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第3章 4 カフェテリアで
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オリエンテーリングの後、筆記用具をしまっているとドロシーが声を掛けて来た。
「ねぇ、ヒルダ。ランチはどうする?」
「ランチ…そうね。今日は大学生活初日だったから何も持ってきていないわ。いつもならランチを用意して来るのだけど」
「いつもなら…?ヒルダはランチを持って何処かへ出かけてたの?」
ドロシーが不思議そうに首を傾げる。
「ええ、高校生の頃から私がお世話になっている整形外科の診療所でアルバイトをしていたの。休みの間もやっていたわ」
「お世話になっていた…?ああ…そうだったのね」
ドロシーが納得したように言う。
「?」
「ごめんなさい。教室に入るときにヒルダの姿が見えたの。足を引きずって歩いていたから。何処か怪我したのかと思って…あ!御免なさいっ!これだから私って駄目なのよね。思っていたことを何でもすぐに口に出してしまうから…周りから性格がきついとか色々言われてしまうのよ」
自分の頭をこつんとこずくドロシーを見てヒルダはクスリと笑った。
「そんな事無いわ。むしろはっきり言って貰った方が私としてはいいもの」
今まで誰もがヒルダの足を気遣って、はっきり口に出してはいなかったが逆にヒルダはその事を重荷に思っていた。だからドロシーの様に心の内を隠さずに話してくれる相手は新鮮で、安心できた。
「そう?私それじゃ良い友達になれそう?」
「ええ」
ヒルダは笑顔で頷く。
「よし、それじゃランチを食べに行きましょう」
「そうね。行きましょうか」
ドロシーが立ち上がったので、ヒルダも席を立った。そして2人は仲良く連れ立って教室を出て行った―。
****
大学のキャンパス内は大勢の学生達で賑わっていた。あちこちでは在校生たちが新入生をサークルやクラブ活動に誘い込むために呼び込みをしていた。
「見て。この大学はサークル活動が盛んみたいね」
カフェテリアを目指して歩きながらドロシーが言った。
「ええ、そうね。ドロシーはどこかサークルに入るの?」
「う~ん…文芸部とかなら入ることを考えてもいいけど…アルバイトをしたいしね…」
「アルバイト?一体どんなアルバイトを考えているの?」
「やっぱり大学生と言ったら家庭教師のアルバイトでしょう?これが一番よ」
「家庭教師…」
(そう言えばルドルフは高校生の時に既に家庭教師のアルバイトをしていたわね‥)
「ヒルダ、どうかした?」
不意に黙ったヒルダにドロシーが声を掛けて来た。
「いいえ。何でもないわ。ところでどこのカフェテリアに入るつもりなの?」
ヒルダが尋ねると、ドロシーが前方を指さした。
「ほら、あのカフェテリアよ」
そこには『ハンバーガー』と書かれたブラック―どが店先に出されていた。
「まぁ、ハンバーガーがこの大学で食べられるの?」
「ええ、そうよ。ヒルダはハンバーガー好き?」
「ええ、とっても好き」
(だって…よくルドルフと一緒に食べたもの。それにお兄様とも…)
「そうなの?それじゃ早速行きましょう」
「ええ」
そして2人はハンバーガーが食べられるカフェテラスを目指した。
****
「良かったわね。ヒルダ。席が空いていて」
店内にある2人掛けの丸テーブルに場所を取ることが出来たヒルダとドロシーは着席した。2人は美味しそうにハンバーガーを食べている。
「それにしても、やっぱ男子学生ばかりね」
ドロシーが店内を見渡しながら言う。
「ええ。そうね…」
店内には女子学生は数えるほどしかいない。
「あ~あ…男子学生ばかりでむさ苦しいわ。女子だけが通える大学があればいいのに」
(ドロシーは男性が苦手なのかしら…)
「でも、いつかは女性だけが入学できる大学が出来るかも知れないわよ。それに…」
そこまで言いかけて、ヒルダは息を飲んだ。その視線の先には…。
(え…?う、嘘‥?)
ガタン!
ヒルダは席を立った。
「ヒルダ?どうしたの?、まだ食べ終わっていないじゃない」
ドロシーが不思議そうに首を傾げるも、ヒルダの耳には入って来ない。
(まさか…!あの人は…!)
ヒルダは足を引きずりながらその人物を目指した。
「ちょ、ちょっと!ヒルダッ!」
「…」
しかし、ドロシーの制止も聞かずにヒルダはそのまま前に突き進む。
そして、その人物の袖を捕らえた。
「お兄様っ?!」
ヒルダは男子学生に向かって叫んでいた―。
「ねぇ、ヒルダ。ランチはどうする?」
「ランチ…そうね。今日は大学生活初日だったから何も持ってきていないわ。いつもならランチを用意して来るのだけど」
「いつもなら…?ヒルダはランチを持って何処かへ出かけてたの?」
ドロシーが不思議そうに首を傾げる。
「ええ、高校生の頃から私がお世話になっている整形外科の診療所でアルバイトをしていたの。休みの間もやっていたわ」
「お世話になっていた…?ああ…そうだったのね」
ドロシーが納得したように言う。
「?」
「ごめんなさい。教室に入るときにヒルダの姿が見えたの。足を引きずって歩いていたから。何処か怪我したのかと思って…あ!御免なさいっ!これだから私って駄目なのよね。思っていたことを何でもすぐに口に出してしまうから…周りから性格がきついとか色々言われてしまうのよ」
自分の頭をこつんとこずくドロシーを見てヒルダはクスリと笑った。
「そんな事無いわ。むしろはっきり言って貰った方が私としてはいいもの」
今まで誰もがヒルダの足を気遣って、はっきり口に出してはいなかったが逆にヒルダはその事を重荷に思っていた。だからドロシーの様に心の内を隠さずに話してくれる相手は新鮮で、安心できた。
「そう?私それじゃ良い友達になれそう?」
「ええ」
ヒルダは笑顔で頷く。
「よし、それじゃランチを食べに行きましょう」
「そうね。行きましょうか」
ドロシーが立ち上がったので、ヒルダも席を立った。そして2人は仲良く連れ立って教室を出て行った―。
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大学のキャンパス内は大勢の学生達で賑わっていた。あちこちでは在校生たちが新入生をサークルやクラブ活動に誘い込むために呼び込みをしていた。
「見て。この大学はサークル活動が盛んみたいね」
カフェテリアを目指して歩きながらドロシーが言った。
「ええ、そうね。ドロシーはどこかサークルに入るの?」
「う~ん…文芸部とかなら入ることを考えてもいいけど…アルバイトをしたいしね…」
「アルバイト?一体どんなアルバイトを考えているの?」
「やっぱり大学生と言ったら家庭教師のアルバイトでしょう?これが一番よ」
「家庭教師…」
(そう言えばルドルフは高校生の時に既に家庭教師のアルバイトをしていたわね‥)
「ヒルダ、どうかした?」
不意に黙ったヒルダにドロシーが声を掛けて来た。
「いいえ。何でもないわ。ところでどこのカフェテリアに入るつもりなの?」
ヒルダが尋ねると、ドロシーが前方を指さした。
「ほら、あのカフェテリアよ」
そこには『ハンバーガー』と書かれたブラック―どが店先に出されていた。
「まぁ、ハンバーガーがこの大学で食べられるの?」
「ええ、そうよ。ヒルダはハンバーガー好き?」
「ええ、とっても好き」
(だって…よくルドルフと一緒に食べたもの。それにお兄様とも…)
「そうなの?それじゃ早速行きましょう」
「ええ」
そして2人はハンバーガーが食べられるカフェテラスを目指した。
****
「良かったわね。ヒルダ。席が空いていて」
店内にある2人掛けの丸テーブルに場所を取ることが出来たヒルダとドロシーは着席した。2人は美味しそうにハンバーガーを食べている。
「それにしても、やっぱ男子学生ばかりね」
ドロシーが店内を見渡しながら言う。
「ええ。そうね…」
店内には女子学生は数えるほどしかいない。
「あ~あ…男子学生ばかりでむさ苦しいわ。女子だけが通える大学があればいいのに」
(ドロシーは男性が苦手なのかしら…)
「でも、いつかは女性だけが入学できる大学が出来るかも知れないわよ。それに…」
そこまで言いかけて、ヒルダは息を飲んだ。その視線の先には…。
(え…?う、嘘‥?)
ガタン!
ヒルダは席を立った。
「ヒルダ?どうしたの?、まだ食べ終わっていないじゃない」
ドロシーが不思議そうに首を傾げるも、ヒルダの耳には入って来ない。
(まさか…!あの人は…!)
ヒルダは足を引きずりながらその人物を目指した。
「ちょ、ちょっと!ヒルダッ!」
「…」
しかし、ドロシーの制止も聞かずにヒルダはそのまま前に突き進む。
そして、その人物の袖を捕らえた。
「お兄様っ?!」
ヒルダは男子学生に向かって叫んでいた―。
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