠吠え一つ聞いていないじゃないか?もしかして、森の浅い場所には、あまり魔獣がいないんじゃないかな。」
毛布に巻かれて連れて来られてしまったので、現在地が森の浅い場所なのか深い場所なのかはわからない。
しかし、武井さんは森の浅い場所、という認識のようだ。
騎士達もあまり森の奥には行かないのかもしれない。森の出口が見えない程度の浅い場所なのだろうか。
そう言われて魔獣が出て来ない場合の事を考える。
薬草はあるけど、他の食糧は?騎士がお情けでくれたパンと水筒だけだ。
「‥‥食べられる草とかは‥‥。」
「知らん。」
「餓死コースじゃないですか!」
「毒じゃなきゃ食べられるんじゃない?一般的な毒草はわかるよ。」
俺は溜め息をついた。
「一瞬、森の中暮らしを思い描きましたが‥‥。」
「森の中暮らし、いいねぇ。‥‥お?なんだ?」
薬草を探してしゃがみ込んでいた武井さんが意外そうな声を上げた。
「どうしました?」
俺は手を止めて、武井さんの方を見た。
武井さんは土が盛り上がった辺りの上にいて、草をかき分けている。
「なにか、木の棒が地面に突き刺さっているんだけどさ。ちょっと人工物っぽくて。‥‥あ‥‥。」
武井さんの手が突然止まった。そして、そろそろと四つん這い状態で後退をし始めた。
「え?どうしたんですか?」
「‥‥墓だよ、これ、多分‥‥。」
「ええ?」
姿勢を正して両手を合わせ拝んでいる武井さんに恐る恐る近付く。
「木の棒がさ、ナイフで削ったみたいになってるんで、よく見たら、文字っぽいものが書いてあるみたいにみえたんだよね。そういうのって、お墓でしょ。」
「文字って、人の名前ですか?」
「土がついててよく見えなかったんだよね。うーん‥‥。少しだけ水を使ってもよい? 布で吹いてみよう。」
「え?拭くんですか?誰のだか判らないお墓を?」
「供養してあげないとね。お墓だったら、その上を踏んじゃったみたいだし。」
「そ、そうですね‥‥。」
いまのままだと、墓場を荒らしたみたいな状態になっている。それはちょっと怖いというか、悪い事をした感じがする。
布の切れ端を少し水で濡らして、地面から突き出ていた木の棒を武井さんがそっと拭っていった。
武井さんが徐に立ち上がり、杖と短剣を拾い上げた。
そして、放り投げられていた毛布を畳み始めた。
「‥‥逃げられないにしてもさ。ちょっとでも居心地が良い場所に移動するのはできるだろう。
横になるにしたって、苔だとか落ち葉だとかがある辺りが良いし。」
確かに足下はごつごつした石が転がっていて、座り心地はよくなかった。
移動か。立ち上がってみたけど、呪具は反応しなかった。逃げたいという気持ちにならないように気をつけて移動をすることにした。
周辺を歩き回っていたら、開けた場所に出た。地面がこんもりと盛り上がっている場所もあり平坦ではないけど、草が沢山生えているので寝転ぶのには向いているかもしれない。
「ここにしてみるか‥‥。お、薬草が生えているぞ。」
武井さんはそう言って足下に生えていた植物を採って俺に見せてくれた。
ミントのような何となくスッキリした匂いがする草だ。細長い尖った葉っぱで、葉脈に黒っぽい線が入っている。
「葉っぱを揉んで傷口にぬるといいらしいよ。」
そう言われて俺もその薬草を探してみた。薬草の知識はないから、他にも薬草が生えているかもしれないが判断ができない。
途中で、武井さんが「これも薬草」と教えてくれたものをじっくりみて覚えて、探して採取する。
採取した薬草を一カ所にまとめて積み上げていたのだが、途中で、ふっと笑いがこみ上げてきた。
「何で、俺達薬草集めてるんですかね。死ぬって言うのに‥‥。」
「魔獣が来ない間はさ、生き長らえるわけだよ。そのときに飢え死にしたり、転んだ怪我が化膿したなんて理由で死ぬのも嫌だろう?」
「魔獣‥‥出ないってことですか?」
「そうとは限らないけど、今迄、遠吠え一つ聞いていないじゃないか?もしかして、森の浅い場所には、あまり魔獣がいないんじゃないかな。」
毛布に巻かれて連れて来られてしまったので、現在地が森の浅い場所なのか深い場所なのかはわからない。
しかし、武井さんは森の浅い場所、という認識のようだ。
騎士達もあまり森の奥には行かないのかもしれない。森の出口が見えない程度の浅い場所なのだろうか。
そう言われて魔獣が出て来ない場合の事を考える。
薬草はあるけど、他の食糧は?騎士がお情けでくれたパンと水筒だけだ。
「‥‥食べられる草とかは‥‥。」
「知らん。」
「餓死コースじゃないですか!」
「毒じゃなきゃ食べられるんじゃない?一般的な毒草はわかるよ。」
俺は溜め息をついた。
「一瞬、森の中暮らしを思い描きましたが‥‥。」
「森の中暮らし、いいねぇ。‥‥お?なんだ?」
薬草を探してしゃがみ込んでいた武井さんが意外そうな声を上げた。
「どうしました?」
俺は手を止めて、武井さんの方を見た。
武井さんは土が盛り上がった辺りの上にいて、草をかき分けている。
「なにか、木の棒が地面に突き刺さっているんだけどさ。ちょっと人工物っぽくて。‥‥あ‥‥。」
武井さんの手が突然止まった。そして、そろそろと四つん這い状態で後退をし始めた。
「え?どうしたんですか?」
「‥‥墓だよ、これ、多分‥‥。」
「ええ?」
姿勢を正して両手を合わせ拝んでいる武井さんに恐る恐る近付く。
「木の棒がさ、ナイフで削ったみたいになってるんで、よく見たら、文字っぽいものが書いてあるみたいにみえたんだよね。そういうのって、お墓でしょ。」
「文字って、人の名前ですか?」
「土がついててよく見えなかったんだよね。うーん‥‥。少しだけ水を使ってもよい? 布で吹いてみよう。」
「え?拭くんですか?誰のだか判らないお墓を?」
「供養してあげないとね。お墓だったら、その上を踏んじゃったみたいだし。」
「そ、そうですね‥‥。」
いまのままだと、墓場を荒らしたみたいな状態になっている。それはちょっと怖いというか、悪い事をした感じがする。
布の切れ端を少し水で濡らして、地面から突き出ていた木の棒を武井さんがそっと拭っていった。
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